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【K-1】安保瑠輝也がまたも延長戦でゲーオを振り切る、KANAが延長戦を制して女子初代王者に、武居由樹は3度のダウンを奪いタフな相手を退ける、木村“フィリップ”ミノルが6連続KO達成

2019/12/28 16:12
「K-1 WORLD GP 2019 JAPAN ~初代女子フライ級王座決定トーナメント&スーパー・ライト級タイトルマッチ~」2019年12月28日(土)愛知ドルフィンズ・アリーナ(愛知県体育館) ▼第15試合 K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R・延長1R〇安保瑠輝也(team ALL-WIN/王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×ゲーオ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/挑戦者)※安保が初防衛に成功。本戦の判定は29-29、28-29、29-29。  両者は今年6月のK-1両国国技館大会で対戦し、この時は王者ゲーオに安保が挑戦する形で、延長戦に及ぶ接戦の末に安保が判定勝ちして王座を奪取した。立場を入れ替えてのダイレクトリマッチは両選手からの再戦アピールがあり、今回は完全決着戦。  1R、前に出るのは安保。強い右ローを蹴って二段蹴りも見せる。サウスポーのゲーオに対して安保もサウスポーになって左ストレートを打つ。ゲーオがストレートを連打。左ストレートでガードを固めさせてのヒザ蹴り、そして重い左ローを蹴る。安保は“打ってこい”と挑発。  2R、安保は二段蹴りと右ミドル、蹴りをどんどん繰り出していく。ゲーオは近付いて左ストレートを出すが安保はガードする。ゲーオはプッシュして左ヒザをボディへ。これに手応えあったか、ゲーオはパンチ、前蹴り、ヒザでボディを狙う。安保のパンチ連打にゲーオは身体を密着させてのヒザ蹴りで応戦。  3R、サウスポーで左ストレートを放つ安保にゲーオも左ストレートからヒザ蹴り。お互いにストレートを当て合う。前に出るゲーオが左ストレートからのヒザを連打する。安保はボディからの右ストレート。ゲーオは左ミドルを蹴ってヒザにつなぐが、組み付きに警告を受けた。左右のストレートを繰り出す安保は左フックをヒットさせ、ゲーオは組み付きに行く。  判定はジャッジ1名がゲーオを支持したがドロー。前回同様またも延長戦へ突入することに。パンチで前へ出る安保にゲーオは組み付いてしまう。ゲーオは左ミドルからヒザ蹴りも組み付きで警告。手が全く出なかったゲーオだが、パンチを繰り出す安保に合わせて左ミドルと前蹴り。  判定は3-0で安保が初防衛に成功したが、安保はうつむいたまま笑顔もなくまるで敗者のよう。ベルトを巻かれて手を上げられても表情は曇ったままだ。安保はマイクを持つと「すいません、大口叩いてしまって。自分と周りが望んでいた結果ではなかったです。まだ自分は弱いので、来年は自分がK-1の顔としてやっていくと言いましたが、まだ自分には出来ないので鍛え直して本当に自信がある最高の状態まで持っていけるように頑張ります。すいません」と、もっと強くなることを誓った。 ▼第14試合 K-1 WORLD GP女子フライ級王座決定トーナメント決勝 3分3R・延長1R〇KANA(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第2代・第4代K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者)延長R 判定2-1 ※10-9、9-10、10-9×ヨセフィン・ノットソン(スウェーデン/Allstars training center/IFMA世界女子フライ級王者)※KANAが初代王座に就く。本戦の判定は29-28、29-29、29-29。 「K-1 WORLD GP 女子フライ級王座決定トーナメント」の決勝戦は、KANAとノットソンの3度目の対決となった。2018年11月の初対決ではKANA、今年3月の再戦ではノットソンがそれぞれ判定勝ちしている。1勝1敗で迎える決着戦を制し、K-1初の女子王座に就くのはどっちか。  1R、前へ出てプレッシャーをかけるノットソンにKANAはステップを使って左へ回り込む。ノットソンは前蹴りを突破口にパンチにつなげる。KANAは右のクロスを狙っていく。ノットソンはプレッシャーをかけて速い連打をまとめる。KANAは1回戦で多用したロングフックのような右ストレートを狙う。  2R、さらに前へ出てくるノットソンは左右フックの連打から蹴り。スピードのある手数が出る。KANAは右ローとジャブで応戦し、右ロングフック。パンチも蹴りも多く繰り出してくるノットソン。KANAは手数が少なかったが、ついに右フックをクリーンヒットさせてパンチのラッシュ。ノットソンが防戦一方となる。  3R、KANAは開始と同時に胴廻し回転蹴りの奇襲攻撃。ノットソンはやはり前へ出てきてローからパンチ、パンチからハイキックと攻撃をつなげていく。KANAも打ち合うが、ノットソンの手数が上回る。ノットソンが飛びヒザ蹴り、ボディへのヒザ蹴り、バックハンドブローと多彩な技を繰り出す中、残り15秒でKANAがラッシュを仕掛ける。ノットソンも前蹴りとヒザ蹴りで応戦し、試合終了。  ジャッジ1名が29-28でKANAを支持したが、2名がドローで延長戦へ。パンチと蹴りで手数を出すノットソンにKANAはローを蹴っていく。ノットソンのパンチをかわすKANAだが、自分もクリーンヒットを奪えない。ノットソンは前蹴りで突き放す。残り30秒、ノットソンは接近戦でヒザ蹴り、KANAはパンチでラッシュをかける。ノットソンはクリンチに。前半のノットソンか、後半のKANAか。  判定は2-1と割れ、KANAが勝利。その場に泣き崩れ落ちるKANA。K-1初の女子タイトルのベルトを巻いた。  KANAはマイクを持つと「本当に精神的にキツくて。このベルトは自分が獲らないと終わってしまうし、自分が優勝しないと来年の名古屋大会が出来ないと思って必死に頑張りました。そして出場してくれたヨセフィン、メロニー、クリスティーナありがとうございました。このベルトを巻いてリングを降りると応援してくれる人たちと約束して、ベルトを巻いて降りることが出来ます。このK-1の女子の舞台をもっともっと女子選手が目指してほしいと思います。自分が先頭を切ってこのK-1女子を背負っていきます。K-1最高!」と、思いのたけを語った。 [nextpage] ▼第13試合 スーパーファイト -56kg契約 3分3R・延長1R〇武居由樹(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者)判定3-0 ※30-25、30-24、30-25×スリヤンレック・オーボートー.ガムピー(タイ/オーボートー.ガムピージム/ラジャダムナンスタジアム認定スーパー・バンタム級4位、ルンピニースタジアム認定同級4位)  武居は6月に行われた「K-1 WORLD GP 2019スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」を全試合KOで制して以来の試合。  スリヤンレックはラジャダムナンスタジアム認定スーパー・バンタム級4位、ルンピニースタジアム認定同級4位と2大殿堂のランキングに名を連ねるほか、タイのテレビマッチである『ワンソンチャイ・フェザー級王者の肩書を持ち、戦績は148勝(21KO) 20敗2分。パンチを得意とするハードパンチャーで、激闘派ファイターとして名を馳せる。主戦場のラジャダムナンでは常にメインイベントかセミファイナルを務めるトップ選手だ。  1R、サウスポーの武居はスリヤンレックの奥足へ左ロー、さらに快音を発する左ミドル。これで後退したスリヤンレックへ左右ボディからの右フック連打でダウンを奪う。続いて飛びヒザ蹴りからの左フックでダウンを追加。強気に打ち合うスリヤンレックの右フックをもらう武居だが、武居が左右フックから三日月蹴り。ボディ、顔面と攻める武居だがスリヤンレックはタフで打ち返してくる。左フックをもらってロープにもたれかかっても復活してくるスリヤンレック。  2R、フットワークを使う武居にスリヤンレックは突進していく。武居はスリヤンレックを空振りさせての右フック。スリヤンレックは右ローを蹴る。武居は左ボディからの右フック、スリヤンレックは倒れかかるもすぐに立ち上がる。  武居の左ボディに下がるスリヤンレックだが、武居が倒しに来るとすぐに反撃。驚異のタフネスぶりを発揮する。スリヤンレックが左右ボディと左右フックで突進するが、武居が右ミドルへの右フックカウンターで強烈なダウンを奪う。しかし、立ち上がったスリヤンレックはダメージを感じさせず右ミドルを連打していく。  3Rが始まるとまたも突進するスリヤンレック。大振りのフックを繰り出すが、武居は余裕でステップでかわしていく。軽快に動きながらスリヤンレックの攻撃をかわし、左ストレートを打ち込んでいく武居。スリヤンレックの右ボディが強烈に決まり、ガッツポーズをしたスリヤンレックはラッシュをかける。ステップでかわしていく武居。スリヤンレックはローも蹴り、右フックもヒットさせる。前へ出ていくスリヤンレックだが、武居はステップでかわしきり、試合を終えた。  3度のダウンを奪った武居が大差の判定勝ち。武居は苦笑いを浮かべて頭を掻いた。 ▼第12試合 スーパーファイト -69kg契約 3分3R・延長1R〇木村“フィリップ”ミノル(K-1ジム五反田チームキングス/K-1 KRUSH FIGHTウェルター級王者)KO 1R 1分18秒 ※左フック×マーセル・アデイエミ(イギリス/ナイジェリア/WMCムエタイ-67kgイギリス王者)  今年はこの試合を含めると6試合を戦うことになる木村。しかもK-1全大会に出場し、全てKO勝利と圧倒的なパフォーマンスでK-1を牽引してきた。2019年のパーフェクトレコード達成に向けて出陣。  アデイエミはイギリス出身のナイジェリア人ファイター。恵まれた身体能力から繰り出すムエタイ仕込みのテクニック+トリッキーな技も得意にしている。戦績は23勝(10KO) 10敗。  1R、木村は左フックを打つとワンツーの連打から左右ボディ連打。アデイエミはガードをするのがやっとで、木村はまるでサンドバッグのように一方的にパンチを叩き込んでいく。左右ストレート連打、ボディへの連打、そして左フックで動きが止まったところでレフェリーがダウンを宣告、続いてアデイエミが前のめりに崩れ落ち、木村の戦慄のKO勝ちとなった。  2019年全試合KO勝ち、6連続KOを飾った木村は「僕の試合楽しいでしょう。面白かったですか? やっぱ僕はスター性が凄いですね。こんな最高の僕を応援してください。来年はベルトを獲りに行きます」と、K-1王座挑戦を宣言した。 [nextpage] ▼第11試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R・延長1R〇野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者)判定2-0 ※29-29、30-29、30-29×ハッサン・トイ(トルコ/ARJ Trainingen/2016年WFCA -68kgヨーロッパ王者&2015年WFL -65kg王者) 野杁は昨年からウェルター級に階級を上げ、所属もK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに変えて心機一転、3月大会ではvs日本人無敗を誇るK-1 KRUSH FIGHTスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーと対戦したが、判定2-0で惜敗。8月大会ではKO勝ちで再起を飾った。 トイは2016年WFCA -68kgヨーロッパ王者、2015年WFL -65kg王者で戦績は44勝(8KO)11敗。K-1でも活躍したイリアス・ブライドにも勝利しており、ヨーロッパではウェルター級屈指の実力者として知られている。184㎝の長身から繰り出す強烈なフックと鋭いヒザ蹴りを武器とし、圧倒的な試合運びで勝つ姿から“The Dominator”(支配者)の異名を持つ。また、中国の『武林風』でも活躍。  1R、軽快な動きからパンチとローを交換していた両者だが、野杁の左ボディでトイが身体をくの字に。トイは立て直すと顔面へ前蹴り、左右ボディからのヒザ蹴り。野杁もヒザを蹴り、両者ボディを攻め合う。トイは序盤のボディのダメージを後半は全く感じさせなかった。  2R、トイは長身を利してヒザを高く突きあげてくる。野杁はガードを固めて前へ出てヒザを太ももへ突き刺し、ボディにも入れる。トイは前蹴りで突き放す。野杁が左右ボディからのロー、そして太ももへヒザ。トイもヒザを蹴り返してくる。ボディを攻められて後退するトイだが、野杁のガードの隙間を縫うようなアッパーを放つ。  3R、ガードを固めて前に出る野杁が右ローを蹴れば、トイは前蹴りで突き放す。野杁はローとボディを攻め、トイは身体を丸めるが右ストレートを打ち返す。野杁はロープを背負うトイのガードの上から連打をまとめ、狙いすました左ボディをヒットさせる。そしてヒザ蹴り。  ボディとローで攻めまくった野杁が判定2-0で勝利した。 ▼第10試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R・延長1R〇大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※29-28、30-29、29-28×スタウロス・エグザコスティディス(ギリシャ/Nasos/Mejiro Gym) 8月の大阪大会で皇治と激闘を繰り広げ、名を上げた大岩が今回迎え撃つのは、武尊や皇治と好勝負を繰り広げたスタウロス。大岩にとっては初の国際戦となる。  1R、大岩は強い右ローを叩きつけて前へ出る。出入りを繰り返す大岩はスタウロスが入ってくるところへヒザを突き刺す。さらに右ボディを入れる大岩。スタウロスはボディを嫌がる素振りを見せた。  2R、武尊からの指示を聞いてコーナーを飛び出した大岩。スタウロスはボディを狙って来るが、大岩は右ローを蹴り続ける。スタウロスの左ボディと左フックで大岩が劣勢になるが、大岩の右フックにスタウロスが大きくグラつく。両者左右フックを繰り出すが、大岩の動きがかなり鈍い。  3R、前に出る大岩がスタウロスをコーナーへ詰めての右ストレートをヒットさせる。スタウロスも口を開けて苦しそう。大岩は右ボディとヒザ蹴り、さらに右の強打を打ち込んでいくがスタウロスは倒れない。残り30秒でスタウロスが左ボディ、右ストレートで逆襲するが大岩もフックで打ち合い、スタウロスのフックをかわす。  両者フラフラのタフファイトは大岩が判定3-0で制し、盟友・武尊と抱き合った。 ▼スペシャルエキシビションマッチ 3分1R―武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者)勝敗なし―江川優生(POWER OF DREAM/K-1 WORLD GPフェザー級王者)  K-1王者同士によるエキシビションマッチ。  1R、武尊の左ハイキックからスタート。レガースを着用しているとはいえ、両者思い切りローを蹴る。江川がボディからのパンチコンビネーションを放つと、武尊は笑みを浮かべてパンチからのローを放つ。圧力をかけて前へ出る武尊に江川は速いコンビネーション。  武尊がコーナーへ詰めてボディ連打からのフックを見せると、江川もすかさずパンチを返す。武尊が胴廻し回転蹴りを出せば、江川も同じ技を返す。最後は両者足を止めてパンチの打ち合いを見せ、江川の左フックに武尊のアゴが跳ね上がる。武尊は笑みを浮かべながらフックを返したところで終了。  江川は「下がらずに打ち合うつもりだったんですけど、プレッシャーが強くて。さすがチャンピオンです。僕も負けずに頑張ります」と挨拶。  武尊は「新生K-1になってから初めて名古屋に来れて嬉しく思っています。これから日本全国へ広めていくため頑張っていきます。今年はこれで終わりですが来年3月K'sFESTAが開催されますが、ここで宣言します。僕、出場します。江川選手ありがとうございました、パンチがエグイ」と3月大会出撃宣言をした。 [nextpage] ▼第9試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R×大和哲也(大和ジム/元WBCムエタイ世界スーパー・ライト級王者)KO 3R 34秒 ※右ストレート〇不可思(クロスポイント吉祥寺/KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者)  日本人対決で注目の大一番、名古屋の重鎮である元WBCムエタイ世界スーパー・ライト級王者の大和哲也(大和ジム)と、KING OF KNOCK OUT初代スーパーライト級王者・不可思(クロスポイント吉祥寺)の一戦が決定。  不可思は6月にK-1へ初参戦、佐々木大蔵に流血TKO負けを喫して初陣を勝利で飾れなかったものの、10月13日の『K-1 KRUSH FIGHT.106』では喧嘩屋・堀井翼にTKO勝ちして再起を飾った。  大和は2018年11月にゲーオに敗れ、一時はK-1からの撤退も考えたというが今年8月に復帰。若い近藤拳成を退けて勝利を収めた。  1R、不可思はジャブと右ロー、大和は相手をよく見つつジャブを出す。クラウチングに構える不可思はボディも交えたパンチのコンビネーションを出し、アップライド気味に構える大和はそこへ左フックを合わせに行く。1Rは手数を出した不可思か。  2R、前へ出て圧力をかける大和に不可思が左フックをヒット、大和も負けじと左フックを返す。左ボディと右フックで圧力をかける大和に、不可思は下がりながら回り込みボディを攻める。不可思の右ボディが突き刺さると大和の動きが止まり、不可思はヒザで追い打ちをかける。ボディを嫌がる大和へ不可思の右がヒット。それでも前へ出る大和。  3R、大和は左右ボディの連打を放つが、打ち合いに出た不可思が左右の連打。右ストレートで大和が棒立ちになり、そこへさらに連打、右が連続ヒットしてダウンを奪う。大和が立ち上がった瞬間カウント10が入り、不可思のKO勝ちとなった。 「お前ら見たか! 来年、俺がK-1のベルト獲るのでよろしくお願いします」とマイクで吠えた不可思だったが、「調子に乗ってすいません。先輩の哲也さんに勝つことが出来て信じられないくらい嬉しいんですけれど、本当に哲也さん、ありがとうございました。K-1名古屋大会初めてですけどマジ盛り上がっているので毎年1回、名古屋でK-1やりましょう」と男泣きした。 ▼第8試合 スーパーファイト K-1クルーザー級 3分3R・延長1R〇加藤久輝(ALIVE)KO 2R 1分17秒 ※3ノックダウン×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/K-1 KRUSH FIGHTクルーザー級王者)  加藤はハンドボール出身で日本代表も経験。2009年から大道塾で空道を始め、2010~2014年全日本体力別重量級5連覇と2010・2012・2013全日本無差別優勝を達成。2013年からはMMAに参戦し、HEAT、Bellator、RIZINで活躍。2018年6月からはK-1にも参戦し、K-1 WORLD GPクルーザー級王者シナ・カリミアンには3月のタイトルマッチで敗れたが、これまで2勝1敗の戦績。  K-Jeeは70kgから増量してヘビー級に転向。K-1ヘビー級王座決定トーナメントにも出場した。クルーザー級が新設されると再度転向し、初代クルーザー級王座決定トーナメントではベスト4。2019年には初代K-1 KRUSH FIGHTクルーザー級王座決定トーナメントで優勝し、初代王座に就いた。現在3連続KO勝ち中と絶好調。  1R、サウスポーに構える加藤は強烈な左ロー。その後も一発一発が強い攻撃を加えていき、左ハイもヒットさせる。K-Jeeはそのパワーに押される場面はあるが、ジャブとローで前へ出て右ミドルを蹴る。加藤は左ローと左ボディストレート。加藤の強い攻撃に何度も場内からどよめきが起こる。  2Rも奥足を左ローで蹴っていく加藤が左ハイでダウンを奪う。左ストレート、左ハイで追い打ちをかける加藤がまたも左ハイでダウンを奪う。左フックを連発する加藤は、打ち返そうとしたK-Jeeに左ストレートを打ち、3度目のダウンを奪ってKO勝ちした。  加藤はマイクを持つと「今回KOボーナスが大きかったので、早めにボーナスもらって家に帰って飲もうと思ってリキんでしまいました。でも90kgはリキんでパンチ打たないと面白くないので。さっきカリミアンが来て元気かと聞かれました。どうでもいいけど、早く愛鷹選手と試合して勝った方を僕は待っています」と、再びタイトルマッチをやりたいとアピールした。 ▼第7試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R・延長1R―篠原悠人(DURGA)試合中止―SEIYA(MAD MAX GYM)※SEIYAが計量をパスできなかったため中止。 [nextpage] ▼第6試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R×平山 迅(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)KO 3R 26秒 ※左フック〇中野滉太(POWER OF DREAM)  平山はパンチを武器に真っ向勝負を展開。戦績は16勝(9KO)15敗3分だが、渡部太基、塚越仁志、牧平圭太、木村“フィリップ”ミノルといった歴代KRUSH王者たちと拳を交えてきた。4月に大阪から上京してシルバーウルフ所属となり、4月大会で竹内悠希にKO勝ち、8月のK-1では山崎秀晃に判定で敗れた。  中野は3月の『K'FESTA.2』プレリミナリーファイトでFUMIYAをKOで下し、今回がK-1本戦・スーパーファイトに初出場。さらなる飛躍を目指し今大会では平山に挑む。前戦7月のKRUSH後楽園大会で中野はWLF-65kg級王者ワン・ポンフェイと拳を交えた。中国のトップファイターと互角に渡り合い一旦は勝者として名乗りを上げたものの、ローブローを巡って裁定が覆っている。  1R、平山は強い右ロー、中野はジャブから右ロー。両者蹴り合い中心の中、中野は後ろ蹴りを放つ。中野は遠い距離から飛び込むようにしてのカーフキックも見せた。  2Rはミドルの蹴り合いとジャブの突き合い、その中で中野は右ローを蹴る。ジリジリと前へ出る平山に中野はジャブ、後ろ蹴り。平山はジャブを当てて右ローも蹴る。ここまで両者とも慎重だ。  3R、打ち合いに来た平山に中野が左ボディを入れ、右ミドルを蹴った中野に平山が左フックを放ったところへ中野がカウンターの左フック。この一撃が決まり、中野のKO勝ちとなった。  中野はマイクを持つと「まだまだ先輩たちに負けないように来年は自分の年にするように頑張ります」と語った。 ▼第5試合 スーパーファイト/K-1ウェルター級/3分3R・延長1R×キム・ホソン(韓国/雪峯ジム/IKMFウェルター級王者)KO 1R 2分21秒 〇海斗(ポゴナ・クラブジム)  海斗は“不良の祭典”と呼ばれていたアマチュア総合格闘技イベント『THE OUTSIDER』に2度出場するなど、異色の経歴を持つ。11月のKRUSH大阪大会で大泉翔を秒殺KOで下し、待望のK-1本戦初出場を決めた海斗。1カ月弱という短い期間での試合になる。  K-1初参戦となるホソンはフィジカルを前面に押し出すタイプの韓国人ファイターとは異なるファイトスタイル。国技・テコンドーをベースにしたトリッキーな蹴り技を武器に14戦13勝1敗の優れたレコードを残し、IKMFウェルター級王者のタイトルも獲得している。  1R、打ち合いに行く海斗にサウスポーのキムが左ストレートをクリーンヒットさせる。海斗は距離をとると右ローを蹴っていくが、打ち合いに行くとやはり左ストレートをもらう。キムは後ろ廻し蹴り、後ろ蹴りを繰り出し、ジャンプしてのハイキックや2回転しての蹴りを繰り出すが、海斗が打ち合いで右フックでダウンを奪う。  続いて海斗が左フック、右ストレート、左フックと畳みかけてダウンを奪い、KO勝ちを奪った。  海斗はマイクを持つと「僕、前の試合終わった時に有名なヤツを当ててって言いましたよね。今回の相手強いそうなんですけど、僕のやりたい相手ではなかったですね。次は有名な人と当ててください。まいど!」と、もっと強い相手とやらせろとアピールした。 [nextpage] ▼第4試合 K-1 WORLD GP 女子フライ級王座決定トーナメント・一回戦(2)3分3R・延長1R〇ヨセフィン・ノットソン(スウェーデン/Allstars training center/IFMA世界女子フライ級王者)判定3-0 ※30-28、30-28、30-29×メロニー・ヘウヘス(オランダ/Mike’s gym/第3代K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者)※ノットソンが決勝戦へ進出。  ノットソンは豊富なアマチュア経験を持ち、IFMA(国際アマチュアムエタイ連盟)世界女子フライ級王座を獲得。プロ戦績は28勝(9KO) 4敗。2018年11月3日のK-1に初来日し、KANAと対戦したが3Rにダウンを奪われて判定負け。しかし、試合後にダウン裁定はアクシデントによるものだと主張してKANAとの再戦をアピール。再戦は2019年3月に実現し、今度はノットソンが判定勝ちでリベンジに成功して一躍K-1女子部の頂点に君臨した。  メロニ―はキックボクシング、ボクシング、総合格闘技と様々なルールで試合をするファイターで、2017年1月に初来日。KANAから2度のダウンを奪って第3代Krush女子フライ級王者となり、4月には紅絹を退けて初防衛に成功。しかし、12月のKANAとの再戦で敗れてベルトを失った。今回はそれ以来の参戦。  1R、両者はいきなり気合いの打ち合いを見せる両者。ノットソンは左右に構えをスイッチしながらパンチとミドルを放つ。メロニーはパンチからローのコンビネーション。スピードではノットソンが上回る。  2R、フックから入ってくるメロニーにノットソンは回転の速いパンチを打ち返す。パンチのコンビネーションから右ローを蹴るノットソンのスピードに、ヘウヘスは対応できていない。パンチを出しながら前へ出たヘウヘスだったが、ノットソンはステップで回り込んでかわす。  3R、ノットソンはパンチの連打、パンチから右ローと攻めてはさっと離れる。ヘウヘスのパンチは空を切る。ワンツーの連打、フックの連打、ハイキックとヘウヘスを翻弄するノットソン。最後までペースを握れなかったヘウヘスをノットソンが判定で下した。 ▼第3試合 K-1 WORLD GP 女子フライ級王座決定トーナメント・一回戦(1)3分3R・延長1R〇KANA(日本/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第2代・第4代K-1 KRUSH FIGHT女子フライ級王者)判定3-0 ※29-27、30-27、29-27×クリスティーナ・モラレス(スペイン/Team Jesus Cabello/ISKA女子世界-48kg級王者)※KANAが決勝戦へ進出。  KANAはK-1&KRUSH女子部のエースとして活躍。2017年5月から今年3月まで外国人選手を相手に7連勝を飾っていたが、3月にヨセフィン・ノットソンとの再戦で敗れ、8月の再起戦では真優に貫禄の勝利を収めている。  初来日のモラレスはISKA女子世界-48kg級王者で、ホルヘ・バレラと同門。女子離れしたパンチの破壊力を持ち、コンビネーションを得意とするという。戦績は46勝(8KO)6敗。  1R、ステップを踏みながら右インローを蹴るKANAに、上背で優るモラレスは長いリーチからワンツーを放つ。KANAの右クロスがクリーンヒットし、大きく後退するモラレス。KANAがパンチをまとめ、前蹴りを突き刺して左ボディも叩きつける。スピードに優るKANAが優勢。  2R、モラレスは前へ出て手数で攻めるが、KANAはしっかりと右インローを蹴って左ボディも打つ。ローが効いたか、足がもつれる場面もあるモラレス。ヒザ蹴りを出すが、KANAの右ストレートが顔面を捉える。  3R、KANAは左ボディからアッパー、フックのパンチコンビネーションに右ロー、ヒザ蹴りと多彩な攻撃を見せるKANA。モラレスは下がりながらヒザ蹴りを出し右ストレートでKANAを後方へ倒すが、これはスリップ。これでKANAは警戒したか後退する。モラレスがパンチとヒザ蹴りで前へ出るが、左ボディを嫌がって蹴りを出そうとしたモラレスへ右ストレート。これでダウンを奪う。  左右ストレートの連打と右ロングフックで畳みかけるKANA。モラレスをコーナーへ追い詰めて試合終了。判定3-0でKANAが決勝進出を果たした。 [nextpage] ▼第2試合 K-1 WORLD GP 女子フライ級王座決定トーナメント ・リザーブファイト 3分3R・延長1R〇壽美(NEXT LEVEL渋谷)判定3-0 ※30-29、30-28、30-29×真優(月心会チーム侍)※壽美がリザーバーに。  壽美はKHAOSとKRUSHで3連勝をあげて、今年8月に王座決定トーナメントに出場するIFMA世界女子フライ級王者ヨセフィン・ノットソンと対戦したが、判定で敗れている。戦績は6勝(2KO)3敗。  真優は大阪出身の20歳。プロ戦績は4勝2敗2分だが、アマチュアで豊富な試合経験があり、K-1甲子園のワンマッチでも勝利したことがある。空手仕込みの蹴り技を武器に、高校生時代の2016年8月には「J-GIRLSフライ級ニューヒロイントーナメント」で優勝。今年8月のK-1でKANAに挑んだが、判定で敗れた。  両者はアマチュア時代に2度対戦し、1勝1敗。プロの舞台での決着戦となった。  1R、サウスポーの壽美は左ミドル、左ストレートから前へ出る。真優は前蹴りで止めて右ストレートにつなげる。  2Rもワンツーで前に出る壽美。パワーで上回っている印象。壽美の左ストレートを同じく左で迎え撃つ真優。出会い頭の一発を当てていく壽美に真優は後手に回り、クリンチが増える。終盤に壽美が顔面からボディへの前蹴りを放った。  3R、壽美が左ストレートと前蹴りから襲い掛かるように前へ出るが、すぐにクリンチ状態となってしまい攻防とならない。終始前へ出た壽美の判定勝ちとなった。 ▼第1試合 スーパーファイト -53kg契約 3分3R・延長1R〇松本日向(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/K-1カレッジ2018 -55kg優勝)延長R 判定3-0 ※10-9×3×橋本実生(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス -55kg優勝)※本戦の判定は※29-29、30-28、29-29  9月の『K-1 KHAOS NIGHT』新宿FACE大会で対戦した松本と橋本が再戦。両者は「格闘代理戦争4thシーズン」(AbemaTV)の卒業生として同大会でプロデビュー。この時は延長判定までもつれる大接戦の末、判定2-1の僅差で松本に軍配があがった。  今回はK-1に場所を移しての再戦で、お互いにとって雌雄を決する決着戦と言える一戦だ。松本のセコンドには皇治が、橋本のセコンドには武尊が就く。  1R、両者とも積極的に前へ出ようとする。左から入って来る松本をサウスポーの橋本は右フックで迎え撃つ。打ち合いになる中、被弾が目立つ松本だが前へ出てワンツーを放つ。松本のアグレッシブさが目立った。  2R、橋本は松本の左フックに右フックを合わせる。松本は右ミドルで入って連打を叩き込む。離れて戦いたい橋本とインファイトを仕掛ける松本。1Rに比べると両者だいぶ落ち着いた様子。終盤、松本が連打で仕掛けた。  3R、松本のバックハンドブローに橋本も同じ技を返す。右ミドルから前に出て入り込む松本に橋本は左ストレートで対抗するが、松本が手数で上回る。クリンチからの入り際に松本が右ハイを軽くヒット。  勝敗は判定に持ち込まれ、29-29、30-28(松本)、29-29でドロー。またも延長Rへもつれ込む。ここでも前へ出る松本を橋本は左ストレートと右フックで迎え撃つ。松本の右ストレート、右ミドルがクリーンヒットし、続くワンツーの連打もヒット。たまらずクリンチする橋本。最後に松本が胴廻し回転蹴りを見せて終了。判定3-0で松本が連勝した。 ▼プレリミナリーファイト第5試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R×泰斗(LEOPARD GYM)KO 1R 1分25秒 ※右後ろ廻し蹴り〇松岡翔大(ISHITSUNA MMA) ▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1フェザー級 3分3R〇新美貴士(名古屋JKファクトリー)判定3-0 ※30-25、30-26、30-26×髙橋直輝(若獅子会館) ▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1フェザー級 3分3R〇倉崎昌史(GET OVER)判定3-0 ※30-28×3×秀樹(レンジャージム) ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R×斎藤祐斗(JK TRIBE)KO 2R 2分02秒 ※右ストレート〇提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝) ▼プレリミナリーファイト第1試合 -53kg契約 3分3R〇池田幸司(ReBORN経堂/K-1カレッジ2019 -55kg優勝)判定3-0 ※29-28、29-28、30-28×豊田優輝(B.W/K-1カレッジ2019 -60kg優勝)
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