2024年11月23日(土)愛知・名古屋国際会議場イベントホール『Krush.168 ~in NAGOYA~』のメインイベントで、トーマス・アギーレ(アルゼンチン/Dojo Serpiente)と対戦するKrushライト級王者・大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)のインタビューが主催者を通じて届いた。
大岩は幼少期に空手を学び、中学・高校時代はラグビーで活躍して愛知県代表にも選ばれたアスリート。大学在学中にキックボクシングを始め、卒業後にプロデビュー。重いパンチを武器にスタウロス・エグザコスティディスと芦澤竜誠に勝利。2021年11月には第4代Bigbangライト級(-61.23kg)王座に就いた。2023年は6月に横山朋哉に判定負けしたが、12月にライト級に階級を上げると篠原悠人を初回でKOした。2024年2月には弘輝に判定勝ちし、7月のタイトルマッチで伊藤健人に判定勝ちで王座に就いた。戦績は26勝(9KO)10敗。
期待以上の試合を見せなきゃいけない
──チャンピオンになって名古屋大会が決まって、練習ももちろんですが地元で人と会ったりも多かったと思いますが。
「そうですね。名古屋に定期的に帰ったりしながら、地元で応援してくれる人と会ったりもしていました。そういう方々の協力を得て、冠協賛も応援してくれている名古屋の企業さんがついてくれたので、そういった応援の力でチケットも完売しましたし、大きな大会になるんじゃないかなと思っています」
──ポスターも1人でドーンと載ってましたしね。
「あれは最初からだったんですけど、宮田充プロデューサーにはプレッシャーかけられた感じでしたね(笑)。まあでも今のところ、それには応えられたんじゃないかなとは思いますけど」
──ではあとは、試合でガッチリ勝って大会を盛り上げるだけですね。
「はい。練習は前の試合と同じくやっているし、最近は自分の中でもすごく掴めてきている感じがありますね。追い込み方だったり抜き方も含めて。その中でチケット完売という知らせが来て、大会前の目標は達成できたので、より一層気合いが入りましたね」
──今回はトーマス・アギーレ選手との対戦になりました。印象は?
「ひと階級上でもあるし、力強い選手ですよね。欧米人らしく、いきなり突っ込んできたりとか、変わった間合いを持っているので、気が抜けない感じで。バネもあるし、自分でも厳しい戦いになるだろうなとは思っています」
──どういう試合にして、どう勝ちたいですか?
「地元・名古屋なので、KOしにいくのはもちろんなんですけど、自分が地元を離れて東京で作り上げてきた思いだったり、成長した姿だったり、格闘技に懸けている気持ちだったり、そういうものがみんなに伝わるような試合をしたいですね」
──なるほど。
「自分も、名古屋で試合を見て、格闘技に興味を持ったんですよ。だから今回も僕の試合を見て、格闘技に興味を持ってもらえたりとか、一歩前に進む力を得てもらえたらいいなと思います。『勝つ』とか『KOする』とかよく言いますけど、それよりはそういう部分を見せたいという気持ちの方が強いですね」
──ちなみに、大岩選手が地元で見たというのは何の大会だったんですか?
「最初は「NAGOYA KICK』という地元のキック大会で、そこでキックを始めようと思って、その次は始めてすぐの頃、今回と同じ名古屋国際会議場でのKrush名古屋大会(2012年8月)でした。東京vs.名古屋の5vs.5マッチがあって、メインが瀧谷渉太vs.匠のタイトルマッチで。あの大会はメチャクチャいい試合ばっかりで、すごく印象に残っていますね。Krushを生で見たのも始めてで、『このリングに立ちたいな』と思いました」
──そう思った同じ会場のリングで、今度は自分がチャンピオンとして試合するという気持ちはどうですか?
「メチャクチャうれしいですよね。昔、名古屋で所属していたジムにいた選手が、今度の大会に僕を含めて3人出るんですよ。不可思君と、匡志YAMATO選手なんですけど。不可思君は同い年なんですけど、自分が入った時にはチャンピオンで、選手としては大先輩で。そういう選手と地元で同じ大会に出られるのもうれしいですし、その意味でもKrushを今回、名古屋に持ってくることができてよかったなと思います」
──地元・名古屋だけでなく大阪など関西の選手も出られる場になりましたしね。
「はい。チャンピオンになって、何か自分なりの形で格闘技とかキックボクシングに貢献したいと思っていたんですよね。それが、ずっと開催されていなかったKrush名古屋大会という形にできて、普段見に来られないような人たちも生で見られることになったのは本当にうれしいです」
──いい形での貢献になりましたよね。
「この前名古屋に帰った時に、自分が昔通っていた空手道場とかにもベルトを持って行ったんですよ。僕が昔、その道場にいた時に、K-1のチャンピオンがそうやってベルトを持って来てくれたことがあって、僕もすごく印象に残ってて。サインももらったし、その時にもらったひと言は今も頭に残ってるので、自分も同じようなことができたことがまずうれしいし、名古屋大会を持ってこれたことも含めて、名古屋への恩返しになったかなと思います。あとはしっかり期待に応える試合をして、お客さんの胸に残る勝ち方をしたいですね」
──その状況で強い外国人との試合だと、プレッシャーはどうですか?
「僕は注目される試合の方が好きなので、そっちの方が気合いが入りますね。プレッシャーよりも、今はワクワクの方が強いです」
──また今、Krushライト級がすごく盛り上がってきています。挑戦者候補がたくさんいるという状況でもありますが、チャンピオンとしてはどう見ていますか?
「僕は自分も挑戦者だと思っているし、階級って1人じゃ盛り上がらないじゃないですか。チャンピオンですけど、朝久泰央選手とかに負けたりもしていますし、上から見ているという感じではないですね。K-1のベルトを目指しているので、みんな倒していきたいという気持ちは変わらないです」
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「自分も格闘技に憧れたきっかけになったのが名古屋での大会でしたし、それと同じように、自分の試合を見て夢や目標を持って生きる力にしてもらえたらうれしいです。そういう試合を今回は見せたいという気持ちが一番強いです。その上で勝利は絶対だし、期待以上の試合を見せなきゃいけないと思って毎日練習しているので、楽しみにしてください」