MMA
インタビュー

【RIZIN】芦澤竜誠「空間を絶対に支配できた」、昇侍は「眼窩底骨折 上顎骨骨折 頬骨骨折でした」

2024/11/20 12:11
『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』(11月17日・ポートメッセなごや)のバンタム級(61kg)で、MMA3戦目に臨んだ芦澤竜誠(フリー・29歳)が、MMA36戦の昇侍(JAPAN TOP TEAM・41歳)に、2R 1分05秒 ヒザ蹴りによりKO勝ちを収めた。  昇侍の初回最初のテイクダウンを切った芦澤は、1R終盤にダブルレッグでテイクダウンを奪われるもケージを使って立ち上がり。  スタンドで遠い距離からジャブを当てて試合をコントロールし、組みを断ち切り、最後は強烈な左ジャブを効かせて昇侍を下げさせると、右ヒザ蹴りをボディに突き刺した。  試合後のリング上で、「みんな、俺練習してないと思ったでしょ? 見せないところでバチバチに練習してるから。MMAの選手だと俺の打撃とか、キックボクサーの打撃に歯が立ちません。今日本で、世界で、一番盛り上がってるのはMMAです。もしキックボクサーがMMAに転向するんだったら、俺に言ってください。手伝いできることがあるかもしれないです。このまま天辺目指すぞ! ピース!」とマイクで語った芦澤。  インタビューでは、コーナマンとしてついた大原樹理との練習についても語った。  また、打撃ラッシュを受けてKO負けした昇侍は、「試合後病院に直行しました。眼窩底骨折 上顎骨骨折 頬骨骨折でした」と重傷を明かしている。 [nextpage] 芦澤「大原さんのスタイル、俺に絶対合ってる、と思って」 ──試合後の率直な感想をお聞かせください。 「嬉しいっスね、本当に。本当にこれしか、格闘技しか俺はなかったんで。この1カ月、昇侍選手を倒すことしか(考えて)なかったので、MMAのスキルも上がってきて、この試合に負けても“まだ絶対MMA続けるぞ”って。何の遊びよりも練習しているのが楽しいと思ってたので。楽しかったですね、試合も」 ──昇侍選手と実際に戦ってみて戦う前の印象と違うところはありましたか。 「あの人は漢だから、漢だと思ったっすね。真っ向勝負してきたという感じですね」 ──キックボクサーがMMAに転向することについてマイクで言及していました。そういう選手に協力したいというメッセージだったのですか。 「協力したいっていうか、やっぱりキックボクシングよりMMAのほうがカネ稼げるんで。で、やっぱカネ稼げなきゃダメじゃないですか。やっぱ仕事にならないじゃないですか。俺らファイターって、みんなサラリーマンとか仕事しているけど、社会人ってカネ稼いでナンボじゃないすか。だからっス。行けてよかったっスね」 ──初KO勝利です。今後の目標・展望を教えてください。  「このまま普通にMMAのスキル上げていくだけっスね。まだダメなところも全然あるので、MMAできないところもあるので。そこのスキルをまた上げていこうと思っています、苦手なところを。打撃は俺は絶対負けないと思うので。まだできないところを上げていけば打撃ももっと活きてくるので。楽しみっスね」 ──ヒザ蹴りがフィニッシュになりました。練習していましたか。 「ずっと練習していたっスね。一番得意ですね。ヒザは右も左もどっちも打てるんですけど、今回右になっただけですけど、俺のヒザはあれくらいの威力があるっスね、一発で倒せる自信があるっスね。一発でクリーンヒットしたら絶対どっちのヒザでも倒せるっスね」 ──キックボクシングのバックボーンがあってこそ、MMAの練習をすることでさらに打撃の精度や威力が上がっているのでしょうか。 「そうっスね。やっぱもっと打撃に磨きがかかったっスね。MMAってキックボクシングと違ってブッ殺し合いなので。殺傷能力っすね。殺傷能力を上げてきた。キックボクシングってポイントで勝てたりするんですけど、MMAのグローブって1発で終わらせる試合が多いじゃないですか。ヒザだったり蹴りだったりパンチだったり。全部で倒せる自信があったっスね、今回は。何でも。蹴りでも、ミドルでも。ミドルで腕を折ろうと思ってたし、ヒザ当たったら倒れる、パンチが当たっても倒れると思ったので」 ──逆に昇侍選手の打撃で危ないとか、効いたものはありましたか?  「無いですけど、やっぱりあの人のパンチは怖かったですね、普通に。打ち合いは怖いなと言う感覚はあったっスね。やっぱり」 ──望んでいた相手だったということでしょうか。 「その打ち合いの距離外したので。あとやっぱ何もできないなという感覚ですね」 ──今回ケージでの試合でした。テイクダウンからもケージを使って立ち上がっていました。 「ケージのほうがいいっスね、間違いなく。集中できるっスね。リングよりも、マジで殺し合いだ! っていう感じです。殺り合いだって感じですよね。そうすると『フォー!』みたいな感じになりますね。『よーっしゃ! やってやる』って」 ──今後もRIZINはケージがいいですか? 「ケージがいいっスね。まあでもリングでもいいですけどね、普通に。ケージがいいです。ケージのほうが俺らしい。俺のフィールドっすね。周りに言ってたんですけど、『芦澤のフィールドへようこそ、俺のフィールドへようこそ』って感じです、俺、初めてのくせに」 ──それくらい空間を支配できたということですか。 「空間を絶対に支配できたっすね。柵のほうが誰もいないじゃないですか。誰も助けてくれる人いない。“俺と殺し合いできんの?”って感じでした。煽りVが流れたときも、“オイ、俺と喧嘩すんのかよコノヤロー!”みたいな感じの、自分を昂めるみたいな。“俺と喧嘩できるのかよ、じゃあやろうぜ!”みたいな感じで、バーンと上がりましたね。入場から“俺と喧嘩できるのかよ!”って」 ──今回歌わなかったことメンタルに影響はありましたか。 「何もないっスね、別に。歌ってもよかったけど、まあ俺が出てくるだけでなんでもいいっスね。歌ってもいいし、歌ってもみんな喜ぶし、俺は出てくるだけでいいっスね」 ──今回の勝利を見たファンは大晦日にも期待すると思います。 「無傷っすね。『バラさん電話してー!』」って感じです」 ──どんな相手とやりたいですか? 「特にないっスね。今回俺も昇侍選手選んだと言われているけれど、何人か候補出してくれて、昇侍選手どうかな? って。最高っスね、さすがっスね、それで俺もやる気出ましたわーって。やる気が出る選手出してくれるなら俺もやる気出すし、俺は俺様なんで。RIZIN─芦澤なんで。ここは一緒。俺は別に下ではないし」 ──大原樹里選手がコーナーに着きました。昇侍選手を意識してのことですか? 「大原さんの試合を韓国とかで見ていて。大原さんって俺と一緒で筋肉がないんですよ、で、減量とかもほとんどしてなくて。減量の1週間前からサウナとか一緒に行ってて、全然減量してないしご飯も俺たちと食べていて“試合前なのに減量しないな、この人”と思っていて。なのに、北岡悟とか矢地祐介に全然組み負けてなかったなと思って。“おお、大原さんのスタイル、俺に絶対合ってる”と思って。1年前とか、太田忍戦も行っていたんですよね。それから行っていなくて、今回ちょうど1カ月前くらいに、“やっぱ大原さんだな”と思って、どうしても勝ちたかったんで俺は。MMAは1戦1戦が大事なので、どうしても勝ちたかったので大原さんに“お願いします”って」 ──大原選手が元同門だから昇侍選手の動きを分析するという意味では? 「そこはあんまりやってないっスよ。ただ大原さんの動き、やり方を教えてもらっただけですね。昇侍選手の動きももちろん元同門だから分かってると思うけど、そこは、昇侍選手がどんな動きするかは求めてないし、大原さんもそれを教えてくれたわけじゃなくて、ただ大原さんのMMAの技術を教わっただけです」 ──花道に走って行って、踊っていました。あの時のお客さんの反応はいかがでしたか?  「ヤッフォーウ! でしょ! もう全身で表現してやったわ! 気持ちいい!みんな、俺が気持ちよくなってるのが、みんな喜ぶっしょ」 ──試合を解説していた久保優太選手が「一緒にキックボクサーの時代を作っていきたい」という話をしていました。同じような気持ちですか? 「俺に頼ってくる人がいるんだったらっスね。さっきも、前座とかで出てる人が、俺もMMAやっていて、行きたいんですよ! と言ってきてくれ。キックボクサーに言えるのは、フィジカル鍛えるのでMMAやっとけば? って。そうしたら苦労しない、俺はMMA初心者なのにいきなり太田忍とやったり、ぶっとんだことしたから、今のうちにやっておけば? っていう感じです。今のうちにやっておけばMMAにも出れるし、という感じです」
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