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【QUINTET】「Team UFC」がお膝元ラスベガスで優勝! 「Team PRIDE」は1回戦敗退。先鋒で五味隆典がオマリーに一本負け。桜庭は大将戦ドロー=写真追加

2019/12/13 00:12
【QUINTET】「Team UFC」がお膝元ラスベガスで優勝! 「Team PRIDE」は1回戦敗退。先鋒で五味隆典がオマリーに一本負け。桜庭は大将戦ドロー=写真追加

(C)Dave Mandel/QUINTET

2019年12月12日(日本時間13日・金)米国ラスベガス・レッドロックカジノにて、『QUINTET ULTRA』が開催された。

1回戦では「Team UFC」vs「Team PRIDE」、「Team WEC」vs「Team Strikeforce」が行われた。

「Team PRIDE」は先鋒に五味隆典(日本)が登場。「Team UFC」の先鋒ショーン・オマリー(米国)と対戦したが、五味が低いシングルレッグに入ったところをオマリーは得意のハイエルボーのギロチンチョークで2分47秒、一本勝ち。「Team PRIDE」はシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のヘクター・ロンバートがオマリーをアキレス腱固めに極め、1勝1分でタイに戻すと、続くグレゴー・グレイシー(ブラジル)がクレイ・グイダ(米国)を腕十字で極め先行。「Team UFC」副将のアンソニー・スミスともグレゴーが引き分けに持ち込み、「Team UFC」の大将ギルバート・“ドゥリーニョ”バーンズ(ブラジル)を引きずり出した。ドゥリーニョは「Team PRIDE」の副将イーブス・エドワーズ(バハマ)をリアネイキドチョークで極めると、試合は大将対決に。「Team PRIDE」の大将・桜庭和志はガードで粘るが、ドゥリーニョは再三パスガードを決め、時間切れドローも旗判定で「Team UFC」が決勝進出を決めた。

もうひとつの1回戦「Team WEC」vs「Team Strikeforce」では、「Team Strikeforce」のジェイク・シールズ(米国)が奮闘。マーク・ムニョス(米国)を肩固めに極め、続くカブ・スワンソン(米国)もフットロックでヒザをひねらせ怪我で抜くと、「Team WEC」副将のグローバー・テイシェイラ(ブラジル)とドローに持ち込み3人を相手にしてマットを降りた。「Team WEC」は大将のジェームス・クラウス(米国)が「Team Strikeforce」中堅のキング・モー(米国)をギロチンチョークで極めて気を吐いたが、副将のギルバート・メレンデス(米国)には分けられ試合終了。「Team Strikeforce」が大将のレナート・ババルを残して決勝進出を決めた

決勝では、「Team UFC」と「Team Strikeforce」が対戦。両チームが互いに譲らず、先鋒から大将戦まで全試合が時間切れドローに。「Team UFC」大将のギルバート・バーンズは「Team Strikeforce」大将のジェイク・シールズ(米国)をパスしマウントを奪い、シールズに指導が出されたこともあり、判定は「Team UFC」が勝利。お膝元ラスベガスで優勝を遂げた。

また、スーパーファイトでは、ADCC2019無差別級世界王者のゴードン・ライアン(米国)がMMA57勝のうちサブミッションで45勝というグラップラー、アレクセイ・オレイニク(ロシア)と対戦。ライアンは、レッグドラッグからサドルロックでヒザ十字を極め、グラップリング最前線の強さを見せている。

◆Team UFC
先鋒 ショーン・オマリー(米国)
次鋒 アンソニー・ジョンソン(米国)
中堅 クレイ・グイダ(米国)
副将 アンソニー・スミス(キャプテン/米国)
大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)

vs

◆Team PRIDE
先鋒 五味隆典(日本)
次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)
中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル)
副将 イーブス・エドワーズ(バハマ)
大将 桜庭和志(キャプテン/日本)

〇先鋒 ショーン・オマリー(米国)
[2分47秒 ギロチンチョーク]
×先鋒 五味隆典(日本)

「Team UFC」の1回戦の先鋒はショーン・オマリー(米国)で、「Team PRIDE」の先鋒が五味隆典(東林間ラスカルジム)となり、いきなり先鋒戦で五味が登場する。

オマリーはホイス・グレイシーの弟子ジョン・クラウチ率いるMMAラボ所属。リアネイキドチョークでのフィニッシュを記録しているが、本人はハイエルボーギロチンを得意としているという。五味はMMAではギロチンでの一本負けを経験しており、得意のテイクダウンの際に注意したい。

組み手争いからオマリーを引き落としを狙う五味。頭が当たり再開。五味はダブルレッグに入るも切るオマリー。五味はツーオンで右手を手繰るがここもオマリーは切る。低いダブルレッグは五味もここもがぶるオマリー。

首後ろを掴む五味。オマリーに指導後、再開。低いシングルレッグに入る五味だが、切ったオマリーは得意のノーアームのハイエルボーギロチンチョーク! 五味がタップした。

×先鋒 ショーン・オマリー(米国)
[0分46秒 ストレートフットロック]
〇次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)

「Team PRIDE」では、先鋒の五味隆典に続き、次鋒にシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)がラインナップ。

体重差のあるロンバートにオマリーはクローズドガードに入れるが、中腰になり足を外したロンバートがパワーアキレス=ストレートフットロックを秒殺で極めた。

△次鋒 アンソニー・ジョンソン(米国)
[時間切れ]

△次鋒 ヘクター・ロンバート(キューバ/豪州)

「Team UFC」の次鋒はアンソニー・ジョンソン(米国)。ジュニアカレッジ時代にレスリングで全米王者となり、UFCライトヘビー級王座戦でダニエル・コーミエーに敗北後引退。2019年7月にはグラップリングマッチ「Submission Underground 9」で、クレイグ・ジョーンズにヒールフック(※QUINTETでは反則)で一本負けしている。

「Team PRIDE」次鋒はシドニー五輪柔道73kg級キューバ代表のロンバート。

テイクダウンのジョンソンに対し、ハーフガードのロンバートは右で脇差し立ち上がる。

組み手争いに両者に指導。ロンバートと引き落とすジョンソン。足払い狙うロンバートに凌ぐジョンソン。再び両者に指導。

低いシングルレッグを狙うロンバートを切るジョンソンだが、下から脇を潜りバックを狙うロンバート! ジョンソンは後方に飛ぶ。

ロンバートの組み手のアイポークから再開。ヒザを触りに行くジョンソンだが、切るロンバート。ジョンソンはダブルレッグテイクダウン! ハーフのロンバートにパスガードでマウントも時間切れ。両者痛み分けとなり中堅対決へ。

×中堅 クレイ・グイダ(米国)
[2分35秒 腕十字]
〇中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル)

「Team PRIDE」中堅に注目のグレゴー・グレイシー(ブラジル)が登場する。グレゴーは「QUINTET.3」でPJバーチ相手に背後から両足をトライアングルでロックし、ヒザ十字を極める秘技などで、10th PLANET相手に2人抜きをしており、今回は「Team PRIDE」の要となりそうだ。

「Team UFC」中堅のクレイ・グイダ(米国)は、元ジュニアカレッジの全米王者。猪突猛進のテイクダウンを武器とし、肩固めなどの極め技をもつが、ギロチンチョークでの一本負けも多い。

グレゴーのガードのなかに入るグイダ。ヒップスローを狙うグレゴーはクローズドガードに組みハイガードに。スタンド再開。

シッティングガードはグレゴー。運動量多く左右からパスを狙うグイダが左脇を差そうとした瞬間、腕を掴んだグレゴーは腰を切り腕十字へ! グイダがタップした。

△副将 アンソニー・スミス(キャプテン/米国)
[時間切れ]
△中堅 グレゴー・グレイシー(ブラジル)

「Team UFC」副将は、BJJ黒帯のアンソニー・スミス(米国)でキャプテンを務める。スミスは、MMAの三角絞め使い。前三角からインバーティッドトライアングルなども極めており、ライトヘビー級ながら長い手足から繰り出す関節技に注目だ。

初戦と同じくガードを選択するグレゴー。クローズドの中にスミスを入れるが、足を外しニーシールドへ。左足で割るスミスはかつぎパス! しかしグレゴーは後転してガードに戻す。左で差してきたスミスをギロチンに狙うグレゴー。スミスも対角で首を抜く。

トップを選びキムラクラッチからパスを狙うグレゴー。ハーフになるが、右で差すスミスがスイープ。グレゴーも無理せず下を選択。
ニンジャチョークの動きを見せるグレゴー。しかし両者に指導。

トップから攻めるグレゴー。ギロチンに頭を抜くスミスに拍手。ボトムから蹴り上げで突き放したグレゴーがギロチン狙いも座るスミスのバックに。しかし落としたスミスは外がけからフットロックへ。ヒールフックは禁止のなか、背中を見せて足を抜くグレゴーもアタックをかけるが、タイムアップ。両者痛み分けに。

〇大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)
[5分03秒 リアネイキドチョーク]
×副将 イーブス・エドワーズ(バハマ)

「Team UFC」大将には注目のギルバート・バーンズ(ブラジル)が置かれた。アトス所属で2011年ワールド柔術ライト級優勝の実績を持つドゥリーニョは、バックを得意とする弟のエウベウと異なり、大内刈り・大外・小外掛け、ダブルレッグからトップを取って攻める柔術出身ファイターだ。グラップリングマッチの出場経験も多く、3月の「Titan FC 53」でグレイソン・チバウにRNCで一本勝ち、11月には「Polaris 12」の道衣マッチでノルウェー超新星のトミー・ランガカーに判定負けしている。9月のUFCではヘンゾ・グレイシーの黒帯でもある空手家グンナー・ネルソンに組み勝った上で判定勝ちしており、そのグラップリング力が無差別の団体戦でいかに発揮されるか。

「Team PRIDE」副将には、MMA42勝22敗1分のベテラン、イーブス・エドワーズ(バハマ)が参戦。PRIDEのみならずUFCでも活躍した43歳のイーブスはムエタイと柔術を得意としており、古豪のリアネイキドチョーク、腕十字での一本勝ちが見られるか。

ボトムからアームドラッグで立ち上がりエドワーズのバックを奪うドゥリーニョ。エドワーズはドゥリーニョの腕十字狙いをすぐに落として上に!

なおも下から煽って腕十字を狙うドゥリーニョ。上体を入れて防ぐエドワーズ。ドゥリーニョは左手首を両手でつかみ、またいでニーバーに! それを背中を見せてエスケープするエドワーズのバックを狙うが、前転してガードを取ろうとするエドワーズ。

しかしついていくドゥリーニョはハーフからストレートアームバー狙い! いったん伸びた腕を戻したエドワーズだが、バックを奪われる。ドゥリーニョは背後から最初は左手で。すぐに喉元に右手に差し替えてリアネイキドチョークを極めた。

△大将 ギルバート・バーンズ(ブラジル)
[時間切れ]

△大将 桜庭和志(キャプテン/日本)
※チーム戦は旗判定で「Team UFC」が決勝進出

「Team PRIDE」大将は、桜庭和志(キャプテン)。QUINTET創設者として、このルールを知り尽くした桜庭が、いかに大将としてチームを勝利に導くか注目だ。

ドゥリーニョのダブルレッグテイクダウンに足関節を狙う桜庭。中央で再開。ガードの桜庭にかみつきパスを狙うドゥリーニョ。

サイドを奪うドゥリーニョは上四方から逆サイドへ。さらに頭ごしに再び上四方へ。センタク挟みを狙う桜庭は腰を切りガードに戻す!

そこにドゥリーニョはストレートフットロックを狙うが外す桜庭。下から草刈を狙うがドゥリーニョはパスガード。再びガードに戻す桜庭。

中央で再開。ガードの桜庭にかつぎパスするドゥリーニョ。後転させられた桜庭にサイドから首を抱えにいくドゥリーニョ。桜庭は潜りから足関節を狙うが、ドゥリーニョも察知。ヒザ十字狙いも足を抜いた桜庭が上に。アームドラッグ狙うドゥリーニョから腕を抜く桜庭、その際でドゥリーニョも立つ。

桜庭得意のローシングルレッグを切るドゥリーニョ。今度はドゥリーニョがシングルレッグも切る桜庭。最後はドゥリーニョがテイクダウンしたところで時間切れ。

桜庭に終始敬意を示したドゥリーニョは下の桜庭の手を掴み引き起こすと、桜庭もドゥリーニョの肩を抱いた。大将同士の試合は時間切れ。旗判定で「Team UFC」が決勝に進出した。

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