(C)GONG KAKUTOGI, RIZIN FF
2026年8月11日(火・祝)東京・TOYOTA ARENA TOKYOにて『RIZIN.54』が開催された。
第6試合では伊藤裕樹(ネックス)が、フライ級から1.75kg体重超過のアリベク・ガジャマトフ(ロシア)と対戦。
1Rにガジャマトフのテイクダウンで下になった伊藤だが、2Rからガジャマトフのバックに腕を手繰って向き直った伊藤がアナコンダチョークにとらえて絞め落とすも、起き上がってきたガジャマトフを高速ラッシュで仕留めてTKO勝ち。10,074人満員のTOYOTA ARENAの観客を爆発させた。
試合後会見の翌12日の“バラ呼び”にも出演した伊藤は、あらためてガジャマトフ戦で「2度フィニッシュした」とアピール。ボーナスを呼びかけると、榊原信行CEOから「社長室ボーナス」をゲットしている。
伊藤は、無酸素ラッシュTKO勝ち後、コーナーに登って咆哮するも一瞬、気を失ったという。
「もう本当あのときセコンドいなかったら多分そのままマットに落ちてたんで、受け止めてくれてよかったです。こっちはもうあんな強敵に勝って興奮して。セコンドに抱きつく前に先に叫びたかったんですよ。で、叫ぼうとしたら、登るときに梅村(寛・ネックススポーツ)代表の指を踏んで曲げちゃって。『大丈夫』って言ってたんですけど、もうめちゃくちゃ痛そうにしてたんで、梅村先生、申し訳ないです。
(コーナーで叫んで崩れ落ちる動画を見ながら)ちょ、やめてやめて。恥ずかしいよ。切り抜かれるからこれ。倒れてすぐにドクターに起こされて、記憶が復活しました」と、フィニッシュのために、最後すべてを出し切ってのラッシュだったと語った。
そして、打撃ラッシュ前のアナコンダチョークの手応えは「ガジャマトフは落ちていた」という。
「ガジャマトフがアナコンダチョークで落ちたなと思ってもう離したら、ゾンビのようにブワーッと起き上がってきて、それでスタンドでラッシュして。結局“2回フィニッシュ”したんですよ。すごいじゃないですか。なんで2回ボーナスもらおうかなと」とちゃっかりフィニッシュボーナスをリクエストした。
その訴えに榊原CEOは、「これは、なんの段取りもないけど、俺が個人的にちゃんとボーナスをあげるよ。俺も『KOしろよ』と言った以上、それで裕樹がやったんだから。契約とは別に社長室ボーナスを。やっぱり頑張った奴がちゃんと、いろんなものを手にしていかないといけない世界だから」と、特別ボーナスの支給を決めた。
「“バラ呼び”のここのソファー座って、過去2回出てるんですけど、もう2回ともギャンブルでお金無くってますから。よっしゃー!」と歓喜の伊藤裕樹。
神龍誠、山本アーセンらには敗れているものの、「国際戦」では2017年12月のプロMMAデビュー戦のコ・ドンヒョク戦からなんと負け無しの9連勝をマーク。対ストライカーの相性はあるものの、組みのあるガジャマトフを切り返しての勝利は、王座挑戦に近づくTKO勝ちだった。
と、同時に伊藤は「試合終わった後に(控室に)アーセンがおって『裕樹おめでとう! メッチヤ凄かったよ! 鳥肌立ってきちゃった!』とか言って。“あれ、その鳥肌、俺がベルト獲ったらアーセンがチャンピオンなれるから立っとんじゃね?”と思って。メチャクチャ喜んでくれるやんとか思って。まあ、まずは(アーセンには)ガジャマトフとか、ララミーを乗り越えてもらって」とけん制も忘れなかった。
試合後の会見での一問一答全文は以下の通りだ。
伊藤裕樹「宇多田さん、見に来てください!」
──試合を終えた率直な感想を聞かせてください。
「最っっ高っス!」
──会場の声援がすごかったですね。
「いやもう、前回も爆発だったですけど、今回、大っ大、大爆発してましたね(笑)」
──対戦相手のガジャマトフ選手と実際に戦った印象を教えてください。
「結構フィジカルで、打撃がすごい強くて荒々しい感じかなと思ったんですけど、思っていた印象よりすごいコンパクトだと感じましたね、試合してみて」
──フィニッシュは酸欠になるほどの連打、連打でした。何発殴ったのでしょうか。
「もう覚えてないです(笑)、スロット回すくらい覚えてないですね」
──ガジャマトフ選手にタックルを取られたりバックを取られる場面では冷静に対処できたのでしょうか。
「冷静に対処したというか、ガジャマトフ選手は1R目の火力が強いので、あそこで力使わせたろうと思ってましたね」
──そこ凌げば、2Rで?
「そうですね。そこ凌いで、2R、3Rでペース上げていこうって思ったので、まあ、良かったです」
──ガジャマトフ選手の前日計量の失敗によって伊藤選手の作戦が変わるようなことはありませんでしたか。
「作戦はべつに元から倒すことは変わっていないので、作戦変わるよりかは、ボーナスを“ちょっと弾みますよ”という連絡が来たんで、モチベーションはめちゃくちゃ上がりましたね」
──逆にそれで、ということですね。
「はい。なんで絶対倒してやろうと思ってました」
──計量失敗した相手に怒りのような感情は?
「まあ、そんな怒りとかはないですけど。プロだったらしっかり体重調整するのが……普通なんですけど、やっぱり40時間とかかけてこちらに来て調整していると考えたらまあ大変なのかなとは思うので。その本当に体重ダメだったら2、3週間前に連絡してほしいっス。こっちも減量したくないんで(笑)」
──そうしたら59kgとかのキャッチで?
「伊藤裕樹階級の59でやりたいっス(笑)」
──ちなみに、ダニー・サバテロ選手は、米国は深夜帯にも関わらず、後藤丈治選手の試合を見て反応していました。
「そうなんですね。へー。ATTだからと。あー、はい、はい、はい」
──しかし“誠くん”の方は反応がありません。
「アイツ……マスかきやがって……! ナメやがって。そうなんスね。いや、でも後藤選手の試合見て、ムチャクチャ火ついたっス。今回の大会ほぼフィニッシュで、後藤選手もムチャクチャ強い相手だったんで、ここ行ったらヤバいなっていうので、爆発させたので。もうそれでバチっとスイッチ入ったっスね」
──次は大晦日に爆発したい?
「大晦日爆発させてください! もういいでしょ」
──トニー・ララミー選手も挑戦者候補になっているようです。
「ララミーとちょっとイチャイチャしてもらって、誠くんは早く僕に返事を返してください」
──計量失敗でノーコンテストルールが適用され、「自分の負けはない」と。
「はい」
──だけど、(榊原CEOから)「フィニッシュしろよ」と言われたら、心境的に普通の勝負と今日のプレッシャーはどちらが厳しかったでしょうか。
「いやあ、どうだろうな。別にそんなこだわったことはないですけど、何かそのノーコンテストで試合を普通に15分間やればあなた勝てますよ、って言って勝って、それでお客さんがじゃあ満足するかってなったら多分しないと思うんで、やっぱ会場を爆発させるとか盛り上げるのが醍醐味というか、気持ちいいので、ノーコンテストで勝つよりは、常に“確変”狙いたいので。KOできて良かったです」
──体重を落とせないような選手だと、攻めている時に、向こうから途中で気持ち折れるというようなことを感じましたか?
「いや、どうなんスかね。1.7kg(超過)とかだったら、開き直ってリカバリしたろってなると思うので、逆にパワーアップするんじゃないですかね。だって別に、もうそこまで落としとったら、もう関係ないんで、はい。ま、そんな気にはしてないですね」
──今回ルール、レギュレーションでこうなったけれども、普段と本当に変わらない気持ちを作って、余分なことを考えずできたという感じですか。
「まあそうですね、外のことは別にどうこう言ってもあんま関係ないんで、自分がやることちゃんとやってできれば別に変わらないんで。ま、そんな深くは考えてなかったですね」
──アナコンダチョークの手応えはいかがでしたか。
「あ、もう落ちてましたね。あれは落ちてて“あ、落ちた”と思ってパッて離した時に、レフェリーに『落ちたよ』って言おうと思ったら、それでゾンビみたいにブワーッと起き上がってきたんで。“うわあ、ここで起き上がってくんのコイツ”と思って。で、あとはもう打撃で仕留めたろうって感じだったっすね」
──では、もう終わったと思っていたのですね。
「終わったと思って離したっス」
──その後にもう一回倒さなきゃいけないというのは、気持ち的にはキツかったですか。
「いや、もう顔が多分もう結構苦しそうな顔してたんで、やっぱ僕も性格悪いんで、苦しそうな顔見るともっと殴ってやろうと思うんで(笑)。もうここで仕留めんと、3R行ったらちょっとヤバいなと思ったんで、もう必死だったっスね。セコンドがお水くれなかったんすよ、1R目が終わった後。なので、もう3R行ったら多分動けなかったんで、僕(笑)。本気で倒しに行きました」
──なぜ水をもらえなかったのですか。
「『1R目、こうやられとるから!』って説明されとる間に気づいたら時間過ぎちゃって、水飲めなかったっす」
──RIZINのマットが変わったことで、自分のグリップが効くようになるので、ステップがより使えるようになるということを以前インタビューで話していました。今回はいかがでしたか。
「昔は水で濡らしたらなんとかなったんですけど、今回は水濡らしたらめちゃくちゃ滑ったんで。濡らさん状態だったらやっぱ打撃はしやすいっスね。止めやすかった。ずっとこのマットがいいです」
──今回がぶる場面があったり、立つ場面で今までレスリングを課題に挙げていたところで進歩があったと感じていますか。
「ま、そうですね。グラウンドの展開になってもそんなに極められるっていう気持ちもなかったんで、相手を動かしつつという感じだったので。もう全然手応えは上がってるんじゃないかなと思いました」
──上位陣はグラップリング、レスリングの猛者が多い印象です。それも大丈夫ですか。
「そこはもっと練習して、またちょっとストライカーの組みとグラップラーの組みは違うので戦い方が変わるので。そこはまた、大晦日にお披露目したいですね」
──入場曲で宇多田ヒカルさんの曲を使用されていますが、先日ラジオでメールが読まれたそうですね。そのことが嬉しいという話をされていましたが、せっかく勝ってファンとして伝えたいことはありますか。
「宇多田様にかあ~。いやあ本当にね、ラジオで選ばれるなんて多分マジで奇跡、本当パチンコ当たるより奇跡ぐらいのことだったんで、本当びっくりしたんですけど。で、その後続きがあるんですけど、別の宇多田さんのエピソードがあって。なんか、『あなたの宇多田ヒカルさんの歌の思い出を投稿してください』みたいな。で、もしそれが当たったら抽選で200名様にオリジナルの消しゴムがもらえます、みたいな。『流石に当たらんやろな』と思いながら応募したら、まさかの、それも当たったんですよ。ヤバくないっすか!? 完全に流れがきているので、もしよかったら……、宇多田さんは『今はあんま見れないかも』と言ってたけどどこか機会があったらぜひ見に来てほしいです」
──匿名にしていたのはあえて伏せたのですか?
「名前出したら、キモくないスか?(笑)なんかそういうの。ラジオって匿名でやるもんじゃないですか? 知らないけどああいうのちょっと応募したことなかったんで。いやあもう本当に、(手を振りながら)『宇多田さん、見に来てくださーい!』」
──最後に、試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えてください。
「そうですね、大晦日までに恋文をしっかり書いて、親愛なる(神龍)誠くんに届けられるように、頑張るだけですね」
















