2025年8月2日(日本時間3日朝7時~)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Taira vs. Park』(UFC Fight Pass/U-NEXT配信)が開催された。日本から平良達郎(THE BLACK BELT JAPAN)と中村倫也(American Top Team)が出場。両選手ともにフィニュシュ勝利し、再起を果たした。
メインイベントのフライ級(5分5R)に出場の同級6位の平良達郎は、MMA10勝無敗・UFC3連勝中のパク・ヒャンソン(韓国)と対戦。1Rに右ストレートでダウンを奪った平良は、2Rにダブルレッグテイクダウンからフェイスクランクでタップを奪い、一本勝ち。
また、プレリミナリーのメイン・第6試合のバンタム級(5分3R)では、中村倫也が英国のネイサン・フレッチャー(英国)と対戦。中村がサウスポー構えから左の三日月蹴りをレバーに突き刺し、左ストレートでダウンを奪ってパウンド、62秒TKO勝ちを決めている。
2日(日本時間3日)の中村倫也、平良達郎。翌週9日(日本時間10日)の風間敏臣vs.エライジャ・スミス、16日(日本時間17日)の朝倉海vs.ティム・エリオット、22日の鶴屋怜vs.ニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに続く、UFC日本人ファイター5連戦の最初の試合となる。
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UFC Fight Night: Taira vs. Park 速報
▼フライ級 5分5R ※選手名からインタビュー〇平良達郎(日本)17勝1敗(UFC7勝1敗)6位 126lbs/57.15kg[2R 1分06秒 フェイスクランク]×パク・ヒュンソン(韓国)10勝1敗(UFC3勝1敗)126lbs/57.15kg
2025年8月2日(日本時間3日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催される『UFCファイトナイト』のメインイベント・フライ級(5分5R)に出場する平良達郎(THE BLACK BELT JAPAN)の対戦相手アミル・アルバジ(イラク)が欠場。代わってMMA10勝無敗・UFC3連勝中のパク・ヒャンソン(韓国)が平良と対戦することが7月28日、UFCから発表された。
フライ級6位の平良と対戦するパクは、8月9日に10位のスティーブ・エルセグと対戦予定だったが、1週間前倒しの2日のメインイベントに出場することになった。
平良は24年10月に当時1位のブランドン・ロイヴァルにスプリット判定で敗れ、キャリア初の敗北を喫したばかり。今回は再起戦で4位のアルバジとの対戦に向け、沖縄から試合4週間前に米国デンバー合宿に入っていた。アルバジはSNSに欠場理由を「医学的な許可が下りていない」と投稿している。
新たに平良との対戦が発表されたパクは、2023年にUFCに参戦し、オクタゴンで3試合連続でフィニッシュ中で、2019年以降の直近9試合をフィニッシュ勝利を記録している。
バックボーンはムエタイながら、4つのKO・TKOを上回る5つの一本勝ちを誇るウェルラウンディット・ファイター。2014年、18歳の時にジムの一般会員として、日本のKrushに参戦し、前王者の卜部弘嵩を相手に判定まで持ち込んでいるオーソドックス構えの29歳だ。
2018年にMMA転向すると、韓国Double Gでフライ級王者となり、22年の『ROAD TO UFC』に出場。一回戦でインドネシアのジェレミア・シレガーをボディロックテイクダウンからバックマウントでのパウンドで1R TKOに下すと、準決勝は元RIZINファイターのトップノイ・キウラムと対戦。初回に左でダウンを奪われたものの、組んでバックを奪い、リアネイキドチョークで逆転の一本勝ち。
チェ・スングクと韓国勢対決となった決勝戦では、3Rに平良も得意とするスタンドバックからボディトライアングル(4の字ロック)にとらえてグラウンドに持ち込んでのチョークで3R 一本勝ちで優勝。UFCとの契約を掴んでいる。
その後の本戦デビュー戦では、シャノン・ロスを相手に左の前蹴りをボディを効かせると、左ボディを2連発でダウンを奪い、2Rにパウンドアウト。24年はヒザの負傷の治療にあて、25年2月に予定されていた復帰戦は相手のニャムジャルガル・トゥメンデムベレルの体重オーバーで消滅。25年5月に1年半ぶりの復帰戦でカーロス・ヘルナンデスと対戦。日本の平良(2R TKO負け)、鶴屋怜(判定負け)と対戦しているヘルナンデスに、右カーフキック、ワンツーから左ボディを打ち込むと、組んでのヒザ。脇を潜ってすかさずバックに回って持ち上げて小外刈テイクダウンから、ボディトライアングル。リアネイキドチョークを自身の手首を掴んで極めて、1Rでタップを奪っている。
身長171cmは平良の170㎝と近く、リーチでは平良が10cm長いとされるが、圧力をかけての左ジャブ、右ストレートは強打で、左ボディへと繋ぐコンビネーション、クリンチアッパーもこなすスタンド巧者。そして、バッククリンチからのボディトライアングル、リアネイキドチョークでのフィニュシュは平良と同じ強味を持つといえる。
試合5日前の対戦変更で平良は、柔術ベースのアルバジとは異なる無敗の韓国人プロスペクトとの対戦に臨むことになる。また、パクにとっても1週間試合を前倒しにし、ランキング6位の平良との対戦のビッグチャンスに、必勝態勢で向かうだろう。
デビュー戦以外はすべてフィニッシュ勝利の29歳と急遽対戦する平良は、「対戦相手が変更になり、8/2にパク・ヒャンソン選手と戦います! 色々ありましたが、変わらず戦える事に感謝。昨日(※日本時間28日)、チームとLas Vegasに入りました。8/2の試合に向けて丁寧に仕上げていきます! 」と、力強く記している(※平良達郎インタビュー)。
『POWER TO THE PEOPLE』を口ずさみながら日の丸を背に入場した平良。リラックスした表情でオクタゴン内でステップを踏む。メインイベントの5R戦。平良の身体は前戦より大きく見える。
1R、タッチグローブ。ともにオーソドックス構え。中央を取る平良。右ローをかすめるパク。平良は両手を少し下げてからガードに。左ローは平良。パクのジャブに右をかぶせる平良、さらにステップインして右ストレートでダウンを奪うと、ハーフに。左で脇差し右にパス狙い。レッグドラッグの形から右のパウンド1発。そこで上体を上げたパクのバック狙いの平良。
左足をかけてボディロックで崩して立ち上がりにボディトライアングル!
平良を背負うパクに、おたつロックの平良は背後からパウンド。左腕を回して一気に後方に引き込み! おたつロックで左腕でリアネイキドチョーク狙い。バックマウントから身体を伸ばしてパウンド。パクは座っておたつロックをずらすと脇に右手を挟んで首を防御し、背後にヒジを突く。5R戦の経験もある平良は極め急ぎ過ぎず。平良のラウンドに。
2R、中央を取るパク。右カーフ。左から右のワンツーで前に出ると、右を合わせに行くパクに平良はジャブのフェイントからダブルレッグ。ケージまでドライブして、持ち上げてテイクダウン!
サイドを奪い、ケージを使って立ち上がろうとするパクをサバ折気味にボディロックテイクダウン。バックを奪うと4の字ロック、左腕で肩を抱いてRNCグリップでネッククランク! パクはヒジを押し上げてズラそうとしたが、顎上から極められてタップした。
一本勝ち後、平良は「アイム・ハッピー、サンキュー!」と勝利のコール。
「試合は打撃とグラップリングを混ぜる展開をイメージしてたんで、まあ想像通りです」と語り、インタビュアーのマイケル・ビスピンから「この勝利で改めてまたフライ級コンテンダーに帰ってきた。今後は?」と問われ、「この前のブランドン・ロイバル戦から10カ月空いてここに戻ってきました。だから自分のスキルを見せる必要があったし、チャンピオンのパントージャ、ジョシュア・ヴァン、ぜひ戦いたいです」と語った。
「その前にもう1試合あったら?」と問われると、「マイコーチがパントージャと」と、笑顔で返している。
【試合後インタビュー】平良達郎「敗戦後チームは誰一人、僕がUFCのチャンピオンになることを疑ってなかったから、強くなれた」「パントージャvs.ヴァンの王座戦と同じ日に試合をしたい」
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▼ライト級 5分3R〇クリス・ダンカン(スコットランド)14勝2敗(UFC5勝1敗)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※29-28, 29-28, 30-27×マテウシュ・レベツキ(ポーランド)20勝3敗(UFC4勝2敗)155.5lbs/70.53kg
ポーランドのレベツキは、24年5月のディエゴ・フェレイラ戦でTKO負けで初黒星。10月にオロルバイにスプリット判定勝ち。
DWCS出身・スコットランドのダンカンは、24年2月にマヌエル・トーレスにリアネイキドチョークで一本負けで初黒星も、ここ2試合をギロチンチョークで極めている。
ともにこの試合に向けて、ATTで練習。合宿所の隣部屋で暮らし、ATTジムでは壁を作って同門対決の練習をしてきた。
1R、サウスポー構えのレベツキ。オーソのダンカンは右オーバーハンドを振る。さらに右ストレート。下がらないレベツキはワンツーの左で前進すると右でフラッシュダウンを奪う。すぐに立つダンカンも左で返す。蹴り、ヒザの交錯で下になるダンカンだが、立ち上がり。
左ボディのダンカン。レベツキはワンツーの左、インローと前に。ダンカンはその入りに右を合わせるが、前に出るのはレベツキ。左インローを当てる、ダンカンの右ハイをスウェーでかわすレベツキ。ダンカンは右ヒザも潰したレベツキ。両足を束ねてパウンド。足を抜いて背中を見せた立つダンカンはケージ際に。バッククリンチからヒザを突くが、正対するダンカンがヒザ。
右ジャブ、左ロー、左を強振するレベツキ。ダンカンもヒジを狙う。ダンカンの右ヒジでレベツキは右額を大きく内出血。
2R、レベツキの左にダンカンの右が交錯。左インローから前に出るレベツキにダンカンは右回りで右前蹴り。さらに右ストレートを突く。レベツキは右の外足を取って右を打つが、その打ち終わりに右ストレート、右ハイはダンカン! ここで引かないレベツキはダブルレッグテイクダウン。しかし立つダンカンは右の打ち降ろし。左の突き合い。左アッパーのレベルキ。左オーバーハンドは大きい。ダンカンは右ボディ。右ミドル! 右前蹴りはかわしたレベツキは左の飛び込み。さらに左。回るダンカンは右ミドルを返す。さらに入りに右テンカオ。顔を腫らすレベツキ。
3R、左から右アッパーのダンカンにダブルレッグテイクダウンのレベツキ、すぐに立つダンカン。ワンツーのダンカンに被弾しながらも右を振るレベツキ、空振りに。なおも組みを混ぜながら前に出るレベツキにシングルレッグのレベツキ。そこにアナコンダチョークを狙うダンカン。仰向けになって逃れるレベツキは、目が塞がりながらも前に。
ダンカンも左目下をカット。軸がブレながらも右から左を振るレベツキ。そこに組んだのはダンカン。右の相打ちから右三日月蹴り、右ヒザのダンカン! 右ジャブ、左フックを返すレベツキ。
押し込むダンカンに突き放すレベツキ。右を差すダンカン。頭を下げて入るレベツキに右ハイを当てて右ストレートに。さらに首相撲ヒザ。レベツキは右顔面の半分が血に染まる。ホーン後に、額のコブが破裂か。マットが血で染まる。
判定は29-28×2、30-27の3-0でダンカンが勝利。血まみれの同門対決を制した。
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▼ライト級 5分3R〇エステバン・リボビクス(アルゼンチン)15勝2敗(UFC4勝2敗)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×エルブス・ブレナー(ブラジル)16勝6敗(UFC3勝3敗)155.5lbs/70.53kg
1R、ともにオーソドックス構え。四つから崩してテイクダウンのリボビクス、足を効かせるブレナーは右で差して立ち上がり。
詰めるリボビクスにブレナーはシングルレッグも切るリボビクスは右。インローのブレナーを詰めてワンツー。ケージに詰めて右をヒット。ブレナーはバックフィストもスリップ。リボビクスパウンド。蹴り上げ離して立つブレナーは左も前に出るリボビクスはヒザを突く。
2R、右を伸ばすリボビクスに、ジャブを突くブレナー。詰めるリボビクスに左ジャブでアゴを上げさせる。しかしリボビクスはサウスポー構えにスイッチしての左を伸ばし、右ローも。ブレナーは右ボディ、左フックでシングルレッグも切るリボビクスが右から左フックを強振して前に。
ブロッキングのブレナーは左ジャブを突くが、連打はリボビクス。右インローをヒット。ブレナーは蹴りでスリップも、寝技にはつきあわず立たせる。右から左ボディ、跳びヒザ、ミドルと連続攻撃のリボビクス。回るブレナーは左ジャブ、右跳び蹴りで押し戻し。 ブレナーは右から左。インファイトに持ち込むリボビクスは左ミドルを当てる。
3R、ともにサウスポー構え。歩いて近づくリボビクス。ケージ背に回るブレナーに右を当てて右ボディから左の対角線攻撃。ブレナーはシングルレッグも切るリボビクス。左ストレートで前に。オーソに戻したブレナーの右の返しをかわすリボビクス。左ストレートを当てて右アッパーは空を切る。 サウスポー構えで前進するリボビクス。左ヒザ、右ミドルハイ。右の打ち終わりにブレナーは左をヒット! しかし単発。ブレナーのバックヒジをかわしてリボビクスはスーパーマンパンチから前に出て右跳び蹴りでホーン。
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▼女子バンタム級 5分3R〇カロル・ホザ(ブラジル)19勝7敗(UFC8勝4敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27、29-27×2×ノハ・コノル(フランス)9勝3敗(UFC3勝2敗)136lbs/61.69kg
1R、ともにオーソドックス構え。右ミドルで前に出るコノル。ホザも左から右を突く。コノルの右ローに左右を突くホザ。コノルはワンツーの右を強打。クリンチのホザはアゴ下に頭をつけて右差しで押し込み。しかしコノルが引きはがす。
中央へ。右ローのコノル、右カーフも。ホザは右フックを肩口に。コノルの詰めに両差しでケージに押し込み。近距離で左ボディから右フック、左で差して押し込む。突き放すコノル。ワンツーの右。ホザの推しこみに首相撲ヒザを突く。
2R、コノルの左右の前進にダブルレッグテイクダウンはホザ。下のコノルはキムラクラッチも、ハーフのホザは上から脇腹に細かいパウンド。背中を着けさせられたコノル。ホザは前腕を喉に押し付け、キムラ狙いからマウント、肩固めへ。腕を戻したコノルだが、ホザがマウントのまま。半身になったコノルをリアネイキドチョーク狙い。アゴ上のヒジを押し上げ防ぐコノルにパウンドでホーン。
3R、右ローのコノル。さらに右ストレートを突くが、そこにダブルレッグテイクダウンを合わせたホザ。ハーフから右で脇差し左パウンド。コノルも下からヒジを連打するが、タイトな押さえ込みで右枕、左パウンド。半身から立とうとしたコノルにマウントを狙うホザ。パウンドでホーン。30-27、29-27×2の3-0でホザ勝利。
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▼ウェルター級 5分3R〇ニール・マグニー(米国)30勝13敗(UFC23勝12敗)170.5lbs/77.34kg[2R 4分39秒 TKO] ※パウンド×エリゼウ・ザレスキ・ドイス・サントス“カポエイラ”(ブラジル)25勝10敗1分(UFC11勝6敗1分)171lbs/77.56kg
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブを突くマグニー。右カーフのサントス。左差しのマグニーの組みにサントスはバッククリンチからシングルレッグも倒れないマグニー。
カーフから組んですぐに脇を潜るサントスはバッククリンチも、正対するマグニー。オーソからジャブ、左ミドルのサントスはカーフキック、さらにシングルレッグで組んで崩してホーン。
2R、首相撲のマグニーに、ケージ際でボディロックテイクダウンのサントス。外掛け、外ヒール狙いのサントスに足を抜いたマグニー。トップを取るサントスはインサイドガードに。マグニーは長い手で下から鉄槌。しかしサントスはハーフで寝かせて、左のパウンド。足を抜きシングルレッグでレッスルアップのマグニーは四つから小外がけテイクダウン。
うつ伏せから立ち上がるサントスにダース狙いのマグニー。いったんうつ伏せで回転して抜けるサントスに、追うマグニーは跳びヒザ。さらにバックで崩してバックマウント! 疲弊したサントスは動けず。マグニーは身体を伸ばしてパウンドでフィニュシュした。マグニーはウェルター級最多勝利。
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▼フェザー級 5分3R〇ケビン・ヴァシェホス(アルゼンチン)16勝1敗(UFC2勝0敗)146lbs/66.22kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ダニー・シウバ(米国)10勝2敗(UFC2勝1敗)144.5lbs/65.54kg
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【プレリム】
▼バンタム級 5分3R ※選手名からインタビュー〇中村倫也(日本)10勝1敗(UFC4勝1敗)136lbs/61.69kg[1R 1分02秒 TKO] ※左三日月蹴り→左ST、パウンド×ネイサン・フレッチャー(英国)9勝3敗(UFC1勝2敗)135.5lbs/61.46kg
中村は、フリースタイルレスリング61kg級で2017年U-23世界選手権優勝などの実績を残し、2021年にプロMMAデビュー。2022年の『ROAD TO UFC』優勝を経てUFCと契約し、RTU決勝での風間敏臣戦を含め、ファーニー・ガルシア、カルロス・ヴェラを相手に3連勝。MMA9連勝をマークしたが、2025年1月の『UFC 311』でムイン・ガフロフに判定負け。キャリア初黒星を喫した。MMA9勝1敗、30歳(※中村倫也インタビュー)。
直前で構えが定まらないなかガフロフに敗れ、日本、そして米国フロリダで次戦に向けて作り直してきた中村はいかに7カ月ぶりの試合に向かうか。今回はAPEXでいつもより小さめのオクタゴンとなる。
対するネイサン・フレッチャーはMMA9勝2敗(UFC1勝1敗)の27歳。パディ・ピンブレット率いるNext Generation MMA Liverpool所属で、キャリア初期は桜庭スパッツを愛用していた極め技師。身長は170cmで中村と同じながら、リーチが178cmと4cm中村を上回る。9勝中、1KOと7つの一本勝ちをマークするグラップラーで、4つのリアネイキドチョーク、2つの肩固め、1つの三角絞めが決まり手でトップ、バック、ボトムからも極めを持つ。
Cage Warriorsで活躍後、24年3月のTUFに階級上のフェザー級で出場したが初戦でカーン・ オフリに判定負け。24年9月のUFC APEX大会でリトアニアのジギマンタス・ラマスカとフェザー級で対戦し、2Rにボディロックテイクダウンからサイド、マウント、肩固めで一本勝ち。
25年3月のUFCロンドン大会で本来のバンタム級に落として9勝2敗(UFC1勝2敗)のケイラン・ロクラン(アイルランド)と対戦。初回にロクランにテイクダウンを奪われるも、2Rにフレッチャーがシングルレッグから軸足を刈ってテイクダウン。ケージ際の立ち上がりにダブルレッグで手を着かせて背中に乗ってボディトライアングル。背後からパンチでラウンドを取り返した。
しかし、3Rにダブルレッグテイクダウンから立ち上がりをコントロールされると、がぶりから体を入れ替え、バックフィストをヒット。さらにジャブも突き、ロクランを出血させるも、ジャッジはロクランを支持し、スプリット判定で敗れている。
サウスポーの中村に対し、フレッチャーは基本はオーソドックス構えもスイッチも使い、ジャブ、右を突いてのシングル・ダブルレッグテイクダウンからのグラップリングで勝負しトップ、バックからの極めのみならず、下からの三角絞めも得意とする。
一方で、テイクダウンディフェンスは50%と際立って高いわけでもなく、ハーフガードから潜ってシングルレッグでレッスルアップ。バッククリンチからのグランビーロールなど、ポジションを取られてからのスクランブルに注意が必要だ。
中村はスタンドの立ち位置を制して左を突き、いかにテイクダウンに繋いでスクランブルさせずに押さえ込んで削るか。試合前に「ATTはみんな打撃もレスリングもできた上で寝技が強いので、寝技のみならず当然、ストライキングも磨いてきましたし、そこもバッチリ出せるかなと思っています」と語っている。
笑顔を見せて入場の中村。ATTの堀口恭司、実弟の中村剛士、マイク・ブラウンがセコンド。
1R、サウスポー構えの中村、緩やかな出入りのステップ。オーソのフレッチャーに左の蹴りから。フレッチャーの軸足を蹴ってこかす。立つフレッチャーに左インローを当てる中村。
フレッチャーの蹴りは空振り。中村は左ストレートの飛び込み。さらに左三日月蹴りを効かせると、フレッチャーが身体がくの字に。動きが止まったフレッチャーに中村はさらに左ストレートを突いてダウンを奪うとパウンド4発! レフェリーが間に入った。
試合後、ケージの中でマイケル・ビスピンから「通訳無しで英語で行く?」と聞かれ、「はい、やってみます」と英語で答えた中村は、「実際、前回の試合でレスリングを試したんだけど、ノックアウトのボーナスに集中しすぎて、レスリングがうまくできなかった。だから、自分のレスリングがどれだけ良いか見せたいんだけど、レスリングが上手くいかなかった。
(三日月蹴りは)特にその点については練習していません。彼の腹部(レバー)が少し開いているのを見たので、ただ足を上げただけ」とコメント。
あなたの戦績は11勝1敗です。素晴らしい。次に誰を指名したい? と聞かれ、「10勝です」と訂正した中村は、「年内にもう1試合。バンタム級で誰かを指名するために、あと2つの勝利が必要だと思います。だから誰でもいいです」と語った。
また、試合後、U-NEXTのインタビューで中村は、「やってきたことは自分のレスリングを活かす、MMAとしての完成度を上げること。力の抜き方をギリギリまで恭司さんから聞いていた。(蹴りは狙っていた?)全然。むしろ前回の方が狙っていた。
(構えが組みかパンチか蹴りか分からなかったが?)それがまさにやりたかった。パンチ、蹴り、組みを同じ初動でやりたかった。(相手が)ダウンして行こうか迷ったけど、セコンドから)『行け、行け、行け』と(言われて)“よし行こう!”と。(武術は)道として格闘技を極めることがやりたいんだなと原点に帰りました。無事勝てました」とコメント。
セコンドの堀口は、「よかったです。今までやってきたことを楽しんでやっていけ、と話しました。打撃も伸びて、打撃でも倒せるものがある。オールラウンダーだと思います」と中村の勝利を語った。
続く公式インタビューでは、「とても幸せで、そして少し驚いた。 予想より早く終わったので。彼は僕をもっと激しいゲームに連れて行こうと思っていただろうけど、そうならなかった。幸せと驚きが半々だった。
(相手の懐に)深く入り込んで、彼のレバーを突いたのを感じたけど、大きなダメージを受けたふりをしているようにも見えて。行けるかどうか少し迷ったけど、私のコーナーマンたちが『行け、行け、行け、ただ行け!』と言ったので、決心して中に入った。少し緊張したけど。
打撃勝利を逃したくないので、それが私を少しだけ喜びを感じさせました。MMAキャリアでの最初の敗北の後だったので。
自分自身に『人生で何をするのか、何を実現するのか』と問いかけました。そして、フロリダに移り、アメリカン・トップ・チームでトレーニングすることを決め、彼らは私自身を信じるようにさせてくれました。緊張しながらも、自分自身のことを半分は信じていました。常に自分自身を信じようとしました。私は常に自分自身を疑う傾向があったけど、チームが、ATTの仲間たちが、私自身を信じるようにしてくれた。それが私にとって大きな力となった。
(ラスベガスでは)僕が知っている唯一の祝いの方法はギャンブル。今回はバカラを学んだので、もしかしたら(笑)」と語っている。
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▼ミドル級→キャッチウェイト 5分3R〇ホドルフォ・ヴィエラ(ブラジル)11勝3敗(UFC6勝3敗)185lbs/83.91kg[判定3-0] ※29-28, 30-27×2×トレーシャン・ゴア(米国)5勝4敗(UFC2勝4敗)189.5lbs/85.95kg ※体重超過
※ゴアは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のヴィエイラに報奨金の25%を支払う。
1R、ともにオーソドックス構え。先にヴィエイラが右カーフ、左ジャブ。ゴアも得意の右カーフを蹴り返す。シングルレッグからダブルレッグのヴィエイラだが、突き放すゴア。ジャブから再びシングルレッグのヴィエイラだが、固執せず。右カーフのゴアにヴィエイラは右を突いてシングルレッグから左差しで崩すも、右小手で崩れないゴアは突き放して右カーフ。
組みの圧力からケージに詰めてダブルレッグテイクダウンのヴィエイラ。金網背に座るゴアに右足を束ねるヴィエイラ。足を抜き際にバッククリンチのヴィエイラだが、正対して離れるゴア。
左ジャブを突くゴアに、右ローのヴィエイラ。ゴアの右カーフに右を合わせたヴィエイラが詰めてホーン。
2R、右の前蹴りを突くゴア。ヴィエイラはレベルチェンジを見せてシングルレッグも、すぐに差し上げるゴア。ジャブの刺し合い。右ストレートを突いたヴィエイラは右奥足にシングルレッグ。切るゴアにスタンドに戻る。
右カーフを当てるゴア、前に出るヴィエイラはワンツーの右をヒット。さらにシングルレッグも、回って差し上げるゴア。ヴィエイラは離れる。
右インローのヴィエイラに、左ジャブを突くゴア。ヴィエイラはワンツーを突き、右ボディストレート。右ローのゴア。ヴィエイラのジャブに右から左のゴアの指がアイポークに。ヴィエイラ中断から再開。右オーバーハンドのゴア。ホーン。ここもヴィエイラのラウンドに。
3R、ダブルレッグを見せたヴィエイラ。組みから打撃、右カーフを打つ。右カーフのゴアに、左ボディジャブを当てるヴィエイラはさらに左ジャブ。右ロー。さらにワンツーをガード上に突いてシングルレッグでケージまでドライブ。テイクダウンに固執せず突き放す。ゴアは前進。右前蹴りも掴むヴィエイラは右ストレート、左フック、右ボディストレートをゴアのカーフに合わせる。
左から右アッパーを当てて左で差して押し込むヴィエイラだが自ら離れる。ゴアの右に左ジャブを刺すと、右カーフ。さらにワンツーで前に。右で差して内股狙いのまま左のパンチを当ててホーン。
判定は29-28, 30-27×2の3-0で柔術世界王者のヴィエイラが組んで打撃を入れて勝利。
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▼ミドル級 5分3R〇アンドレイ・プリャエフ(ロシア)10勝3敗(UFC1勝1敗)185.5lbs/84.14kg[2R 1分31秒 KO]×ニック・クライン(米国)6勝3敗(UFC0勝2敗)186lbs/84.37kg
1R、サウスポー構えのプリャエフにオーソのクラインはシングルレッグテイクダウン。立ち際に右を連打し、バックテイク。両足をフックする。リアネイキドチョークも後ろ手を剥がしたプリャエフは腰をずらして立ち上がり。
そこにすぐについていくクラインはバッククリンチ。正対したプリャエフにクラインがヒザ。プリャエフもヒザを突き返す。両差しのプリャエフは首相撲ヒザを突いて突き放すとストレートも、クラインが力を使ってボディロックテイクダウンもホーン。
2R、先に組むクラインはケージに押し込みダブルレッグテイクダウン。ケージウォークで立つプリャエフ。1Rから力を使っているクラインは消耗。サウスポー構えから左ミドルを効かせたプリャエフは、さらに左をヒット。金網際でダウンの際にサッカーキックも頭には当たらず、TKO勝ち。
空道出身のプリャエフは試合後、「彼のレスリングを予想していました。彼が私とレスリングをしたいことは分かっていたので、私たちは彼が疲れるのを待っていました。最初の試合ではとても緊張していました。私ができることを示しました。より爆発的なストライキングを。美しい戦いを見せようとしています。私のコーチであるアレキサンダー・シュレメンコ。オムスクのストーム・スクール、エフゲニー・ボーダー、アンドレ・クリシュカ、シャラダ・モラドに感謝を。私はベストを尽くすようにしています」と語った。
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▼フェザー級 5分3R〇オースティン・バシ(米国)14勝1敗(UFC1勝1敗)145.5lbs/66.00kg[1R リアネイキドチョーク]×ジョン・ヤニス(米国)9勝4敗(UFC0勝1敗)145.5lbs/66.00kg)
1R、サウスポー構えのヤニスに、オーソのバシは右ミドルハイから。さらにワンツーを強振。ヤニスの入りにサウスポー構えにスイッチしてダブルレッグテイクダウン。すぐさま立ち際にボディトライアングルで組んでバックに。
背負って立つヤニスを崩したバシは中腰のヤニスに両足フックに移行。バックマウントからパウンド! 再びボディトライアングルで背後からパウンド。足を解いたところで立ち上がるヤニスのバックに乗り、パームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。
UFCフェザー級最年少、23歳のバシは試合後、「UFCでの初勝利後、まず何よりも、私の主であり救い主であるイエス・キリストに栄光を。彼がいなければ私は何者でもないんだ。この瞬間のために人生をかけて努力してきたんだ。1月にここに来て、物事がうまくいかず、コーチやチームメイトと共にジムに戻った。ミスを修正し、今日は勝利を手にした。素晴らしい気分です。実は彼(ヤニス)は月曜日にこの試合を引き受けたので、ゲームプランは完全に変わりました。彼のスタイルが分からなかった。仕事を成し遂げた。できるだけ早くオクタゴンに戻りたい。ショーン・シェルビーが呼んでくれれば、いつでも準備はできている。家族とファン、コーチ、チームメイト、そして私を支えてくれた皆さんに感謝します。最後に、叔父のファルタージに安らかに眠ってください」と語った。
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▼フライ級→キャッチウェイト 5分3R〇ハファエル・エステバム(ブラジル)14勝0敗(UFC3勝0敗)130.5lbs/58.96kg ※体重超過[判定3-0] ※29-28×3×フェリペ・ブネス(ブラジル)14勝8敗(UFC1勝2敗)125lbs/56.70kg
※エステバムは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のブネスに報奨金の25%を支払う。
1R、ともにオーソドックス構え。右カーフの蹴り合いから、エステバムは右前蹴り。ブネスは前手左フックをガード上に叩く。
右カーフの打ち合いからエステバムがダブルレッグへ。シングルレッグに切り替えるが、足を抜くブネス。エステバムは右オーバーハンドからダブルレッグテイクダウン。ブネスの三角絞め狙いをかつぎパスでサイドに。手足の長いブネスは下からバギーチョーク! エステバムは亀で凌ぐ。ホーン。
2R、先に右で詰めて左ボディを突くエステバム。ブネスも右の打ち下ろしで押し戻し、エステバムのテイクダウンにヒザを合わせるが、エステバムがテイクダウン。
引き込みむ形になったブネスは再び三角絞め狙いも、かわすエステバムはインサイドガードからパウンド。エステバムは背中を着いて寝技を狙うが、上のエステバムはヒジ、鉄槌。足を解いて腰にあてて距離を取るブネスは蹴り上げて立ち上がるが、エステバムはすぐにダブルレッグテイクダウン。下のブネスのオモプラッタ狙いをかわしてパス、バックへ。ブネスが立ち上がりホーン。
3R、左ジャブを突くブネス。ワンツーから左フックもそこにカウンターのダブルレッグテイクダウンのエステバム。ここはすぐに立つブネスが右をガード上いn突くが、エステバムもワンツー。ブネスの足が揃ってたところにダブルレッグテイクダウン。
右にパスを狙うエステバムに下からストレートアームバーのブネス。かわしてパスのエステバムに中腰になるブネス。エステバムは背後からスロエフストレッチを狙う。ブネスをグラウンドに崩してバックからボディトライアングルのエステバムは強い打撃を背後から入れてホーン。
判定は3-0(29-28×3)で2kgもの大幅体重超過のエステバムが勝利。MMA14勝無敗、UFC3連勝とした。
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▼女子ストロー級 5分3R〇ピエラ・ロドリゲス(ベネズエラ)11勝2敗(UFC4勝2敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ケトレン・ソウザ(ブラジル)15勝6敗(UFC2勝3敗)116lbs/52.62kg