朝倉未来は『ケラモフでも青木でもRIZIN側が決めた選手とやる』と言っていた
──シェイドライフ選手の試合がギリギリに決まったということは、同じフェザー級の朝倉未来選手の試合も結構……。
「いや、もうギリギリです。青木真也選手のONEとの契約の満了を待って、正式に我々もオファーをかけてますので、未来との中では実際スタンバイしてたんですよ。契約終わって青木真也に──僕は2つ返事でやるって食いつくと思ってたんだけど──それもオファーしてみないとわからないなか、未来は『誰でもいいです』と。『もうそこは(ヴガール)ケラモフでも青木でもRIZIN側が決めてきてくれた選手とやるんで、僕待ってます』っていう状態で先週まで来てますから。
それが青木で正式にツモれましたっていうことになって、16日か17日ぐらいだと思いますけど。未来もわかりましたという返事ももらって、もう『20日(の会見)にそれでいくね』と。ケラモフにはケラモフで、『未来で行くかもしれないし、未来がダメだったら高木凌になる』っていうことでスタンバイして待ってもらってたんですね。高木にも『対ケラモフで括れるかどうかは、上のカードが決まってきた流れになる』っていうところで、その意味では、それこそ(カルシャガ)ダウトベックvs.萩原京平戦も含めて、平本の相手もそうですけど、18日の広島大会の結果を待って、というところが最終だったかなって感じですね」
──青木選手の71kgでの試合っていうのは、青木選手の希望ですか?
「青木と話をして、未来もそこは71(ライト級)でいいっていう。逆にそこで未来としては66(kg・フェザー級)を強いるってこともできたかもしれないけど、まあ“少しぐらい青木に寄ったルールでやってやらないとまずくないですか”っていう感じですね、朝倉選手は。だから『71で全然、自分は合わせますよ』っていう感じでしたね」
──テーマ的には多分、RIZIN初期の青木vs.桜庭和志の逆のような感じでしょうか。
(※青木は2015年12月29日の桜庭和志戦(78kg契約)以来のRIZIN参戦。そのときは青木が桜庭をパウンドアウトし、世代交代を成し遂げている。フェザー級の朝倉未来がライト級で戦うのは、2019年7月の矢地祐介戦(70kg契約)以来。また、2013年4月からONEに参戦していた青木は、ハイドレーションテストが導入された16年以降は多くの試合を水抜き無しの77.1kgで戦っており、水抜きありのRIZINの71kgに近い体重は、2015年5月のONEでの安藤晃司戦(70.3kg)以来、11年ぶりとなる)
「そうですね。格闘技というか、戦う世界の中の哀愁漂う試合になるのかもしれないし、次なる世代にやっぱり追い越され、追い越されないように努力してっていうことの世代闘争を含めた、いろんなものが集約された試合になるんじゃないかなと思います。本当に日本の格闘技界の歴史を紐解いて、今の最近ファンになってくれたファンの人たち、RIZINのファンの人たちにおいても、青木真也って誰? っていう、ちょっと届いてない層もたくさんいると思うし、その反面、青木世代、青木を見てきた往年の格闘技ファンからすると、もう一度RIZINを見る機会になるかもしれない。まあ、佐藤大輔がどうこの試合を切るのか、描くのか、煽りVが待ち遠しいですよね。楽しみにしていただいて」
──今日のファンの反応を見ると、青木選手に対する声援は凄かったと思います。それは感じられましたか。
「キョトンって感じではなかったですね。まあ、そんなこと言ったらドンマイ川端って言って、多分“ふざけてんのかよ”って言われるんじゃないかなと思っていたんですけど。ドンマイもなんかちょっと声援があったね(笑)。まだYouTuberとして知ってるのかな。キャラクターとしてはほんと人を食ったような男ですけど、出てくるのには理由があるんでやると思いますよ。簡単じゃないと、富澤(にとっても)ね」
──青木選手は榊原さんの交渉だったのでしょうか。
「そうですね。僕と笹原で話をした」
──昔と比べて、その交渉の時の状況は?
「どうなんですか? 僕より笹原の方が詳しいんじゃないですか」
笹原 昔から素直ないい奴です(笑顔)。本人もやっぱり日本でやりたかったと思いますけどね。
──「死に場所だ」と。
「だって死ぬに死に切れてないじゃん。だから僕らからしても、本当にやっぱりその時代を作った選手に対するリスペクトが俺は足らないと思っていて。ONEのことを悪く言うつもりはないよ。でもちゃんと句読点を打ってあげないと、死なせてあげないと──死ぬ(負ける)かどうか分かんないですよ。ちゃんと描いてあげないと、なんとなくこのまま年が経って忘れられました以上、みたいな……。でも青木が本当に暗黒時代に一人気を吐いて世界と向き合ったことには、ちゃんとリスペクトを持ってあげないと。それがあったから、今のこのRIZINの熱もあって、ああいう選手がいなければ朝倉兄弟も生まれなければ、このRIZINのこういうムーブメントも生まれなかった。そういう流れの中で、2015年の桜庭vs.青木もあったわけで。だからもう一回、RIZINの歴史だけでも紐解いてもらういい機会になったらな、という風には思いますけどね」
──未来選手は「グラップリングでも負けない」というような話をしてましたが。
「毎回ビッグマウスですからわかんないです(笑)。どんな練習してるのかわかんないんで、いつも『1ラウンドでブッ倒します』って毎回言うんで自信満々なんですよね。シェイドゥラエフも倒すって言ってましたからね、今思えば。だからわかんないです。そんな簡単じゃないだろうって気がしますけどね。わからない。でも青木もまだギリギリ、やっぱりトップコンテンダーとしてのもう“昔の名前で出ています”ではないんで、コナー・マクレガーとは違うと思ってますから。最初の踏み込んだ足で前十字(靭帯)切るとかね、僕がダナ・ホワイトだったら、ファイトマネー全部没収ですよ(笑)。全部返せって。まあ返せないだろうけどね。賭け事の対象にいっぱいなってるんで。
だからどうなってるのか知らないけど、あんなことをUFCがやっていたらチャンスありますよ。うん。舐めてるとしか考えられないじゃないですか。あれであんなに熱狂させて。だから“昔の名前で出ています”で引っ張るのには限界がある。MVP(ロンダ・ラウジーvs.ジーナ・カラーノがメインで17秒決着)見ていてもそうじゃないですか。あれでは未来は作れないんで。僕らはそういうことも含めてPFLにもいっぱい話をして、今の現役のトップアスリートがトップの時に、やっぱり勝負論があって、ヒリヒリハラハラして、想像以上のパフォーマンスを見せられる機会をたくさん作りたいなとは思ってます。青木もギリギリ、僕らが見る中では現役としてまだ十分アスリートとして存在していると思うので、未来は簡単ではないと思いますけどね」
──先日、日比谷の会見時に、朝倉未来選手と平本蓮選手にバチバチがあって、榊原CEOも『1回は発表した以上はどこかで』というお話がありましたが?
「まああり得るんじゃないですか。ここで例えば2人とも勝って大晦日みたいなのは綺麗。それもないことはないでしょうけど、まずは2人がどんな作品を9月10日に朝倉未来vs.平本蓮で見せるのか。その結果、本当に常に旬なものをタイミングでマッチアップしていくのは大変なんですけどね。もう大晦日のカードとかも決めておけば楽ちんですけど、まあやっぱりその時見たいものって変わっていくから。だから9月の結果を見て、大晦日は誰で勝負するのか、シェイドゥラエフとAJがどっちが勝つのかにもよると思うし、秋本(強真)とクレベル(コイケ)はどっちがどう勝つのか、それにもよると思うし。いずれにしても“このタイミングで大晦日これ見たいよね”っていうものが、きちっとマッチアップできるような準備は整えたいと思っています。未来と平本っていう可能性も十分、あるんじゃないですかね、大晦日」
──萩原京平選手に蹴られたダウトベック選手との交渉は難航するかなと思いましたが、いかがでしたか?
「いや、あのダウトベックって人食ってんのかな(笑)。この前の総括で言えなかったんですけど、試合前から『(勝てば平本戦と)』ともう言ってあるし。彼が聞いてないわけじゃなくて。平本はどちらかというとダウトベックと一発でいきたいと思ってたんだけど。でも盛り上がるのは京平だよねってことで、最後の大会前に京平をSNSとかも含めてプッシュアップしたんだけど、いずれにしても、どちらが勝っても大きな怪我があった場合は、それかどっちつかずの判定で、平本とマッチアップした時に乗れないような感じになるんだったら、最悪ライアン・カファロ(※松嶋こよみに一本勝ちするなど4連勝中)っていうのを保険で取っていて。当初は『カファロで』って平本も言っていて。平本はここは本当にその『“謎外国人”みたいなことでお茶を濁すのではファンは認めてくれないし、納得してくれないんで、僕はもう今のこのタイミングでみんなが納得する選手とやるんだ、やらせほしい』っていうことで、萩原よりは本当にそういう意味では、ここまで萩原に勝って11連勝してるダウトベックとやりたかったわけで。しっかり平本の意向に沿った相手がマッチアップできたかなっていう感じで。ダウトベックも人食ってますけど、全然あのやる気満々だと思います」









