「転がり込んできたチャンスは僕は行くしかないと思ってる」と武田
2026年3月7日(土)東京・有明アリーナにて『RIZIN.52』が開催された。
第9試合のRIZINライト級(-71kg)5分3Rで、ビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)に判定3-0で殊勲の勝利を収めた武田光司(TRIBE TOKYO MMA)が試合後インタビューに答えた。
当初、コレスニックはRIZINフェザー級(-66kg)で相本宗輝(ROOM)との対戦が決まっていたが、相本が5日に交通事故(ロードバイクで走っていたところ車と接触事故)に遭い欠場。急遽、武田が出場に名乗りをあげて実現した試合だった。
『やってやったぜ』と言える立場ではない

――急きょの参戦ではありましたが、見事な勝利でした。今の率直な感想をお聞かせください。
「勝った、しかないですね。2R目が終わったあたりで完全に酸欠だったので。勝ったなというのがまず実感だなと」
――今もその実感のまま?
「疲れました」
――今回、相本選手が交通事故に遭って欠場からの緊急参戦ではありましたが、その話を聞いた最初の武田選手の印象はどうだったんでしたか?
「チャンスが来たなと。先週かな? 事務所の方に行かせていただいて、一番最初は僕、去年12月の半ばにDEEPの方に参戦をさせていただいたんですけど、その時に勝ったら3月、4月RIZINですね、みたいな。オファーしますよっていう話をちょろっともらってたんですが、3月も4月もなかった状況でして。それで5月か6月くらいかな、みたいな感じになって、オファーがないことも無きにしも非ずだなと思って。途方に暮れている自分もいた状況の中で練習はしてたんですけど、その中で転がり込んできたチャンスだと思って。これは行くしかないと思って。電話の中で行くしかないから絶対僕にして下さいと言ってましたね」

――では、そんな中で対戦したコレスニック選手はどんなファイターだったでしょうか?
「まずはコレスニック選手、本当にありがとうございましたということはお伝えしたいなと思います。66kgを照準に身体も作られていた状況の中で、71kgでやってくれたコレスニック選手に本当にありがとうございますとお伝えしたいなと。この場を借りてお礼が言いたいなと思ってます。印象的には蹴りが多彩な選手で。足がめちゃくちゃ痛いんで、インカーフも全体的に痛いんで、やっぱりストライキングに関してはすごい強かったかなと思いますね。僕がTRIBE TOKYOでやってきたことがだいぶ形になってきたなって思った内容だったなと。ちょっと振り返ると全部は覚えてないですけど、少しは進化というか、やってきたことが出せたのかなと自分の中で思いました」
――試合を終えたばかりなんですが、今後の目標、展望というのを教えてください。
「また少しずつやっていきたいなと。展望というか、いきなり今回勝ったからって誰々とやらせてくださいとかって言える立場では僕はないと思ってるので、また日々練習をして、頑張るしかないかなっていう感じですね」
――試合決定から計量まで、何kg落としたんでしょうか?
「8kg弱ですね。最後、昨日の朝ラストの水抜きだったんですけど、サポートをしてくれてる方もいましたけど、最後失神した場面もあったらしくて、担がれながらやってました(笑)」

――コレスニックが左の上中下の蹴りでなかなか組むのも難しかったかと思いますけど、、どの辺で相手が組みで削れてきてるなと感じました?
「そこは長南さんといろいろお話をして、蹴ってくるタイミング、蹴り終わり、そういうところで下がると来るので、蹴り終わりのタイミングで前に出るっていうことも指摘をしてもらっていたので、そこでプラスアルファMMAの上下のフェイントをかけることができたので、そこで少しはプレッシャーをかけることができたのかなって。
本当はインローを蹴る予定はあまりなかったんですけど、蹴りのタイミングが分かってきてそのタイミングでインローを蹴れば、ちょっとバランス崩れてくれるかなと思って、途中倒すことが確かできたんと思うんですけど。前はこう(防御に回ることに)なっちゃったりとかすることもあったんですけど、だいぶ成長はできたのかなって。あとはTRIBEで萩原くんとかとやってるんで、蹴りが多彩じゃないですか。だからそれがすごい大きかったなと僕は思いますね」

――今回はアクシデントでのライト級という試合でしたけど、出力とかも考えて、今後のライト級の可能性というのもあり得るんでしょうか。
「それみんな言いますよね(笑)。身体キツいんですよ。ノーコメントでお願いします」
――考える時間もなかったような参戦だったと思うんですけど、それが結果的にプラスになったというか、この一連の怒涛の流れだからそのまま試合に行けたみたいなところはあったと思いますか?
「ないです。本当にないです。長南さんには止められたんで。ダメだよ、みたいな。もちろん追い込み、ファイトキャンプをしていたわけでもない状況だったので、息上げの練習とか本当にしてなかったんですけど、こういう風に転がり込んできたチャンスは僕は行くしかないと思ってるので行かせてくださいって言っただけなんで。本当にそれだけです。図々しく『やってやったぜ』とかって言える立場でも僕はないと思っているので。またゼロから頑張るしかないと思ってます」
「あ、そうなんですか? 高木君が。多分僕、縫ってもらっていましたね」
――そろそろどうだと高木選手がおっしゃってましたけど。
「そこはオファーが来たらそうなると思うし、別に僕はそこに対してどうこういう立場ではないと思ってるんで」
――この武田選手の勝利が、4月に福岡大会に参戦する後藤丈治選手ですとか、あるいは萩原京平選手ですとか、同門の選手の後押しになったと思うんですけど、その辺の意識は?
「凄い歯がゆい期間があったんで。丈治と萩原君が4月決まった状態の中で、僕もTRIBEでジムに行って練習してて。試合決まんねえなって思いながら練習をやってた中でのタイミングの今回の試合だったんで。だから、やってやったぜっていう。頼むわ4月っていうことを、丈治には『バトンを渡したから』ってさっきセコンドに就いてもらったので言ったんで。萩原君にもいいバトンは渡せたと僕は思ってるんで。だから僕も2人にはまだ負けてないぞってことを試合で見せることができたのかなって思いましたね。ジムの中で凄い相乗効果ができてると思ってるんで、これからも強くなりたいなと思ってます」

――今後、自分より格上の相手でまたこういうことがあって、3日前にオファーがあるようなことがあったら…。
「またやらせるんですか? こんなこと(笑)。でも、この試合をする前の立ち位置とか立場の状況だったら、またもちろんやらせてくれとは言いますね。格闘技ってタイミングだと思うので。今回みたいな緊急オファーがあった時に、僕がそういう立ち位置だったら、またぜひやらせてくださいと。そこは言いつもりでいます」
――長南さんが止められたということなんですけども、理由付けとしてはどういうことなのかなと思いまして。
「僕が無理くりやりますと言いました。息上げもしてなかったし、その中で試合は無理だよと言われてた中で、僕がさっき言った『こういうチャンスが転がり込んできたのでお願いします』というようなことを伝えたので。だから本当に作戦もクソもなかったと言いたいし、だけど良かった材料としては 2年くらい前にコレスニック選手と試合が決まってた時期があって。コレスニック選手がウイルス感染で中止になったんですけど、その時のメモが携帯にあるんですけど、それをすぐ見返すこともできたので、それがいい材料になったのかなとは思いますね」




