(C)Takazawa Keisuke/GONG KAKUTOGI
2025年11月23日(日)、東京・ニューピアホールにて『DEEP TOKYO IMPACT 2025 5th ROUND』が開催された(※夜大会『DEEP JEWELS 51』速報)。
▼DEEPメガトン級(5分3R)
〇赤沢幸典(フリー)7勝6敗 110.50kg
[1R 3分11秒 リアネイキドチョーク]
×Guts(リバーサルジム立川ALPHA)3勝1敗 103.00kg
2025年7月の『BreakingDown16』で大相撲の元大関・把瑠都を相手にダウンを奪うなど判定勝ちで格闘技復帰を果たした赤沢幸典のMMA復帰戦が組まれることになった。
DEEPチャンネルで佐伯繁代表は、今回の赤沢の復帰について、「結構早い段階で会って話をして、その時に『お前がしっかりと綺麗な体でもう1回格闘技に向き合うんだったら、俺は、人間やっぱり謝ちもあるし、いろんなことがあるからチャンスを与える。ただやっぱりそれがすぐっていうわけにもいかないし、タイミングを見て考えなさい』と話をしていました。
それで夏に赤沢から『MMAに復帰したい』という話がありました。まずドーピングの検査をということで、8月頭に検査をしました。米国の(ドラッグテスト)機関に(検品を)送って、検査をしてもらった結果、問題ないというのが、9月に出た。その結果を持って僕はチャンスを僕は与えようと。11月23日のDEEP TOKYOで彼の試合を組もうと思ってます」と、すでに8月にドラッグテストを行った上で、試合を組みたいと説明した。
続けて、佐伯代表は、赤沢の対戦相手探しが難航するなか、対戦相手を公募すること、そして今回の試合後に、対戦相手も含め両選手のドラッグテストを行うことなどを発表した。
「なかなかやっぱり彼の、いろんな状況の中で対戦相手が正直言って、今見つかってない。過ちを犯かした彼に対してと試合したくないとかいろんな思いもあると思うし、もしもこれを見てる人で『俺がお風とやってやる、倒してやる』という人間がいるんだったら連絡ください。条件として、試合が終わった後、赤沢選手と対戦相手にドーピングテストをします。通常、ウチも時間の問題とかでやっていないけど、こういう状況になってるんで、今回に関してはお互い(ドーピング検査を)するっていう条件でやります」(佐伯)
佐伯代表の発表に同席した赤沢は、「昨年、色々僕の問題で世間を騒がせてしまい、格闘技ファンの皆さんに多大なご迷惑をおかけして改めて申し訳ございませんでした。今回、佐伯代表から、ドーピング検査をクリアするんだったらもう一度チャンスをいただけるということで、自分自身、ずっとMMAやってきたので、MMAに復帰したいので、今後とも応援よろしくお願いします」とコメントしている。
赤沢「日本格闘技界ただいま、やっと戻ってきました。明日はメインメントを選んでもらったんで、メインイベントの仕事らしく、一撃でフィニッシュするような試合をするんでよろしくお願いします」
Guts「明日が楽しみです。良い試合になることを願っています。これまで応援してくださった皆様、本当にありがとうございました」
1R、いきなりダブルレッグの赤沢はケージまでドライブ。Gutsは右小手で両足を広げて離れる。なおもダブルレッグでケージまでドライブしてクラッチ、テイクダウンの赤沢。Gutsの立ち際に右のパウンド連打。息遣いは荒い。
引き出して寝かせた赤沢はハーフでパウンド。対角の腕を掴んでパウンドし、立ち上がるGutsを崩してパウンド。Gutsが首を不用意に上げたところに赤沢はリアネイキドチョーク、タップを奪った。
試合後、赤沢は「日本格闘技界ただいま。赤沢です。ちょっといろいろあって時間が空いたんですけど、これ見てもらった通り、強くなってるんで。大晦日。その時なんか(ヘビー級)タイトルマッチ無いそうで。俺、多分二ラウンドでソルダトキンをフィニッシュできるから。大晦日、ソルダトキンとのタイトルマッチ、組んでください。これ負けた時ファイトマネーいらないんで。絶対組んでください。お願いします。以上です」と語った。
赤沢「いけないことに手を貸したのは間違いない」
──久しぶりの復活勝利を振り返っていただけますか。
「自分的には、本当はもっと早く、今一緒に練習してる貴賢神が前回RIZINで、1分10秒でフィニッシュしたんで。タイムアタックじゃないけど、それを結構意識していて。だけど、ちょっとそれが入っちゃうと、セコンドの方にも“力抜いて時間使ってやっていこう”って言われたので、まあ落ち着いてフィニッシュできたなって感じですね。
僕の師匠というか、兄貴でもあるGSPがよく言っていたのが、彼が世界チャンピオンになるまでは彼と3人とか4人しかジムにいなくて、試行錯誤しながらやっいてたっていうのを聞いていて。たとえその数が少なくても、自分が教えて、自分の苦手な方をできるようにパートナーをさせれば練習できるって言われたんで。まあそこに対しては不安もなくて。貴賢神とGRACHANの井上(悠司)選手とかも一緒にやってて。で、彼らに教えて自分の対策とか切磋琢磨しているんで。まあ全然、練習環境変わったけど、問題ないなって感じですね」
──この舞台に戻ってくるということに関しては、覚悟がいった部分もあると思うんですけども、ご自分の行動も振り返ると、いまはどんな気持ちでしょうか。
「そうですね。やっぱいけないことに手を貸したのは間違いないし。あの、ただ……自分も今回ドーピング検査もしっかりしてますし、ここから皆さんに、いま日本ヘビーというって今過疎化してるっていうか、『日本のヘビー級つまんないよね、トイレ休憩だよね』って言われてる中で、自分がその状況を打破できる、唯一の選手だと思ってるんで。例えば大晦日でソルダトキン選手、ベイダーよりも俺の方がヤバいよって思ってるんで。まあこれからっスね。どんどん自分の実力見せて、みんなに納得してもらって──許してもらおうとは思ってないんですけど、なんか“赤沢の試合見ててよかったな、かっこいいな”って思わせたいなと思ってます」
──赤沢選手の実力以上に、その話題も含めて、ずっとつきまとうと思うんですけど、その辺も背負いながら?
「背負いながらっていうのもそうだし、僕が勝てば勝つほど、その声が大きくなるというか、“あいつやってんだろう”と。でも僕はもう本当にいつでも検査しても良いし、そういう(ドーピング疑惑)の代表として、みんなに見られながら、より周りよりも潔白だなっていうところを、たくさん検査をこなして、試合勝って『陰性』でっていうのを繰り返していけば、いずれみんなが納得してくれると思ってる。それはカルマだと思って、ずっと背負っていくつもりでいいんですよ」
──試合後のマイクの大晦日参戦のリクエストはどこまで実現すると考えていますか。
「これ実現させるっていうか、いろんな人、ヘビー級たくさん強い選手いますよね。上田(幹雄)選手、スダリオ選手とか、貴賢神もそうだけど、シビサイさんとかもそうだけど、みんなトーナメントで負けちゃってて。全然弱いとは思わないけど“でもいや、俺いないトーナメントじゃん、俺がいたら変わってたよ”っていう話なんで。外国人に2000万円持ってかれることなかったよね、という話なんで。自分はRIZINのベルトって。日本人が巻くべきものだと思ってるし、それがヘビー級とは関係なく日本人でも巻けるんだよっていうところを見せていきたいなって感じですね。
──当面の目標は?
「当面はやっぱり組ませてくれるならタイトルマッチやりたいなっていう。DEEPでもやりたいし、いろんな事情もあると思うんで、用意されたものをこなしていく。今こうやって言ったところで『お前が来た』って思われてると思うんで、そういう声も大事だと思うし、ここで俺を突き押すのもまた絶対面白いと思うんで、そこはRIZINのセンスかなっていう思いますね。ただまあ、自分は格闘家として用意された試合をやって、勝って、応援された人たちに恩返しでもそうですけど、認めてもらうってことが、自分の格闘技もそこまで長くないと思ってるんで、自分で納得できるキャリアを作っていきたいなっていうのが、当面の目標ですね」
──ファンにメッセージを。
「アンチの方がたくさんいると思うんですけど、“ずっと俺のこと負けるのを待ってください。いつか絶対好きにさせるんで。それまでよろしくお願いします”」

















