引退のタイミングについて語った42歳の城戸(C)Bigbang
2025年11月2日(日)神奈川・横浜武道館『WEBBWOODS presents Super Bigbang2025』(U-NEXT配信)において、「Bigbangスーパーウェルター級王座決定戦」に出場する城戸康裕(谷山ジム)と大輝(Hurricane GYM)が、それぞれインタビューに応じた(※同王座は、前王者の藤村大輔が怪我の治療で長期離脱をするために今年6月に返上)。
42歳の城戸はK-1 MAXや新生K-1で輝かしい実績を残してきたベテランで、直近では今年5月に香港のキックボクシングイベント『SPACE ONE』で一度KO負けを喫していたワン・カイフェンを判定で下し、リベンジ成功とともにSPACE ONE 75kg王座を獲得している。ビッグバンには約2年ぶりの参戦となる。
一方の地下格闘技出身の大輝は、23年4月に野村太一を破りBigbangウェルター級王座を獲得も階級を上げるために返上。24年3月に高木覚清とBigbangミドル級初代王座決定戦で争うも判定負け。12月はスーパーウェルター級タイトルマッチで藤村大輔に挑戦するも、ドローで王座獲得ならず。今回は再びスーパーウェルター級で王座を狙う。
2人のインタビューは、以下の通り。
城戸康裕「僕の先読みスキルを炸裂させる」

――最近は、海外でキックのトレーニングをしていたようですね。
「いやー、ただの旅行ですよ。自分は世界遺産を観るのが好きなのでイタリアとマルタで観光していたんですけど、ついでに向こうのキックボクシングジムを調べて訪問し練習をさせてもらいました」
――イタリアというとペトロシアン選手が有名ですが、彼のジムですか?
「いえ、自分が行った場所はペトロシアンのジムから遠かったので、有名な選手がいないキックのジムに行きました。で、連絡をとったらK-1の城戸が来たとか騒がれて(笑)。でかい奴も含めて、18人くらいの選手とスパーリングすることになりました」
――城戸選手は、海外でも知名度が高いんですね。
「ありがたいことに、旅行だったのにいい練習になりました(苦笑)」
――今回はビッグバンで大輝選手とのタイトルマッチになりました。
「これまでビッグバンに18回出ていますけど、1回も負けていないです。Krushでも負けていませんけど、ビッグバンはとくにホームというか、いいイメージしかないですね。ビッグバンで厳しい試合を経験していなければ、自分のレベルは今と違っていたと思います」
――ビッグバンの経験も大きな糧になっていると。
「それは間違いないです。僕の戦績を振り返ってもらえば分かると思いますけど、イラン人とビッグバンで2回試合をしましたが、いずれも強かったです」
――ヴァヒド・ロシャニ選手(15年2月)と、マスード・ミナイ選手(13年6月)ですね(いずれも判定勝ち)。
「とくにヴァヒド選手は強かったです」
――城戸選手は佐藤嘉洋さんと激闘を繰り広げたり、チンギス・アラゾフ選手からダウンを奪うなど、もはやレジェンドといってもいい存在。現在42歳ですが、着地点は考えていますか?
「若い選手にスパーでやられるようになったら辞めます。今、K-1のシルバーウルフ、皇治さんのチームONE、谷山ジムで練習をしていますが、若い選手にやられることはないですからね。実力が落ちるどころか、むしろ相手の動きが先読みできるようになっています。次に右ストレートが来る、右ハイキックが来るなとか蓄積されたデータで分かります」
――むしろ強くなっていると。
「そう思います。攻撃をもらわないですから。あと自分は、海外のイベント含めて5試合連続でメインイベントを任されています。それがすべてを証明していますよね。年齢を重ねて若い選手と対戦する時は、だいたい年上の選手の怪我が心配されるじゃないですか。でも自分の場合は、逆に相手の怪我が心配ですからね」
――たしかに。そんな40代は、なかなかいませんね。その理由は?
「技術に対しての探求心が消えないからだと思います。今はカーフキックが主流になっていますが、堀口恭司選手がRIZINで使ってから一気に広まりましたよね。あれを見た時、すぐにジムで練習して3カ月後には誰よりも使えるようになっていました。今でもトレーナーから技術を教わり勉強になると思ったら、ミット打ちが終わってから忘れないようにその場でメモしています」
――40代になっても強い理由が分かりました。では今回の大輝選手との試合は、どんな内容になりそうですか?
「大輝選手は、ヤンキーでパンチをガンガン打ってくる印象があります。今回も、同じようにガンガン来ると思いますので、その攻撃をどうさばくかですね。僕の先読みスキルを炸裂させます」



