大輝「格闘技人生の集大成のつもりで」

――大輝選手は、地下格闘技出身なんですよね?
「ええ、各地で開催されている地下格闘技に出場して12戦くらいしています」
――どんな雰囲気の中で戦ってきたんですか。
「喧嘩ですね。会場で乱闘とかも、よくありましたし」
――その後は、ビッグバンなどいわゆるプロキック団体の主催大会で試合をすることとなり、すぐに台頭しました。
「でも、最近は勝てていないんでね…」
――ただ大輝選手は、いつもキャリアのあるファイターとの試合がほとんどです。
「まあ、タイトルマッチとかやらせてもらってありがたいことなんですけど、いつも3倍くらい戦績がある選手とのマッチアップですよね。正直、厳しいなとは思っています」
――そんな中、今回はさらに実績のある城戸選手とのタイトル戦になります。
「キャリアで見たら、7、8倍なんですよね」
――オファーが来た時は、どんな心境でしたか。
「それは、即答で受けましたよ」
――えっ、即答ですか?
「はい。城戸選手は、自分の憧れの選手ですからね。それこそ武尊選手や皇治選手と格闘技界を盛り上げてきた中心選手なので、憧れの存在です。昔は、城戸選手と同じブランドの服を着るくらい好きでした」
――どこが好きだったんですか?
「面白いところもそうですけど、蹴りとか綺麗じゃないですか。選手としてとても参考にさせてもらっています」
――憧れの選手との試合は、やりにくそうですが。
「もちろん、実際に試合をしたらどれだけ強いのか不安はありますけど、それ以上に喜びの方が大きいです。チャンスが来たなと思いました」
――勝てそうなイメージもあると。
「はい。一発入れば倒せるイメージがあります」
――憧れで熟知しているからこそ、穴が見えている可能性もありますね。
「おそらく城戸選手は、うまく蹴って来ると思います。逃げて逃げて蹴りを使って。俺のパンチが入るか、城戸選手が蹴りでポイントを稼ぐか。真逆のファイトスタイルなので、面白いと思いますよ」
――城戸選手は42歳で、いまだにトップ戦線で戦っています。
「とくに年齢は意識していませんけど、打たれ強さは落ちていると思いますので、狙い目はそこですね」
――ビッグバンのベルトもかかっています。
「正直、ベルトよりも城戸選手に勝つことが一番大きいです。自分の中ではベルト以上の価値があると思っています」
――今回は大応援団も会場へ駆けつけてくれる予定ですか?
「ええ、嬉しい限りです。自分は秋田県在住で農業をやっています。今年は会社を設立して忙しいんですけど、地元から仲間がたくさん来てくれることになっているんで、さらに気合いが入っています。チケットを買って高い交通費を払って会場へ応援に来てくれるので、勝って恩返ししたいですね」
――この先のことは考えていますか。
「とりあえず目の前の試合に集中するだけです。城戸選手との試合は、格闘技人生の集大成のつもりですべてをぶつけます。今年6月に結婚しましたし、来年1月には子どもが生まれる予定なので、ここで一発勝って最高の年にしようと思っています」


