引退試合の匡志(左)に津崎が最後にリベンジ、WBCムエタイ日本王座に就いた 撮影/安村発
NJKF CHALLENGER 10
2025年9月28日(日)東京・後楽園ホール
※U-NEXT配信
▼第10試合 WBCムエタイ日本統ースーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R
×匡志 YAMATO (大和ジム/同級4位)
判定1-2 ※47-48×2、48-47
〇津崎善郎 (LAILAPS 東京北星ジム/同級5位)
※津崎が新王座に就く。

匡志は元NJKF日本スーパーウェルター級王者、元HOOST CUP日本EXミドル級王者でもある。2021年7月の大和ジム50周年記念大会で津崎善郎とのWBCムエタイ日本スーパーウェルター級王座決定戦にKO勝利しタイトルを獲得。新日本キック、Krush、RISEのリングなどにも参戦してきたが、今回32歳で引退試合を迎える。

津崎は元ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持ち、2022年12月にクンタップと第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座決定戦を争ったが判定で敗れた。2024年2月、MASATO BRAVELYとKNOCK OUT-REDスーパーウェルター級暫定王座決定戦を争い、判定勝ちで暫定王座に就いたが12月の統一戦でクンタップに敗れた。クンタップとは4度目の対決となった2025年5月、ついに判定で破りクンタップから王座を奪取した。

1R、匡志が左インローからの左ジャブで先制、津崎もすぐに右ローを蹴り返す。津崎の左インローに右ローを蹴り返す匡志。ジャブから左インローを多用する匡志、津崎も右ローと左ミドルを蹴っていく。津崎が右オーバーハンドで前へ出るが匡志はブロック。

2Rも左ジャブから左インローでスタートする匡志に、津崎は左ミドルと左ロー。津崎が組んでいくとすかさず首をロックしてヒザを蹴る。このラウンドも左インローを徹底して蹴る匡志。津崎はジャブを出すが、匡志の左インローに左足が何度も跳ね上がる。津崎も右ロー、左ミドル。津崎の右フックで匡志が転倒するが、これはスリップ。

3R、ローの蹴り合いから津崎がヒジ、蹴り足をキャッチしてのパンチを繰り出す。前へ出る津崎に匡志はジャブから左インロー、右ストレート。津崎は左インローに左足を跳ね上げられながらも右ストレートを打つ。津崎の右フックにバランスを崩す匡志だが首相撲で津崎の追撃を止めた。

4R、ジャブを突き合い、津崎は左ミドル、匡志は左インローを蹴る。津崎のジャブが匡志のアゴを跳ね上げた。左右フックで攻める津崎は右オーバーハンドをヒットさせるが、匡志は下がらず打ち返す。津崎が左ヒジを打ち、匡志は左目上からの出血でドクターチェックに。再開後、匡志がワンツーをヒットさせれば、津橋も右フック。

5R、津崎が右ストレートを出せば、匡志はヒジを振り下ろす。津崎のワンツー、ジャブ、前蹴りに匡志は左縦ヒジで飛び込む。津崎のワンツーが匡志の顔面を捉えるが、すぐに組んでしまう。ヒジとヒジの相打ちから、津崎が右ストレートで前へ出る。組み付く匡志。両者前蹴りとパンチで打ち合い、残り8秒、匡志のヒジで津崎が鼻から出血しドクターチェック。再開後、両者打ち合って試合終了。

判定は2-1と割れ、津崎が新王座に就いた。津崎は「一番強かったし、キツかったです。この試合が決まって何カ月もずっと匡志選手のことを考えていて。こんなに楽しみで緊張した試合はこれが初めてかなってくらい。戦いましたけど、強かったです。こんなアツい試合が出来たのも匡志選手のおかげだと思っています」と匡志を称えた。

リング上では匡志の引退式が行われ、「今日この試合で僕は引退するんですけれど、最後に勝って終わればカッコよかったんですけれど、人生はそんなに上手くいかないってことを僕が最後に体現出来たんじゃないかなと。でも、次のステップも僕の使命もあるし、新たな決意があります。津崎選手、ありがとうございました。最高なキック人生の幕を下ろすことが出来ました」と語った。




