177cmと長身のウィッティコーンを迎え撃つ大﨑
2025年11月9日(日)東京・後楽園ホール『RISE 193』の対戦カード発表記者会見が、10月1日(水)都内にて行われた。
SuperFight!の-55.5kg契約3分3R延長1Rで、RISEバンタム級王者・大﨑孔稀(OISHI GYM)がウィッティコーン・ソンナムタンキリ(タイ/ソンナムタンキリ)と対戦する。

大﨑はこれまでにJ-NETWORKスーパーフライ級王座、WMC日本同級王座、BOMバンタム級王座を獲得。RISEには2019年11月から参戦。2023年12月に鈴木真彦を破り第8代RISEバンタム級王座に就くと、2024年8月に大森隆之介を判定で破り王座初防衛に成功。11月に『ONE Friday Fights』初参戦でフオ・シャオロンに判定勝ち。2025年5月、門口佳佑をKOした。8月にはジラリー・キャルービーに判定勝ちで戦績を37勝(21KO)7敗2分1無効試合としている。
初参戦のウィッティコーンは177cmの長身(大﨑は165cm)で、60勝17敗3分の戦績を持つ26歳。
会見で伊藤隆RISE代表は「大﨑は8月の試合でワンサイドではあったが彼に求めているのはもう一段階上。ベストはKOですが挑戦者にふさわしい内容の試合をして欲しい。大﨑にメインを任せたい」と、RISE世界バンタム級王者・志朗への挑戦権を得るには試合内容が問われるとした。
ウィッティコーンからは「初めて日本のリングに上がります。RISEの王者と戦わせてもらうのでムエタイの強さを見せて必ず勝ちます」とのメッセージが読み上げられた。

大﨑は「前回後楽園大会でメインを任せてもらったけれどKOが出来なくて、めちゃくちゃ悔しくて。あの試合を何回も見たんですけれど、もっとこうしておけばよかったとかいろいろあるんですけれど、それをいつまで言っていてもしょうがないので、今回また後楽園のメインを任せてもらったので今回は必ず倒して勝ちたいですし、見据えているのは世界の志朗選手だけなので、そこへ向けて僕は必ずやります。言って出来なかったらまた口だけって言われるんですけれど、言わないとしょうがないと思っていますし、実際僕はKOしている試合がたくさんあって、そこに自信があるから言えることかなって。KOしてない選手が言ったら口だけだなって思うんですけれど、見せられる自信があるのでこれからも言い続けようと思います」と挨拶。
対戦相手に映像はすでに見たと言い、「ムエタイの試合でムエタイ選手らしい、蹴り技中心で首相撲もあるんですけれど上手いなって感じで。そこに飲まれていたら嫌な流れになると思うので、その流れになる前に倒し切りたい。ジムにタイの先生がいて、この選手知ってるよと言っていました。フィームー(テクニシャン)タイプという話でした。タイ人の選手が感じたことがない日本のキックボクシングを見せていきたい。そこが倒せるポイントかなと思うのでムエタイには付き合わないようにしたい」とした。
9月23日には、兄のRISE世界スーパーフライ級王者・大﨑一貴がシュートボクシング日本女子アトム級王者のMISAKI(TEAM FOREST)と入籍。そのことを聞かれると「おめでたいですね。ジムでは変わらず一緒に練習していますし、兄ももうじき試合が決まりそうなので、長い目で見るとお互い大事な試合があると思うので、目先の試合よりもそこへ向けて今から積み上げていかないといけないと思っています。お互いしっかり切磋琢磨してやっていけばいいかなと思いますね。MISAKIちゃんも一緒に練習しているので、そこは今まで通りにOISHI GYMで練習していくだけかなと思います」と答える。

【写真】8月にも12cmの身長差があるキャルービーと対戦した
11月2日には両国国技館でビッグマッチの『RISE WORLD SERIES 2025 FINAL』があり、そちらへの出場ではなく後楽園のメインを任されたことをどう思うか、との質問には「普通に嬉しいです。ビッグマッチに出たいのもありますけれど、やっぱり後楽園が好きなので。格闘技の聖地と言えば後楽園がまず出てくると思うので、その後楽園で試合をするのもそうだしメインを任せてもらえるのは嬉しいことなので、後は僕がやるだけです。場所どうこうよりも試合内容だと思っているので。後楽園でも試合内容で魅せられたら、両国のどの試合よりも面白い試合をすればいいだけなので。僕はやれると思っているのでそれを見せます」という。
伊藤代表は「後楽園のメインを張れるのは非常に重要なこと。王者クラスがみんな出てくると埋もれてしまうところもあるので、私としてはナンバーシリーズでメインを張って盛り上げてくれる選手を重要視しています。大﨑孔稀ならいい試合をして世界タイトルの挑戦権を獲得できると私は信じています」と大﨑に期待をかけた。
ウィッティコーンとの身長差に関しては「12cm差って既視感がありますね(※前回の対戦相手キャルービーとも12cm差だった)。嫌な数字ですよ(苦笑)。見覚えがあるなと思って。でも前回倒し切れなくて、同じような相手を用意してもらったのでで、そういう意味なのかなと思っているので倒します。前回もそんなに困らなかったので、そこに関しては問題ないかなと思っています。あとはどう倒し切るかが課題だと思うので、身長はそんなに関係ないかなと思います」と、苦にはならないとした。

得意とするワンキャッチワンアタックはムエタイが相手の場合どうなのか、との質問を受けると「前回の試合を見てもらうと分かるんですけれど、あまり使ってないんです。その理由が、元々ムエタイの首相撲が出来る選手だし、高身長なので、そこに付き合わなくてもいいかなというのがひとつと、それが無くても勝てるところを見せたかったのでほぼほぼ使ってなかったと思います。その展開をしたら逆に嫌な流れになるのかなと思うので、使わずにキックボクシングで行こうかなと思います」と、相手が得意な土俵では戦わないと話す。
また、先日の会見で志朗から「人間的に苦手」と言われたことについて、「その会見はリアルで見ていなかったんですが、ジムに行ったら凄い言われて。それで見たらめちゃくちゃ言われてましたね(笑)。最近口が達者だなみたいなことを言われたんですけれど、言わないと始まらないし、言えるものを持ってきたと僕は思っているので。それを積み上げてきたから言ってるだけであって。3年前に負けた時にすぐ言っていたかと言うと言ってなかった。名前を出していなかった。そこから積み上げてきて防衛して、今やる価値があると思うから名前を出しただけであって。積み上げてきたものがあるから今、名前を出しているんです。そこは勘違いしないで欲しい。だから発言していきます。あと、僕もちょっと苦手ですね(笑)」と返答。
来年、志朗と大﨑の世界タイトルマッチが実現する可能性について聞かれた伊藤代表は「次の志朗の対戦相手の第一候補は大﨑孔稀です。11月の試合内容で全て判断するが、春までには世界タイトルマッチをやりたいと思っています。それをつかめるかは大﨑孔稀次第。またその後、55kgの世界トーナメントもやりたいと考えています。6月で65kgの世界トーナメントが終わるので、その後の大会でビッグマッチを考えていきたいと思います」とした。
それを聞いて大﨑は「流れが巡ってきたなって感じですね。どうなるか分かりませんが、今後、志朗選手と世界タイトルマッチをやる、その後にトーナメントがあるという流れになった時に、世界王者として出るか出ないかで違ってきますし、そこで勝って出るか負けて出るかでも変わって来る。全部、僕が勝ち続けて全て僕が獲ろうと思っているので、そういう意味でもいい流れが来ていると思います」と語った。



