3日後に夫婦になる大﨑一貴とMISAKIが揃ってISKA世界ベルトを巻いた 撮影/安村発
HEAT 57
2025年9月20日(土)愛知・刈谷市産業振興センターあいおいホール
※ツイキャスプレミアにてLIVE配信
▼第9試合 ISKAオリエンタルルール世界アトム級(-48kg)王座決定戦 3分5R
〇MISAKI(TEAM FOREST/SB日本女子アトム級王者)
判定3-0 ※50-44×3
×クレメンティ・エグ(スイス/MASSAR GYM/同級1位)
※MISAKIが新王座に就く。
シュートボクシング日本女子アトム級王者のMISAKIが、三冠王を狙ってISKAオリエンタルルール世界アトム級(-48kg)王座決定戦3分5R(オリエンタルルール=ワンキャッチワンアタック、つかみからのヒザ蹴りが可能)に挑む。
MISAKIは2016年3月にプロデビュー。2017年12月に寺山日葵を破ってJ-GIRLSミニフライ級王座に就いた。2020年8月にはぱんちゃん璃奈とREBELS-BLACK女子46kg級初代王座決定戦を争うも判定負け。2021年12月のSB日本女子アトム級王座決定戦で勝利して初代王座に就いた。2022年12月にはRISEで宮﨑小雪との女王決戦、2023年2月には小林愛理奈と対戦もいずれも敗れる。

その後は11月にK-1のチャン・リーからダウンを奪って勝利するなど3連勝を飾ったが、6月の『ムエタイスーパーファイト』でキャリア初のヒジありムエタイルールに挑んでムエタイ強豪モンクットペットに敗れた。12月のミネルヴァ認定ピン級王者・撫子との王者対決は判定勝ち。2025年6月には『ONE Friday Fights 111』に乗り込み、ノンストップの攻撃でラン・ロンシューから判定勝ちを収めた。戦績は25勝(5KO)10敗1分。
王座を争う相手は同級1位クレメンティ・エグ(スイス/MASSAR GYM)。身長161cm(MISAKIは155cm)の26歳で、戦績は19勝(2KO)7敗。WMCのスイス51kg王者だという。
MISAKIは地元で三冠王達成、そして念願であった世界タイトルを手にすることが出来るか。また、婚約者の大﨑一貴(OISHI GYM)はISKAオリエンタルルール世界フライ級王座を保持しており、2人そろって婚約指輪ならぬISKAの白い世界ベルトを巻けるかもしれない。
1R、エグが右ローで先制するとMISAKIは右カーフからワンツーで一気に前へ出る。右ボディから右フックのMISAKIにエグは首相撲。MISAKIが右カーフを蹴っていき、エグも右ローを返して首相撲の展開に。ブレイク。

右カーフからの左フックをヒットさせるMISAKIにエグは首相撲からのヒザ、MISAKIはねじ伏せてコカす。ボディからワンツーで前へ出るMISAKI。首相撲でも負けていない。右カーフから左右フックのMISAKIにエグは首相撲からヒザ、MISAKIもヒザを返した。
コーナーで笑みを浮かべるMISAKI。2R、エグの左右ロー&ミドルにMISAKIは飛び込んでのワンツー。MISAKIが入って来るところを右ミドルと前蹴りで迎え撃つ。首相撲からヒザの蹴り合い。ブレイクになるとMISAKIが右カーフからの左フックをヒット。すぐに組み付くエグ。
MISAKIが入ってくるところに右のカウンターを合わせに行くエグだが、MISAKIはかわしてインファイト。エグは首相撲からのヒザ。MISAKIが右カーフでエグをコーナーへ追い込んでいく。

3R、MISAKIの右カーフに左右フックを返すエグだが、すぐにMISAKIが左右フックから組んでのヒザ。MISAKIが飛び込んでの左フックからの右ストレートでダウンを奪う。左右の連打を見舞うMISAKIを首相撲に持ち込むエグ。ブレイク。左ミドルを蹴るエグにMISAKIは右カーフを蹴り返す。突っ込みすぎて組みになってしまうMISAKIだが、離れ際に左ボディを叩き込む。右カーフから右ボディストレートのMISAKIに、エグは組み付くだけになる。

4R、MISAKIは右カーフを蹴って左右の連打、右ミドル。このラウンドは距離を保って打撃で攻めるMISAKI。右カーフからのワンツー、エグは首相撲からヒザを蹴るがMISAKIもしっかりヒザを返す。左ボディからの右カーフを蹴るMISAKIは、エグが左ボディを返してくると右フックを合わせる。左フックをもらうとすぐに返すMISAKI。右フックをヒットさせた。

5R、MISAKIは右ロー、右ミドルを蹴っていく。MISAKIのワンツーにエグが右ハイキックを合わせてヒヤリとする場面も。左フックから組み付いたMISAKIはヒザ蹴りを連打。右カーフを蹴るMISAKIにエグは逆転の右ハイを狙う。左右ハイのエグにMISAKIはバックハンドブローを放つが空振り。首相撲でヒザを蹴り合って試合終了となった。
判定はジャッジ3名とも50-44の大差でMISAKIが悲願だった世界タイトルを手にした。涙を堪えきれないMISAKIだが笑顔。

「何をしゃべっていいのか分からないんですけれど、会場までお越しいただいた皆様、そしてスイスからクレメンティ選手は24時間以上かけて来てくださったと聞いています。本当に強かったです。ありがとうございました。クレメンティ選手強くて前歯が折れてしまいました(差し歯)。歯がない状態で喋らせてもらいます。今プロデビューして10年目で、10年前にプロデビューした時凄く弱くてお父さんにバカにされながら、でもなぜか私は世界王者になるまで絶対に辞めないからねって言っていて。一度世界タイトルに挑戦させていただいて逃して、今日、10年目にしてお父さんとの夢を叶えることが出来ました。本当に弱かった私をここまで強くしてくれてありがとうございました」と号泣マイク。
続けて「私はとてもメンタルが弱いので19の時に自殺をしようとしたことがありました。その時に今ここにいる森田さんに止めていただいて、そこから私は森田さんはメンタルを支えていただいている心のお父ちゃんだと思っています。世界王者になるまでずっと父ちゃんでいてくださりました。本当にありがとうございます。今日も直前まで心の声をかけてくれていました」と衝撃告白。
「そして大石会長は名古屋では知らない人がいないくらい名門ジムの会長で、OISHI GYMに私を出稽古という形にも関わらずセコンドについてくださいました。ずっとミットを持ってくださり、私のカーフやインローを受け止めててくださって、格闘技のお父ちゃんだと思っています。本当にありがとうございます。そしてお母さん、心の弱い私を何度も絶対に見放すことなく20歳超えても30間近になっても赤ちゃんのように愛でて励ましてくれて私は強くなってきました。本当にたくさんの支えがあって世界王者になることが出来ました。本当にみんなのおかげでここに私がいます。本当に大好きです。ありがとうございます」と、支えてくれた人たちへお礼。
最後は「そこにいる同じベルト持ってる大﨑一貴くん、お願いします」と、婚約者である大﨑一貴をリングに呼び込む。大﨑はRISE世界スーパーフライ級王者であると共にISKAオリエンタルルール 世界フライ級王者であり、揃ってISKA世界ベルトを巻くこととなった。
「同じベルトを巻くことが出来ました。婚約中の大﨑一貴くんなんですけれど、婚約指輪は買ってやらないから自分で獲ってこいと。獲れなかったら婚約破棄するつもりだったと思います。3日後に入籍する予定でいます。何とか婚約破棄に至らずここにくることが出来ました。ありがとうございます」と、結婚指輪ならぬ結婚ベルトを巻いて3日後に入籍すると明かした。最後には2人そろって記念撮影に収まった。




