キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】「イーッ!」戦闘員1号がTKO勝ちで王座獲得、リングの“主役”に。松本愛斗は初回KOで-51kg王座に就く、メインは挑戦者が救急搬送で中止

2025/09/14 14:09

▼第8試合 DEEP☆KICK-65kg挑戦者決定戦 3分3R延長1R
×大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)
判定0-2 ※26-27×2、27-27
○大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)
※大前がタイトルマッチ挑戦権を獲得。


 過去にタイトル挑戦の機会を得るも失敗。さらに体重超過で試合を飛ばしたこともある大前洸貴が、階級を2つ上げてDEEP☆KICK-65㎏挑戦者決定戦に臨んだ。


 対する大野祐志郎は“KO配達人”の異名を持つ郵便局員。今回がDEEP☆KICK初登場ながら、これまでに35戦(22勝)のキャリアを誇るマッチョなベテランファイターだ。


 過去の大前は存在感を感じさせないファイターだったが、この日は一味もふた味も違った。試合開始早々、全身からやる気を漲らせて大野に向かっていく。


 第1R序盤まで大野はテンカオを合わせるなど、対戦相手のプレスにうまく対応していたが、大前は右アッパーを織り交ぜた連打でどんどん前へ。プッシュしてスリップダウンを奪う場面もあった。このラウンドは手数とリングジェネラルシップで明らかに大前が優勢だった。


 続く第2Rになると、試合は動く。大前は突っ込んで連打を浴びせ、右ストレートで先制のダウンを奪う。さらにコーナーに大野を釘付けにして連打ではやくも2度目のダウンをとる。



「大前のKO勝ちは時間の問題」誰もがそう思った刹那、大野はカウンターの左を浴びせ、ダウンを奪い返す。まだ試合時間は30秒以上ある。これで勝負の行方はわからなくなった。明らかにダメージが残っている大前に対して、大野はテンカオ、ワンツー、ローを畳みかける。


 第2Rまでのオープンスコアは18-16(二者)、18-17で3者とも大前。しかし大野の逆転も棄てきれない。そんな思いを抱きながら迎えた第3R、王座挑戦に執念を燃やす大前は右目を腫らしながら前へ。蹴りやヒザで対抗しようとする大野を勢いで押しやった。以前の大前だったら、対戦相手にそのままもっていかれていたかもしれない。大前の意地とプライドが垣間見えたラウンドだった。


 判定は2-0で大前。試合後、リングに招き入れられた現王者のTETSUは「ナイスファイト。めっちゃおもろい試合だった。最近自分はこのベルトの価値を下げているけど、12月の試合では大前選手をぶっ倒してDEEP☆KICKで一番盛り上がる試合をする」と早くも王座防衛を約束した。一方、大前は「大野選手は化け物でした」と対戦相手を評価しつつ、「12月はいま以上にしっかり仕上げてリングに上がる」と王座奪取をほのめかした。ただでは済まないタイトルマッチになるか。

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