(C)ONE Championship
2025年11月16日(日)東京・有明アリーナで開催される『ONE 173: スーパーボン VS 野杁』(U-NEXT配信)の追加対戦カードが発表された。
ミドル級サブミッショングラップリング(10分1R)として、ADCC世界王者に2度輝いたジャンカルロ・ボドニ(米国・29歳)と、MMA・柔術のレジェンドでブラジレイロ・ノーギ王者のラファエル・ロバト・ジュニア(米国・42歳)が対戦する。
▼ONEミドル級(※93.0kg)サブミッショングラップリング 10分1R
ジャンカルロ・ボドニ(米国)
ラファエル・ロバト・ジュニア(米国)
ボドニは、ベウナウド・ファリアに教えを受けたアリアンシの黒帯で、現在はグラップリングの聖地オースティンでジョン・ダナハー&ゴードン・ライアンのキングスウェイ柔術(旧ニューウェーブチーム)でトレーニング。石井慧とも練習仲間だった。2024年のADCC世界選手権88kg以下級決勝で、ジェイコブ・ロドリゲスに判定勝ちし、王座獲得。ADCC2024でベストマッチも受賞している。強いテイクダウンに投げも駆使、トップでもボトムでも戦えて極めもある。
ロバトJrは、サウロ&シャンジ・ヒベイロに師事し、ブラジル人以外では史上初となるブラジレイロ優勝、アメリカ人ではBJ・ペン以来史上2人目となるムンジアル優勝など、柔術とグラップリングの国際大会で数々の実績を持ち、MMAでも11戦無敗。2019年6月の「Bellator 223」でBellator世界ミドル級王者のゲガール・ムサシに挑戦し、2-0の判定勝ち。王座獲得に成功したものの、2020年2月10日に「海綿状血管腫」と診断を受けたことを公表し、Bellator世界ミドル級王座を返上。以降はグラップリングに専念していたが、2022年12月の『INOKI BOM-BA-YE×巌流島』でMMAに電撃復帰。岩﨑大河と対戦し、1R キムラロックで勝利している。グラップリングの前戦では24年3月のUFC Fight Pass Invitational 6でクレイグ・ジョーンズの内ヒールフックに一本負け。
試合に向け、両選手の公式インタビューが届いた。
ケージでサブミッショングラップリングで対戦
──日本で試合をすると聞いてどんな気持ちになりましたか?
ボドニ 一度日本を訪れたことがありますが、いつかこの国で試合がしたいとずっと思っていました。今回、ONEから日本で試合を、と聞いて本当に興奮しました。
ロバトJr とてもワクワクしています。日本は “The Land of Samurai(サムライの国)”ですし、2022年の大晦日に初めて日本でMMAの試合をする機会を得て、本当に素晴らしい体験ができました。ファンのエネルギーは本当に特別でした。あのような場所で、再び自分のアート=柔術を披露できるなんて、とても光栄です。自分にとってこれ以上ない舞台です。
──日本のファンにどんな姿を見せたいですか?
ボドニ このルールの中で、僕がいかに支配的でエキサイティングな選手かを見せたいです。日本の方々は武道に対して深い敬意を持っていると感じています。柔術の本質──コントロールから一本を取る流れ──を表現し、観客の記憶に残るようなパフォーマンスをしたいです。
ロバトJr 美しい柔術、そして美しいテクニックを見せたいです。42歳の自分が若くて勢いのある相手(29歳)に挑む、いわばアンダードッグ的な立場かもしれませんが、「何歳でも可能性はあるんだ」と証明したい。見てくれた方々にポジティブな影響を与えられるようなパフォーマンスを目指します。常に前に出て、決して諦めない姿勢を、美しいテクニックと共にお見せします。ファンの皆さんに楽しんでもらえるよう全力を尽くします。
──試合の展開予想は?
ボドニ とても戦術的な試合になると思います。相手は経験豊富でミスも少ないですが、僕には勝つためのルートがいくつもあります。最終的には一本勝ちを目指します。
ロバトJr 非常にタフな試合になると思います。相手は今、絶好調で非常にバランスの取れた選手です。接戦になる可能性が高いですが、私はケージでの経験を活かして、自分のゲームに持ち込みたいと思っています。チャンスがあれば試合をフィニッシュできる自信もあります。ただ、相手もディフェンスがしっかりしているので、フィニッシュを約束することはできませんが、素晴らしい試合になること、そして最後に自分の手が挙がると信じています。
──日本での勝利はあなたにとってどんな意味を持ちますか?
ボドニ 日本は武道の歴史がとても豊かで、柔道からPRIDE時代まで、伝説的な試合が数多く行われてきた場所です。そんな場所で戦えることは、自分のキャリアにとって決して忘れられない特別な瞬間になると思います。
ロバトJr それは本当に特別なことです。以前、日本で自分のMMAラストファイトを戦ったことが、自分にとって大きな意味を持ちました。いろんな困難を乗り越えて、あの試合にたどり着いた物語があります。そして今、再び日本という舞台でグラップリングマッチができることは、その物語にさらなる彩りを加えてくれます。しかもONEのビッグイベントの中で、世界最高峰の相手と戦える。この経験は一生の宝物になるでしょう。
──対戦相手についての印象は?
ボドニ ロバト選手はまさにレジェンドです。彼が成し遂げてきたこと、そして今もなお進化を続けていることに大きな敬意を抱いています。アメリカ人として初期の偉大なチャンピオンの一人であり、今もなお第一線で活躍している。彼は非常に基本に忠実で、ミスが少なく、競技経験も豊富。しかも、誰とでも戦う覚悟を持った選手です。
ロバトJr 非常に完成されたグラップラーです。素晴らしいチーム(New Wave/Kingsway)に所属していて、落ち着いた試合運びができる選手。ADCC王者にも2度輝いており、自信に満ちていると思います。そんな彼と戦えることは、私にとっても大きなモチベーションです。今の彼がベストの状態であることは間違いなく、だからこそ、私自身も最高の状態で臨みたい。まだ彼の人柄などは深くは知りませんが、礼儀正しくて、良い青年だと感じます。そんな若き“モンスター”を相手に戦えることを光栄に思います。
──ところで、試合以外で東京に来ることで楽しみにしていることは?
ボドニ 間違いなく食べ物です。それが日本で一番好きなところかもしれません。そして東京という街もとにかくユニークで、見どころが多くて最高です。試合後に時間を過ごすのが今から楽しみです。
ロバトJr 正直に言って、やっぱり「食」です(笑)。減量があるので我慢は必要ですが、それでも寿司は本当に最高です。寿司ならカロリー的にもセーフだと思いますし。前回訪れた時も、文化・人々・景色・神社やお寺など、どれも素晴らしかったです。講道館にも行きました。今回もまた、いろいろな体験をしたいです。
──好きな日本食は?
ボドニ 寿司です!
ロバトJr やっぱり一番は寿司ですね。前回の訪問時に最高のラーメンや和牛も食べました。さすがに試合前に和牛は厳しいかもしれませんが、帰る前にはぜひ味わいたいと思っています。正直、日本の食べ物は全部美味しかったです。
──日本のファンにメッセージをお願いします。
ボドニ 日本の観客の前で戦えるのが待ち切れません。前に一度訪れた時にも温かく迎えていただきましたが、今回はさらに大きな舞台です。たくさんのファンの皆さんに会えるのを楽しみにしていますし、皆さんにとって忘れられない試合をお届けしたいです。
ロバトJr 日本に行くことができるのは本当に嬉しいです。以前試合した時も皆さんに応援していただいて、今回も全力で素晴らしい柔術を披露したいと思います。前回の滞在では、セミナーを通して多くのMMA・柔術コミュニティの方々と出会えて、皆さん本当に素晴らしく、温かく迎えてくれました。またあのエネルギーを感じられるのが楽しみです。時を超えるような柔術の戦いを、お見せします。お楽しみに。





