このルールだったら祖根君の方が間違いなく強い。でも――

──あと、今回は代々木第二のビッグマッチで、他にも錚々たるカードが並んでいますよね。
「うーん…そうですか?」
──あれ?
「さっきも言った通り、僕は客観的に見られるタイプなんですけど…KNOCK OUTにはメッチャいい選手が多いと思うんですよ。メッチャ多いと思うんですけど、正直、誰も知らないんです。それって、選手のセルフプロデュースがヘタなわけじゃないですか。K-1にも引けを取らないぐらい、いい選手がいっぱいいるのに、どうしてこんなにも光を浴びてないのかと思っちゃうんですよ」
──うーむ。
「だって僕、KNOCK OUTに参戦し始めた時には、KNOCK OUTの選手はほぼ知らなかったですよ。久井大夢選手、龍聖選手とかは分かるけど、他はほとんど知らないですもん。今回の代々木大会にしても、正直、『誰? 誰? 誰?』って感じですもん。僕がそう思うってことは、一般的に見たらもっとそう感じてるってことですよね。そうなると、会場に来てる人たちって全員、選手の身内なんですよ」
──まあ、その傾向はありますね。
「そこでK-1がすごいと思うのは、選手の身内だけじゃなくて、一般の人が来るのがすごいなと思うんですね。そうならなきゃいけないと思うんですよ。それはKNOCK OUTに限らず、どの団体も。それにはやっぱり選手たちのセルフプロデュースがもっと必要だなと思います」
──K-1 GROUPから来ている大沢選手がいつまでも目立っているようじゃダメだと。
「まあ、そうですね。だってそもそも、何でKNOCK OUTに出始めたばかりの僕が一番目立ってんの?ってことじゃないですか。5月はメインだったからとか関係なくて、あれが第1試合だったとしても、僕が一番目立ってるんですよ。それがそもそもおかしいでしょって。KNOCK OUTの選手たち、悔しくないの?って思っちゃいますよ。他から来た僕が一番目だって、悔しくないの? って。これはバカにしてるとかじゃなくて」
――では、普通にやったら今回も大沢選手が一番目立ってしまう?
「いや、そこは久井大夢選手と龍聖選手でしょう。その2人には全然勝てないです。正直、その2人のための大会だと思ってます。前にも言った通り、メインだろうが第1試合だろうが、選手は同じように命を懸けて戦ってるんですけど、今回はあの2人のための大会かなと。僕らはそのために会場を温めるのが仕事かなと思ってますね」
──では、「他の試合に負けないインパクトを」というモチベーションではない?
「ないっすね。だって僕の戦い方って、そういうアレじゃないじゃないですか(笑)。みんなよく『他の誰よりも目立ちたい』とか言いますけど、僕はそういうのは1ミリも興味ないんで。プロとしてよくないとは思ってますけど(笑)。自分と、自分を応援してくれてる人たちが喜んでくれれば、それでいいんで」
──では、今回代々木第二という大会場でのビッグマッチという点も関係ない?
「まっったく関係ないっす! 僕は『デカい会場だから頑張る』『デカい舞台だから頑張る』っていう選手が嫌いなんで。どれだけ会場がデカくても、リングの大きさは変わらないですからね。じゃあお前ら、観客が10人の時と100人の時と1000人の時で強さが変わるのか? ってことなんで。それは応援してくれてる人たちに失礼じゃないですか。僕は観客が1人でも100人でも1万人でも、全力で頑張るってだけなんで。それがプロでしょ?ってことですよ。まあこれはカッコつけてるだけですけどね(笑)」
──最初に会見の話をしましたが、こうして話を聞いていても、大沢選手がいいコンディションなのが伝わってきますね。
「そうですね! モチベーションも高いです。確かにこのルールだったら、祖根君の方が間違いなく強いんですよ。でも、試合に勝つのは僕なんです。ホントにそれだけです。それが当日、分かると思います」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「しっかりとしたテイクダウン・ディフェンスと、そこからの打撃ですね。ここに注目してほしいです。その上で勝つので」


