MMA
インタビュー

【PFL】菊入正行、元暫定王者ローガン・ストーリーとトーナメント準決勝の大一番へ「簡単には退かない。戦う気持ちを作ってきた」

2025/06/12 08:06

簡単には下がらない。ローガンと戦う気持ちを作ってきた


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──そのストーリー戦に向け、NEVERQUITに加え、4月に内藤由良選手や天弥選手らに話しを聞いたときに、菊入選手とも練習していると聞きました。ファイトキャンプ入りしての練習環境はいかがでしたか。

「そうですね。ただ、試合が決まってから練習相手をお願いしようと思っていた選手たちの怪我が多くて、なかなか一緒に練習できなかったんです。でもローガンみたいな相手は、もともと日本にはあまりいないんで、試合で起こりそうなシチュエーションを細かく分けてスパーリングで、いろんな人に頼んでやってもらって、その対策も練りながら試合のイメージを作ってきました」

──ストーリー選手のような体型の人とも?

「DEEPに出ている米田(奈央)選手がめちゃくちゃ組みが強くて、ウェルターからミドルに上げるようで、通常体重が95kgくらいあるんです。その米田さんにガンガン組んでもらいました。米田さんとスパーすることで、フィジカルトレーニングにもなりましたね」

──あの内藤由良選手がウェルター級に下げてPANCRASEでゴイチ・ヤマウチ選手に70秒で敗れたことは、どうとらえましたか。

「そうですね、内藤君の負けは自分的にもめちゃくちゃショックで……。やっぱり彼がどれぐらい強いのかっていうのは、一緒に練習していて僕も分かっているので。ただ、あの負け方は、事故みたいな部分もあったので、正直、自分の中ではもっと見たかったっていう気持ちが大きかったんです。それで、自分が世界にやり返すとか、そういうのはないですけど、日本が世界で通用する最重量級がライト級かギリギリウェルター級というイメージがあるなかで、その認識を覆したいという思いはあります」

――そんななか、今回の準決勝の相手ローガン選手は、オーソドックス構えで、ときにパンチを振りながら組んだり、相手の打ち返しにも巧みに組んだりもする、MMAレスラーです。どのようにとらえて対策を練ってきましたか。

「もう寝かされたらやばいなって。でも、スタンドでも組まれるプレッシャーに負けないように練習してきました。やっぱり下がっちゃうと、ローガンのプレッシャーで押し込んで壁際で押さえつける、相手の一番強い形になると思うので、なるべくそれはさせないように。簡単に下がらないように立ち合えば、自分の変則的な打撃は相手にとってもやりにくいはず。

 ローガンは組むとコントロールも上手だし、ケージレスリングで壁に押し込んで相手が動けなくなっている状況を結構見るので、やっぱりあの押し込みが相当強いのかなって。逆に、あそこでローガンが休んでるのかなとも思うんですよね」

──たとえ組まれてもトップキープされずに相手を休ませない形にしたいと。

「そうですね。そのためにシチュエーションスパーをして、気持ちも作ってきました」

──17勝3敗、その黒星は元Bellator王者のヤロスラフ・アモソフに判定で2度、無敗のシャミル・ムサエフに2R KO負けが1度のみです。そしてもう一つの準決勝はジェイソン・ジャクソンvs.無敗のサッド・ジーン。このウェルター級の世界のトップ勢に勝つことは大きな勝利になると思います。

「自分がBellatorを見始めた時のトップ選手たちがここに出ている。最初は不思議な感じがしたんですけど、こうして海外で3連勝して、前回のPFLでも練習して勝っていくうちに、相手も同じ生き物、人間だなって感じがしています。だからビビっていてもしょうがない。もちろん技術も大事なんですけど、格闘技は気持ちの部分が大きい。その気持ちが持てるように自分は毎回作り上げているんで、今は全然ローガンに勝つ自信もありますし。反対側の山から上がってくる2人にもしっかり戦えるっていう自信がありますね」

──学生キック出身で、盲腸で入院した時にコナー・マクレガーを見て初めてMMAに興味を持った菊入選手が、「組み技経験ゼロ」からNEVERQUITで作り上げたMMAで、ローガン・ストーリーに勝ったら、それは浪漫ですね。

「日本人でもウェルター級で活躍できるっていうのを、日本を含む世界や日本の人たちに伝えられたらと思います。それでウェルター級で日本でいま戦っている人たちが、もっと世界でも戦えると挑む気持ちを持ってもらえるような試合ができればと思います。僕が必ず、ローガンを超えます! ぜひ日本からもU-NEXTで見てください」

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