2025年12月30日(火)東京・国立代々木競技場第二体育館『MAROOMS presents KNOCK OUT.60 ~K.O CLIMAX 2025~』(U-NEXT配信)にて、元ONE Championshipのシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)の挑戦を受けてKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王座の初防衛戦を行う海人(TEAM F.O.D)。
11月24日の『~SHOOTBOXING 40th Anniversary~S-cup×GZT 2025』(U-NEXT配信)にて、エンリコ・ケールへのリベンジを果たした海人はSBからの卒業を宣言。2026年は本格的に世界へ打って出ることを発表した。元ONEトップクラス、世界70kg級のトップクラスであるシッティチャイを相手に、2026年に期待の持てる勝ち方をすることが出来るか。
自分が持ってる全てのものを使って倒しに
──約5年ぶりというか、前回はREBELSの大会だったので、今の体制のKNOCK OUTには初出場ということにはなりますが、ご自身としてはどういう感覚ですか?
「久しぶりな感じもしますし、でも初参戦な気もするし…何か不思議な感覚ではありますね(笑)」
──今のKNOCK OUTに関しては、どんなイメージがありますか?
「いろんなルールもあるし、若い強い選手もたくさんいてるし。勢いのある団体だなとは思ってました。久井大夢君とはずっと練習も一緒にしてもらってるというのももちろんですけど、KNOCK OUTでは試合数も含めていろいろチャレンジして、素晴らしい結果を残してるなと思ってるので、個人的にも大夢君には注目しています」
──REBELS王座がKNOCK OUT王座に移行して、ここまでずっと保持してきました。今年、暫定王座決定戦の際に、シュートボクシング協会とKNOCK OUT代表・山口元気で話して、海人選手には防衛の意思があるので返上にはならず、という説明が山口からありました。改めて王座に関してはどういう思いがありますか?
「ずっとシュートボクシング(SB)をはじめ、KNOCK OUT、RISEのベルトを持たせてもらっていて、その状況で僕はGLORYの王座に挑戦させてもらったんですけど、ティジャニ・ベスタティに負けて獲れなくて。ベルトを持ったまま負けてしまったので、どうせなら持ったまままた勝ちに行きたいという思いが強くて、それでずっと持たせてもらっていました。その間に挑戦者が出てくるということも覚悟していたので、そうなって団体からお話があれば、いつでも試合をする準備はしてたんですけど、なかなかそれがなく、オファーもなくという状況でしたね。今回、GLORYもベスタティがどうしてもできなくなってしまったので、それでここはとりあえずいったん置いて、どうしようかなという状態の時にKNOCK OUTさんからSBにシッティチャイとの試合のオファーがあった感じでした」
──しばらくオファーもなかったところから、防衛戦の相手がシッティチャイになるというのは、急転直下的なところがあったのでは?
「そうですね。全然考えてもいなかったし、まさか日本の団体でシッティチャイと戦えるとは思ってなかったし、それがまさかKNOCK OUTでというのは、本当にびっくりしました」
──立場としてはシッティチャイを挑戦者に迎える形になりますが、そこはどうですか?
「いや、その感覚はないですね。正直、今は世界に挑戦していこうとしていて、そこにシッティチャイ選手なので、今回は僕がチャンピオンという形にはなりますけど、チャレンジするつもりでシッティチャイ選手に挑みたいなと思ってます」
──改めてシッティチャイ選手の一番の強さ、印象は?
「やっぱり一番目につくのはバランスのよさですかね。タイ人なのにパンチも普通に倒せるパンチも持ってるし、ロングもできて、中間距離もうまいし、そこにタイ人独特の蹴りの強さもあるし、本当にバランスがいい選手やなと思ってます」
──その中でも一番警戒するところは?
「やっぱりリズム感ですね。シッティチャイ選手はタイ人独特のリズム感もあれば、そこを崩してチョンチョンと入ってくる場面もあるし、そのへんのバランスが取れていて、リズムもいいので、そこが一番警戒しているところですかね。うまいことやられると、僕が手を出す間もなく終わってしまうので、そこは崩していきたいなと思ってます」
──その上でご自分としては、どう戦って最終的にどう勝ちたいと思っていますか?
「最初から僕自身のリズムを作っていきたいなと思っているので、1Rから倒しにいく姿勢も見せたいし、アグレッシブにいきたいなと思ってます」
──最終的にこう勝ちたいというビジョンはありますか?
「最終的には倒したいですね。やっぱりシッティチャイ選手だからこそ、倒すことに意味もあると思うし、僕はどの試合も倒すことにこだわっていろいろ考えて、試合も組み立てているので、最終的には倒して勝ちたいなと思ってます」
──11月のSB代々木大会の試合後には、SBのエースを若い世代に譲るというお話をされていましたが、ご自分の中ではこの試合が日本での総決算的な感じもありますか?
「そうなる可能性も全然あるなと思ってます。これから日本での試合というか、今持たせてもらっているベルトの団体が主戦場ではなくなって、これがもしかしたら最後になるかもしれないなという感覚はあります。まだ決まっているわけではないですけど」
──10月、11月と来て、3ヵ月連戦になりますよね。そして一昨年は6試合、去年も6試合、今年はこれが5試合目。ずっとコンスタントに試合していますが、それが可能な理由というのは?
「何ですかね? もともと体が強いっていうのは多少ともあると思いますし、ケガが全くないのかって言われるとそうではないんですけど、ただ大きなケガはないので。細かいケガはわりと無視して試合をすることが多いので、だからこそやれてるんだと思います」
──なるほど。
「あとは減量がないというのが、大きい理由ですかね。みんな減量してリカバリーして試合して、また次に試合があると減量もまたしないといけないですけど、そこが僕は、多くても2~3kg程度なので。だからこそ月に1回、試合ができるというのはあると思います」
──今は特に試合間隔が短いですが、試合のない期間でも節制して増やさないようにしている?
「いや、そんな感じでもないですね。食事も普段から普通にしているので、ナチュラルに近いです。筋トレとかも全くしてないわけではないので、ある程度スピードも落とさずキレも落とさずで、ナチュラルで体重が上がってくれば全然上げていきたいというか、74~75kgぐらいまでは全然あってもいいのかなとは思うんですけど。今は73kgぐらいあるんですけど、もともと71kgぐらいしかなかったので、そこに2kgプラスできたのは、スピードとかを落とさない筋トレができて、ちょっと筋肉がついてきたのかなという感じではあるので」
──試合がコンスタントな上に、その時々によってルールが違いますよね。SBルールもあり、その中でヒジありもあり、今回はBLACKですが、そこの対応はどうしていますか?
「正直SBのリングでやってても、僕は投げや絞めをつかわなかったですし、そこは他団体のキックボクシングの選手を呼んでもらってやっているので、あえてしないというのもありますし。ヒジありとかは話が別ですけど、首相撲がある試合でも練習中に特別それをするという感覚はあんまりなくて、わりと打撃に絞って練習しているので、ルールによって自分の動きを変えてるという感覚はあんまりないですね。ワンキャッチワンアタックとか、そのへんの違いは試合中でも間違えることはあるんですけど、すぐ切り替えられるようにはできているので」
──今回は、特にこれで勝ちたいという技はありますか?
「今回は相手も相手なので…僕自身もバランスがいい方だと思ってるし、パンチも蹴りもできる自信があるので、そこはもう満遍なく全部使って、全部で倒していきたいですね。もう自分が持ってる全てのものを使って倒しにいきたいなと思ってます」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「本当に、自分が目指している『世界最強』に向けて最高の相手やと思うので、本当にKNOCK OUTのチャンピオンらしく倒して勝ちたいし、世界最強に向けて進んでいこうとしている強さを、皆さんに見てほしいと思います」