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【RIZIN】朝倉海が佐々木憂流迦を1R TKO! 堀口恭司と大晦日再戦が決定。ハム・ソヒは美憂退け浜崎朱加戦へ、RENA再起戦でTKO勝利、ライト級GPは川尻・上迫敗れ、海外4選手が準決勝進出

2019/10/12 14:10

▼第5試合 77kg契約 5分3R
○中村K太郎(和術慧舟會K太郎道場)
[1R 1分18秒 TKO]
×マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

中村は元DEEPウェルター級王者で、SRCウェルター級GP2010王者。UFCに2度参戦経験があり、2006年から2007年の初参戦時は3連敗だったものの、2015年9月から2019年4月までの2回目の参戦では8試合を戦い、4勝4敗と五分の戦績を残している。前戦は4月の「UFC Fight Nightサンクトペテルブルク」で地元ロシアのスルタン・アリエフに判定負けしていた。RIZINには妻の杉山しずかが参戦しており、RIZIN初の夫婦参戦となる。

マルコス・ソウザ(マルキーニョス)は、MMA8勝1ノーコンテスト(※キルギスで行われたヌルスルタン・ルジボエフ戦は無効試合に)。RIZINで活躍中のボンサイ柔術のサトシの兄であるマルキーニョスことマルコス・ソウザは柔術では、コパブルテリア2013優勝、ワールドプロ柔術2013世界大会優勝、ヒクソン・グレイシー杯優勝などの実績を持ち、ノーギ(道衣無し)でもQUINTETなどの大会で活躍するなど、中村同様、高いグラップリング力を持つ。

マルキーニョスについてK太郎は、「日本の柔術家の中で、立ち技・レスリングの部分で強い選手で大きい」と、警戒しながらも「ガス(スタミナ)はそんなにない印象なので、そこを突いて行ければ。経験の差はかなり大きいと思うので惑わしてやりたい」と、50戦近いMMAの経験の差が勝負の鍵になることを語っている。

1R、バックキックを空振りし下になるマルキーニョス。中村のパウンドに立つ。中村の左ストレートに腰を落とすマルキーニョス。中村はインサイドから鉄槌! マルキーニョスは一旦足を手繰るが鉄槌を浴び、ガードに戻してエビから立ち上がるが、中村は右フック! マルキーニョスが後ろを向いたところで、レフェリーが間に入った。

試合後、中村は「K太郎、なめんなよ! なんか向こうが勝つっていう予想もあって……Bellator対抗戦、やりたいです」と年末出陣をアピールした。

▼第4試合 RIZINキックボクシングルール 62.0kg契約 3分3R
〇白鳥大珠(TEAM TEPPEN)
[判定3-0] ※28-25×3
×大雅(TRY HARD GYM)

白鳥は那須川天心と同門のTEAM TEPPEN所属。2019年2月に第5代RISEライト級王者に輝くと、3月に開幕した「RISE WORLD SERIES 2019 -61kg Tournament」でヘクター・サンチアゴ、セクサン・オー・クワンムアン、梅野源治を下し優勝。世界王者のベルトを巻いた。特に9月の決勝戦では“日本ムエタイ界の至宝” と呼ばれる梅野源治を衝撃の1RKOに下しており、いま最も勢いのある61kgのファイターだ。

対する大雅は第3代K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者。2018年9月からRIZINに参戦も、原口健飛とドロー後、2019年3月にセクサンにスプリット判定負け、4月にタリソン・ゴメス・フェレイラに3ノックダウンでTKO負けと連敗が続き、スタイルに迷いが見られたが、7月の「RIZIN.17」では町田光に判定3-0で勝利し、復活を遂げていた。

ともにサウスポー構え。1R、右でダウンを奪う白鳥。2R、前に出る大雅、しかし白鳥はカウンターの右で再びダウンを奪う。すぐに立つ大雅は左を当て始める。3R、前に出ることでペースを取り戻した大雅は、白鳥の右に左オーバーハンドでダウンを奪い返す! さらに左右からボディも打つ大雅。そして左のダブル! 白鳥も前に出ると互いに足を止めての殴り合いに。試合は判定でダウンを重ねた白鳥が大差判定勝利した。


▼第3試合 RIZIN キックボクシングルール 3分3R 77.0kg契約
×HIROYA(TRY HARD GYM)
[1R 1分20秒 TKO]
○小西拓槙(フリー)

当初はHIROYAと同門の松倉信太郎(TRY HARD GYM)が小西と対戦することが決まっていたが、松倉が流行性角結膜炎および右眼角膜潰瘍によるドクターストップ。代わってHIROYAが名乗りをあげた。

西は大阪体育大学浪商高校日本拳法部出身。全国高等学校日本拳法選手権大会で個人有段の部3位入賞の実績も持つ。卒業後は消防署員という異色の経歴を持つ。2011年にACCELミドル級タイトルマッチで平尾大智に勝利し、第5代王者となる。2013年にはリレオ・ズーリック(ドイツ)を判定で下し、ISKAインターコンチネンタルスーパーウェルター級王者に輝くなど数々の成績を残してきた。REBELSを主戦場にSHOOT BOXINGやRISE、Krushなど様々な団体を渡り歩いてきた。RIZINでは2018年の大晦日に内田雄大と対戦し判定負け。RIZIN初勝利を狙う。

1R、オーソドックス構えのHIROYAにサウスポー構えの小西。体格差ある両者。いきなりHIROYAは軸足払いでこかすが、長身の小西は相打ちの左ストレートでダウン奪う。立つHIROYAは左ジャブを突くが、そこに小西は左ヒザ! HIROYAは後方にダウン。小西がKO勝利で、地元でRIZIN初白星を飾った。

試合後、小西は「HIROYA選手、急遽、試合を受けてくれてありがとうございます。松倉選手にも拍手を。大阪凱旋、勝ててありがとうございます。またRIZINに呼んでください」と、継続参戦をアピールした。

◆小西のコメント
「今回の試合は感謝、感謝でHIROYA選手にお礼を言いたいです。日本人もどんどん身体が大きくなってきて、今までだと70kgでも通用していましたが、それ以上の階級でも日本人は通用するところを見せていけたらと思います。HIROYA選手のローは痛かったですね。かなり痛かった。覚悟が伝わりましたね。(ダウンを奪った左ストレートは)練習でアップの時からしっかり出入りに合わせてストレートを打つのをやっていたのでドンピシャでした。(マイクは)長すぎると炎上してしまうので、早く終わりました(笑)」

▼第2試合 RIZIN MMAルール 5分3R(無差別級)
○シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)
[1R 1分09秒 キムラロック]
×キム・チャンヒ(韓国/GEEK GYM)

シビサイ頌真は、ラオスと日本のハーフで中学から柔道を始め、高校卒業後、19歳からパラエストラで柔術を学ぶ。190cm超えの恵まれた体格を武器に、2011年にKrushでキックボクシングプロデビュー。12年からHEATに参戦し、DEEP、ZST、GRACHANと様々なリングで戦ってきた。“全身凶器”として知られる伝説の武道家・倉本成春師範から武術を学び、活躍の場を巌流島へと移すと、18年1月にはトーナメント初代王者ブライアン・ドゥウェスをレフェリーストップによる1R 25秒の圧勝劇を披露するなど4連勝を飾った。

MMAルールでは4勝2敗。2018年7月の『RIZIN 11』でモンゴルのボルドプレフ・ウヌルジャルガルと対戦。両者にイエローカードが提示され、スタミナの消耗が激しい荒れ試合のなか、ウヌルジャンガルがポジションを奪い判定勝利。シビサイはRIZIN黒星デビューとなっている。試合後、「仕事も辞めて、今は格闘技一本で生活する覚悟を決め、日々練習付けの毎日を送っています」というシビサイ。層の薄い日本人ヘビー級にあって頭角を現すことができるか。

対するキム・チャンヒはRIZIN初参戦。“韓国版おばけかぼちゃ”あるいは“韓国版バタービーン”と呼ばれる超巨体ファイターで、キックボクシングでは40戦以上のキャリアを誇り、24勝の白星を挙げている。2010年3月にプロデビューすると、同年にDEEPのリングに登場。しかしその日本デビュー戦では、巨漢ハンター美濃輪育久(現ミノワマン)の前にスカーフホールドアームロックで一本負けを喫した。その後、2012年のGLADIATORでMMA初白星を挙げ、17年にはROAD FCでシム・ユンジェを相手に1敗1NC(※チャンヒの偶発的なバッティング)となっている。

1R、ともにオーソドックス構え。右ローから入るシビサイに、詰めるチャンヒ。シビサイは首相撲ヒザ。しかしチャンヒはボディロックもシビサイは右腕をキムラロックにとらえて回してテイクダウン。最後は上のままキムラを極めた。

試合後、シビサイは「前回負けて、仕事やめて練習して周りの人に迷惑かけてやっと勝つことができました。榊原CEO、年末お願いします」と年末大会出場をアピールした。

◆シビサイのコメント
「勝ててよかったです。予想した展開ではなかったんですが、どんな形でも勝ちたかったので。組み付いて来たのは予想外でした。打撃の選手だと思っていたので。ダメージもなく練習も再開できるのですぐにでも試合できるいい状態です。フィットネスジムで働いていましたが半年前に辞めました。周りの人が金銭的にも応援してくれました。(組まれた時は)凄く重たいなと。あの体重の選手と練習もしたことがないので重たいのとプレッシャーがありました。(バックを取られてのアームロックは)あの状態を全く想定していなかったので全く練習していませんでした。それでも勝ててよかったです。RIZINというチャンスをいただいて、自分の年齢と格闘技をやりたい気持ちが強かったので、年齢的にもできるのが最後なので格闘技一本で行こうと決断しました。引き出しはまだまだあります。もっと試合をしていく中でそういうのを出していきたいです」

▼第1試合 キックボクシングルール 56kg契約 3分3R
〇植山征紀(龍生塾ファントム道場)
判定3-0 ※29-27、29-28、29-28
×梅井泰成(京都野口ジム)

 シュートボクシングが誇るハードパンチャーの植山と、柔道&レスリング出身のキックボクサー梅井がオープニングを飾る。

 1R、サウスポーの梅井は得意の左ミドルから入る。植山はジャブを突きながらの左右ロー。梅井はミドルを空振りするとそのままバックハンドブローで植山をヒヤリとさせる。圧力をかけて梅井にロープやコーナーを背負わせる植山。ラウンド終了間際、梅井は左ハイをヒットさせる。

 2R、植山は距離を詰めて左ストレートからの右フック。右はボディにも打つ。梅井は左ミドルの蹴り数を増やしていくが、植山は軸足をローで狙い撃ち。フックの打ち合いで梅井の右フックがヒット。植山は梅井の左ミドルに左フックを合わせ、右ストレートにつなげる。

 3R、軸足蹴りから左ストレート、右フックにつなげる植山。前へ出てパンチを打って行くが梅井も左ミドルを蹴り、右フックから左ハイへつなぐ。しかし、前へ出るのは植山。倒しに行く植山は梅井のパンチをもらうが、強い右をヒットさせて前へ出る。さらに左フックで梅井を吹っ飛ばす。残り15秒、梅井の左ハイに合わせた左フックで植山がダウンを奪い、判定3-0でRIZINでの2連勝を飾った。

◆植山のコメント
「1試合目やったからKOで勝ってもっと盛り上げたかったんですが、梅井選手が上手かったですね。もっと圧倒できると思ったんですが左ミドルがやりにくかったです。もっと強くなってもっと知名度を上げてもっと大舞台に立って格闘技界を盛り上げていきたいと思います。最初からチャンスがあれば倒すつもりだったんですが、3Rかけて倒せたらいいなと思っていて。ローが効いているのは分かったんですが、距離感が合わなかった。チャンスがあれば1Rから倒そうと思っていましたが、最低でも3Rに倒そうと思っていました。3Rでダウンを取れなかったらもっとつまらない試合になっていたのでホッとしました。もっと圧倒できると思ったんですが、まだまだなのでもっともっと強くなれるように頑張ります。何発かパンチが当たったんですが、倒せなくて焦ったって感じですね」

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