▼第9試合 ライト級GP1回戦 5分3R
○ジョニー・ケース(米国)
[1R 1分24秒 TKO]
×ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
ライト級GP1回戦。優勝候補の1人に挙げられるジョニー・ケースはUFC4勝2敗。2014年9月のUFC JAPANで徳留一樹にギロチンチョークで一本勝ち後、フランキー・ペレス、フラシスコ・トレヴィノ、ヤンカブラルを相手に3連勝。ジェイク・マシューズとトニー・マーチンに敗れている。MMA26勝6敗1分。RIZINでは矢地祐介、北岡悟にいずれもTKO勝ちを収めている。
サトシ戦を前にケースは、「9戦全勝と言ってもサトシは甘い相手とやって来たから脅威を感じない。彼は危ない目にあったこともないが俺は死闘も経験している」と、MMAキャリアにおいて差があることを語っている。
対するサトシはブラジルのボンサイ柔術に所属し、来日当初は日系ブラジリアンの多い浜松の工場で働き、仕事後に柔術の練習を行っていた。ブラジリアン柔術世界選手権2006、2009、2010を制している日本柔術界の至宝。MMAは9勝無敗で、RIZINでは北岡悟、廣田瑞人にいずれもTKO勝ちしている。
試合直前のインタビューでは、「ケースは打撃が一番危ない。最初は様子を見て、打撃を使って、三角絞めとかバックチョークなど柔術の技で極めて、兄弟で同じ大会で勝ちたい」と、中村K太郎戦に臨む兄のマルコス・ソウザとともにRIZINでの勝利を誓うと、「(柔術で)いつも優勝しているから、今回も勝つことだけを考えている」と、ライト級GP優勝を宣言している。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ミドルはサトシもケースは蹴り足掴み倒すがサトシはすぐに立つ。サトシは引き込みからオモプラッタも腕を抜いて立つケース。ワンツーの右で前へ詰めるサトシは足を手繰りに行くが、ケースは下がりながらも右アッパー! パンチが目に入ったか、崩れるサトシ。そこにケースと頭が接触するが、アッパーを効かされ顔に手を当てたサトシが崩れてタップも、そこにケースはサッカーキック! そのままキックを浴びたサトシを見てレフェリーはストップ。レフェリーは動画を確認し、ケースの勝利を宣告した。
試合後、抽選が行われ、年末の準決勝はムサエフvsケース、パトリッキーvsグスタボに決定した。
ケース
「絶対に世界一になるから大晦日に会おうぜ!」
ムサエフ
「さいたまアリーナで皆さんにお目にかかりたい。良い試合をできるよう頑張ります」
グスタボ
「優勝するために来た。応援よろしく」
パトリッキー
「国を背負って勝つために日本に来たんだ。絶対優勝します、みなさん応援よろしく」
▼第8試合 ライト級GP1回戦 5分3R
○パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(ブラジル)
[1R 1分10秒 TKO]
×川尻達也(日本/T-BLOOD)
パトリッキーは先月Bellatorで2階級を同時制覇したパトリシオ“ピットブル”フレイレの実兄で、これまで21勝8敗13(T)KOの戦績を誇り、現在Bellatorで5連勝中と波に乗っている強打者。次は日本でRIZINとBellatorが熱く火花を散らしそうだ。
川尻は、PRIDE時代から国内外のメジャー団体で活躍、19年にも及ぶキャリアを持つ。20代でPRIDEライト級GP、30代でDREAMライト級GP、40代でRIZINライト級GPと各世代でライト級GPに挑んできた。MMA37勝12敗2分。RIZINのライト級では北岡悟にスプリット判定負け後、アブドゥルカリコフに判定勝ち。
1R、フェイスオフで目を離さない川尻。いきなりヒザを触りに行く、さらにシングルレッグは川尻も突き放すパトリッキー。さらに左ミドルに川尻の体がくの字に曲がる。川尻は左を振りに行くが、どこにパトリッキーはカウンターの得意の右跳びヒザ! ダウンしながらもシングルレッグで蹴り足を掴む川尻。しかし右足を掴んだまま尻餅でしがみつく川尻にパトリッキーが鉄槌連打! 片足を持ったまま川尻は倒れ、レフェリーが試合を止めた。
試合後。パトリッキーは「PRIDEが好きでした。何年も前に見てMMAを始めました。だから日本で戦えることが嬉しいです」と日本のファンに向けて挨拶した。
▼第7試合 ライト級GP1回戦 5分3R
○ルイス・グスタボ(ブラジル)
[1R 3分55秒 TKO]
×上迫博仁(日本/和術慧舟會HEARTS)
上迫はMMA16勝7敗。第7代DEEPフェザー級王者でPANCRASEのトップランカーとして8月名古屋大会でRIZINに初参戦。イーブス・ランドゥ(15勝8敗)を相手に2R TKO勝ちし、GP出場を決めた。
ルイス・グスタボは、2018年8月に矢地祐介を2R KOに下すなど、MMA9戦1敗で4KO、5つの一本勝ちを誇る脅威のフィニッシャー。4月に朝倉未来に判定負けで初黒星を喫した。
1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブ、右ロングフックつくグスタボ。上迫のワンツーにブロッキングしてカウンターを狙う。カーフキック、スーパーマンパンチを狙う上迫。しかし、上迫の右に長い右ストレートはグスタボ! 効かされ下がる上迫に左右ラッシュはグスタボ! 上迫はシングルレッグから立つがグスタボはヒザ、ヒジ打ち。左目上から出血が酷い上迫がTKO負け(眼窩底骨折の疑い)。
グスタボ「ありがとうジャポン! ブラジルのみんな、家族、仲間、日本に来れて嬉しいよ。私は日本を愛しています。戦うことが好きです」
▼第6試合 ライト級GP1回戦 5分3R
○トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)
[1R 4分14秒 TKO]
×ダミアン・ブラウン(豪州)
11連勝中のムサエフ。うち10連勝はすべてKO・TKOをマークしている。RIZINでは大尊伸光をTKO、クルックシャンクに判定勝ち。遠間で懐の深い打撃から、バックキックやローキックなどを放ちながら近づき、強い腰を活かして相手をテイクダウンするダブルレッグも強力だ。何よりムサエフの脅威はパウンドにある。ひとたひテイクダウンを奪うと、ガードの中からでも長くて強いパウンドが相手を襲う。
ブラウンはMMA19勝12敗。対日本人では、2012年のLEGENDで安藤晃司の横三角に一本負け、2013年のLegend FCでは粕谷優介に腕十字で敗れているが、その後5連勝を記録するなど、息の長い格闘技キャリアを積み、2016年にUFC参戦を決めている。RIZINではクルックシャンクに一本勝ち。武田光司に判定勝ち。
UFCで観客を沸かせたアラン・パトリッキとのスクランブル合戦、体重超過した相手と壮絶な殴り合いを繰り広げたフランク・カマチョ戦、スプリット判定で競り勝ったジョン・タック戦など、逆境にも諦めないブラウンのタフな試合ぶりも注目だ。
1R、ともにオーソドックス構え。ムサエフの左インローが金的に。再開。スイッチするムサエフは左ミドル! ブラウンの右ワキ腹が赤く腫れ上がる。バックブローのムサエフに右ボディを合わせにいくブラウン。しかし、ムサエフはさらに左ミドル、インロー。ブラウンの足が流れる。さらに左ハイ! ガードの上からもらったブラウンがバランスを崩したところでムサエフは右ストレート! さらに左右ラッシュでブラウンがダウン! パウンド連打にレフェリーが間に入った。
恐るべき強さを見せたムサエフは12連勝を決めた。