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インタビュー

【RIZIN】太田忍を全局面で圧倒したダニー・サバテロ「最後は“サバテロムーブ”が炸裂した」「今夜、俺は井上直樹と戦いたい」、太田忍「タックルに来ないという想定ができなかった」

2025/05/06 18:05
【RIZIN】太田忍を全局面で圧倒したダニー・サバテロ「最後は“サバテロムーブ”が炸裂した」「今夜、俺は井上直樹と戦いたい」、太田忍「タックルに来ないという想定ができなかった」

(C)RIZIN FF/GONG KAKUTOGI

 2025年5月4日(日)東京ドームにて、『RIZIN男祭り』が開催された。第6試合ではバンタム級でワールドクラスの注目カードが行われた。

▼第6試合 RIZINバンタム級(61kg)5分3R
×太田 忍(THE BLACKBELT JAPAN)7勝5敗
[3R 0分20秒 TKO] ※パウンド
〇ダニー・サバテロ(米国/ATT)15勝4敗1分

 フォークスタイルレスリングをMMAに融合させたサバテロと、グレコローマンでオリンピアンの太田の対戦は、開始早々、サバテロから打撃でプレッシャーをかける展開に。

 長い手足からジャブ&ローを当て、太田の組みを切るサバテロは序盤から太田を削り、3Rに太田がリストしてのスラムの際にバランスを崩して太田がマットに頭を打ち付けたところをパウンドアウト。打撃、組み、スクランブルの全局面で上回ったサバテロは試合後、バンタム級王者の井上直樹をコールアウトした。

勝利後に日本語で話したかった

──試合後の率直な感想を。

「世界の頂点に立った気分だ。自分の試合でチャンピオンになれることほど最高なことはない。この感覚は、他の何にも代えられない。しかもエキサイティングな試合内容で勝つのを見せられたのではないかと思ってるし、それこそが俺がここに来た目的だ。俺が契約したこの団体RIZINは、本当に最高のプロモーションで、ものすごくエキサイティングな舞台だ。

 俺の目標は、単純にRIZINでバンタム級の世界チャンピオンになることだけじゃない。この団体の“顔”になること。そして今夜の勝利は、その目標に向けた確かな一歩になった。対戦相手の太田忍は本当にタフなファイターだと分かってた。彼は日本のレジェンド。そして、俺にとっても伝説的な存在だ──というのも何年か前、彼がオリンピックで戦っている姿を見てたから。そんな彼の顔をボコボコにしたっていうのは素晴らしいこと。試合が終わった今、シノブと彼のチームにはただただリスペクトだ。彼は本当にとても素晴らしいファイターで、非常にハイレベルな選手。ともあれ今の自分としてはもう次は、井上(直樹)でも誰でも俺の前に立ちはだかる者に目を向けている」

──今回、レスリング対決かと思いきやストライキングで攻めたのは、作戦だったのでしょうか。

「ああ、俺のプランは、ただ彼をブッ倒すことだった。何があっても。正直、特に緻密なゲームプランは意識しなかった。はっきり言って、俺はあらゆる面で他の誰よりも優れていると思ってる。だから試合がグラウンドになっても、自信はあるし、スタンドのままでも、自信がある。最初から全局面で自分のほうが上だって分かっていた。ただ、この歴史ある東京ドームに向かう道中にこう感じたんだ、“今日はファンにしっかりとショウを届けなきゃいけない”って。だって、RIZINファンは世界一最高だから。

 それで俺は打撃戦、殴り合いをしたかった。きっとファンも、それを望んでたと思うから。俺たちが2人ともハイレベルなレスラーだってことは誰もが知ってた。でも、もし打撃戦になって、どっちかが失神したら? そうしなくちゃ! って。だから今日は打撃戦になる必要があったんだ。ボコボコにして、TKOかKOで決着をつけること、それが俺の使命だった。もちろん俺たちはMMAでグラップリングのレベルが高い2人だから、もし寝技になってたら俺が極めてたと思う、でも今日は、それ以上にファンに応えたかったから、KOなりTKOでの決着をみんなに届けたいって自らに課していたんだ」

──東京ドームの舞台で、リング上から見た景色はいかがでしたか。

「人生でこんなに最高な体験をしたのは初めて。あのオープニングセレモニーは、これまで自分の人生経験において関わった中で間違いなく一番素晴らしいものだった。こんなのは、見たことがない!RIZINが作り上げるショウがどれほど素晴らしいか信じられない。どんな世界のスポーツイベントと並べてみてもここまでのショウは他にはない。榊原さんとRIZINという団体がやってることは、すべてが驚異的だ。そしてこれからも、間違いなくすごいことをやってのけるはず、この絶対的なスーパースターである俺が加わったことで。そして俺は、この団体をもっともっと高いレベルに引き上げる役割を担っていきたい。RIZINを世界中の人たちに見てもらいたいから。だって、RIZINこそが一番エキサイティングなショウだから。まだ現実味がないというか、今も興奮が冷めなくて、気持ちはずっと高ぶってる。

 もう次の試合に集中しようとしてるところなんだ。俺はメンタルで動くタイプだから、次の相手をどう魅せて倒すか、を考え始めないと。今日の試合はもう過去のこと。ただそれでも今日の大会はあまりに素晴らしかったから、ちゃんと噛みしめて、しっかり味わっておきたいとも思ってる」

──試合後のマイクでチャンピオンの井上直樹選手の名前を出していましたが、今後の展望・目標はやはりベルトでしょうか。

「ああ。試合後のマイクは自分にムカつく! だってこの数週間、いやほぼ1カ月月くらい、俺はジム仲間の(中村)倫也と(堀口)恭司に習って、日本語をせっせと練習してたんだもん。日本語はさっぱりできないけど、試合後の勝利者メッセージとしていくつか文章を話せるようにってすっごい頑張ったのに! でも本番では完全にグダグダになっちゃって、自分にイライラしてた。興奮しすぎちゃってアタマ真っ白になっちゃって、何言ったらいいか全然思い出せなくなっちゃったの。今はもう、もちろん思い出せるんだけど、ほんとに悔しい! 日本のファンのみんなに日本語で話したかったんだ。俺にはそれを伝える義務があるって感じてた。でも今日は……あまりにも興奮しすぎて無理だった。でも、どこかのタイミングで絶対に日本語で話すよ。

 それより、今日は井上を呼び出さなきゃならなかった。だってアイツが俺のベルトを持ってる。あれは俺のベルトだ。何度も彼の試合を見てきたし、自分が彼をフィニッシュする姿が見える。きっと最高にエキサイティングな試合になるはず。今は彼がチャンピオンかもしれないけど、次のチャンピオンは俺。俺がブッ倒して、ベルトを奪い取る。一度手にしたら、もう絶対に手放さない。そのベルトを手にしたら、俺は1272回でももっともっとでも防衛してみせる。俺は対戦相手を仕留めに、ブッ倒すためにここにやってきた。次は井上直樹だ。すぐにでもやりたい。誰か、今この会場に彼がいるかどうか確認してくれよ、今すぐ戦いたい、なるはやで。もし彼がいるなら、クレベルとその相手のメインイベントが終わった後にでも、俺はやる準備ができてる。今夜、俺は井上直樹とやりたい」

──披露しようとしていた日本語のフレーズとは?

「『元気ですか?』は『ワッツアップ?』だよね。あとは、『私は、日本が大好きです』『RIZINのチャンピオンになります』……ゴメン、やっぱまだ興奮してるみたいで上手く言えないや」

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