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【RIZIN】シェイドゥラエフがクレベルKOでフェザー級王座戴冠、朝倉未来が鈴木千裕に3R TKO勝ち。秋元が高木に競り勝つ、萩原が西谷をKO、ヘビー級GPは上田が日本人唯一の勝ち残り。神龍が伊藤に完勝、中村が桜庭に腕十字、サバテロが太田にTKO勝ち、ヒロヤが篠塚をTKO。アーセンが一本勝ち

2025/05/04 11:05
 2025年5月4日(日)東京ドームにて、『RIZIN男祭り』が開催された。 『RIZIN男祭り』速報 ▼第16試合 メインイベント RIZINフェザー級タイトルマッチ 5分3R×クレベル・コイケ(ボンサイ柔術/王者)[1R 1分02秒 KO] ※右オーバーハンド〇ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス/挑戦者)※シェイドゥラエフがフェザー級新王者に 『RIZIN男祭り』のメインイベントは「RIZINフェザー級タイトルマッチ」として、王者クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)と、挑戦者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)が5分3Rで対戦。  クレベルは、2022年10月に牛久絢太郎に三角絞めで一本勝ちし、一度目のRIZINフェザー級王座を獲得も、2023年6月の鈴木千裕との王座戦で体重超過し、王座剥奪。その後、金原正徳に判定負け、斎藤裕とフアン・アーチュレッタに一本勝ちで、2024年大晦日に王者・鈴木千裕と再戦。判定勝ちでベルトを奪還した。今回クレベルにとって、悲願の「ベルト防衛」を果たすべき試合となる。35歳。  対するシェイドゥラエフは、プロMMA13勝無敗の24歳。全試合をフィニッシュしており、5KO・TKO、8つの一本勝ちを誇る。試合タイムは10分を越えた試合はまだない。さらにスタミナにも自信を持ち、国土の95%が山岳地帯のキルギスで高地トレーニングを行い、高い心肺機能と耐久力を併せ持つ。  日常的に乗馬をこなし、馬肉・羊肉を食し、岩塩を使用するという食生活のなか、同国のイーラスMMAでは13勝2敗のONE FF&BRAVE FCフェザー級のアジレット・ヌルマエフとも練習。レスリングをベースに柔術でもキルギスとアジア王者の肩書を持ち、クレベル相手に「柔術でも自身の方が上」と豪語する。  2019年に地元キルギスのBatyr BashyでプロMMAデビューを飾ると、ロシアのACA Young Eaglesで3勝、22年11月にアマチュアルールのGAMMAに出場し4日間で3戦を勝ち上がりフェザー級王座を獲得した。23年6月より開催のROAD FC 63kgトーナメントに出場。1回戦でRIZINバンタム級でも活躍するヤン・ジヨンに1Rリアネイキドチョークで勝利。8月の準決勝では原口央と対戦予定だったが失格(計量オーバーおよび計量への遅刻に起因)。  10月には契約体重139ポンド(63.95kg)でUAE Warriorsに参戦し、リアネイキドチョークで一本勝ち。2024年6月、初参戦のRIZINでグレコローマン出身の武田光司を1R早々にリフトアップしてテイクダウンすると、すかさずリアネイキドチョークで極めた。9月、体重超過のフアン・アーチュレッタも1R 腕十字でタップを奪い連勝。2024年大晦日に元K-1&GLORY王者の久保優太と対戦。  徹底的に久保の試合映像を分析するなか、『序盤は組まない』作戦で立ち合い、久保の左ハイをガード後、1分過ぎにボディロックテイクダウン。腕十字、リアネイキドチョークを狙いながらも強いパウンドでダメージを与えて2R TKO勝ちを収めている。  オーソから上下の打撃で散らせて左右の強打からの組み力は脅威。シングル・ダブルレッグのみならず、小手巻き・内股などの足技も使いテイクダウン。がぶりのみならずバックに回ることも厭わず、武田にはワンハンドからリアネイキドチョーク、アーチュレッタにはスロエフストレッチ狙いからヤスケビッチ式の腕十字でタップを奪っている。  上下の蹴りに強打、ワールドクラスのグラップリング力を持つ“最強挑戦者”シェイドゥラエフを相手に、“柔術の鬼神”クレベルは、いかに王座を守るか。互いの攻撃力のみならず、ディフェンス力にも注目のタイトルマッチだ。  UFC二階級制覇王者アレックス・ペレイラから両者に花束が贈られる。先にシェイドゥラエフのキルギス国歌斉唱から、続けてクレベルは日本国歌を選択し、大友康平が君が代を斉唱。ベルト返還。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央に出るクレベルは左ロー、右前蹴り。シェイドゥラエフの左右をさばくが、右ロー右フックを当てたシェイドゥラエフが前に。クレベルの右ローに合わせて、シェイドゥラエフは右ストレート! これは浅かったが、右の2発目のスイングがテンプルにヒット! クレベルが頭からマットに崩れたところでレフェリーが間に入った。  62秒、シェイドゥラエフが1R フィニュシュで14連勝でRIZINフェザー級王座戴冠。35歳のクレベルは初のKO負け。24歳のシェイドゥラエフはRIZIN4連勝で、全試合フィニュシュでベルトを巻いた。 [nextpage] ▼第15試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)[3R 1分56秒 TKO] ※鈴木がカットでストップ×鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)  朝倉は、2023年7月にヴガール・ケラモフに一本負け。2024年7月の前戦で平本蓮に1R TKO負けで「いったん」引退を表明。しかし、今回の東京ドーム大会で平本との再戦のために復帰を決めた。その平本が負傷欠場で対戦相手が決まらずにいたが、鈴木千裕が名乗りを挙げて対戦が決定した。  鈴木は3月30日の『RIZIN.50』香川大会でカルシャガ・ダウトベックに判定負けしたばかり。大晦日のクレベル・コイケ戦、3月のダウトベック戦、5月の朝倉未来戦と5カ月で3試合の連戦で、前戦からわずか1カ月間隔での再起戦となる(※会見での質疑応答)。  リングインしてカメラに右の拳銃を打ち抜いた朝倉。リングサイドにバッテンマークのマスクをつけた平本蓮、さらに那須川天心の姿も。  1R、サウスポー構えの朝倉。オーソの鈴木が先に圧力をかける。右前手を振る朝倉は左ハイも。掴んだ鈴木に足を抜いた朝倉がコーナーに向かい、ダブルレッグテイクダウン。鈴木は足を踏ん張り切れないか、頭を抱え込むような形で下に。  コーナーに頭が詰まる鈴木はフルガード。下の鈴木は4の字にするが、朝倉のパウンドをかわす鈴木は徐々に上体をコーナーに上げると、中腰でパウンドの朝倉。  鈴木は朝倉の頭を抱えるとパウンドに鈴木は出血。左足を抜いてハーフにした朝倉に、腰を切ってフルガードに戻した鈴木。しかし朝倉は鈴木頭をコーナー下に押さえ込んで再びハーフに。鈴木の足の戻しの蹴り上げに、朝倉は左の強いパウンドもマットを直撃。サイドを奪いゴング。  2R、大歓声のなか跳びヒザを見せる朝倉。そこに左右を振る鈴木だが、右を当てる朝倉は打ち合いのなかでも冷静にシングルレッグから引き出してやぐらから小内刈テイクダウン!  再びコーナーに鈴木の頭を押し付ける朝倉。ハーフからフルガードに戻す鈴木。スペースが足りない鈴木。朝倉は上体を離すとすぐに左のパウンド。首がコーナーで折れて立てない鈴木。朝倉は押さえ込んで右の脇腹にパンチ。  頭を抱え込む鈴木。上体を離した朝倉に蹴り上げの鈴木。そこに右のパウンド、ヒジで飛び込む朝倉は、鈴木の頭がコーナーから出ると、コーナーに頭を運んで押し込みパウンドでゴング。  3R、右ストレートから左フック、ヒザで前に出る鈴木、朝倉は左ミドル、左ヒザを突くと、鈴木は軸をブラしながら右を振るが空振り。  そこに組んだ朝倉。鈴木はニンジャ狙いからネルソンで固めるが、頭を抜いた朝倉。朝倉の細かいパウンドに出血の鈴木は左目上をカット。そのままドクターチェックでストップ。朝倉が勝利。コーナーポストに上がって朝倉は両手を広げてて咆哮。右手を挙げた。  連戦だった鈴木も見せ場を作ったが、試合後半無念のカットでTKO負け。朝倉は「楽しんで戦う」という宣言通り、左右の攻撃を上下に散らし、強化したテイクダウンで堅い展開ながら執念で押さえ込んで削り、勝機を掴んだ。一方で、鈴木はテイクダウンディフェンスが出来ず、コーナーで立ち上がりもままならずジリ貧に。コンディションが万全ではないことをうかがわせた。  勝利者トロフィーを受け取った朝倉は、「帰ってきました。またた強くなって帰ってきました。東京ドームの満員の景色で復活できて嬉しかったです。良くないときも応援、ありがとうございます。またすぐ戻ってきます。朝倉未来は最強じゃないといけないんで」と語り、大歓声を受けてリングを後にした。  放送席に入った平本は、その姿に「鈴木千裕が立ちに行く動きを全然見せなかった。朝倉未来は全然強くなかった」と辛らつな評価。さらにメインのクレベルvs.シェイドゥラエフにも、「2人とも強いけどどっちも僕が潰します」と語った。 [nextpage] ▼第14試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R×高木 凌(パラエストラ八王子)[判定0-3]〇秋元強真(JAPAN TOP TEAM)  元PANCRASEフェザー級1位の高木は、MMA8勝2敗でRIZIN2連勝中。初参戦でビクター・コレスニックに判定負けも、2024年4月に西谷大成を1R TKO、同年9月に萩原京平にリアネイキドチョークで一本勝ち。25歳。  19歳の秋元は、62.5キロ契約でアラン“ヒロ”ヤマニハ、バンタム級で金太郎を連続TKO後、フェザー級でも鈴木博昭に判定勝ち。大晦日の「RIZINバンタム級王座次期挑戦者決定戦」で元谷友貴に完封されての判定負け。今回は再びフェザー級で左の強打を見せるか(※会見での質疑応答)。  1R、サウスポー構えの秋元。オーソの高木。中央を取る秋元に高木は右ミドルハイ、左ジャブ。詰める秋元にさらに右ハイ。右ミドル。左前手フックを狙う。さばく秋元は前手争。高木の腰高のシングルレッグを切る。  左を伸ばした秋元。押し戻す高木は右インロー。左から右フック、首相撲ヒザの秋元に体を入れ替えた高木は左で差し。首相撲右ヒザ! シングルレッグは凌いだ秋元が離れる。左インローの秋元。高木は右を突いて戻して右オーバーハンドを見せる。右から左の秋元。かわす高木は右ミドルハイをガード上に当てて関節蹴り。秋元も左ミドルハイを打ってゴング。  2R、素早い右ジャブを打つ秋元。高木もジャブ。中央を取る秋元に、高木は左ジャブで押し戻すと、秋元の右前手フックは空振り。  左インローを当てた秋元。高木も右前蹴り。前手争いから高木は組んでコーナーに押し込むが、秋元は右ヒザを股間に。ローブローで中断。  組んで再開。高木の差しに突き放す秋元。左右ローの高木はシングルレッグ。そこに左右で詰める秋元。ダブルレッグの高木に秋元はロープ間に出る。  スタンド再開に。右インローを当てる高木に秋元の右は後頭部ではないかと。シングルレッグの秋元はバックに乗るが、前に落とした高木が上に。秋元は下から内ヒールもヒザは曲がっている。正対してトップを取った高木がヒザを落としてゴング。  3R、左関節蹴りの高木。左インロー。右を当てる秋元にシングルレッグの高木。タックル返しから首を巻く秋元はバックを奪い4の字ロックも、正座して立ち上がる高木の詰めにヒザ突く秋元は左ボディも。高木は跳びヒザで詰めて左右からシングルレッグ、さらに左右からダブルレッグテイクダウン! 首を抱える秋元に高木は尻を着かせて、立ち際に背中に。ダブルアンダーで両脇差して落とされない高木はシングルバックに変えてリアネイキドチョーク狙い。腰をずらした秋元がバックに。高木の正対際にツイスターを狙うがゴング。  判定は3-0で打撃を当てて組み技にもスクランブルからバックを奪った秋元が、MMAの進化を見せてフェザー級で勝利。試合後、秋元は「前回負けてからいろいろさんざん言われて、自分で見つめ直して最高の舞台で勝利出来て嬉しいです。この後、未来さんが復帰で最高の環境を作ってくれたんで勝ちました。この後未来さんの試合、本気で応援しましょう」と語った。 [nextpage] ▼第13試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇萩原京平(SMOKER GYM/TRIBE TOKYO MMA)[1R 3分36秒 KO] ※左ストレート×西谷大成(JAPAN TOP TEAM)  萩原は、牛久絢太郎、武田光司、高木凌を相手に3連敗も、背水の陣で迎えた25年3月、4連敗中のトビー・ミセッチを相手に26秒 TKOで再起を遂げた。連戦となる今回、朝倉未来が指名した西谷を沈め、朝倉との再戦に進むか。  西谷はMMAでは3連敗中。2024年4月のRIZINで高木凌に1RKO負け後、8月DEEPで海飛に一本負けで引退を示唆。25年3月のBreakingDownで白川ダーク陸斗との同門対決でTKO勝ち。約8カ月ぶりとなるMMAの試合を東京ドームで迎える(※会見での質疑応答)。  1R、早々に組んだ西谷の崩しに戻す萩原は左腕差し込み、四つにして西谷を突き放す。右から左で詰めてダブルレッグの西谷を浴びせ倒してトップになった萩原。  左差しの西谷に右小手でヒジを突くが、立つ萩原は右ヒザ! 西谷の左に萩原は右を当ててバックフィスト。かわした西谷に右カーフをヒット! さらに西谷の左ジャブに右ストレートを当てると左から右、最後は左でダウンを奪い、TKO勝ち。  コーナーに登り、勝利のSMOKERの一服の仕草を見せた萩原は、勝者インタビューで、「未来くん、あんたの弟子倒しましたよ。あんたに一番、リベンジしたいんで、このカード、必ず実現させます。また強くなってここに戻ってきます」と語った。 [nextpage] ▼第12試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級トーナメント1回戦〇上田幹雄(BRAVE)5勝2敗[1R 1分03秒 KO] ※左インロー×シビサイ頌真(パラエストラ東京)10勝4敗1NC  練習仲間同士の試合。被弾せずに角度をつけて組みたいシビサイに、上田は得意の蹴りを活かした打撃で立ち合いたい。   1R、右ヒザにブ厚いテーピングのシビサイ。サウスポー構えの上田にオーソのシビサイ。上田は歩いてオーソに。右ローの上田は、さらに右カーフ。左ジャブも当てて左インロー! これで動きが止まったシビサイに、さらに左ヒザを内側から蹴り、ダウンを奪うとレフェリーが間に入った。  ヘビー級GPで唯一、日本人として勝ち上がった上田は、「僕たちは仲間で、でも試合なのでどうしても越えたいと思いました。今日、ヘビー級判定ばかりでつまらなかったと思いますけど、少しは気が晴れましたか。もう日本人、僕一人なので僕が背負います!」と語った。  なお、ヘビー級GP前に元Bellatorヘビー級&ライトヘビー級王者のライアン・ベイダーがリングイン。大晦日にGP優勝者と初代ヘビー級王座をかけて戦うことが発表されている。 [nextpage] ▼第11試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級トーナメント1回戦×スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)9勝4敗[判定0-3]〇ジョゼ・アウグスト(ブラジル/LFA推薦)11勝4敗  1R、ともにオーソドックス構え。中央を取ったアウグストは左右でコーナーにスダリオを詰めて首相撲ヒザ。スダリオもフックで剥がしてコーナーを出る。  右前蹴りのアウグスト、スダリオも右ローを返す。さらにコーナーに詰めてスダリオの左に右ストレートをかぶせてダウンを奪うも、パウンドにはいかず。立つスダリオ。さらにアウグストの左フックがかすめるが、スダリオも右を振って応戦。  常にロープ、コーナーを背負わせるアウグスト。スダリオも押し戻すと、右オーバーハンドでアウグストを下がらせて左インローを2度。アウグストが右かすめてゴング。  2R、飛び込んでの左のアウグスト。スダリオはサウスポー構えになって左を狙う。オーソに戻すとアウグストの右が伸びる。スダリオが右を突こうとするとクロスを狙うアウグストが圧力。ブレーク。レフェリーから両選手に「ネガティブファイト」の注意。  再開。右を合わせて来るアウグストに左ジャブを打ちにくいアウダリオだが、左の飛び込みを当てる。そこに詰めて右ヒジを当てるアウグスト。左から右で詰めるスダリオにコーナー背にアウグストは右クロス狙い。体を入れ替える。スダリオが前に出てゴング。  3R、最終回で先に圧力をかけていくスダリオは右カーフ。アウグストはスダリオの入りに右ヒザを狙う。スダリオもワンツーもまだ慎重。右オーバーハンドをガード上に突くアウグスト。左額を腫らせたスダリオは、アウグストのヒザ蹴りを潰して上に。グラウンドのアウグストに立ったまま右の蹴りを足に蹴る。  左ジャブから右ストレートを突くアウグスト。さらに右スーパーマンパンチにスダリオが左目尻から出血。スダリオの入りに右ヒジを突き、右バックヒジも! 被弾したスダリオだが崩れず、そのままゴング。  判定3-0でLFA推薦のアウグストが立ち技でコントロールして勝利。3人の日本人ヘビー級戦士のうち1人が消えると、アウグストはヘビー級の身体で側宙を見せた。 [nextpage] 【休憩】 ▼第10試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級トーナメント1回戦〇マレク・サモチュク(ポーランド/KSW推薦)8勝4敗[判定3-0]×ダニエル・ジェームス(米国)15勝8敗1分 ※体重超過 ※ダニエル・ジェームスがヘビー級の上限である120kgを800グラムオーバー。トーナメント特別規定に則り、超過体重が1kg未満の場合は公式戦として実施。ジェームスはレッドカード減点50%となり、勝者がトーナメント準決勝へ進出する。  体重超過のジェームスにはレッドカード。50パーセント減点。  1R、先に圧力をかけるジェームスに、サモチュクは右ロー。左ジャブのジェームスは構わず詰めて左差しでコーナーに押し込みヒザ。右小手のサモチュクにジェームスはヒザ蹴りもローブローに。再開。  ダーティーボクシングから右を当てるジェームスに、サモチュクはコーナーに詰まらず左に回ってダブルレッグテイクダウン! ハーフのジェームスはキムラクラッチも、右で脇腹にパウンドのサモチュクはクラッチを切って細かいパウンド。  コーナー背に上体を立てたジェームスに両足を束ねるサモチュクは細かい右のパウンド。  右で差して立ち上がったジェームスがシングルレッグテイクダウンで鉄槌。サモチュクはクローズドガードで凌ぎ、蹴り上げに立ち上がるジェームス。  2R、右ローのダブルのサモチュクに、左右フックの連打のジェームス。サモチュクは高いガードで頭を守る。ラッシュを防いだサモチュクは左ジャブ&右ロー。詰めて来たジェームスにダブルレッグテイクダウン!  ハーフから前腕チョークのプレッシャーをかけて背中を着かせて細かいパウンドのサモチュク。ゴング。  3R、ジャブから右カーフのジェームス。サークリングのサモチュクは前がかりなったジェームスにダブルレッグテイクダウン! そのままマウントを奪うと、細かいパウンド、ヒジ。「アクション」の声にサイドに移りニーインに行ったところでブレーク。  右ジャブから左を突くジェームス。さらに右フック! ブロッキングのサモチュクはシングルレッグテイクダウン。インサイドガードから片足を抜き、さらにマウントへ。再びサイドに移り、ボディにヒジを落とし、最後にサッカーキックを見せてゴング。  体重超過のジェームスにはあらかじめ50パーセント減点があるなか、判定3-0でサモチュクが勝利した。 [nextpage] ▼第9試合 RIZINスタンディングバウト特別ルール 98.0kg 3分3R─皇治(TEAM ONE)[勝敗無し ドロー]─シナ・カリミアン(SINA ARMY)※皇治は8オンスグローブ、シナ・カリミアンは12オンスグローブを装着  98kg契約スタンディングバウト特別ルール3分3Rで、皇治(TEAM ONE)と初代&第3代K-1クルーザー級王者シナ・カリミアン(イラン/SINA ARMY)が対戦。皇治は8オンス、カリミアンは12オンスのグローブを着用する。 皇治は、K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント第3位、ISKA世界ライト級王者。4歳から始めた日本拳法、空手で好成績を残すと、プロ転向後、地元大阪の様々なリングを経験。2016年よりK-1を主戦場に、スタミナと打たれ強さを最大の武器に激闘を繰り広げると「大阪に皇治あり」を満天下に知らしめた。2020年からRIZINに電撃参戦し、MMAにも挑戦中。 2023年大みそかに三浦孝太にTKO勝ち後、2024年7月の『超RIZIN.3』で芦澤竜誠に判定負け。  これまでボクシング形式のエキシビションマッチを5戦して1勝1敗3分。2024年10月、『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』にてブアカーオ・バンチャメークとボクシング特別ルールで対戦して以来の試合となる。173cm、61kg。 カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。同王座は2020年12月の3度目の防衛戦でK-Jeeに敗れて手放したが、2021年3月のダイレクトリマッチでK-JeeをKOし、王座を奪還。その後は、反則勝ちも含めて5連勝。2023年9月の「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」では1回戦でKO勝利も準決勝でクラウディオ・イストラテに敗れる。   2024年3月、初防衛戦でリュウ・ツァーにKO負けを喫し、王座を手放した。10月にイストラテと再戦したが無効試合、12月14日の木村太地戦も無効試合に。大晦日の『雷神番外地』に参戦し、安保瑠輝也とスタンディングバウト特別ルール(ボクシング)で対戦して話題を呼んだが判定で敗れた。2025年4月には『GLORY』に初参戦し、ヘビー級トーナメントに出場したが1回戦でトーマス・モズニーに判定負け。この試合でもブレイクの後に右フックを打ってダウンさせる反則をしている。200cm、105.8kg。戦績は16勝(8KO)5敗2無効試合。  皇治は2024年12月、東京・世田谷区でフェラーリを運転中に街路樹などにぶつかり、大破した車を置いて立ち去ったとして、2025年3月31日に当て逃げ(道交法違反・事故不申告など)の疑いで書類送検されており、これが“みそぎ”の復帰戦という。グローブハンデがつけられたとはいえ28kg差のボクシング戦が危険なことは間違いない。皇治はヒザ蹴りなど蹴り技が無いボクシング戦であれば戦えるとハンデ戦に臨む。皇治のセコンドには細川バレンタイン。カリミアンのセコンドにはレオナ・ペタスがつく。  1R、左ジャブから詰めるカリミアンに皇治はクリンチ。左右の連打には腹に頭をつける。  左ボディから入る皇治だが、間合いが空くと、カリミアンの左から右。ダッキングしてダブルレッグ気味にクリンチの皇治。皇治に組み付きが「注意」。  カリミアンの左フックをかわした皇治だが、コーナーに詰めたカリミアンが左右フック。ガードして凌ぐ皇治だがコーナーに釘付けに。  2R、中央を取るカリミアンに左ボディ打ちも微動だにしないカリミアン。足を使って出入りする皇治は左ボディから左顔面のダブルも遠い。皇治の右に右を合わせたカリミアン! アゴが上がった皇治。カリミアンのラッシュに近い距離で皇治も右を返すが、ノーガードで受けるカリミアンはレフェリーに文句をつける。  3R、右フック、カリミアンの入りに左フックをクリーンヒットする皇治! しかしノッシノッシと歩いて前に詰めるカリミアン。皇治は右回りで足を使うが、カリミアンは詰めて右アッパーをかすめる。  左から右を打ち上げる皇治。しかしカリミアンの右に額が上がる。カリミアンの足が鈍るなか、前に出て右オーバーハンドの皇治! ゴング。試合はドロー。  試合後は、カリミアンコーナーのレオナ・ペタスからの「ルールを守れ」Tシャツで顔を拭いてからカリミアンとハグ。マイクを要求したが、運営は禊マッチにマイクを渡さず。皇治はリングを降りた。 [nextpage] ▼第8試合 59.0kg契約 5分3R〇神龍 誠(神龍ワールドジム)[判定3-0]×伊藤裕樹(ネックス)  神龍は、2024年大晦日にBrave CF&Titan FC王者のホセ・トーレスにスプリット判定で惜敗。BTCでのグラップリングマッチでの勝利を経て、RIZINフライ級GP日本人出場枠を賭けての対戦を伊藤裕樹に要求。  伊藤は、RIZIN5連勝中。ヒロヤ、トップノイ・キウラム、上田将年、イ・ジョンヒョン(3R TKO)、トニー・ララミーを相手に4つの判定勝ち。2025年3月の前戦ララミー戦では59kg契約で戦い、2度のダウンを奪っている(※会見での質疑応答)。  1R、ともにサウスポー構え。神龍は左ミドルから。伊藤の入りにバックフィストを狙う。低い組みからロープまでドライブした神龍はボディロックテイクダウン。左足をかけた神龍に正対を狙う伊藤。シングルバックの神龍は首を抱えてツイスター狙いも凌ぐ伊藤。  マウントに移行した神龍は肩固め狙いからパウンド、さらに肩固め! 腕をクラッチしてヒジを張り、左ヒザを抱えて防ぐ伊藤。なおもトップを奪い続ける神龍はみたびマウント。亀になる伊藤にバックマウントを奪う。伊藤は背後に細かいパウンド。  2R、神龍の入りに左の蹴りを狙う伊藤。左フックを振るが、神龍はローシングルで尻を着かせて手首をつかむと、伊藤の立ち際を持ち上げてからスラム。なおも立とうとする伊藤に右足のみをかけて正対際に崩して上に。  クローズドガードの伊藤に強い右のパウンド! その際でパスガードでサイドに。右ヒザを側頭部に突く。ヒザを立てて立とうとする伊藤に、右足をかけて再び寝かせる神龍はバックに。4の字ロックを組んで背後からコントロールしゴング。  3R、いきなり左右で前に出た伊藤。右を振るが、神龍も打ち返してローシングルへ。そこにギロチンチョークの伊藤だが、首が柔らかい、という神龍はクローズドの中で絞められても極めさせず。首を抜いて右足も抜けてハーフにする神龍は右手首を掴んでキムラクラッチへ。ハーフから極めに行くと、伊藤の戻しにトップからギロチン狙いも。バックに回ると4の字ロックで背後から細かいパウンド。伊藤の正対際に左枕で肩固めに。伊藤は自身の左ヒザ裏を掴んで防いで、際で立ち上がり。  そこにサッカーキックの神龍。伊藤は左右で詰めるもゴング。判定は3-0で組み技で圧倒した神龍が勝利。ホセ・トーレス戦からの再起を飾った。 [nextpage] ▼第7試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R×桜庭大世(サクラバファミリア)[2R 2分01秒 腕十字]〇中村大介(夕月堂本舗)  Uの遺伝子対決。“レジェンド”桜庭和志の長男の大世は柔道ベースからMMA転向。大晦日のMMAデビュー戦はプロ41戦の矢地祐介の蹴りに左ストレートを合わせてダウンを奪いパウンド連打、僅か26秒でTKO勝ち。  階級上の桜庭と対戦する中村は、実力者相手に6連敗中だが、今年3月のDEEPフェザー級GP1回戦で五明宏人を相手にノーガードでアームロックを狙い続け、判定負けでGP敗退も満員の後楽園ホールを大熱狂させた。45歳の誕生日目前の5月、約3年ぶりのRIZINにして初の東京ドームの大舞台に臨む(※会見での質疑応答)。  1R、喧嘩四つ。サウスポー構えの桜庭に、オーソの中村は右を突くが、桜庭の左のミドルから右ハイからの右ストレートは警戒。桜庭の左蹴りが股間に入り、中断。  再開。右前手フックから左ストレート、左ミドルで詰める桜庭はバックフィストも狙う。  ノーガードの中村はハイキックの打ち終わりに右を突いて組んでボディロックテイクダウン! ハーフから左で脇差し押さえ込んで腕を狙い、マウントに。  桜庭は送り手を外すがマウントのまま。中村は左枕でしっかり抑え込んでハイガード。両脇を徐々に開けさせてブリッジを潰して残り1分を切ったところで腕十字へ。ここで立った桜庭の詰めに右テンカオを狙う中村。桜庭は右ジャブで前に。ゴング。  2R、リーチ、コンパス、階級差を活かして前に出る桜庭に、右フックから左を当てて腰を落とさせた中村は、桜庭の立ち際に右手首を掴んでアームロック狙い。さらに足を戻してきた桜庭を担ぎパスからマウント。S字マウントから腕十字、いったん脇に挟んでから胸上に置き、ヒジを伸ばして極めた。  試合後、バックステージで中村は、「いま連敗中で、2、3年ぶりくらいに勝って、夢のような感じですね。自分だけの力ではないし、こうして一本勝ちできて。次また頑張ろうという感じです。桜庭選手は打撃がすごい強くて結構、やられましたね。ポジションとかはまだ慣れてないところがあるので、たまたまマウントとかが取れて。いまやれてよかったです。彼はまだ始まってもいないので。彼はこっから──こんなおじさんにやられて悔しいと思うので──これから期待ですね。60までMMAをやろうと言っているので、あと15年あるんで、まだまだ強くなれると思います。自分は扱い辛いとは思いますが、バリバリの選手とやっていきたいので、また機会があればRIZINに出たいですね」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 RIZINバンタム級(61kg)5分3R×太田 忍(THE BLACKBELT JAPAN)7勝5敗[3R 0分20秒 TKO] ※パウンド〇ダニー・サバテロ(米国/ATT)15勝4敗1分  RIZINバンタム級(61kg)5分3Rで、太田忍(THE BLACKBELT JAPAN)とダニー・サバテロ(米国/ATT)が対戦。 太田は、リオ五輪グレコローマンレスリング59kg級銀メダリストで、MMA7勝4敗。近年では倉本一真、瀧澤謙太相手に連勝後、2023年10月に佐藤将光にスプリット判定負け。しかし、大晦日に芦澤竜誠に1R KO勝ちすると、2024年4月にバンタム級転向初戦の牛久絢太郎に判定勝ち。6月にはBellator初参戦でロジャー・ブランクと対戦し、1R 2分18秒 ノースサウスチョークで一本勝ち。3連勝で9月に元谷友貴との再戦に臨んだが、3R 4分9秒、リアネイキドチョークで敗れた。 NCAAディビジョン1で活躍するなどフォークスタイルレスリングと柔術を融合させたグラップラーのサバテロは、元Titan FCバンタム級王者。MMA14勝4敗1分で、2021年5月からBellatorに参戦。バンタム級ワールドグランプリ1回戦でレアンドロ・イーゴを下すと、12月の準決勝&バンタム級暫定王座決定戦でラウフェオン・ストッツにスプリット判定で敗れ王座獲得ならず。23年4月にマルコス・ブレノ相手に2R リアネイキッドチョークで一本勝ちし再起も、23年7月の『超RIZIN.2』でマゴメド・マゴメドフにギロチンチョークで一本負け。同年11月にストッツとの再戦でも判定負けを喫したが、2024年8月の前戦ではPFLのワンマッチに出場。大熱闘を繰り広げて判定0-0のドローとなっている。  1R、ともにオーソドックス構え。サバテロは右ローから圧力をかけ左ジャブを突く。さらに右ストレートを当てると右ハイ。かわした太田の組みを切るサバテロ。  追い詰めて右ハイ。右ストレートからダブルレッグ。コーナーで尻着きから立つ太田に右差しのサバテロ。左を小手巻き崩す太田に、ワンツーを当て左ミドルを当てるサバテロに、太田もフックを返すが、詰める太田はワンツーから右ハイ! 下がる太田に右を突くサバテロは左右から右アッパーも!  なおも詰めるサバテロにヒザを触りに行く太田を切るサバテロ。なおも上下に打撃を散らすサバテロ。右が見えていない太田は被弾しながら右フックを返すが、サバテロは右ジャブで前に。跳びヒザに左で差して組んだ太田はクラッチ。  しかしロープを背に左ボディのサバテロは崩れず。右ボディをトリプルで突いて右ヒジも。  2R、先に中央を取り長い左ジャブを突くサバテロは右ハイ、左ミドルも。バックフィストはかわした太田はワンツー。かわすサバテロにシングルレッグも。差し上げたサバテロ! コーナーに押し込む。サバテロのヒザがローブロー気味に。ブレーク。  再開。右から左の太田の打撃だが軸がブレる。追うサバテロはジャブ、右ハイ。左から右で太田の額を上げさせる。さらに詰めて右ハイのサバテロ。太田は右カーフを返す。しかし、詰めるのはサバテロ。太田の組みを切って左右を突いて右カーフ。さらに右ハイをガード上に突く。  右オーバーハンド、左フックを振る太田をかわすサバテロはワンチーから右ハイ。かわした太田の組みもロープ外に上半身出てブレーク。太田のバックフィストをかわして左ジャブ、右ストレートのサバテロ。太田も左ジャブを返すように。右ハイのサバテロ。左の蹴りも。  3R、サバテロの右ローの打ち終わりにダブルレッグで肩口まで担ぎ上げた太田が、前方にスラム! しかしサバテロの身体のひねりに顔からマットに落ちた太田は目がうつろに。上を取ったサバテロが左のパウンドを5連打でレフェリーが間に入った。  試合後、サバテロは「私は日本が大好きです。RIZINのチャンピオンに……」と日本語で語ると、英語になり、「日本語練習したけどわかんないから、井上直樹! 今すぐやろうぜ。あのベルトは俺のものになる」と王座獲りを宣言した。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級(-57.0kg契約)5分3R〇ヒロヤ(JAPAN TOP TEAM)[1R 2分11秒 TKO] ※パウンド、右ヒジ×篠塚辰樹(MASTER BRIDGE/剛毅會)  ヒロヤのセコンドには、朝倉海とビリー・ビゲロウら。篠塚のセコンドには大塚隆史、平本蓮がつく。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央に出て圧力をかけるヒロヤ。篠塚の右ジャブをかわす。右ローを打つ篠塚。左ジャブをかわしたヒロヤが顔を胸につけてボディロックテイクダウン!  そのままサイドを奪い、半身で左を差そうとした篠塚の左腕を尻でピンしてクルスフィックス、右のヒジ連打! さらに左で脇を差しているため、篠塚は動けず。右ヒザも打って、右ヒジ連打! いったん亀になりかけた篠塚を押さえ込んでヒジを打ち込むと篠塚は右額を大きく腫らす。レフェリーが間に入った。  試合後、フライ級GPに向け、ヒロヤは「ビリーが行くから、これ終わったら、2週間後、アメリカに行きます」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 RIZINフライ級(57kg)5分3R×ジョン・ドッドソン(米国/JACKSON-WINK MMA)24勝15敗[判定0-3]〇征矢 貴(THE BLACKBELT JAPAN)13勝6敗1分  1R、サウスポー構えのドッドソン、オーソの征矢は左回り。素早い踏み込みで左右を突くドッドソン。さばく征矢はワンツーからダブルレッグでテイクダウンを奪う。尻は着いたドッドソンだが、ロープで立ち上がるが、そこも引出しテイクダウンの征矢。  背中を着いて下からクローズドガードのドッドソン。右で差して細かいパウンドの征矢に、足を解いて蹴り上げ立つドッドソン。追う征矢の詰めに左アッパーのドッドソン。征矢は右目を赤くする。  征矢の前足への組みを切って左右はドッドソン。しかし征矢はすぐに組んで詰めると離れ際にバックフィスト。かわすドッドソンに右ミドルを突く征矢。ドッドソンがキャッチしてゴング。  2R、シングルレッグで飛び込む征矢を切るドッドソンは左を振る。ダブルレッグに入る征矢を差し上げるドッドソン。仰向けになるもすぐに戻す征矢からプレッシャーをかける。ドッドソンの組みを切って右を突く征矢。ノーモーションの右ストレート。ドッドソンも左を突くがさばく征矢は詰めてダブルレッグからボディロックでサバ折テイクダウン!  すぐに立つドッドソンになおも右で差して組む征矢。離れるドッドソン。征矢が詰めて圧力をかけて左フックから右。肩で息をするドッドソンも左を狙う。ローシングルを見せて立ち合う征矢。自分から攻めて飛び込みの間合を潰す征矢。ドッドソンの左ハイをブロッキングしてゴング。  3R、ワンツーで詰める征矢。打ち返しを警戒しながら組んだ征矢は、コーナーに押し込み。右で差し返して左右を突くドッドソン! 立ち上がりの征矢にヒザを突くが征矢はすぐにシングルレッグで押し込み。突き放すドッドソン。  左フックから入りの征矢。テイクダウンの軌道で右を突く征矢。左を突き右。遠間からダブルレッグは切るドッドソン。再び左の飛び込みの征矢。左の蹴りのドッドソンに、左アッパーの征矢は続けて間合いを詰めて打ち終わりに組み。右で差してコーナーに押し込む征矢は、シングルレッグで右足をかけて引き出すが、コーナーに戻るドッドソンはニンジャチョーク狙い。作らせない征矢が押し込んでままゴング。  判定は3-0で征矢が勝利。ベアナックルファイトでの悔しい敗戦から、先輩・扇久保の戦いから学び、圧力と組みを混ぜた戦いで見事、リベンジを果たした。 [nextpage] ▼第3試合 RIZINキックボクシングルール 63.0kg契約 3分3R○朝久泰央(朝久道場)[2R 1分16秒 KO] ※左ハイキック×ウザ強ヨシヤ(FIGHT CLUB 428)  第5代K-1 WORLD GPライト級王者の朝久は、大晦日『RIZIN DECADE』でBreakingDown王者のYURAと66.0kg契約で対戦し、ダウンを奪っての判定勝ち。  ウザ強は、2018年7月にRIZIN緊急参戦で海人にKO負けでキャリア初黒星。同年大晦日に白鳥大珠と対戦しダウンを奪うも3R TKO負け。その後、フジテレビに就職。21年12月のRISE復帰を経て、さらに今回3年5カ月ぶりに復帰。今回の男祭り参戦会見では会社に無断で出席し、「戒告処分」を受けているという(※会見での質疑応答)。  1R、ステップを踏んで左右に動くウザ強に朝久は右ロー、ウザ強は走ってリングを回り込んで朝久の攻撃から逃げる。しかし、いきなり飛び込んでのスーパーマンパンチや朝久が近付いてきたところに左右フックとトリッキーな攻撃。リング上をスキップするように広く使うウザ強。朝久はいらだったか、ブレイク後に攻撃して警告を受ける。  走り回り、リングを大きく使うウザ強。しかし、朝久も走って追いつくとローを蹴ってきたウザ強に左ストレートを叩き込みダウンを奪う。立ち上がった朝久は走って逃げるが、足元がフラつき、朝久の左右フックをもらってバランスを崩し、2度目のダウンとなった。  2R、じりじりと詰める朝久にウザ強はバックハンドブローを放つが空振り、朝久の左右フックでダウンを喫する。朝久がバックハンドブローから左ミドル、ウザ強もバックハンドを返す。ウザ強はダメージからスリップするも立ち上がるのに時間がかかる。朝久が左ストレートから左ハイキックを放つとこれが見事に決まり、ウザ強は崩れ落ちてダウン。朝久のKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 RIZINフライ級(57kg)5分3R○山本アーセン(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)5勝7敗[2R 1分24秒 リアネイキドチョーク]×冨澤大智(フリー)1勝1敗  アーセンは、母が山本美憂で叔父が山本“KID”徳郁というサラブレッドで、2013年世界カデット選手権レスリング・グレコローマン69kg級優勝。MMAは4勝6敗。2023年5月に約3年ぶりに復帰し、伊藤裕樹に判定勝ち後、9月は福田龍彌に3R、カットによるドクターストップでTKO負けを喫した。2024年3月、約半年ぶりの再起戦で柴田“MONKEY”有哉と対戦もヒザ十字で敗れている。会見では、パートナーの三浦彩佳の取り組みが刺激になっていることを明かした。  冨澤は2019年にABEMAの『格闘代理戦争』でTEAM武尊の一員として出場。2021年10月のKrushでプロデビューし、2連勝を挙げたのち、BreakingDownに参戦。11月、朝倉未来チャレンジ1期生のヒロヤと自身初のMMAルールでの対戦するも判定負けを喫した。  その後はキックボクシングルールで6連勝。RIZIN初参戦となった2023年大晦日、篠塚辰樹相手に判定で敗れた。2024年6月、井原良太郎が持つBDバンタム級王座に挑戦したが延長の末、判定0-5負け。引退宣言を撤回して12月、半年ぶりの再起戦で無敗の空手家よしきまるに判定3-2勝利を挙げた。大晦日の『雷神番外地』ではRIZIN MMA特別ルールに挑み、三浦孝太に1RでKO勝ち。2025年3月の『BreakingDown 15』ではジョリーを秒殺KOしている。  1R、前足を上げ下げするアーセン。冨澤が左ストレートをヒットさせて前に来たところで、組み付きバックを奪う。コーナーでスタンドをキープしようとする冨澤だが、アーセンは引きずり倒してリアネイキドチョーク。苦しそうな表情を浮かべた冨澤だが、向き合って解除することに成功。  アーセンは袈裟固めから三浦彩佳の得意技であるアヤカロックを狙う。冨澤の腕が取れないとパウンド、ヒザ。一発頭部へヒザを打ち込んでからすかさず肩固め。ディフェンスする冨澤だがアーセンはすかさずリアネイキドチョークへ。これも回転して逃げた冨澤に今度は肩固め。冨澤は残り時間を耐えた。  2R、鼻血を出しながらも笑みを浮かべてコーナーを出た冨澤。左へ回り込みながら左カーフを蹴る。前へ来たアーセンにカウンターの左フックを当てる冨澤、アーセンは座り込んだがすぐに立って前へ出る。そこをジャブで迎え撃つ冨澤。富澤の左をかわしたアーセンがボディロック。ロープに手をひっかけてテイクダウンを耐える富澤だが、アーセンが崩してバックを奪って今度はリアネイキドチョークへ。左足一本をかけて絞め、タップを奪った。  冨澤に「這い上がろうよ」と声をかけたアーセンは、マイクを持つと「一個言いたかったセリフがあって。調子はどうだ、東京ドーム! 盛り上がっているかーっ! 俺をこのリングまで自信を持って戦ってくれたコーチ陣、ありがとう。俺は日本人として強くなって日本を作り上げてこの国を守っていきましょう」とハイテンションでアピールした。 [nextpage] ▼第1試合 RIZINフライ級(57kg)5分3R○平本 丈(剛毅會)2勝1敗[判定3-0]×田丸 辰(TRY HARD GYM/FIGHTER’S FLOW)1敗  平本蓮の実弟・丈は、伝統派空手&キックボクシングを経て、アマチュアMMA戦の『格闘DREAMERS』で名津井颯に一本勝ち後、鈴木崇矢に2R TKO負け。2023年3月『GLADIATOR 021』で飴山聖也に1R KO負けも、剛毅會所属として、2023年大みそか『RIZIN.45』でプロデビュー。左ハイキックでYUSHIからダウンを奪うなど判定勝ちを収めた。2024年11月のDEEP出場では木村琉音に1Rに腕十字で一本負け。  田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃で2018年11月に初代RISEスーパーフライ級王者となった。一時はスランプに陥ったが、2022年に階級を下げて臨んだ「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント」で優勝し、二階級制覇を達成。 「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」では決勝でクマンドーイを破り優勝した。前戦は2024年3月に志朗が保持するRISE世界バンタム級王座に挑戦したが、偶発的なバッティングにより無効試合に。6月にはジョン・ヒョヌをわずか35秒でKOした。9月の志朗との再戦では判定負け。戦績は18勝(4KO)4敗2無効試合。上田貴央率いるFIGHTER’S FLOWで練習し、今回がMMAデビュー戦となる。  1R、両者サウスポー。田丸の右カーフに平本がシングルレッグで飛び込む、田丸はしっかり切ってフロントチョークの体勢に。そのまま下になる。平本は冷静な表情でボディへのパンチ。ブレイクとなる。田丸はジャブを顔面とボディへけん制し、左カーフを蹴る。  平本が左カーフからの左ストレートを打つと田丸が自分から組み付きに行ったが、首投げで平本がテイクダウン。すかさず下から蹴り上げた田丸だが平本が抑え込む。ハーフから鉄槌を打つ平本。マウントを奪い、抱き着く田丸にパウンド。  2R、田丸の左カーフに右足が流れる平本。左ストレートを打つ平本にバックステップでかわした田丸が左カーフ。田丸はジャブを打って左カーフを蹴る。ジャブに平本が組み付き、田丸が受け止めて上になるが、すぐに平本が上を奪い返す。  パスにきた平本を蹴り上げ、立ち上がろうとした田丸だがすぐに平本がテイクダウン。平本はサイドからボディと頭部へヒジ。パスを仕掛ける平本をガードに戻す田丸。  3R、田丸がワンツーから左カーフ、平本も左カーフで前へ出てシングルレッグからリフトアップしてテイクダウンを奪う。田丸はクローズドガードから背中を向けて立とうとしたが失敗。さらに立ち上がろうとする田丸を平本がしっかり抑え込み顔面へヒジ、ヒザを打つ。  平本が上体をあげたところで田丸が両足を頭部へ絡めに行ったが、平本が払ってマウントへ。パウンド連打に田丸はブリッジして立ち上がるが、平本は離れず再びテイクダウン。ここで試合終了。  テイクダウン、グラウンドコントロールで優った平本が田丸にMMAの洗礼を浴びせた。 [nextpage] ▼オープニングファイト第3試合 RIZIN MMA特別ルール 75.0kg契約 5分2R×佐々木 大(JAPAN TOP TEAM)[判定0-3]○中谷優我(BRAVE)  朝倉未来のYouTubeメンバーの佐々木は、BreakingDownでも活躍し、プロMMAではDEEP2勝3敗。2020年10月に石塚雄馬に一本負け後、2023年11月に太田将吾に1R 外ヒールで一本勝ち。2024年7月に石塚と再戦し、判定負けしている。2025年4月13日、パートナーのJTTのせりなに続く試合をDEEPで戦い、高鍋明大に2R、ヒールフックで一本勝ち。「男祭り」に5人出場するJTT勢のトップバッターとして出場する。  中谷は、朝倉未来の対戦相手候補にも挙がっていた青木真也がABEMA『格闘代理戦争』で推薦していた中谷優我。同フェザー級トーナメントでは準決勝でトミー矢野に一本負けで敗退。プロでは巌流島のカスタムルールで奥田啓介に一本勝ち後、DEEPライト級で井上竜旗にスプリット判定負け、2023年12月の前戦でコマネチゆうたに判定勝ちで1勝1敗となっている。  1R、開始と同時にイマナリロールで仕掛ける佐々木、かわした中谷がボトムを奪ってパウンド。立ち上がろうとする佐々木のバックを奪った中谷だが、佐々木がヒールフックを仕掛ける。ドッと沸く場内。これは逃れた中谷に佐々木がフロントチョーク。これも中谷が脱出して再びボトムに。  立ち上がる佐々木を首投げでテイクダウンする中谷がヒジ、パウンド。佐々木は脱出しようとするも今度は中谷がしっかり抑え込んでパウンドを打ち続けた。  2R、再びイマナリロールの佐々木をかわし、バックを奪う中谷。さらにガブって頭部へヒザを打つ。サイドから首を抱える中谷はパウンド、ボディへのヒザを打ちながら肩固め狙い。一度解除するとノースサウスチョークへ移行も佐々木にハーフに戻される。立ち上がる佐々木のバックに付く中谷。ダブルレッグでテイクダウンし、バックからパンチを見舞う。佐々木は前転して足関節を狙うが中谷は離れ、顔面へサッカーキックとフットスタンプ。  判定3-0で中谷が勝利。今大会でJTT勢5人衆の佐々木は先鋒戦を白星で飾れず。 [nextpage] ▼オープニングファイト第2試合 RIZIN MMA特別ルール 5分2R×上田貴央(FIGHTER'S FLOW)[判定0-3]○ヴィニシウス(ブラジル/RE-RAISE TOKYO/BRAVE GYM)  小学から大学まで体操に励み、MMAに転向。ZSTを主戦場とし、“体操のお兄さん”のキャッチフレーズを持つ。近年では渡辺華奈を始めとしてトレーナーとしての手腕を発揮しているが、今回一度限りの復帰を果たす。  ヴィニシウスは柔術をバックボーンに持ち、DEEPが主戦場。MMA戦績は1勝1敗。  上田はZSTのメインテーマで入場し、リングインするとバク宙を見せる。  1R、ヴィニシウスの右ローに上田がシングルレッグも切られる。ヴィニシウスはバックに回るが上田はお尻を突き出すようにした前傾姿勢となり、ヴィニシウスは一瞬戸惑うが背後からパンチ。スタンドに戻るとヴィニシウスは右カーフ、再びシングルレッグに行く上田だがこれも切られてバックからパンチをもらう。  前に出て来いと挑発するヴィニシウス。上田のシングルレッグを切り続け、上田は自ら寝て寝技に誘うがヴィニシウスはスタンドを要求。3度目のシングルレッグでトップを奪われ、パウンドをもらう上田。下から足を掛けに行く上田だが左腕をつかまれてパウンドを打たれる。残り30秒で立ち上がった上田にヴィニシウスが左フック、右ストレート。左ハイでダウン気味に倒れながら組み付く上田。ヴィニシウスは肩固めの体勢になったがラウンド終了。  2Rが始まると同時に奇襲攻撃を仕掛ける上田。シングルレッグを切られると、四つん這いになってドンキーガード狙いか、尻を突き出すようにする上田。ヴィニシウスは付き合わずに離れる。ヴィニシウスの左ハイに倒れるようにして組み付く上田に、ヴィニシウスは下から三角絞めを狙う。クトーズドガードのまま展開は変わらずブレイクに。  上田は後ろ廻し蹴りから大振りの右フック、そこから組み付きに行くがヴィニシウスにバックを奪われてパンチをもらう。かなり消耗している様子の上田はシングルを切られ続ける。四つん這いになった上田の尻を蹴るヴィニシウス。最後はバックを奪ったヴィニシウスのパンチから上田が這いつくばって逃げたところで試合終了。  判定3-0でヴィニシウスの勝利となった。 [nextpage] ▼オープニングファイト第1試合 キックボクシングルール 3分3R×赤平大治(VERTEX)[判定0-3]※24-30×2, 25-29○橋本楓汰(POWER OF DREAM)  赤平は老舗キックボクシング団体ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)所属。2022年10月にプロデビュー。2023年4月にはRIZINのオープニングファイトに出場し、TKO勝ちしている。3月には新日本キックボクシング協会でWKBA世界フェザー級王座に就いた。戦績は3勝(2KO)1敗1分。  橋本はK-1 GROUPの選手で6勝(4KO)3敗の戦績。2023年2月にプロデビュー。前戦は2025年3月に山浦力也をKOしている。  1R、共に右カーフを蹴り、橋本は赤平の左ミドルに右ストレートを合わせる。橋本は左ミドル、左三日月。赤平は右ローを蹴る。互いにパンチの距離が合わない用だったが、赤平の左フックが顔面を捉える。前へ出て詰める赤平にワンツーで逆襲する橋本。橋本のワンツーにワンツーを返して前へ出た赤平だが、左フックでダウン。続けて橋本は左ボディで赤平をコーナーへ詰め、左フックからの右フックでダウンを追加。  2R、橋本の左ボディダブル、ワンツー、左右フックで赤平を追いつめる橋本。赤平は左フックを振り回すがボディを攻められ身体を前る目る。橋本は右カーフ、ヒザ、三日月から左右フック、左ボディ。一方的な展開にスタンディングダウンとなる。  それでも赤平は左右フックを強振して逆転を狙うが、左三日月と左右ボディをもらうと身体を丸める。それでも赤平は耐えて左フックを強振。橋本の猛攻に赤平は鼻血で顔が真っ赤だ。  3R、赤平は逆転を狙って左右フックで突進。橋本の左三日月に右ストレートを合わせた赤平。後退する橋本に突進する赤平だが橋本はジャブで体制を立て直す。赤平がワンツー、左右フックで前へ出るが橋本は右ストレート。橋本のテンカオが突き刺さる。残り30秒、再び前へ出る赤平だが、橋本のジャブ、左アッパーがヒット。  判定は大差で橋本がWKBA世界王者の肩書きを持つ赤平を破った。 【中止】 ▼RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級トーナメント1回戦イズラムベック・ベクティベック・ウルー(キルギス)8勝2敗アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ/FNC推薦)14勝5敗※イズラムベックが負傷欠場。6月14日(土)『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』でソルダトキンの対戦相手を調整中。
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