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【ONE】スプリット判定勝ちに中傷メッセージ殺到のゴントーラニーがノンオーと決着戦、トルヒーリョとノーランも再戦、崖っぷちセーマペッチが強敵ダヤカエフと試練の一戦

2025/04/23 15:04
【ONE】スプリット判定勝ちに中傷メッセージ殺到のゴントーラニーがノンオーと決着戦、トルヒーリョとノーランも再戦、崖っぷちセーマペッチが強敵ダヤカエフと試練の一戦

判定2-1でレジェンドのノンオーに勝利したゴントーラニーだが多数の批判を浴びて再戦を望んだ(C)ONE Championship

 2025年5月2日(金)タイ・ルンピニースタジアム『ONE FIGHT NIGHT 31』(U-NEXT配信)の全対戦カードが出揃った。

 メインイベントはフライ級ムエタイ3分3Rで、ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)とノンオー・ハマ(タイ)が再戦。


 ゴントーラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。2023年2月の『ONE Friday Fights 6』に初参戦すると、ギンサンレックを左フックでKOして返り討ちにし、その後は内藤大樹やジャオスアヤイを相手に破竹の6連勝。しかし2024年6月、スーパーレックに判定で敗れて連勝がストップ。その後はタギール・カリロフ、ナックロップに再び連勝している。71勝16敗。同級4位。


 ノンオーは38歳で266勝57敗10分の驚異的な戦歴を誇り、ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得している、まさにムエタイの伝説的存在だ。2019年2月にONEムエタイ世界バンタム級王者となり、鈴木博昭、セーマペッチ、ロードレック、リアム・ハリソンらを相手に7度の防衛に成功して絶対王者と呼ばれていたが、2023年4月の8度目の防衛戦でジョナサン・ハガティーにKOで敗れ王座陥落。12月にはニコ・カリロにもKO負けしてまさかの連敗を喫したが、2024年4月にクラップダムを技術で封じ込めて判定勝ちで再起したのも束の間、9月にカムラン・ナバティに判定負けを喫した。

 両者は2025年2月の『ONE Fight Night 28』で対戦し、この時はゴントーラニーが判定2-1でレジェンドのノンオーから勝利を収めている。しかし試合後、ファンからはジャッジに対する不満の声が上がり、ゴントーラニーはたくさんの中傷メッセージが届くなどの批判を浴びたという。そのため、今回の再戦はゴントーラニーが強く望んだもので、完全決着を目指すとした。

 他に立ち技では、ライト級ムエタイ3分3Rでナウゼット・トルヒーリョ(スペイン)とリアム・ノーラン(英国)が対戦。


 トルヒーリョはWMCスペイン王座、ISKAヨーロッパ王座、IPCCインターコンチネンタル王座、ISKA世界王座を保持。2023年8月の『ONE Fight Night 13』に初参戦してルンラーウィーに判定負け。2024年2月の『ONE Fight Night 19』でリアム・ノーランに判定勝ちし、2025年1月の『ONE 170』で本戦初出場を果たしたが、シンサムットに初回TKO負けを喫した。


 ノーランは詠春拳(ブルース・リーが学んだことで有名な中国武術)とテコンドーを学んだ後ムエタイに転向。2019年3月からONEに参戦し、これまで4勝2敗。前戦は2024年7月にアリ・アリエフに判定勝ち。また、2021年11月にはオランダでユセフ・ブガネムに判定勝ちでWBCムエタイ世界ミドル級王座を奪取している。


 両者は2024年2月の『ONE FIGHT NIGHT 19』で対戦しており、この時はトルヒーリョが2Rに右縦ヒジでダウンを奪い判定3-0で勝利している。初対戦では両者とも見合う場面が多く手数の少ない試合となったが、手の内が分かった再戦ではどうか。

 バンタム級ムエタイ3分3Rでは、セーマペッチ・フェアテックス(タイ)vs. アブドゥラ・ダヤカエフ(ロシア)が対戦。


 セーマペッチは17歳でタイの「タイガー・セメント・トーナメント」で優勝。2018年4月には、英国を拠点とした団体「ムエタイグランプリ(MTGP)」ウェルター級世界王者に。2018年7月にONEに参戦。これまでロドレック、クラップダム、リッテワダ、ジャン・チェンロン、ガオナーらに勝利し、2024年2月のモハメド・ユネス・ラバーとの再戦で初回KO勝ちでリベンジを果たすも、7月にニコ・カリロにKO負け。2025年2月にはフェリペ・ロボとの再戦でもTKO負けと苦戦が続く。


 ダヤカエフは2023年11月の『ONE Friday Fights 39』から参戦すると4連勝を飾ったが、2024年10月の『ONE Friday Fights 82』にてヨッドIQにONE初黒星を付けられた。2024年12月の再起戦では日本でもお馴染みのシップムーン・シットシェフブンタムを1RでKOしている。セーマペッチにとってはまたも厳しい相手が用意されたといえよう。

 フライ級ムエタイ3分3Rは2試合。まず、ショーン・クリマコ(フィリピン/米国)とアキフ・グルザダ(アゼルバイジャン)が対戦。


 クリマコは2024年5月の『ONE Fight Night 22』に初参戦すると、ホスエ・クルスを1RでKO。9月の『ONE 168』で本戦初出場を果たすもジョハン・エストゥピニャンにKO負け。2025年2月のディエゴ・パエス戦では判定2-1で辛勝を収めている。


 グルザダは2024年7月の『ONE Friday Fights 72』に初参戦すると、スイッチを多用、左ストレートを始めとするダイナミックなパンチを繰り出して安本晴翔から判定勝ちを奪った。その後はサミンダンに初回TKO勝ち、プンルアンにも2RでKO勝ちと強さを発揮しており、今回がFIGHT NIGHT初登場。

 ジョーダン・エストゥピニャン(コロンビア)は アリ・サルドエフ(ロシア)と対戦。


 エストゥピニャンは2025年1月の『ONE 170』に初参戦し、フレディー・ハガティーから右ストレート、右フックで2度のダウンを奪って勝利した。優れた身体能力からトリッキーに繰り出す攻撃が持ち味。


 サルドエフは2024年3月にONE初参戦、ザカリア・ジャマリを2RでKOしたが、7月のブラック・パンサー戦ではハイキックでKO負け。MMAとの二刀流選手。

 他にはウェルター級サブミッション・グラップリング世界タイトルマッチのタイ・ルオトロ(米国)vs.ダンテ・レオン(カナダ)、ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)vs.イシ・フィティケフ(オーストラリア/トンガ)のウェルター級MMA、ジャン・リーポン(中国)vs. ルーカス・ガブリエウ(ブラジル)のライト級MMAが行われる。全8試合。

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