MAROOMS presents KNOCK OUT 2025 vol.22025年4月6日(日)東京・後楽園ホール※U-NEXTでLIVE配信
▼メインイベント(第8試合)スーパーファイト KNOCK OUT-BLACKウェルター級 3分3R延長1R×中島 玲(ハイブリッドアカデミー/KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者)判定0-3 ※26-29×2、27-29〇ユリアン・ポズドニアコフ(ウクライナ)
中島は2019年にボクシングでプロデビュー。2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者・細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦でTKO勝ち。2024年1月9日にボクシングで最後の試合を行い、6勝(1KO)2敗の戦績を残してキックボクシングに転向した。3月20日の『K-1 WORLD MAX』でヴィクトル・アキモフにKO負けも、6月のKNOCK OUT初参戦でKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者・バズーカ巧樹にTKO勝ち。10月に漁鬼、12月に渡部太基を破り第2代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座に就いた。
ポズドニアコフは身長176cm(中島は167cm)、戦績14勝(6KO)4敗の22歳。ウクライナIFMA王座、Europe WKU K1 -70kg王座、ウクライナK1 WAKO王座を獲得。シッソンピーノンジムに寝泊まりしてシッティチャイと一緒に練習してムエタイの腕を磨き、タイで行われたKARATE COMBAT、カンボジアのクンクメール大会でも勝利している。
1R、左右へ動く中島にポズドニアコフはその進路を塞ぐように動く。前蹴りを多用するポズドニアコフに中島は右ストレート、ポズドニアコフは右カーフ。中島は左のショートフックを連打するがポズドニアコフのガードは固い。
左ミドルから左フックを狙ったポズドニアコフに中島は左ボディ。ポズドニアコフはワンツーで前へ出るとヒザを突き上げる。左カーフに中島は右フックを合わせる。左フックをもらった中島だが左ボディを連打。歩くようにして近付いて来るポズドニアコフに中島の左ボディがヒット。ポズドニアコフは顔を突き出して挑発する。
2R、前に出てくるポズドニアコフはバックスピンエルボーを出してしまい、注意を受ける。右ローからワンツーのポズドニアコフに中島は左フック。ポズドニアコフの左ハイで一瞬グラついた中島へポズドニアコフがヒザとパンチをまとめる。中島は足元がおぼつかないがパンチを打ち返す。ポズドニアコフが右フックからワンキャッチのヒザ蹴りを外側から回して蹴り、ダウンを奪う。
飛びヒザ蹴りで襲い掛かるポズドニアコフ。中島は右目上から流血し、ポズドニアコフと打ち合う。ポズドニアコフはパンチだけでなくつかんでのヒザも狙う。ポズドニアコフはノーガードで顔を突き出して挑発する。
3R開始と同時に中島にドクターチェック。再開後、中島は左へ回り込み左フック。ポズドニアコフは顔面へ前蹴り。バックハンドブローを放ち、ワンキャッチのヒザを蹴る。またもバックハンドブローがヒジになってしまい、ポズドニアコフはイエローカード(減点1)。ポズドニアコフの左ストレートで膝を着く中島だが、すぐに立ち上がる。ポズドニアコフはワンキャッチからのヒザ、テンカオも。中島は回り込みながらパンチを狙うが、ポズドニアコフは左右フックからヒザを突き上げる。何度も危険な角度から中島のアゴをめがけてヒザが突き上がり、中島は首相撲でも左右フックを打つ。
判定は3-0でポズドニアコフが勝利。初来日で王者・中島に完全勝利を収めてみせた。
マイクを持ったポズドニアコフは「一番は自分のトレーナーに感謝したいと思います。自分をここまで強くしてもらいました。僕は日本に来るのが夢で今回は夢がかないました。ファイトマネーはトレーナーのために使いたいと思っています。次回はもっといいファイトマネー、そしてベルトを懸けた戦いを待っています」とアピール。
続けて「今回の中島と僕の試合はうちはオビトvs.うずまきナルトでした。僕が歴史を変えました。次はタイトルマッチをぜひやりたいと思います」と嬉しそうに話し、「日本本当に大好きです」と叫んで拍手喝さいを受けた。 大会終了後、中島はタイトルを懸けての再戦を「すぐにでもやりたい」と要望。ポズドニアコフは「もっと高いファイトマネーをもらえれば」との条件付きだがタイトル戦を希望。山口元気KNOCK OUT代表も「6月、再戦をやってもらおうと思います」と6・22代々木大会で中島のタイトルを懸けての再戦を組みたいと話した。
[nextpage]
▼セミファイナル(第7試合)KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級 3分3R延長1R〇森岡悠樹(北流会君津ジム/KICKBOXING JAPAN CUP 2024 スーパーバンタム級トーナメント優勝)KO 1R 2分42秒 ※右ストレート×乙津 陸(クロスポイント大泉/KNOCK OUT-REDバンタム級王者)
森岡はKNOCK OUTを主戦場とし、2023年に「スックワンキントーン」にてスーパーバンタム級トーナメントを全試合KOで制して自身初のベルトを獲得。8月にはK-1 GROUPとの対抗戦で内田晶を初回KOに仕留めて殺傷能力の高さを証明したが、9月に古木誠也に初回KO負けを喫した。2024年5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦すると、ペイマン・ゾルファガリにダウンを奪われる劣勢もノーモーションの右ストレートで逆転KO勝ち。6月にシュートボクシングで山田虎矢太にTKOで敗れたが、「KICKBOXING JAPAN CUP スーパーバンタム級トーナメント」を準決勝で古村光、決勝で壱を破り優勝。戦績は18勝(10KO)10敗2分。
乙津は2021年10月にプロデビュー。2022年12月に第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級王座決定戦に臨んだが、心直に判定で敗れてプロ初黒星。バンタム級に階級を上げて2023年8月のKNOCK OUT-REDバンタム級王座決定戦では心直にリベンジして初戴冠を果たした。11月には初のオープンフィンガーグローブマッチに挑んだがサンチャイに惜敗。2024年2月、Krushに乗り込んで齊藤龍之介に延長Rで勝利もアゴを骨折して長期休養に。今回が復帰戦となる。戦績は10勝(4KO)2敗。
1R、乙津はジャブと右カーフ、森岡も左フックから右カーフ。互いに右カーフを蹴る。森岡が左フック、右ヒザ蹴り。ワンツーで前に出ようとすると乙津が左フックで迎え撃つ。
森岡の左ボディに乙津が左フックを合わせ、乙津が右ストレートをヒットさせると一気にラッシュ。森岡も打ち合いに応じて両者のフックが危険な距離で交錯する。乙津は右カーフも蹴る。
森岡が左ボディから一度ステップバックし、ジャブで距離を測ってからの右ストレートを叩き込み、乙津がダウン。立ち上がれる様子はなく、森岡のKO勝ちとなった。
KOボーナス30万円を獲得した森岡は「試合前に会見でお見苦しいところをお見せしてすいませんでした。自分たちは格闘家なので試合で見せて盛り上げることが出来るので、ぜひ会見よりも試合を見に来てください。12月のジャパンカップに続いて乙津くん倒して、もういいでしょう。6月でBLACKのタイトルマッチ、いいですかね。よろしくお願いします」とアピール。
するとそこへ壱・センチャイジムが笑顔でリングイン。「俺、森岡くんに負けてもうチャンピオンじゃないと思っているんですけれど、ONEでも勝ってここに戻ってきます。森岡くん、REDでタイトルマッチどうですか」と、自信が保持するKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座を懸けて再戦しようとアピール。
しかし森岡は「REDはオープンフィンガーグローブに変わって経験がまだ少ないので。BLACKだったら受けてあげてもいいけど」と、BLACKルールだったら再戦を受けると提案。少し考えた壱だが「よし、BLACKでやりましょう!」と苦笑しながら承諾。空位となっているKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座決定戦で再戦しようとアピールした。 大会終了後、山口KNOCK OUT代表はBLACKルールではなくREDルールでのタイトルマッチで2人を対戦させたいとしたが、果たして。
[nextpage]
▼第6試合 スーパーファイト KNOCK OUT-BLACKフェザー級 3分3R延長1R〇古木誠也(フリー/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)KO 2R 2分16秒 ※右ストレート×辰樹(Y`ZD GYM)
古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴があり、持ち前の破壊力で2022年12月に工藤“red”玲央を初回KOしてKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座に就いた。2023年8月、小倉尚也を初回KOで破り王座初防衛に成功。12月に壱・センチャイジムに敗れたが、2024年4月にK-1グループの内田昌に判定勝ち、6月に福田拓海を初回でKO、8月にサンティアゴ・ペルシバルをKO、10月に國本真義に判定勝ちと4連勝を飾り、戦績を11勝(8KO)3敗とした。しかし、12月のドスティン・オルティス戦で体重超過。一度はハンディ付きで試合成立となったが、当日にオルティス側が試合を拒否、中止となった。今回は保持していたKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座を返上し、一階級上での試合に再起を懸ける。また、今回よりフリーに。
初参戦の辰樹は沖縄在住でIOCインターコンチネンタル・フェザー級王者のサウスポー。2024年10月の新日本キックボクシング協会でフェザー級王者の瀬戸口勝也を初回TKOに仕留めてみせた。戦績は7勝(3KO)6敗3分。
1R、サウスポーの辰樹が右インローからのワンツーで先制、古木は右ミドルと右前蹴り。左右フックを打つ辰樹に古木は右前蹴り。古木が左カーフを蹴ると辰樹が大きくバランスを崩し、どよめきが起こる。辰樹はすかさず左右フックを返す。古木がローを蹴るとパンチをまとめて返してくる辰樹。右インローを蹴っていく古木に辰樹は左ミドルで対抗。左ミドルがヒットするが、古木が左フックでクリーンヒットを奪う。
2R、古木がねじ込むような右の強打を叩き込んで前に出るが、辰樹も左ストレートを打ち返して下がらせる。古木の左フックに左ストレートを打ち返す辰樹。古木の前蹴りには左ミドル。辰樹の左ハイで一瞬古木が腰を落とす。互いに相手のガードの上からでも左右フックを強打する。古木がショートのワンツーを打ち、ガードをこじ開けたところでもう1回ショートのワンツー。
吹っ飛ぶようにダウンした辰樹は立ち上がろうとするも身体がいうことをきかず、古木が本領発揮の一撃KO勝ちとなった。KOボーナス20万円も獲得。「ありがとうございました。これからも盛り上がる試合をしたいと思います」と、古木は簡潔にコメントした。
[nextpage]
▼第5試合 KNOCK OUT-BLACKフェザー級 3分3R延長1R〇チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)判定3-0 ※29-28×2、30-29×内藤凌太(BELLWOOD FIGHT TEAM)
チュームーシーフーは中国の少数民族であり戦闘民族として知られる「イ族」の出身。2022年3月の『武林風』では、過去K-1で武尊と激闘を演じた強豪ワン・ジュングァンと対戦し、判定で惜敗したものの互角の打ち合いを演じた。2023年6月に初来日、龍聖から右フックでダウンを奪い、延長戦で判定負けも龍聖を苦しめて一躍注目を集めた。2024年2月の再来日では久井大夢と対戦し、これも激闘の末にチュームーシーフーが左フックでダウンを奪って勝利している。8月の3度目の来日では元山祐希をハイキックで初回KOした。10月には栗秋祥梧とKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦を争ったが、延長戦で判定2-1の惜敗。戦績は27勝(10KO)6敗。また、1月にはMMAデビューも果たし、1RでKO勝利している。
内藤は内藤3兄弟の長兄で2014年4月にプロデビュー。DEEP☆KICKやHOOST CUPにも出場し、2019年1月にはDEEP☆KICK 55kg級王座決定戦で拳剛を破り王座に就いた。2020年2月には拳剛とタイトルを賭けて再戦となったがリベンジを許し王座を手放した。2022年11月には山田彪太朗に判定負け。2024年4月に手塚翔太の欠場で急遽、代替出場で一階上の山浦俊一に判定勝ち。6月にウー・ジウォンから勝利を収めて3連勝を飾ったが、10月に山田虎矢太に判定負け。戦績は24勝16敗3分。
1R、サウスポーでじりじり前へ出ていくチュームーシーフーに内藤は右ロー。チュームーシーフーは左ボディストレート、内藤は右インローとインカーフを蹴る。チュームーシーフーが攻撃を出すと必ず打ち返す内藤。チュームーシーフーは左ミドル、ワンツーを打ってのヒザ。内藤も右ストレートを打つ。チュームーシーフーが左ミドル連打から左ストレート。
2R、ジャブから距離を詰めていくチュームーシーフーが顔面をブロックさせてからの左ミドル、左ボディストレート。内藤にコーナーを背負わせる。内藤は右インカーフ。チュームーシーフーが左ストレート、左アッパー、前へ押していって左フックから右アッパー。内藤は徹底して前足のカーフを蹴る。チュームーシーフーは飛びヒザで距離を詰めて左ミドル、左ボディ。
3Rも前へ出ていくチュームーシーフーが左フックから右アッパー、左ロー。内藤も右ローをしつこく蹴る。チュームーシーフーはワンツーを打ってガードを固めさせておいての右アッパー。内藤の右ローに下がるも左ミドルを強打し、飛びヒザを見せる。チュームーシーフーが右ボディからの右アッパー。内藤は右ローを蹴ってパンチも打つが、適格性はチュームーシーフーの方が優った。
粘る内藤に苦戦を強いられたチュームーシーフーだが、適格打で判定勝ちした。観客には勝利のTシャツプレゼント。試合後のコメントでは、2025年になってからすでに3試合行っており、「試合をやりすぎて疲れた」ことが今回の不調の原因だと話した。 大会終了後、山口代表はチュームーシーフーと古木の試合を次は実現させたいと語った。
[nextpage]
▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK -56.0kg契約 3分3R延長1R△前田大尊(マイウェイジム)延長R ドロー 判定1-1 ※9-10、10-9、10-10△福田拓海(クロスポイント大泉)※本戦の判定は28-30、29-29×2。
前田は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで4冠王に。プロでは2023年7月に一航からハイキックでダウンを奪っての勝利で名を挙げ、2024年2月にはWBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王座決定戦も行っている(判定負け)。「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」の1回戦では一航を返り討ち、12月の準決勝で壱・センチャイジムに敗れた。戦績は9勝(1KO)4敗の19歳。
福田は2021年第40回K-1アマチュアBクラス60kgトーナメント優勝、2022年KNOCK OUTアマチュア・アダルト60kトーナメント優勝を経て2022年8月にKNOCK OUTでデビュー。3連勝を飾ったが4戦目で祐輝にKO負け、6戦目で古木誠也の相手に抜擢されたがKO負けを喫した。前戦は2024年12月に遊羅に初回KO勝ち。5勝(3KO)2敗で2敗はいずれもKO負けという倒すか倒されるかのスタイル。
1R、軽快なフットワークを踏み、右ローと右カーフを蹴り合う両者。福田の右カーフに右ストレートを合わせて前へ出る前田に、福田はパンチのコンビネーションで逆襲、これに前田もコンビネーションを返す。右クロスから前に出る前田はラッシュを仕掛けるが、福田も左右フックで反撃。福田はワンキャッチのヒザ蹴りから前田を振り飛ばす。
2R、ワンツーの連打で前へ出る前田だが、福田が右のカウンター。前田はバックブローから右カーフ、福田も右カーフ。前田の右カーフで福田の左足が流れる。前田は左三日月を突き刺し、左フックから右ストレート。福田はジャブから右カーフ、右アッパー。左ボディから右フックを決めた前田だが、すかさず福田が右フックを打ち返す。バックブローを途中でやめた前田に、福田は後ろ蹴りをヒット。
3R、ワンツーで前へ出る前田が右ストレートで福田を吹っ飛ばす。さらに左フックで頭が大きく動く福田。ワンツー、右カーフ、バックスピンキック、右フックから左フックと攻める前田に福田は右カーフ。右ローの相打ちが続き、前田が前へ出て左フックで福田のバランスを崩す。パンチのクリーンヒットを奪う前田だが、そこで福田の返しのパンチをもらってしまう。福田の右フックをもらって棒立ち気味になる前田へ、福田は飛びヒザ。福田の右ストレート、ワンツーにダウン寸前の前田。それでもワンツーを打ち返し、右カーフを蹴ってダウンは免れた。
本戦の判定はジャッジ1名が福田を支持したが、2名はドローで延長戦へ。前田のワンツーに福田は右ストレート、福田の右ローに前田は左右フック。ワンツーで前に出る前田は福田が前へ出てくるとバックブロー。前田が右カーフ、バックキック。前田がワンツーを打ち、2回目は右ボディストレート。福田はジャブを突く。残り30秒、福田が右ストレートを狙い、左右フックを強振、。前田も左右フックと左アッパー、福田は飛びヒザ蹴り。
判定は三者三様のドロー。壮絶な痛み分けとなった。
[nextpage]
▼第3試合 KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級 3分3R延長1R×ソンピチャイ・センチャイジム(タイ/センチャイムエタイジム)TKO 1R 1分25秒 ※右ヒザ蹴り〇優翔(team NOVA)
優翔はタイに住み、ムエタイの本場で練習と試合を重ねて2023年11月にKNOCK OUT初参戦。オープンフィンガーグローブマッチで元WMC世界&WPMF日本スーパーバンタム級王者の鷹大をテンカオでKOに葬ってみせた。2024年12月の2度目の参戦では小森玲哉に判定勝ち。戦績は29勝(6KO)10敗。
ソンピチャイは身長168cm、オーソドックスで戦績は25勝(9KO)15敗5分。
1R、ソンピチャイはオーソドックスとの触れ込みだったがサウスポーに構える。優翔は右インロー、前足への前蹴り。右ボディストレートを叩き込むと、すかさず右ヒザ蹴りを突き刺す。
これで崩れ落ちるソンピチャイ。レフェリーがストップし、優翔の鮮やかな秒殺KO劇となった。KOボーナス15万円を獲得。「連続参戦したいですね。タイトルマッチ早くやりたいです。6月できたらお願いしたいです」とタイトルマッチをアピールした。
[nextpage]
▼第2試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーフェザー級 3分3R延長1R×小森玲哉(ONE`S GOAL)延長R 判定0-3 9-10×3〇辰次郎(Sports 24)※本戦の判定は29-29×3。
小森は2013年にプロデビューし、5戦5勝をマークしたが大学受験のため試合から離れて2023年12月のKNOCK OUTでカムバック。アックス斧田にKO勝ちすると2024年2月の羽黒慈夢戦では負傷判定でドローも、4月の河崎鎧輝戦では初回TKO勝ち、6月は般若HASHIMOTOに判定勝ちと連勝を重ねたが、8月のピッチ・ソムパッツ戦でTKO負け。12月の優翔戦で判定負けと連敗中。戦績は8勝(3KO)2敗1分。
辰次郎は2024年12月にKNOCK OUT初参戦で横山太一朗をKO。戦績を4勝(3KO)無敗とした24歳の大阪の新鋭。
1R、小森は辰次郎のパンチを空振りさせると右ストレートから左フック、辰次郎もすかさず右ストレート。小森が鼻血を噴き出す。辰次郎は強烈な左ボディのカウンターを叩き込み、強打者ぶりで場内をどよめかせる。ドクターチェックからの再開後、小森が猛然とラッシュ。辰次郎にロープを背負わせての左右フックとワンキャッチからのヒザでラッシュ。 辰次郎は至近距離で胴廻し回転蹴りを放つ。止まらない小森は左右フック、左右ボディ、ワンキャッチからのヒザの猛攻。辰次郎もヒザ、右ハイを至近距離で出す。辰次郎は飛びヒザ蹴りからワンツーの連打、明らかに攻撃が重い。
2R、小森は左インローと左ミドルに切り替えるが、左インローがローブローに。辰次郎の右腕を左ミドルで蹴っていく小森に、辰次郎は飛びヒザ、右オーバーハンド。小森は未知フックからヒザに行くが連打してしまい注意を受ける。小森が右フックで前に出てボディ連打とヒザ。さらに右ミドル。辰次郎は前蹴り。攻撃を出し続ける小森はスタミナの衰えが全く見えない。
3Rも右ミドルを多用する小森。左ミドルを蹴ったところで辰次郎が右ストレートを合わせる。小森はいきなりラッシュを仕掛けて左右の連打で辰次郎にロープを背負わせ、右フックをクリーンヒット。辰次郎は態勢を入れ替えると左三日月蹴りで逆襲。ここで疲労が見え始めた小森に辰次郎はワンツー、右カーフ。小森は組み付いてのヒザ。そこへ辰次郎のワンツーがヒットする。蹴り足をキャッチしてマットに叩きつけるラフファイトの辰次郎。
本戦の判定はドロー! 延長戦へ突入する。小森のワンツー左ミドルに辰次郎は右カーフ、左ボディ。辰次郎が入ってくるところへ左ミドルで迎え撃つ小森だが、辰次郎に前蹴りで押される。小森は密着してアッパーを突き上げる。辰次郎の顔面前蹴りでのけ反る小森。組んだ小森は右ロー、ヒザ、一度離して右ストレート。しかし、組んで2度ヒザを蹴ったとしてイエローが提示される。酌もうとする小森に辰次郎は右フックから左フック。小森は左ミドル連打で前へ。辰次郎も前蹴り連打から右ストレート。
熱闘の決着は、判定3-0で辰次郎が格上の小森を破った。
[nextpage]
▼第1試合 KNOCK OUT-BLACK -54.0kg契約 3分3R延長1R〇工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)判定3-0 ※30-27、29-28×2×馬上一樹(フリー)
工藤はファイヤー原田の愛弟子としてJ-NETWORKで活躍。ジムの閉鎖とともにTEPPEN GYMに移籍してファイヤー譲りの根性に加えて技術を磨き、3連勝して2022年12月に古木誠也と「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座決定戦」を争ったが、初回KO負けでタイトル獲得ならず。そこから5連敗を喫して今回は2024年4月以来の試合となる。“工藤拳”と名付けたカエル跳びからの攻撃を得意とする。戦績は12勝(8KO)16敗5分。
馬上は2023年12月のKNOCK OUTでプロデビュー、2024年3月に2戦目を行い、今回が約1年ぶりの試合に。戦績は2敗。
1R開始と同時に工藤がパンチと右ローで前身、馬上も負けじと右ストレートを打ち返して打ち合いに。馬上の左ミドルに工藤が右フック。右オーバーハンドを多用する工藤が前へ出るが馬上はジャブ、右ストレートで押し返す。馬上が鋭い左テンカオ。右カーフも蹴る馬上。工藤の右ローに馬上が右ストレート。
2Rも工藤が前進、ボディを叩いて左ミドル、右ストレートから左ミドル。さらに左右ローを蹴る工藤。馬上はジャブを突くが工藤の右ロー、右ボディ、左ミドルにガードを固める。馬上の右ストレートに後退する工藤だが、すぐに右ロー、左ボディ。馬上 もワンツーの連打で工藤にロープを背負わせた。
3R、ガス欠気味の工藤に馬上がテンカオ。工藤が右ローを蹴ると馬上がワンツーを返す。工藤が右オーバーハンドから前に出て左右ローの乱れ打ち。馬上も右ストレートを返してヒザを突き上げる。右ローを徹底して蹴る工藤に馬上は足運びが遅れる。馬上もワンツーを繰り出して必死に前へ出る。
両者の必死さが見えた痛めつけ合いは、工藤が判定で約1年ぶりの復帰戦を勝利で飾った。
[nextpage]
▼プレリミナリーファイト第2試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R〇佐藤優樹(Katana Gym)判定3-0 ※30-29、29-28、30-27×ミサイル雄(ONE’S GOAL)
1R、左右連打で前へ出る佐藤だが両者クリンチになる展開が続く。雄はコーナーやロープを背にすることが多かったが、右カーフを蹴る。前に出てパンチを繰り出す佐藤に雄は後手に回る。
2Rも佐藤はパンチを出して前へ出ていき、雄は右カーフを蹴る。そしてクリンチ。佐藤は左ボディも打つ。同じ展開が続く。
3R、雄は足への前蹴りや右ハイも繰り出すが、佐藤のパンチを伴った突進を止められず。それでも1、2Rのようにロープやコーナーを背にすることはあまりなく、パンチを打って右ミドルを蹴る。佐藤の左右をもらって下がる雄も最後は足を止めて打ち合った。
判定は最後まで前へ出て攻めた佐藤の判定3-0となった。
[nextpage]
▼プレリミナリーファイト第1試合 BLACK 女子48kg契約 3分3R〇MOMO(エスジム)判定3-0 ※30-26×3×実穂(クロスポイント大泉)
MOMOはNA☆NAの娘。
1R、序盤から両者ともパンチで打ち合う。MOMOは右ストレートをヒットさせて蹴りにつなぎ、組むとワンキャッチのヒザ。右ストレートを出しながら前に出る美穂にMOMOはジャブを突き、前蹴りで距離を作って右ストレートを当てていく。パンチ一辺倒に攻める美穂には左ミドル。しかし、美穂の右ローがMOMOの出鼻を捉える。右ローで攻めていく美穂にMOMOは距離を詰めて左右の連打と左ミドルでコーナーに詰める。
2R、左ミドルの連打で前へ出るMOMO。美穂は右ローを狙い撃ち。そこへ右ストレートを打つMOMO。ローを蹴られまいと前蹴り、ワンキャッチのヒザ、右ストレートで美穂をコーナーに詰めるMOMO。美穂が右ローを蹴ってくると蹴り足をキャッチしてコカしに行く。ガムシャラに左右フックを繰り出す美穂だが、攻撃の適格性はMOMOの方が上。手数も多く攻めつつ蹴る。ワンキャッチのヒザも巧みに使うMOMO。両者とも手を出し続けてかなりの消耗が見えた。
3R、前へ出る美穂を右ストレートで迎え撃つMOMO。右ローを蹴られると首相撲で振り回してのヒザ、離れ際に右ストレート。攻めるMOMOが右ミドルからの右ストレート、ロープでリバウンドした美穂は倒れ、ダウンをとられる。立ち上がると美穂は右ローを蹴るが、MOMOは手数が減らずパンチから組んでのヒザ、離れ際の左ミドル、さらに休まず前へ出て攻めていく。美穂も逆転を狙って右ストレートを繰り出し、互いが全力を尽くす熱戦となった。
判定は3-0でMOMOがKNOCK OUT初登場で勝利を飾った。