2025年6月8日(日)東京・有明コロシアム『Prime Video Boxing 13』の記者会見が、4月18日(金)都内にて行われた。
バンタム級でWBC1位・WBA2位・WBO2位・IBF4位にランクされる那須川天心(帝拳ジム)が、バンタム級3分10RでWBA同級6位ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)と対戦。この試合は“世界前哨戦”と位置づけられる。
2月に前WBO世界バンタム級王者ジェーソン・モロニーを判定で破り、戦背を6勝(2KO)無敗とした那須川。今回の相手もモロニー戦同様、自らリクエストを出したのかと聞かれると「リクエストしてはいないですけれど、僕の中では世界に挑戦するまではいろいろな経験をするのが大事だと思っていて。モロニー選手の時も自分がピンチになった時もあれば10Rしっかり戦えたというのもありますし、今回は今までやったことがないタイプの選手といろいろなことを試合の中で経験して吸収することがジムの方針でもありますので。最初決まっていた選手や候補もいろいろいたんですけれど、その中で一番強い選手を選ばせていただいたって感じですかね」と答える。
試合までの練習については「僕はトーキョー・ジャパンの方でトレーニングを繰り返してやっていくだけですかね。走り込みは成田でやってきて、その後は大阪で心と身体と自律神経だったりとか、自分の身体で動かせていないところを動かすトレーニングをやってきたので、戻ってきてトーキョー・ジャパンの方で合宿をやりたいと思っています」とした。
前日のWBOアジアパシフィック・バンタム級王座返上の理由を聞かれると「意図は特にはないですけれども、あくまでも僕の場合は世界を獲るための挑戦権をもらうためのベルトだったので。そこで防衛するとかそこを持っているのは意識していないですし、だからこそ返上して次に向けて、今回の世界前哨戦をやることになったというのが意図ですかね」と説明。
今回もWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)と同じ大会への出場となり、中谷の印象を聞かれると「誰が見ても強いと思いますし、パウンド・フォー・パウンドに入っているわけじゃないですか。中谷選手に限らず日本人が結構入っているじゃないですか。その時代にボクシングが出来て僕は本当に幸せだなと思いますし、だからこそ比較されるのは分かるし、だからこそ試されているんだと思いますね。中谷選手に関しては最近洋服の広告に出ていたのを見てカッコいいなと思いました」と、バンタム級の世界王者が全員日本人選手という時代にボクシングが出来て幸せだと話す。
今回の試合は“世界前哨戦”と位置づけられており、このハードルをクリアすれば11月に世界王座挑戦が計画されているという。その前に、これだけは試しておきたいということはあるかとの質問に「前回の試合で初めて僕がボクシングの距離に飛び込んだというか、足を止めて打ち合うところが見せられたと思うので。その距離をやろうとは思わないですけれど、その距離もできる状況にしておきたいのがありまして。全部できなければ最強になれないと僕は思っているので、オールマイティーであるというのが大事だと思うので。自分の型はどちらかというとアウトボクサーですが、こういう動きもできるよっていうのを相手に全部見せておくと逆に自分のアウトボクシングが活きたりするので、前回見せられなかった近い距離での攻防のさらにもっとレベルの高いところだったりとか、そういうところをちょっとずつ見せていければいいなと思います」と答えた。
また、世界前哨戦をKOで飾りたいかと聞かれると「もちろんそれはあるんですけれども、そこを狙いすぎると倒せないところもあるので。1試合1試合課題も見えてきて、今までは大雑把な課題だったんですけれど、今は細かい課題になってきているので、そこの細かい部分を調整して集約していけば倒せる選手というか、そういうところも出てくると思うので、徐々にやっていってそこがもし上手くハマれば倒せるとは思います」と、これまで通りKOは狙わず流れの中で倒せれば、と語った。