MMA
インタビュー

【DEEP】浜崎朱加に1R一本勝ち、20歳の須田萌里「シミュレーションしてた浜崎選手がそこにいた」×父・智行氏「作戦に行く“過程”だった」

2025/04/18 18:04
 2025年3月23日、東京・ニューピアホールにて『DEEP JEWELS 48』(U-NEXT配信)が開催され、20歳の須田萌里(SCORPION GYM)が、元Invicta FC&RIZIN&DEEP JEWELS王者の浜崎朱加(AACC)に1R 一本勝ち。“レジェンド”浜崎相手に、進境著しい須田は、いかに作戦を遂行したか。試合後に、須田萌里と父でありコーチの須田智行氏に訊いた。 ▼DEEP JEWELS 49kg以下 5分3R×浜崎朱加(AACC)48.85kg[1R 2分28秒 リアネイキドチョーク]〇須田萌里(SCORPION GYM)48.40kg 女子格の一番上にいる伊澤星花選手に追いつけるように ──1R リアネイキドチョークでの一本勝ち。完勝でした。 「そうですね。びっくりしました」 ──ご自身で思い描いたのと同じような試合展開だったでしょうか? 「ええ、そう考えてたんですけど、それよりももっと先まで考えていて、そこに行く途中に極まってしまったって感じです」 ──試合前からの浜崎選手の印象はどうだったのですか。 「試合が決まって映像ですごく見てたんで、それ通りかな? って感じでしたね。対峙しても、その自分がずっとシミュレーションしてた感じの浜崎選手がいたみたいな感じです」 ──自分から蹴っていって、たとえ相手に蹴り足を掴まれてもいいという考えもあったでしょうか。 「蹴るのは狙ってたんです。とらえるまでは行ってなかったんですけど、その結果、寝技になったらそれはそれでいいかなと考えていました」 ──浜崎選手の得意のアームロックの対処をどう考えていましたか。 「やっぱり浜崎選手といったらアームロックが得意なんで、そこの対処と、わざとそれを獲らせてのカウンターとか、そういう想定した動きをすごい練習してきましたね」 ──蹴り足を掴まれた須田選手がテイクダウンされた後、潜って浜崎選手の左足を取りに行きました。柔道ベースの浜崎選手の上半身の極めに対して、須田選手には足関節の攻防での極めやトランジッションで優位に立てるという自信もありましたか。 「そうですね。下になっても殴られないポジションを取ること。足関節を極めに行って極められたら極めて、相手が背中向いて逃げたらバックで。足関からのスイープや上を取ることも結構練習してました」 ──どのあたりでコントロールできていると感じましたか。 「四つのところで倒れずにボディロックになったところから“ああ、もう行けそうかな”みたいな感じにはちょっと思ってましたね。上組みの位置になると、浜崎選手は払い越しを仕掛けて来ることは想定していて、投げかアームロックかなと。そこはボディロックでくっついちゃえばいいと思っていましたから、動きに迷いは無かったです。最後の上を取ってバックまでの展開は、自分でも少し驚いていますが」 ──今回初めて、浜崎選手という壁を突破しました。 「いつも惜しいところまで行って、ちょっとポカすることが多かったんで。今回はほんまに、この1カ間集中して練習してお父さんと作戦も立ててきたので、それが試合に出たかなと思ってますね。でももっと様々な練習をしてきたので、いろんな展開を試したかったという部分もあります」 ──まだ20歳ですが、これから目指すファイター像は? 「強い人とどんどんやりたいですね。試合、いっぱいしていきたいです」 ──長らく女子MMAファイターの頂点にいた選手を越えて、これから須田萌里の時代だぞという部分もあると思いますが、。その継承という部分ではご自身ではどのように思っていますか。 「まだ分からないですけど、伊澤星花選手が今、女子格の一番上にいると思うんで、いずれトップにっていうのは思ってます。ただ、もちろん自分は伊澤選手にはまだまだと思ってるんで、そこに追いつけるようにもっとコツコツと練習してしっかり臨みたいなと思ってます」 [nextpage] 父・須田智行コーチ「いいポジションで寝技に持ち込めたら」 ──作戦通りの展開でしたか。 「作戦に行く“過程”でしたね。バックを取るっていうのはあったんですね。で、アームロックで背中を見せてくるので、しっかりアームロックを極められないようにだけ注意しながら、バックを取って行こうっていう、そこから先の展開まで、全部練習はしていたんですけど。その過程で極まっちゃいましたね」 ──須田選手の寝技の引き出しが多くて、足関節を仕掛ければ、相手はトランジションで背中を向けてくれる。そして、相手がアームロックで半身になれば……。 「払い越しの体勢になっている時に、ボディロックでテックダウンみたいなのもそうですね」 ──プランBもあったのですね。 「ありますね。打撃の展開でも全然いっぱいやってきたんで」 ──実は試合前に、浜崎選手が「柔術家は苦手」という言葉も吐露していました。いい形で「寝技」になれば、須田選手に分があると思っていた部分もありましたか。 「それは思ってました。萌里は浜崎さんについてよく知らないからバイアスがかかることもない。ビビることなく動ける。これまでよりもキツい練習をしてきたから自信を持って戦えていました。  向こうがアームロック狙ってくるだろうから、くっついてくるのは想定内。だからあの立ちの展開でいいポジションで寝技に持ち込めたらいいかなとは思ってました。バックまでの展開は……浜崎さんが崩れて、取れたのはちょっとびっくりしましたね」  須田萌里と弟の須田雄律は、5月末開催のIBJJF WORLD JIU-JISTU CHAMPIONSHIPに出場予定だ。
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