MMA
インタビュー

【ONE】快挙、アドリアーノを初回KOで王者となった若松佑弥「相手も疲れていて俺も休みたいっていう自分の弱さを打ち砕いて、前に出た」

2025/03/28 09:03

王者の期間をどれだけ長く続けれるか。他団体との戦いがもしあるとしたら──

――ONEではデメトリアス・ジョンソン、モラエスに敗れるなど紆余曲折あっての王座戴冠だったと思います。ONEのベルトにこだわってここまできた道のりを振り返っていかがですか。

「今の成り行きというか、今僕が与えられているものの中で、自分にしかできないストーリーというか、もう散々いいところでベルトを獲れなくて、いつもいいところでやられていたので、ストーリー的には一番いいところで、最後の最後でベルトを獲れたっていう思いがありますね」

──アドリアーノに勝って、今後はまず防衛戦も含めて試合があると思うんですが、次の相手として、どういった選手とやりたいでしょうか。

「用意された相手を、ただもう判定とかじゃなくてKOで倒すのをこのまま積み重ねていければ、自ずと(自分の)価値は上がるのかなと。つまんない試合というか、流して勝ったりとか、そういうのがなければKOになる。5Rもあるので、それを続けていければ。相手が誰であろうが、弱いやつは絶対タイトルマッチに上がって来ないと思うんで。ONEとかUFCとかだと」

──DJは「フライ級の3強がATTにいる。アレッシャンドリ・パントージャ、アドリアーノ・モラエス、堀口恭司だ」と。そのアドリアーノに勝ってチャンピオンになったことで、それこそパントージャや堀口選手と比べられるというか、並べて見られることも増えると思います。若松選手のプライドだとか、負けないという気持ちもあるでしょうか。

「まあでも、真実なんて。“その他の人”は正直もう戯言だと思ってるんで。自分が最強。自分の中身が一番強いんで。それに勝てば自分が最強だって分かってるんで、そういう声はもう正直、気にならないです」

──ダニー・キンガッドに勝ち、アドリアーノ・モラエスに勝ったら、なかなか相手もいないなか、モラエスと再戦ということもあるかもしれません、そうなったときは……。

「誰でも受けますね。もう用意された方だったら。相手は関係ないです]

──今はONEのベルトの価値を上げることがとりあえずの目標になりますか。

「そうですね。王者っていう期間をどれだけ僕のピークが落ちるまで長く続けれるかっていうのに焦点を合わせてます。ただ獲るだけだと意味ないんで、強い勝ち方を見せていくことで“これはもう絶対王者”っていうところまでやっぱり作っていきたいなっていう思いがあります」

──ONEのフライ級が一番だということを見せたい?

「はい。それこそ『若松と戦いたいからONEに』と、フライ級の選手が多くなるような状況にしたいので」

──一掃したら、将来的に他団体の強豪と、それを証明するために戦うことも?

「そこはもう流れに任せます。自然のままに。自分が(他団体に)行ってもいいですし。もしあるとしたら、UFCに限りますけど、そういう意思は全然あります。できるだけそれは求めていきたいです。ONEとの契約とかをしっかりやっていって。まずは、今回の勝利がまぐれじゃないっていうのをやっぱり見せないといけないんで」

──同じ日に野杁正明選手も勝利し、ベルトを巻きました。

「自分なんか、正直。野杁選手が行くんじゃないかなってずっと思ってました。だから驚きもしなかったんですよね。(試合後に会ったときは)『おめでとうございます』、と。お互い緊張が取れた感じで、すぐ会見だったんでそんなに喋れなかったんですけど。言葉を交わさなくてももう分かるみたいな感覚でした。すごかったですよね。あんな風にタワンチャイが倒れるとは。野杁選手はすごい化け物みたいな感じに爆発力出るじゃないですか。だから(戴冠は)全然納得するなっていう」

──武尊vs.ロッタンについては?

「本当に紙一重の戦いだったと思っています。お互いこう、野杁選手も言ってたんですけど、やっぱ怪我とかもあった中で、それも自分も聞いてたんで……それでも、そういう時にこそやってくれるって思っていて、試合もしてお互いもう最強な状態で戦ってるんで、ロッタンもよくあんな形で倒せるなと感じました」

──ところで試合後に、長南代表が控え室で若松選手に「これで終わりじゃない、これが始まりだ」と言っていましたね。

「本当に自分もそう思ってました。“これからが始まりだ”って。“ここから自分の時代だぞ”っていう思いはずっとありました」

──ONEジャパンにも聞きたいのですが、チャンピオンとして、これからさまざまな公式行事や、プロモーションで色々と喋ったり、盛り上げなくてはいけない立場になるんでしょうか。

ONE広報 チャンピオンは、そうですね。ONEの顔になると思います。いろんなところに出て行ってもらいます。

「自分は“うまく喋ろう”とか思っちゃうと、多分だめになっちゃうと思うんで。もう本当に心の胸の内だけを話す感じで。そして戦いで強くてそれが続けば、おのずと、顔になるのかなっていう思いです」

──さきほど「もし独身だったらハチャメチャになってた」とは一体どうなってたんでしょう?

「いやもう本当に。多分もうどこにでも喧嘩売ってたり、多分、アンチとかとも絶対、やってたと思います(笑)」

──そっちにハチャメチャでしたか! 結婚されてよかったです。最後にファンにメッセージを。

「おかげさまでチャンピオンになることができました。本当に自分一人じゃなくて、みんなのおかげで、やっぱりそれが力になって勝てた試合だと思うし、そういう力はやっぱり一人じゃ絶対出ないんで、本当に感謝してます。これからも最強を目指して行くので、応援よろしくお願いします!」

──ところで、今回のスーツは新調されたそうですね。

「このダブルのスーツは試合前に作って、勝って着ようと決めてました。ぜんぶイメージ通り、すべて計画通りです!」

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