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【RISE】王者・小林愛理奈に五輪金メダリストからダウンを奪ったボクシング出身で5戦全勝の宮本芽依が挑戦「みんなが驚くような差で勝ちたい」(小林)

2025/03/13 19:03
【RISE】王者・小林愛理奈に五輪金メダリストからダウンを奪ったボクシング出身で5戦全勝の宮本芽依が挑戦「みんなが驚くような差で勝ちたい」(小林)

小林(左)と宮本のパンチャー対決でタイトルマッチ(C)RISE

 2025年5月11日(日)愛知・ポートメッセなごや第三展示館で開催されるRISE初の名古屋大会『RISE Fire Ball NAGOYA』の記者会見が、3月12日(水)都内にて行われた。

 RISE QUEENミニフライ級(-49kg)タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで、王者・小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM)が同級1位・宮本芽依(KRAZY BEE)の挑戦を受けて初防衛戦に臨む。


 小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。2023年11月にRISE QUEENミニフライ級タイトルマッチでerika(=名前の後ろにハートマーク)をKOで破り、RISE QUEENミニフライ級王座を奪取。2024年5月に小林愛三にOFGマッチで勝利し、10月にフライ級でビョン・ボギョンに勝利。破竹の8連勝を飾ったが、12月に同時2階級制覇を狙って挑戦したRISE QUEENフライ級タイトルマッチで王者テッサ・デ・コムに判定で敗れた。戦績は13勝(4KO)4敗1分。

 宮本は2019年全日本女子ボクシング選手権大会シニアの部バンタム級優勝の実績を持ち、2023年1月のRISEアマチュア大会『RISE NOVA』Aクラスの試合で初回KO勝ち。5月にRISEで山本美憂をセコンドに就けてプロデビューを果たし、RINAから左フックでダウンを奪って勝利を飾ると数島七海、宮﨑若菜、Melty輝、チャ・ミンジュを相手に5戦全勝

 会見ではタイトルマッチ調印式が行われ、両選手が意気込みを語った。


 宮本は「名古屋ということで私も地元が三重県で、三重県の人たちも東京は遠いから応援に行けないと言っていたけれど、名古屋で出来るって聞いて早速楽しみという声もたくさん届いております。ベルトを懸けた試合で私もこの日を待っていました。アツい戦いとなります」と挨拶。

 小林は「自分は初防衛戦になるんですけれど、自分からしたら再起戦っていう想いもあって。一番は自分に負けられないなって思う試合でもあって。試合に関しては、宮本選手は勢いもあって無敗でランキングも1位で挑戦者にふさわしいと思っているんですけれど、当日はランキング1位とチャンピオンの差がこんなにもあるんかって、みんなが驚くような差で勝ちたいと思います」と圧勝宣言。

 互いの印象を聞かれると、宮本は「小林選手の印象はプレッシャーがある中でいろいろな挑戦をして、自分と戦い続けている素晴らしい選手だと思っております」と小林の姿勢を評価。小林は「宮本選手の印象はパンチが上手くて。どっちかというと倒すっていうよりかは、あまり女子にはないアッパーを見せたりとか技術的な部分が上手いなって思います」と技術的な上手さを評価した。


 3分5Rの長丁場でどう勝ちたいかを聞かれると、宮本は「5Rある中で、初めての戦い方なので私はまだ試合をしてからじゃないと分からないですけれど、じわじわ攻めて行く。コツコツと当てる中で自分の持ち味が光ればいいなと。集中してしっかり戦いたいと思っております」と、じわじわと行きたいとする。

 小林は「自分はタイトルマッチの5Rが3回目なんですけれど、いつも戦い方は3Rの時と変えていなくて。最初から倒しに行くって感じで。上手くいけば早い段階で倒して、5R行ったとしても圧倒して勝ちたいなって思ってます」と、最初から倒しに行きたいと話す。


 これが初防衛戦となることについて小林は、「プレッシャーっていうプレッシャーはそこまでないですけれど、ここで負けてしまったら本当に何もないと思っているので。そういう気持ちはありますね」と答え、どう解消するかと聞かれると「ひたすら練習で自信をつけます」。

 テッサ戦の後は「ダメージはなかったので練習はすぐ再開したんですけれど、夜になったりとかしたら結構(気持ちが)落ちてしまったりする時間もあってきつかったです」と告白。「だけど、自分に残っているのは今ベルトを持ってる階級やなと思って。強気な発言が多いからメンタルとかも強く見られがちなんですけれど、考え込むタイプではあるんで結構いろいろ考えて。今はメンタル的にめっちゃ吹っ切れて、練習も調子いいしほんまに負ける気はしないですね」と、今は吹っ切れたとした。

 将来的に、再び上の階級に挑戦したいとの気持ちはあるかと問われると「そうですね。ここで圧倒的に見せて52kg(フライ級)に絞っていこうかなとも考えてるので。やっぱり一番世界で強い人たちが集まるのは52kgやと思っていて自分はずっと言い続けてるので、最終的にはそこでベルトを巻きたいですね」と、フライ級転向へ本格的に動きたいという。

 宮本は、アマチュアボクシング時代に東京五輪ボクシング女子フェザー級金メダリストの入江聖奈と戦った時のことを聞かれ、「全日本選手権大会での決勝戦で、1R目に右ストレートでダウンを取りましたが、2Rと3Rで入江選手にポイントを取られてしまって2-という判定で負けて銀メダルという形で終わりました」と、入江からダウンを奪ったことを明かした。

 同じくメンタルのことを聞かれると「私もメンタルは凄く強い方だと思います。周りからもメンタル強いねと言われるのでそれは自覚しています。でも、1試合1試合こなす中で不安とも戦って、自分に自信がなくなる時もあります。だけど目の前のことを1つ1つ軽く考えると『これってそんなに重く考えなくてよかったな』とか、一戦一戦重ねていくたびに気付けることがあるので、それでだんだん自分もメンタルが凄く強くなってるなっていう自覚を感じています」と丁寧な答え。



 所属するKRAZY BEEがYSAから離れることになり、どこで練習しているのかと聞かれると「今の練習環境は決まった場所はなくて。まだ決まっていません。なので選手は出稽古で練習をやらせてもらっていてそこで強化をしています」と決まった練習場所はない状態。「出稽古は練習相手の所属ジムを2~3件行かせてもらってます」とのこと。

 両者ともパンチが得意ということでパンチ勝負が予想されるが、自分のパンチは相手よりもどこが上回っているかとの質問には次のように答えた。

宮本「小林選手もショートのアッパーだったりボディだったり、それにつなげてのストレート、右左フックが強い印象があって。それは私と凄く似てるのかなって印象があります。その中でお互いがどのように掻い潜ってパンチを当てていくか、そこからのキックを当てていくっていう試合になるのかなって考えています。でも私はいろいろな角度から打てるので、相手の視界に入らないところから飛んでくるのが私の特徴だと思ってるので、そこで勝っていきます」

小林「自分はボクシングスパーに結構行ったりするんですけれど、世界チャンピオンとか男子とかとやってやられたことはないので、ボクシング対決しても全然勝てる。相手より優っているところは…全部ですかね。(宮本は)アッパーとかジャブの差し合いとか見えない角度からとか上手いと思うんですけれど、試合映像とか見てて大体分かるので、練習して大体感覚もつかんできてます。近い距離とか遠い距離のディフェンスも当てる上手さも自分の方が上やと思っています。

 自分は試合動画を格闘技が好きなのでめちゃくちゃ見るんですけれど、分析力もあると思ってるので。自分が見た感じでは全部の試合を通して共通しているとこって人って絶対にあるので。そういう特徴とか癖とかで宮本選手がやっていたみたいに、見えない角度からのパンチ、これも気をつけないと絶対もらうと思っているので、ほんまに気をつけて試合をしたいと思います」

 宮本は、そんなに細かく自分のパンチの特徴を喋ったのはそれだけ自信があるからなのかと聞かれると「はい、その通りです」ときっぱりと答えた。

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