ビッグバン・統一への道 其の512025年3月9日(日)東京・後楽園ホール
▼第13試合 メインイベント第2試合 ウェルター級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇野村太一(K.Bスポーツジム)TKO 2R 1分36秒 ※レフェリーストップ×平山 迅(TEAM ONE)※野村が初防衛に成功。
野村は8勝(2KO)4敗の戦績を持ち、ほぼBigbangで戦績を重ねてきた。2024年2月のRISEでは麻火佑太郎に判定負けを喫したが、10月のBigbangウェルター級王座決定戦でK-1グループのFUMIYAを1Rわずか12秒、右フックでKOして王座に就いた。12月にはジャパンキックのウェルター級王者・政斗に判定勝ち。
平山は皇治の盟友で、K-1グループで渡部太基、塚越仁志、牧平圭太、木村“フィリップ”ミノルといった歴代Krush王者たちと拳を交えてきた。2023年9月には『NARIAGARI』でISKAインターコンチネンタル王座決定戦に臨んだが、モー・アブドゥラマンにTKO負け。2024年4月に『HEAT』でHEAT KICKミドル級王者アビラル・ヒマラヤン・チーターに挑むも、4RにTKO負けを喫している。前戦は12月のBigbangで水上陽生に判定勝ち。戦績は19勝19敗3分。
1R序盤から両者ともパワフルなフックを打つ。野村は強打者の平山にパンチ勝負を挑んでいき、ほぼパンチで前へ出て攻めていく。これに平山は後退。すると野村はワンキャッチのヒザを突き刺す。
2Rも前へ出てパンチで攻めていく野村。右ストレートから入り、パンチのコンビネーションを回転させる野村。このラウンドは平山もフックを打ち返すが、野村のパンチはシャープでコンパクトだ。右フックが連続で決まり、平山が2度グラついたところでスタンディングダウンが宣告される。
攻撃の手を休めない野村は前に出て右ストレート、左右フックの連打で平山は防戦一方となり、レフェリーが試合をストップした。野村の見事なTKO初防衛。
野村はマイクを持つと「ウェルター級王者強くないですか? どうですか皆さん。自分はタイトル獲った時からめちゃめちゃ進化しているので誰が来てもこういうKOします。今年は絶対に有名になります」と宣言した。
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▼第12試合 メインイベント第1試合 56kg契約 3分3Rビッグバンキックルール×駿太(谷山ジム)判定0-2 ※29-29、28-29、29-30〇石川直樹(KICKFUL GYM)
駿太は2003年2月にプロデビューし、国内とタイのトップ選手を相手に渡り合ってきた42歳の大ベテラン。2019年6月に琢磨をKOしてベテラン健在ぶりを示したが、8月の安本晴翔戦、2020年2月の栗秋祥梧戦と若い選手に連続KO・TKO負け。しかし、同年11月のビッグバン10周年記念興行では宮崎勇樹を判定で下してBigbangスーパーバンタム級タイトル3度目の防衛に成功すると、3月には元新日本キックボクシング協会ライト級4位の渡邊涼介をヒジ打ちで2RにKOした。前戦は2024年10月、竹添翔太に判定負け。戦績は42勝(12KO)25敗4分。
石川は元・新日本キックボクシング協会フライ級王者、元ジャパンキック同級王者、スックワンキントーン認定スーパーフライ級王者の三冠王で、ジャパンキックでは2019年5月のプレ旗揚げ戦、8月の旗揚げ戦ともにメインを務めたエースだったが、2021年9月からフリーに。10月のRIZINでは吉成名高にTKOで敗れている。フリーとして様々なリングで試合を行い、2024年6月にフランスでニコラス・リヴァースにKO勝ち、ISKA王座を獲得した。首相撲からのヒザ蹴り・ヒジ打ちを得意とする。現在8連勝中で戦績は33勝(14KO)10敗8分。
1R、圧をかけて前へ出る石川はローキック、駿太はジャブを突いていく。石川の蹴りが多く、駿太は手数が少なかったか。
2Rになると石川は得意の首相撲に持ち込むが、ここでヒザを上手く当てたのは駿太の方。離れると右の連打を決めた駿太が左ヒジの強打。再び組みに行く石川だが駿太は主導権を握らせない。
3R、前に出る駿太がジャブと右フックで攻勢。石川は首相撲からのヒザに持ち込む。駿太がパンチでペースをつかんだかに思われたところで、石川が右ヒジをクリーンヒット。ここで流れが変わり、石川は首相撲からのヒザで攻める。駿太は口から流血でドクターチェック。
判定は2-0で石川の勝利となった。
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▼第11試合 スーパーライト級 3分3R×琢磨 (OFA)KO 1R 2分19秒 ※右ストレート〇奥平将太(KSR GYM)
琢磨はパンチが武器で、2017年2月にNJKFフェザー級王座を獲得。同年11月にはWBCムエタイ日本王座にも就いて二冠王となったが、2019年2月に葵拳士郎に敗れて王座を失った。2021年2月にはレジェンドの国崇を右ストレートでKO。様々な団体に出場。2023年9月の王座決定戦で加藤港を破りBigbangスーパーライト級王座に就くと、2024年6月にはポッシブルKの挑戦を退けて防衛に成功。戦績は26勝(8KO)21敗1分。
奥平はBigbangアマチュア6階級制覇、元NJKF EXPLOSION-50kg級王者とアマチュアで活躍後にプロ転向。3連勝を飾ったが、以後は勝ちと負けを繰り返している。前戦は2024年9月のRISEで細越竜之助にKO負け。戦績は6勝(3KO)5敗。
1R、得意の右ストレートを狙いつつローを蹴る琢磨。奥平は後ろ廻し蹴りを2度放ち、パンチにつなげる。左右フックを繰り出していた奥平だが、琢磨のローにジャブを合わせると右ストレート一閃。琢磨がもんどりうって倒れ、奥平のKO勝ちとなった。
奥平はマイクを持つと「タイトルマッチ、琢磨選手とチャンスあると思うので、みんな見たいと思うのでぜひよろしくお願いします」と琢磨とタイトルを懸けての再戦をアピールした。
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▼第10試合 スーパーフェザー級 3分3R〇平澤優聖 (team MIYABI)判定3-0 ※30-28×2、30-27×蘭丸(team AKATSUKI)
1R、ジャブと右ストレートを伸ばしてくる蘭丸に平澤は左右のローとミドル。右ミドルが快音を発して決まる。顔面への前蹴りも当たり、蘭丸は鼻血を出す。
2Rも前蹴りを上手く使って蘭丸を近づけさせない平澤。蘭丸は右ストレートを当てようと伸ばす。平澤は距離を取って蹴り、近付いてくるとヒザ。
3R、前に出て右ストレートを当てに行く蘭丸だが、平澤は徹底して蹴り。右ロー、左ミドル、前蹴りで蘭丸を近づけさせない。蹴りだけでなく右ストレートも打つ。
蘭丸にいい場面を作らせず、平澤の完封勝利となった。
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▼第9試合 57.5kg契約 3分3R〇竹添翔太(インスパイヤードモーション)判定3-0 ※29-28×2、30-28×安 晟太(サクシードジムteam EXCEED)
1R、両者とも至近距離でパンチのコンビネーションからローにつなぐ。離れると安が右カーフ、ミドルも蹴る。竹添は多彩なコンビネーションで手数が多い。
2R、安の右ボディでコーナーに詰められた竹添だが、逆にボディへの集中攻撃で逆襲。圧倒的な手数とパンチの回転で攻める竹添は顔面に集中しておいてからのボディも。
3Rも圧倒的な手数で前に出て攻める竹添は、パンチの打ち終わりにワンキャッチからのヒザも巧みに突き刺していく。安も右カーフで対抗するが、竹添の止まらない手数で後退を余儀なくされる。右ストレート、左アッパーで安がのけ反る場面もあり、ゴングが鳴る前に両手を上げて勝利をアピールする竹添。
判定はその通り、竹添の勝利となった。
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▼第8試合 スーパーウェルター級 3分3R×松下大紀(BELIEVE MAN)KO 3R 1分18秒 ※左ローキック〇高橋幸光(飯伏プロレス研究所)
高橋はテコンドーとムエタイを融合させた独特なスタイルでこれまでにJ-NETWORK、MA日本キックの2本のベルトを獲得、さらに2021年9月のBOMではKJヒロシを下してWMC日本スーパーライト級王座を奪取。そして同年12月には水落洋祐を4RKOで下してBOMウェルター級王者に輝いた。2023年にはRWSの世界トーナメントに出場している。2024年3月にはプロレスラーとしてもデビューした。10月のKNOCK OUTではMASATO BRAVELYに判定負け。戦績は40勝(12KO)24敗5分1無効試合。
松下はKrush&K-1で活躍し、12勝のうち8勝がKOという強打者。2024年6月に長期休養から復帰してビッグバンでKONZISIBADBOYに僅差の判定勝ち。10月には第3代Bigbangスーパーウェルター級王者で同じくKrush&K-1で活躍した山崎陽一に僅差で勝利している。戦績は12勝(8KO)8敗2分。
1R、序盤は圧をかけて前に出た松下だったが、高橋が左ストレートからのワンキャッチのヒザを突き刺すとペースダウン。その後も高橋が左ロー、左ストレートからワンキャッチのヒザを突き刺し、さらに左ストレートでボディを攻めると松下は後退。
2Rも高橋はワンキャッチのヒザと左ローを多用。組まれると身体を丸めてしまう松下。離れると松下もミドルを蹴るが、高橋の左ストレートをもらって後退、左ローの連打でダウンを奪われる。高橋は余裕の縦回転ニールキックを見せる。
3R、松下は前に出ていってパンチを狙うが、高橋の左ロー連打、バレリーキックをもらってダウン。そのまま立ち上がれず、高橋のKO勝ちとなった。
高橋はマイクを持つと「プロレスラー、皆さんどうですか。KOで勝ちました。もういいんじゃない。すぐにタイトルも。見たくないですか、プロレスラーがキックボクサーを倒すところを」とアピール。
セコンドに就いた飯伏幸太にフランケンシュタイナー、飯伏は高橋にフロントスープレックスを見舞い、観客を沸かせた。
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▼第7試合 63kg契約 3分3R〇林 京平(湘南格闘クラブ/元Bigbangライト級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-27×ポッシブルK(K'growth/SB日本スーパーフェザー級1位)
林はKrushを主戦場にしてきたベテランで、大岩龍矢、里見柚己、小澤海斗、伊藤健人、林健太らと拳を交えてきた。パンチ力がある半面、KO負けも多くやるかやられるかのスタイル。2018年12月、中村圭佑を破り第3代Bigbangライト級王者となり、初防衛にも成功したが返上。2024年12月、王座返り咲きを目指して現王者・目黒翔大に挑戦したが2RにTKOで敗れた。戦績は17勝(8KO)17敗2分。
ポッシブルはシュートボクシングを主戦場にしながら、様々な団体に出場。2023年12月3日には『Bigbang』でMA日本ライト級王者・平澤優聖を2RでKOして6連勝を飾ったが、同月25日の香港遠征でヒュン・ツェイ・ヘイデンに判定で敗れ連勝がストップ。2024年4月のスックワンキントーン スーパーライト級王座決定戦で健太に敗れ、6月のBigbangスーパーライト級タイトルマッチで琢磨に判定負けでいずれも戴冠ならず。戦績は22勝(10KO)19敗。
1R、序盤から右カーフを蹴っていく林にKは何度もバランスを崩す。Kもバックハンドブロー、強い左ローを蹴るが林の右カーフでバランスを崩したところに左フックをもらい、さらに右をフォローされてダウンを奪われる。
2R、Kはサウスポーになり、カーフを蹴られないようにどんどん前へ出て攻撃を出していく。後ろ廻し蹴り、バックハンドブロー、カカト落とし、バレリーキックと変則的な技も多用。林は手数は出ないが、前蹴りをするとKはバランスを崩す。
3Rも攻撃の手を休めず攻めまくるK。林は右フックで対抗するが、Kの手数が多い。それでも林が前蹴りでKのバランスを崩し、判定は3-0でダウンを奪った林の勝利となった。
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▼第6試合 ウェルター級挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×水上陽生(ポゴナ・クラブジム)TKO 2R 1分48秒 ※左ストレート〇乾 秀人(BANG BANG GYM)※乾が決勝へ進出。
1R、サウスポーの乾は水上がパンチを打ってくると途端に好戦的になって左ストレートを中心に猛然と打ち合いに行く。水上が一度離れてミドルを蹴ると小休止。再び水上がパンチを打つとスイッチが入ったように猛然と打ち合いに出る。乾の前蹴りがローブローになって一時中断も。
2R、水上は右ミドルを中心に蹴り主体のスタイルに切り替え、バンバン腕を蹴っていく。これでペースを握ったかも見えたが、右ストレートを打つと乾はスイッチが入り、左ストレートと左フックの連打で前へ出る。吹っ飛ばすような左ストレートでダウンを奪うと、最後も破壊力抜群の左ストレートで豪快にダウンを奪い、レフェリーがストップした。
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▼第5試合 ウェルター級挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×宗方888(KING gym)TKO 2R 1分05秒 ※右カーフキック〇哲志(K-1ジム五反田チームキングス)※哲志が決勝へ進出。
1R、哲志はジャブから右カーフ。宗方も右カーフを蹴り返す。哲志が右ストレートからの左フックでダウンを奪った。
2R、哲志はパンチに切り替えてワンツー、左フックを打って行く。宗方も前に出るが、哲志の右カーフで大きくバランスを崩してダウン寸前に。哲志はよく見て右ストレート、左インローと攻撃を変えてからの右カーフ。宗方がダウンし、様子を見てレフェリーがストップした。
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▼第4試合 60kg契約 3分3R△田中 聡(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)ドロー 判定1-0 ※29-29×2、30-28△中澤良介(WIVERN)
1R、序盤は蹴りで距離を探り合う両者。田中は右カーフ狙い、中澤は田中にロープを背負わせて左ボディ。右ハイを多用する中澤。
2R、パンチのコンビネーションを回転させる中澤。田中は右ロー&カーフを蹴りつつ、ヒザ、三日月、左ミドルとボディも攻めてパンチにつなぐ。互いに相手が出した攻撃を返す意地の張り合いも。
3R、ボディを交えたパンチのコンビネーションを回転させる中澤に対し、田中はパンチのあとに右ロー。田中は左ミドル、ヒザも。互いに激しい打ち合い、蹴り合いを繰り広げ、試合終了と同時に大きな拍手が起こった。
判定はジャッジ1名が田中を支持したが、痛み分けとなった。
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▼第3試合 フェザー級 3分3R〇高田 優(湘南格闘クラブ)判定3-0 ※29-28×3×慎也(ZERO)
1R、高田は上下に攻撃を散らせて右ストレート、左フックのビッグヒットを奪う。慎也は右カーフを蹴っていくが、高田の手数に押され気味。
2R、慎也がアグレッシブにパンチで攻め始め、高田の右ストレートに返しの右ストレート、左ミドル。高田に右カーフを蹴らせないように手数を出していく。中盤以降、高田は飛びヒザ、右ローで逆襲。
3R、慎也は同じく距離を詰めてパンチを回転させるが、高田の右カーフに大きく崩れる。しかし、慎也はガッツを見せて左ミドルとヒザで対抗。高田も倒そうと必死にパンチと右カーフを放つが、慎也は最後まで耐えた。
判定3-0で高田の勝利となった。
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▼第2試合 55.5kg契約 3分3R ○嶋津悠介(RIKIX)判定3-0 ※30-29×2、29-28寛心(士魂村上塾)
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▼第1試合 60kg契約 3分3R○藤平琉矢(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)判定2-0 ※29-29、29-28×2×相島珀斗(team OJ)