MMA
インタビュー

【UFC】ブレンダン・アレン「佐藤天と一番多く練習してきた。自分が完全に支配する試合になる」×アンソニー・ヘルナンデス「戦争になるっていうのは──」

2025/02/23 10:02
2025年2月22日(日本時間23日)、米国ワシントン州シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナにて『UFC Fight Night: Cejudo vs. Song』(U-NEXT配信)が開催されている。メインはバンタム級で、元UFC世界バンタム級&フライ級王者で元レスリング五輪金メダリストの“トリプルC”ことヘンリー・セフード(米国・7位)が復帰第3戦。同級8位のソン・ヤドン(中国)と対戦する。  コメインはミドル級で、ブレンダン・アレン(米国)とアンソニー・ヘルナンデス(米国)が、7年ぶりの再戦に臨む。両者にインタビューした。 ▼ミドル級 5分3Rブレンダン・アレン(米国)24勝6敗(UFC12勝3敗)アンソニー・ヘルナンデス(米国)13勝2敗(UFC7勝2敗)※UFC6連勝中 ブレンダン・アレン「何よりも彼にダメージを与えたい」 ──2018年1月のLFA以来、約7年ぶりのアンソニー・ヘルナンデスとの再戦に向けて、キルクリフFCでは、どんなことを重点的に準備しましたか? 「準備は順調に進んだよ。主にケージ際での攻防を重点的に準備した。彼はテイクダウンを狙ってくると思うので、テイクダウンディフェンスと、グラウンドでのポジションをしっかり固めることに集中した。特に、サトウ(佐藤天)とは一番多く練習している。ほんとうにナイスガイだよね。それに日本人では、数回だけ一緒にやったナオキ(井上直樹)、タカヤ(鈴木崇矢)、彼も素晴らしい人だね。それから、ユウヤ(若松佑弥)も好きだ。彼はONEで戦っているよね。以前トレーニングキャンプに来ていて、サイズが違うので組んだりはしなかったけど、チームでトレーニング以外にもアクティビティを一緒にやって、すごく楽しかったな。彼は本当に面白くて、いいヤツだ。日本の選手たちはみんなすごくいい人たちばかりだよ」 ──あなたは大学で学士号を取得しているそうですね。なぜ格闘技を? 「サウスイースタン・ルイジアナ大学でリミナル・ジャスティス(刑事司法)の学士号を取得している。大学や高校に通っている間もずっと格闘技をやっていたんだ。IMMAF(国際総合格闘技連盟)のチャンピオンベルトを獲る前から柔術の大会にもたくさん出場していたし、大学を卒業する頃には、すでに地域の大会でかなり上のレベルにいたので、そのまま格闘技を続けた。結局、いまはほかの仕事はせずに、格闘技一本でやっているよ」 ──20213年にアマチュアデビューで、2015年にプロデビュー。2018年にアンソニー・ヘルナンデスと初めて対戦した際、ポジションを失って敗れましたが、あの試合から変わったことは? 「自分のメンタル面がまだ未熟だったと感じた。あの試合を通して、自分について多くのことを学んだよ。メンタル的な弱点も見つかり、今でもそれを克服するために努力している。一方で、アンソニーは基本的に同じ選手のままだと思う。少し洗練され、打撃技術が向上した部分はあるかもしれないけど、彼の戦い方は基本的に変わっていない。彼は相手のスタミナを奪い、グラウンドで崩そうとするスタイルだ。でも、今回は自分の方が大きく強くて速いし、技術的にも優れていると思っているよ。あとは、それを土曜日の試合で証明するだけさ」 ──あなたの9月の前戦ナッソーディン・イマボフとの試合では、後半にテイクダウンを切られる展開が続きました。イマボフはその後、イスラエル・アデサニヤをTKOするなど実力を証明していますが、そのイマボフとの試合から学んだことは? 「何があろうと、すべての判断は自分のものだった。だからこのスポーツが好きなんだ。誰のせいでもない。ただ、僕の身体は100%ではなかった。それは分かっていたけど、まさかこれほど影響があるとは思わなかったんだ。キャンプ中ずっと問題があってね。試合からどうやって撤退すればいいのか分からない状況だった。コミッションも助けてくれなかったし。でも、結局のところ、僕は試合に負けたんだ。60%の健康状態で、しかも彼の地元で。彼はあの夜、ベストを尽くして戦った。僕はUFCで戦った中で最悪だった。でも、まあ、それが現実だ。  負けたときって面白いよね、みんなが何か言うんだ。でも僕が勝つと、みんなネズミのように黙っている。だから笑っちゃうよ。そして、僕はまだそこ(格闘技)にいるんだということを教えてくれるんだ。僕が負けるまでは、誰も僕に何も言わない。  ただ、学んだことはある。一つの局面に固執しすぎないこと。レスリングやグラウンド、打撃など、どれか一つに意識を集中しすぎるのではなく、試合の流れに身を任せることが大事だと学んだよ。特に1R目で楽にテイクダウンできたので、自分もセコンドも“もう一度テイクダウンできれば試合を決められる”と思い込みすぎたんだ。でも、それがうまくいかず、結果的に僅差で負けてしまった。上手く行かなかったときにいかに修正するかを学んだ」 ──その経験は、今回のアンソニー戦にも良い影響を与えそうですね。 「そうだね。これが自分にとって長い間続く最後の敗戦になればいいと思っている。この試合でチャンピオンになるために必要な教訓を得られたことを願っているよ」 ──あなたもアンソニーも、2018年の試合以降、連勝を重ねて進化しました。今週末の試合はどんな展開になると予想していますか? 「自分が完全に支配する試合になると思っている。彼のテイクダウンを防ぎ、圧力をかけ、もしテイクダウンされてもポジションを逆転させることができるだろう。でも、何よりも彼にダメージを与えるつもりだ。レベルの違いを見せつけたい。アンソニーをボコボコにして、次のステップに進むんだ」 ──日本のファンにメッセージをお願いします。 「U-NEXTで試合を見てくれる皆さん、応援してくれる皆さん、本当にありがとうございます! いつか日本の皆さんに直接お会いできるのを楽しみにしています」 ──これまで日本に来たことはないのですよね。 「それが飛行機が好きじゃなくて(苦笑)。アメリカも広いけど、基本的には車移動が多いんだ。でも、フロリダからシアトルみたいな距離なら飛行機を使うよ。試合のためには飛行機に乗るけど、家族旅行や休暇ではドライブさ!」 [nextpage] アンソニー・ヘルナンデス「俺は組んでも抱きついたりしない。人を傷つけようとする」 ──前回のブレンダン・アレンとの試合を振り返って。 「LFAでの試合のときは、肋骨周辺を肉離れしたような感じだった。拳を怪我してフルでは打てなかったから、ミットも打てなかった。合宿ではずっと、ジョギングをしたり、実技のポジションについて話したりするだけだった。でも誰も僕を止められないと思っていた。あの試合にはうんざりしていたよ。でも、スクランブラーになったんだ。今は自分が何をしているのか理解できているから、楽しみだよ」 ──ともにグラップラーとしてどのように進化した? 「間違いなく僕ら2人は同じような傾向を持っている。僕はそれを生かすつもりだし、一日の終わりには、もうヘトヘトだった彼を精神的に壊したんだ。疲れ果てた。今回の体調は万全だし、戦争に行く準備はできてる。  あれから彼はどこも良くなっている。前回、初めて戦ったときに俺が失敗したと感じたところは、すべてそうだ。今はそれが理解できたし、どうすればそれを封じられるかも理解できた。だから素晴らしいパフォーマンスをするつもりだ。  俺は組んでもハグはしない。人を傷つけようとする。肋骨を折ったり、顔を切ったりするんだ。意地悪なんだ。俺は頭を叩く。ブレンダンは優れたレスラーで、グラップラーでもある。前回のようにクレイジーな展開が予想されるし、ただ立ってキックボクシングをするだけかもしれない。そのどれも準備はしてきた。  戦いになることは分かっている。彼はタフなクソガキだった。だから、それが何であれ、どっちが勝つかな。  戦争になるっていうのは……ファイターなら誰だって、そこに乗り込んで、炎と炎で戦うことに抵抗はないだろう。でも、あそこに入って無傷で済む可能性は低い。そこで打撃を交えないといけない。殴り合いをしなければならない。試合に出て無傷で帰れるとは思っていない。それはいつも肋骨が折れているような状態さ。試合後のシャワーは最悪だ。マットで火傷した後、シャワーを浴びるんだ。それがファイトさ」 ──今後については? 「いまはこの試合だけを見ている。これが最大の戦いだからだ。重要なんだ。分かるか? この男を仕留めよう。UFCにはプランがあるんだ。ランキングに入ってないヤツがどのように戦うかを見てきただろ? タイミングが合えば、僕にチャンスをくれる。何があっても準備は万端だ。俺はDDP(ドリカス・デュ・プレシ)と戦いたいんだ。俺はその試合をするはずだったんだ。そのとき、俺は“ドープ”だった。俺はイエスと言うよ。俺にはあいつを倒すスキルがある。みんな『彼は息が上がっているように見える』って言うんだ。わかるだろ? 彼は不器用だから、みんなを混乱させるんだ。  でも今はブランドン・アレンだけだ。正直、誰とでも戦うよ。誰とも戦うことを恐れないように戦うよ。ダナは一つの数字を知っている。番号をね。もし呼ばれたら、怪我がない限りイエスと言うよ」
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