ダイキ・ライトイヤーが蹴り上げ効かせて野瀬にスプリット判定勝ち。環太平洋バンタム級王者に
▼環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント決勝戦 5分3R
〇ダイキライトイヤー(修斗GYM神戸)
[判定2-1] ※29-28×2, 28-29
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)1位
9月からスタートした「環太平洋バンタム級チャンピオン決定トーナメント」決勝戦、野瀬翔平(同級1位/マスタージャパン福岡)vsダイキライトイヤー(修斗GYM神戸)の一戦。
『ROAD TO UFC』や『RIZIN』にも出場経験のある野瀬は、初戦で人見礼王(修斗GYM東京)と対戦。1ラウンドは得意のサブミッションで攻め立てたが人見に凌がれ続け、2ラウンドに入ると逆にパンチを被弾し一転窮地へ。あわや逆転KO負けかと思われたが、ダブルレッグテイクダウンからの大逆転のキムラロックで見事勝利。決勝へと駒を進めた。
対するダイキは初戦の相手だった川北晏生(TRIBE TOKYO MMA)の直前の欠場で戦わずして決勝進出。今回、地元関西でのタイトル戦で燃えない訳がない。3月のRIZINでは金太郎に判定負けしたダイキだが、”To infinity, and beyond!!”。今回、不本意な形での決勝進出となるが運も味方につけたダイキライトイヤーが初戴冠を目指す。
大激戦の末、勝ち上がった野瀬と、ノーダメージのダイキ。寝技なら野瀬。打撃ならダイキ。いずれにしても激戦の予感プンプンするトーナメント決勝戦で伝統のベルトを巻くのは野瀬か、ダイキか。
1R、サウスポー構えの野瀬に、オーソドックス構えのダイキ。野瀬の入りに右の蹴りはダイキ。野瀬はかわしてすぐに詰めてダブルレッグへ。右ヒザを狙うダイキは切ってシングルレッグで右に頭を出して押し込み。そこに野瀬はギロチンチョークへ。
アームインで絞めてクローズドでグラウンドに引き込むと、首をずらしたダイキに、いったん足を解いてダイキの右腕の上から足を組み直すが、ヒジを曲げて足を解かせたダイキ。なおもアームインギロチンの野瀬は足をクローズドに組み直して絞め。
足を解いて下から跳ね上げてスイープしてトップに。ここでダイキは両足を間に入れてフックガード。野瀬は中腰になりパウンド。ダイキは野瀬の左足を手繰りつつ、蹴り上げ、草刈狙いも、足をさばく野瀬がパスガード。一瞬サイドも、腰を切るダイキがガードに戻してギロチンのプレッシャーをかけながら上体を金網に立てて立ち上がりに。
首を抜く野瀬は、金網背に座るダイキの首を上から抱え、左で差すダイキを右小手で潰しながら寝かせて左前腕で首を押し込み、マウント、パウンド、ヒジ、脇を開けさせ肩固め狙い。
下のダイキはケージを蹴ってシザースを狙うが、野瀬は脇にかけさせず、右のパウンド。そのスペースで足を戻して蹴り上げのダイキをかわしてパス狙い。ダイキも亀になって立とうとするが、バックマウントにつこうとする野瀬は、ヒジを落として足を四の字ロック。ダイキの向き直りにオタツロックからツイスター、ワンハンドでリアネイキドチョークを狙う。野瀬のラウンドに。野瀬は鼻から出血。
2R、オーソから長い右を突くダイキは、右ミドルも。その打ち終わりにシングルレッグからダブルレッグテイクダウンの野瀬。ダイキは蹴り上げ狙いも、野瀬は足をさばいてハーフに。右で差して脇に頭を突っ込もうとする野瀬に、足を効かせてフルガードに戻すダイキ。
中腰になる野瀬は右のパウンド。しかし蹴り上げを効かせたダイキは、野瀬の足のさばきにさらに右踵のペダラーダ! 野瀬の右腕を掴んで崩すとオモプラッタ狙い。煽られ中央に戻る野瀬に下からヒジ! しかし、野瀬は足をさばいてマウントに!
背中を着かせた野瀬は、左右のパウンドを落としながら、脇を開けさせて腕十字へ。その瞬間にダイキはヒジを抜いて立ち上がり。亀になる野瀬にヒザ蹴り。すぐに立ち上がる野瀬にヒザを突く。
組み付く野瀬はケージまでドライブして、シングルレッグで押し込み。ヒジを打ちながらも下になるダイキ。野瀬は半身のダイキをハーフのトップから押さえ込みホーン。蹴り上げ踵落としのダメージはダイキ。ポジションニング、コントロール、細かい打撃は野瀬。
3R、ダイキは右の前蹴り、その蹴り足を掴む野瀬は、足を抜くダイキの左ストレートの打ち終わりにダブルレッグ、ケージに押し込む。
金網背にダイキはキムラクラッチで崩して立ち上がり。野瀬を突き放す。スタンド。野瀬の右ジャブに、ダイキは右ストレート、インロー。サウスポー構えから前手の右フックを当てた野瀬は前進。
ダブルレッグでケージまでドライブ。金網で立つダイキにシングルレッグに引き出して崩す野瀬に、ダイキはスプロール、立ち際にヒザを突いて金網に押し込みワンツー!
右を振る野瀬をかわして右ストレートを打ち込むダイキに野瀬は左回りに。ワンツーを振る野瀬にダイキは右の高いヒザ。
互いに見合うなか、右で飛び込む野瀬の打ち終わりに右フックを当てるダイキ、野瀬は鼻血。ダイキの右ハイに野瀬はガード。ともにローの蹴り合いから、野瀬は右前手フック。ダイキのワンツーシスリーの連打を辛うじてかわす。
左の相打ち、右の相打ちはダイキが当てる。ともに単発で苦しい展開。右インローと右ストレートを当てるダイキは笑顔を見せると、野瀬も右ジャブ。左フックは空振り、ダイキは右ストレートから左フック。野瀬は右ジャブ。ダイキの右をかわして左からダブルレッグへ。右に回りスプロールするダイキは亀で押し込もうとする野瀬に左ヒジ! さらに中腰になると野瀬の頭を押さえてアッパー。左のダブル!
野瀬の右に右のクロスを合わせると、野瀬の鼻血が多くなる。野瀬も右フックをダブルで突いて前進。ダイキは左フックの内側に右ストレートを突いて右回り。
右の突き合い、野瀬は左を振って組みに行くが突き放すダイキが、右ボディ、右カーフ、ワンツー。下がらず前に出る野瀬が右フックを打ち返し、左ストレート! しかし、笑顔のダイキも右ストレートを返し、両手を広げて効いてないとアピール。野瀬も同じく両手を広げて右から左を振る。ダイキは頭を下げての右フックを突いて右ボディも。右に回りながら追ってくる野瀬に右を突いて、最後に追った野瀬が右を振ってホーン。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)でダイキが勝利。修斗環太平洋バンタム級のベルトを腰に巻いた。
スプリット判定勝ちで第13代環太平洋バンタム級王者となったダイキは、ケージの中で「まず初めに、結果もロクに出してこれず、ランキングにも入ってない自分を信じてずっとついてきてくれてありがとう。ホンマにみんなのおかげだと思っている。こんな自分でもチャンピオンになることができました。諦めなければ夢が叶うというのを証明できました。いろいろ悩んでいる方もいると思うんですけど、自分を信じて諦めずに何事も頑張っていってください。修斗をやってきてよかった。ありがとう」と語り、最後にキッズ修斗でも活躍する愛息・坪田璃一と記念撮影に収まった。