肉体改造&首相撲強化で世界トーナメントに挑む原口(C)RISE
2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセイベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』にて行われる「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」に出場する、原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
原口は空手出身で、高校からはボクシングを始めて17歳でプロデビューし、2016年西日本新人王決定トーナメントで準決勝進出。2017年にキックボクシングでプロデビューすると、わずか2戦目でACCELフェザー級王者となり、翌年(2018年)のRoad to RIZINキックトーナメントで優勝。2020年1月にRISEライト級王座に就き、2020年10月には「DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で優勝。
2022年6月の『THE MATCH』では第5代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の山崎秀晃に2R0分33秒、TKO勝ち。2023年3月にはジェレミー・モンテーリョをKOしてISKA世界王座を獲得。GLORYのランカーや推薦選手を次々と撃破し、2024年7月にGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンとの3度目の対決に臨んだが、判定で敗れた。戦績は26勝(17KO)4敗1分。
勝ち上がってきたやつが1番強いのでその選手とできたら
――トーナメントまで後1週間と迫りましたが、心身ともに整ってきていますか?
「体は整っているんですけど、気持ちの方は整っているというか自分の全てを受け入れているので、ありのままの自分で戦える気持ちにはなっていますね。いろんな恐怖感とか楽しみもあるんですけど、全部ひっくるめて自分のままで戦いたいなと思っています」
――先日行われたRISE184の会場には同じトーナメントに出場されるペポシ選手なんかも来場されていて、否が応でもトーナメントへのムードが高まってきたと思うのですがその辺はどう感じていますか?
「ペポシがまさか来るとは思っていなかったです。それでペポシもすごいワクワクしているんだろうなっていうのは伝わったので、いよいよだなって感じがしました。映像では見ましたけど実際には会っていないので、会っていたらもっと“遂にだな”って感じたかもしれないです。
――その会場で行われた小林愛理奈選手の試合は残念ながらオランダのテッサ・デ・コム選手に負けてしまいましたが、同じ国際戦に挑んだということで小林選手の試合から何か学んだことはありますか?
「僕もペッチに3回負けているし、ちょっと負け方が似てたなと思ったんですよね。自分の攻撃は当たるんですよ。小林のパンチも当ててはいたし効いてはいるんですけど、その先がなかなか当てるのが限界みたいな試合内容だったので、俺の時と似ているなと思いました。でも俺も3回負けているし偉そうなことは言えないので、アドバイスというよりかは『一緒に頑張っていこう』っていう風に伝えました。やっぱり改めてフィジカルは大切だなって思いましたね」
――そうなると今回のトーナメントでも“当てたその先に”という事が重要になってきますか?
「そうですね。でもトーナメントなのでフィジカルが大事だけど、良い意味で逃げるテクニックも必要だと思うし、いろんなテクニックができるやつが全てを持っていくのかなと思います。それに関しては自分が1番得意だと思っているし、ミゲールもそういう選手なので、だから俺とミゲールの勝った方が優勝するんじゃないですかね」
――そのミゲールへの対策はバッチリですか?
「対策という対策はしていないです。ミゲールを対策してもチャドとかヴィダレスがいるし、ペッチか白鳥くんもいるし。だから対策というよりかはトーナメントを戦えるような体に仕上げるのが1番良いのかなと思っています。要所要所は対策していますけど、ミゲールもトーナメントだからファイトスタイルを変えてくるかもしれないし、色んなことを想定しながらやっています」
――2018年には今回と同じ会場で4人制のトーナメントを優勝していましたね。
「懐かしいですね(笑)。あの時58kgだったでしょ。言っちゃ悪いけど日本人相手だったから恐怖感もなかったし、2回勝ったけどそんなに体も痛くなかったんですよ。相手も軽いし自分も軽いから今ほど蹴った時の衝撃もなかった。その時とは全然違うけどめちゃくちゃ縁起は良いですよね。幕張では負けていないし」
「チャンヒョン・リーにも負けると思われていたけど圧倒的に勝ったので、幕張は自分の会場かなと思っています」
――その辺の縁起は担ぎたいと思いますか?
「気持ち的には負けている会場よりかは良いですよね(笑)。縁起が悪い会場よりかはいいと思うので、それ以上はそんなに考えていないです」
――1回戦が第9試合で続く準決勝が第13試合にマッチメイクされていて、試合間隔が短いと思うのですがこの辺りについてはいかがでしょうか?
「短い方が良いなと思っていたんですよ。意外に1時間半くらいあるんですけどそんなにいらないですね。熱とか興奮したままノリで行きたいなと思っているので、1時間半でも長いと感じているくらいなので逆にありがたいです」
――もっと短い方が良いって感じですか?
「1時間くらいがベストですね。だから準決勝を勝って決勝くらいのペースが良いのかなと思っています。絶対に体が痛くなるので、そうなる前にやってしまいたいという思いもあったので短くてよかったです」
――トーナメントはRISEルールではなくて、攻撃している限り首相撲がOKというルールですが、このルールに関してはいかがですか?
「前回の俺だったらキツイなと思っていたんですけど、今は首相撲の練習もがっちりやっているので、首相撲では勝てないけど組み返せる技術はだいぶ付いてきていますし、そのルールに関しては問題ないです」
――相手が組みついてきてもそれをクリアして反撃できるところまで持ってきたということですね。
「そこは自然と体が出るくらいまでは練習してきたので大丈夫です」
――チャド・コリンズ選手かヴィダレス選手の試合は、どういう戦いになってどちらが準決勝に上がってくると予想されていますか?
「勝ってほしいのは戦いたいのでチャドなんですけど、ヴィダレスが上がってくる可能性もあるなと思っています。チャドって真っ直ぐ勢いで入ってくるタイプなんですけど、こういうタイプにヴィダレスは合わせるのがすごく上手いんですよ。GLORYでのチクムーサ戦でも、来たところにショートのフックを合わせてKOしていたから、同じような展開になる事もあり得るなと思っています。ほんと分からないですけど、チャドが絶対に勝つとは思えないですね」
――ヴィダレス選手とも拳を合わせてみて、かなりの実力がある選手だというのは分かっていらっしゃると思うのですが、侮れない選手の1人ですよね?
「ヴィダレスはまじで強かったですね。今までの負けた試合以外でだったらヴィダレスが1番強かったです。シンプルにキックボクシングも上手かったし、手打ちのパンチも当たれば誰でも倒れるんちゃうかなってくらい重かったです。ハンドスピードはそんなに速くはないですけど、チャドとやったら噛み合いそうな気がするからヴィダレスが上がる可能性もあります」
――やはり決勝ではペッチ選手と4度目をやりたいですか?それとも誰でもいいですか?
「誰でもいいっすよ(笑)。例えばここでペッチに勝っても、今までに負けた3回はチャラにならないので誰でもいいです。できるのであればペッチと戦いたいけど、いつもみたいに『ペッチと絶対やりたい』みたいな想いはなくて、勝ち上がってきたやつが1番強いのでその選手とできたらいいですね」
――トーナメントを優勝したとしたら、来年はどういう展望を描いていますか?
「俺も考えたんですけどこれ難しいですよね。ミゲールに勝ってチャドに勝ってペッチに勝ったとして、来年はチャドと防衛戦で戦いたいですね。そこはマストでやりたいと考えているんですけど、GLORYの挑戦とかは時が来たらでいいので、チャドとは1回やりたいです」
――その前にまずは当然このトーナメントですよね。
「そうですね。先のことはあまり考えていないです」
――トーナメントや大会自体も、ファンが見てワクワクするような組み合わせだと思うのですが、そういうのを提供することに関してはいかがですか?
「大会自体は凄いと思うんですよ。ただ外国人が多いっていうのもあって、なかなか日本のファンに伝わっていない部分もあるのかなと思います。そこが僕たちの課題でもあると思うし、ガチゆえに分かっていない人が半分くらいいると思うので、そういう所をこれから自分が勝つ事によって変えていきたいです。こういう外国人が集まった試合になるのは俺も初めてだしファンの人も初めてだと思うので。だから俺たちとファンの間に凄さの認知度がちょっと違う部分もあるから、そこは仕方がないと思うので自分が勝って今回のトーナメントが過酷だったっていう事を伝えたいし、キックボクシングが面白いっていう事も伝えたいですね」