キックボクシング
インタビュー

【イノベーション】次の獲物は森井洋介、原口健飛が初のヒジあり5R挑戦「尊敬を込めてノックアウトする」

2019/09/23 18:09

先生との組手でボッコボコにされて、更に連帯責任で2時間のスクワット

――幼少期から空手で輝かしい実績がある原口選手ですが、ここでここまでの半生を改めてお聞かせください。生まれ育ち、家族構成は?

「兵庫県伊丹市がホームタウンです。3コ上の兄貴がいます。空手は、伝統派の道場で5歳から始めました」

――そのきっかけは?

「マンションのポストに入っていたチラシです。僕は嫌だったんですけど、お母さんに無理やり連れていかれました(笑)」

――どんな稽古と試合をされていたのでしょう?

「今思えば怖いくらいに無茶なところでした。当時、凄い強い道場で、チャンピオンが常にいるような日本一クラスのチームで、理不尽なくらい厳しくて」


――理不尽というと?

「大概、日曜日が試合なので、月曜日に会議があるんです。そこで『昨日、優勝した人?』と言われて僕とかが手を上げる。出ればほとんど優勝していたので、僕はいつもそっち側でした。10名出場して2、3名は優勝するような強豪道場でしたが、当然、そうでない道場生がほとんどで、彼らへの説教の後、先生との組手でボッコボコにされて、更に連帯責任で2時間のスクワットをやらされます」

――先生が幼稚園児や小学生をボコボコにして、そこから2時間スクワット?

「しこ立ち2時間、正拳突き2時間というパターンもあります」

――現在なら体罰で告発されてしまうレベルです。

「ですよね(笑)。けど、親公認で両親が写真撮ったりしてるくらいで、問題にはなってなかったですね」

――それに関して反発があった?

「やらされている当時は、納得いかなくて、けど、ひたすら我慢でしたけど、今となっては、アレに耐えることができたから今があるって思えて感謝しています!」


――そんな激しい伝統派道場からフルコンタクト空手に移られた?

「小3で聖武会館に移りました。もう、嘘のように天国で。先生が『褒めて伸ばす』主義で、怒っているのを見たことがないくらいでしたから」

――ここでも無数のタイトルを手にするわけですが、過去一番印象に残っている優勝は?

「それが最近なんすけど、2017年4月の第32回POINT&K.O.全日本空手道選手権大会の優勝ですね。1回戦が120kgの外国人。2回戦が190cm、110kgの外国人、準決勝戦が110kgの日本人。決勝戦が80kgの日本人でなんとか優勝できました」

――POINT&K.O.は、由緒あるフルコン空手のブランドですが、まさかの無差別級?

「はい、30年以上の歴史で最軽量だったらしいです」

――その前には、中学卒業後まもなくプロボクサーになられて、西日本新人王トーナメント準優勝(フライ級)までいかれているわけで、5戦4勝(2KO)1敗という好レコードを残されています。

「有名になってお金を稼ぐにはボクシングかなと思ってやってみましたけど、どうにもこうにも蹴りたくて、そうこうしているうちに那須川天心選手とか派手に活躍しだして、こりゃあキックボクシングもいけるかなと(笑)」

――前述のPOINT&K.O.大会優勝からすぐにプロデビューして、2戦目でACCELフェザー級王者となり、3戦目でRISEのDEAD OR ALIVE 57kgトーナメントに参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者だった内藤大樹選手に接戦の上、判定負けですが、今のところ唯一の黒星がこの試合です。内藤選手は、那須川天心と2度も戦っている日本のトップ級。その後、RIZINのトーナメントに優勝して、K-1世界王者だった大雅とドロー。それがこの2年間に満たない間の出来事なのですから、恐るべきスピードで駆け上がってきた形です。

「いただいたオファーを全部戦い抜いたらいつの間にかここまで来ることができました」

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