減量失敗による体調不良の影響か、4度ものダウンを奪われてTKOで敗れた国崇(C)拳之会
NJKF拳之会主催興行「NJKF 2024 west 5th」
2024年10月27日(日)岡山・マービーふれあいセンター
▼WメインイベントII 日韓国際戦 58kg契約 3分5R ※ヒジあり
×国崇(NJKF拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)
TKO 4R 2分15秒 ※レフェリーストップ
〇ユン・ドクジェ(RAON/韓国/元KTK57kg級王者)
※国崇は計量オーバーにより減点2、グローブハンデ
今回、大トリに組まれたのは、4月の復帰戦でKO勝利した国崇の国際戦。当初予定されていた対戦相手クァク・リョンピョの負傷により、RAONジムのユン・ドクジェとの対戦となった。ユンはこれまでにKTK57kg級、MAX FC55kg級のタイトルを獲得しており、昨年9月のNJKF大阪大会でJyoseiをハイキックでKOしている他、韓国では竹内賢一、MOMOTAROに勝利している強豪。2019年にはRISEにも参戦し、鈴木真彦と対戦している。セコンドには同門のチャンヒョン・リーがついた。
連勝が期待された国崇だったが、前日計量で760グラムオーバーとなり、計量をパスできず。競技の結果、2点減点及びグローブハンデのペナルティーが科された上での試合決行となった。国崇は2000年のデビューから108戦目で初の体重オーバー。拳之会の小川春彦会長によると、「アマチュアも合わせて200戦以上の中でも初めて」という。
その会長の「倒すしかないからな!」という声を背に試合に臨んだ国崇だったが、1R、右オーバーハンドと左フックで2つのダウンを食らい絶体絶命に。ローやカーフ、ボディストレートを中心に攻めてくるユンを相手に、やはり本調子でない様子が感じられる。
勝負は時間の問題かとも思われたが、2Rに入ると国崇はローを中心に攻め、得意の左ボディも繰り出す。ユンはボディストレート、ハイキックなどを出し、ややローを嫌がる場面も。
3Rもユンの攻めに対し、国崇はローから左ボディをヒット、ヒジを見せる場面も。3Rまでの判定は30-25、29-25、30-24でユン。
客席からは国崇の逆転勝利を願う声援が飛び交う中、4Rにはローからさらに左ボディを繰り出す国崇だが、ユンはその左ボディに右ヒジを合わせ、またダウンを奪う。さらに右ボディで国崇がうずくまると、レフェリーは試合をストップ。ユンのTKO勝ちとなった。
勝ったユンは、国崇の体重オーバーにも「選手としてはやってはいけないことですけど、あり得ることですし、自分もレジェンドの国崇選手と戦いたかったですし、日本で試合がしたかったので、試合を受けました」とのこと。試合については「レジェンドを相手に緊張しましたが、怯えることなく練習通りに技を出せました。同じRAONジムのイ・ソンヒョン選手やチャンヒョン・リー選手が12月にRISEの大きな大会に出るので、自分もそういう大会に出たいですし、これからも日本で戦いたいです」と語った。
国崇は4月の佐藤亮戦で拳を負傷し、練習できない期間に通常体重が増えたことがオーバーの要因で、そのための調整不足もあったという。2025年の拳之会主催興行はすでに4月20日の岡山コンベンションセンター、10月16日のマービーふれあいセンター大会が発表されているが、ここまで地元興行を引っ張ってきた国崇がどう再起を図るかにも注目される。