MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.52024年10月12日(土)東京・後楽園ホール※U-NEXTにてLIVE配信
▼メインイベント KNOCK OUT-BLACK フェザー級王座決定戦 3分3R延長1R×チュームーシーフー(中国/郭強ファイトクラブ/CFP)延長R 判定1-2 ※10-9、9-10×2〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)※栗秋が新王座に就く。本戦の判定は29-28、29-29×2。
チュームーシーフーは中国の少数民族であり戦闘民族として知られる「イ族」の出身。2022年3月の『武林風』では、過去K-1で武尊と激闘を演じた強豪ワン・ジュングァンと対戦し、判定で惜敗したものの互角の打ち合いを演じた。2023年6月に初来日、龍聖から右フックでダウンを奪い、延長戦で判定負けも龍聖を苦しめて一躍注目を集めた。2024年2月の再来日では久井大夢と対戦し、これも激闘の末にチュームーシーフーが左フックでダウンを奪って勝利している。8月の3度目の来日では元山祐希をハイキックで初回KOした。戦績は27勝(10KO)5敗。
栗秋は九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、飛びヒザ蹴りは一撃必倒のキレと破壊力を秘めている。しかし極度の練習嫌いとして知られ「いかに練習せずに勝つか」をテーマに掲げている変わり種。
2022年7月にTAKERUに判定で敗れたが、10月の『RIZIN』では翔を2Rにハイキックでマットに沈めた。2023年4月に内藤凌太に判定2-1で勝利すると、6月には鮫島大翔を得意の左フックでKO。9月にはK-1 GROUPから乗り込んできた第6代Krushフェザー級王者・玖村修平を初回KOに降して評価を一気に高めたが、2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦で判定負け。4月のシュートボクシングでは山田彪太朗に判定負けと連敗。しかし、6月にKNOCK OUT-UNLIMITEDルールで中村優作を1RでKOし、大きなインパクトを残した。戦績は45勝(25KO)23敗3分。
1R、栗秋が左フックから左ミドル、鋭い右ハイキック、さらに右ミドル、左ボディで快音を響かせる。チュームーシーフーがロープに詰めて左右の連打を見舞うと、栗秋はブロックを固めて左フックを打ち返す。チュームーシーフーの強打をブロックして一発の返しを狙う栗秋。チュームーシーフーの左ハイには栗秋が左ボディ。チュームーシーフーのワンツー、左フック。栗秋はブロックの上を打たせておいて左フックを狙う。栗秋の鋭い右ミドル、左ロー。
2R、チュームーシーフーの前進をテンカオで迎え撃つ栗秋。チュームーシーフーは左ミドルと前蹴り、左フック。強烈な左ハイをガードの上から蹴って左ストレートを打つ。残り時間1分で栗秋が左右フックで打ちに行くが、チュームーシーフーはフック&アッパー。栗秋がヒザを突き刺すとチュームーシーフーは右フック。チュームーシーフーは左右ボディを叩いての左ハイ、右フック。栗秋も左フックで反撃するが鼻血を出す。
3R、両者の左フックが交錯する。チュームーシーフーの左右フックをもらう栗秋だが、負けじと打ち返す。チュームーシーフーの左フックを空振りさせた栗秋が右フック。これにチュームーシーフーの動きが鈍る。このチャンスに攻め込む栗秋だったが、チュームーシーフーは退かずに打ち返す。さらに左ミドル。栗秋の左フックがヒットし、チュームーシーフーがワンツー、右フックを打ち返す。激しい打ち合いとなり、チュームーシーフーは左ミドル、バックハンドブロー。
本戦の判定はドロー、延長戦へ突入する。栗秋は右ミドルを蹴って距離を取る戦法。チュームーシーフーが近付くとテンカオ。チュームーシーフーは右フックを叩きつける。徹底して右ミドルとヒザを蹴る栗秋。チュームーシーフーは左右ストレートでボディを攻めていく。チュームーシーフーが眉間から流血、栗秋も鼻血を出す。右ミドルを連打しながら下がる栗秋。チュームーシーフーも左ミドルを蹴り返す。ブレイクがかかり、レフェリーが離そうとするがチュームーシーフーは前へ向かって行く。栗秋が胴廻し回転蹴りを放ったところで試合終了。
判定は2-1で栗秋が勝利。根性と執念で王座を手にした。チュームーシーフーは両手を広げて判定に抗議し、納得のいかない表情でさっさとリングを降りて行った。
栗秋はマイクを持つと「ベルトを獲ったけれどもう1回だけチュームーシーフーとやりましょう。俺もちゃんとKO出来るように次はしっかり練習してきます。大分から来てくれたお母さん、僕を小さい時から強くしてくれたお兄ちゃん、ありがとう。半年後くらいにもう1回チュームーシーフーと組んでください」と、再戦して完全決着をつけると誓った。
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▼セミファイナル スーパーファイト KNOCK OUT- REDライト級 3分3R延長1R〇重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級王者)延長R 判定3-0 ※10-9×3×マルコス・リオス(アルゼンチン/ISKAムエタイ・アルゼンチン・スーパーライト級王者)※本戦の判定は30-29、28-30、29-29。
重森は16歳でプロデビューし、10戦目で無敗のまま新日本キックボクシング協会の日本バンタム級王者となり、14戦目で初黒星を喫するまで無敗を保った。20歳で日本フェザー級王者となり二階級制覇を達成。2019年7月にWKBA世界ライト級王座を獲得して三階級制覇。2021年7月にはスアレックから勝利を収め、KNOCK OUT-REDライト級王者にも輝いた。
2023年2月、悲願であったラジャダムナンスタジアム王座に挑戦したが、判定負けで奪取ならず。その後は所属を変えて8月のKNOCK OUTに参戦したが、バットマンに判定負け。11月にオープンフィンガーグローブ戦に初挑戦し、ルンペットを2RでTKOに破った。2024年2月の『RWS JAPAN』ではサミンデットに判定負けを喫したが、4月はセーンダオレックから左フックで2度のダウンを奪って勝利すると6月にレンタを破り国内最強を証明。9月には『ONE Friday Fights』に初出場、シン・ドンヒョンにKO勝ちした。戦績は42勝(19KO)8敗6分。
リオスは24歳の若さで70勝(41KO)3敗とキャリアも多く、KO勝ちが多い。これまでスーパーライト級で獲得したタイトルはISKAムエタイ・アルゼンチン王座、WBCムエタイ・アルゼンチン王座など7冠。その強烈無比なファイトスタイルから“WASABI(ワサビ)”のニックネームを持つ。2023年3月に初来日を果たすが、鈴木千裕に初回TKO負け。12月に再来日を果たすとバズーカ巧樹に強烈なヒジでTKO勝ちし、インパクトを残した。しかし、2024年2月の来日ではデンサヤームにTKOで敗れている。
1R、重森は左横蹴りと左ミドル、リオスはもらっても前へ出てフックを振ってくる。首相撲になるとコカす重森。リオスは左ボディを打つと、お返しとばかりに首相撲でコカす。重森の左ミドルに思い切り右ストレートを合わせに来るリオス。すると今度はその右に重森が左の縦ヒジを合わせに行く。強烈な右ボディストレートも打つリオスに重森はサイドキックと左ミドル。
2R、左前蹴りと右ミドルの重森にリオスはバックハンドブローを繰り出し、思い切ったフックで踏み込んでくる。重森の蹴りやパンチをもらっても前へ出てくるリオスに重森はヒザ。横蹴りを突き刺す重森だがリオスの前進は止まらずボディを打ってくる。重森は右ストレート、ヒジで迎え撃つがヒットは奪えない。
3R、ロープ伝いに動く重森に詰めてくるリオス。ボディへのパンチをもらう重森は横蹴り、前蹴りとリオスを突き放しにかかるが、リオスの軸足蹴りに転倒をkる生かす。右ハイを放つ重森にリオスは左フックを叩きつける。左ヒジを打つ重森はジャブを使ってリオスをけん制して試合を終えた。
延長R、重森は左ミドルの連打から組んでのヒザ連打。リオスが近付いてくると横蹴り、左ミドル。下がりながらも左ミドルを蹴り続ける重森はリオスを近づけさせない。それでもリオスは右ボディストレート、右ヒジ。重森の蹴り足をキャッチしてコカす。重森のカウンターの左ミドルでリオスは一瞬動きが止まる。あとは横蹴りとミドルで重森が逃げ切った。
判定は3-0で重森の勝利となった。
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▼第8試合 スーパーファイト KNOCK OUT- BLACK-55.5kg契約 3分3R延長1R〇古木誠也(G1 TEAM TAKAGI/KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-27×2、29-28×國本真義(MEIBUKAI/HOOST CUP日本バンタム級王者)
古木はフルコンタクト空手で多数の優勝・入賞歴があり、持ち前の破壊力で2022年12月に工藤“red”玲央を初回KOしてKNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級王座に就いた。2023年8月、小倉尚也を初回KOで破り王座初防衛に成功。12月に壱・センチャイジムに敗れたが、2024年4月にK-1グループの内田昌に判定勝ち、6月に福田拓海を初回でKO、8月にサンティアゴ・ペルシバルをKOと3連勝を飾り、戦績を10勝(8KO)3敗とした。
國本は26勝(8KO)25敗5分の戦績を持つベテランの國本真義(MEIBUKAI)。アクセル、ホーストカップ、シュートボクシング、REBELS、BOM、RIZINなど様々な団体に出場し、2020年12月にWMCインターコンチネンタルバンタム級王者になった。2024年5月、JOHSEIに判定勝ちでHOOSTCUP日本バンタム級王座に就いて2冠王となっている。
1R、國本はジャブと右ミドル、古木が詰めてくると左インローを蹴る。右の強い前蹴りで前に出た古木は左フックを空振り、すかさず國本が左ミドルを蹴る。左フックが一発入ると嵐のような左右フックの連打を見舞う古木。國本をコーナーへ釘付けにし、左フックを2発クリーンヒットさせたが國本は脱出。
頭を左右に振って前へ出る古木は、今度は顔面ではなく左右ボディを連打、さらに右ロー。しかしタフな國本は左フックを打ち返す。コーナーに詰まって古木の攻撃を受けながらもローや左フックを返す國本。古木の左ボディと左フックにも倒れずに立ち続けた。
2Rも左フック、左ボディを強打する古木だが國本はジャブ、ローを返してくる。ワンツーをもらって古木は前へ出て左ボディを狙い打ち、さらに右フック。タフな國本は全くダメージを見せずにジャブ&ロー。コーナーへ詰めての古木の左右ヒザ蹴りにも受けて右カーフを蹴り返す國本。まるで皇治のような打たれ強さを発揮する。
3R、左右ボディで國本をロープに釘付けにする古木に國本はワンツーを返す。古木のパンチの音に場内からはどよめきが起こるが、國本は平然とパンチ、カーフを打ち返す。古木の左ボディに國本は左フック。しかし、古木の左フックがアゴを打ち抜き、國本の腰が落ちる。一気にラッシュする古木だがそれでも國本は倒れるガードを固めて耐える。
最後まで倒そうと攻めていった古木だが、國本はフラフラになっても耐え、試合終了のゴング。國本のガッツに大きな拍手が沸き起こった。判定は当然3-0で古木の勝利となった。
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▼第7試合 KNOCK OUT- BLACK女子-48.0kg契約 3分3R延長1R〇ぱんちゃん璃奈(フリー/初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級&アトム級王者)判定2-0 ※28-28、29-27、30-28×美伶(WARRIOR OSAKA)
ぱんちゃんは2019年2月にプロデビュー。無敗の快進撃を続け、2020年8月にREBELS-BLACK女子46kg級初代王座(REBELSとKNOCK OUTの統合により現在はKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)、2022年3月にはKNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座に就き二階級制覇を達成。2024年3月のK-1でRISEの平岡琴に勝つなど無敗の快進撃を続けていたが、5月の『巌流島バーチャルファイト』でルシア・アプデルガリムに判定2-0でプロ初黒星を喫した。6月のKNOCK OUTで同じアルゼンチンのアイリン・ゴンザレスに判定勝ちで再起。戦績は16勝(4KO)1敗。
美伶は空手時代は様々な大会で実績を残し、2019年11月のKrush大阪大会でプロデビュー。2021年12月4日、K-1大阪大会で元Krush女子ミニマム級王者・高梨knuckle美穂とわずか3戦目にして延長戦にもつれ込む互角の戦いを繰り広げ、初黒星も評価を上げた。その後は真美、Yuka☆とミネルヴァ王者になった2人を撃破。戦績は4勝(1KO)1敗。
美伶は、計量リミットの14:00までに2.35kgオーバーで計量をパスすることが出来なかった。これを受け、KNOCK OUT事務局が両選手サイドと協議した結果、以下の形にて双方合意の上、試合を実施することが決定。
①第1R、美伶は減点2から試合開始。②ぱんちゃんは6オンス、美伶は8オンス着用のグローブハンデとなる(本来は双方とも6オンス)。③美伶はファイトマネーから30%減額。④美伶が勝った場合はノーコンテスト。ぱんちゃんが勝利した場合のみ公式記録となる。
1R、ぱんちゃんはジャブを突き、美伶がパンチを出しながら前進してくると覆いかぶさるようにして組みつき、ヒザを蹴り上げる。美伶の左フックをもらったぱんちゃんだが、落ち着いてジャブを突く。
2R、美伶が入ってくるところにぱんちゃんは先にワンツーを打ち、組んでのヒザを突き刺す。離れ際に美伶の左フックもらう場面もあったぱんちゃんだが、以後はワンツーからのヒザを徹底し、前蹴りでも突き放す。
3R、美伶の左フックをもらってグラついたぱんちゃんへ、美伶がつかんでの左ヒザをアゴへ突き上げる。ピンチに陥ったぱんちゃんだが、ジャブと前蹴りで立て直し、再びワンツーで先手をとってのヒザに持ち込む。終盤は前蹴りを放っていくぱんちゃん。
判定は美伶の減点2もあり、判定2-0でぱんちゃんの勝利に。ぱんちゃんは左目を気にしつつ、納得いかない内容に悔し涙を流した。
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▼第6試合 KNOCK OUT OFG-RED女子スーパーバンタム級 3分3R延長1R×鈴木万李弥(クロスポイント吉祥寺)判定0-2 ※29-30、29-29、28-29〇ルークナーム・コーコムキョウ(タイ)
鈴木は空手のバックボーンを持ち、2016年にキックボクシングでプロデビュー。MMAでは2勝3敗の二刀流ファイターとして活躍し、エキシビションマッチながら中井りんとも対戦経験を持つ。流血もいとわない激しいファイトを信条とし、付いたキャッチフレーズは“流血のマドンナ”。そのルックスも含めて多くのファンからの人気を集めている。
K-1 GROUPには2022年3月から参戦。クロスポイント吉祥寺に移籍して2023年7月に1年1カ月ぶりの試合を行ったが、☆SAHO☆に敗れK-1グループで初黒星。10月の「第6代Krush女子フライ級王座決定トーナメント」では準決勝で麻央に敗れ連敗を喫したが、2024年4月のKNOCK OUTでNA☆NAに勝利。戦績は11勝(3KO)7敗。
ルークナームはWPMF女子バンタム級王座、2023年LWC SUPER CHAMP女子バンタム級トーナメント優勝などの実績を持ち、2024年5月の『ONE Friday Fights 62』ではチャパウゲーウに勝利している。日本人選手とは2017年3月に佐々木蝶里と対戦して判定勝ち。
1R、前へ出てくるルークナームに鈴木はジャブ、ルークナームもジャブを強く打つ。鈴木は右フックも被せに行き、前蹴りでボディを蹴る。ルークナームが首相撲からヒジ、ヒザに来ると鈴木はルークナームの顔を押して動きを封じる。
2R、鈴木が前へ出て左右フックを振るう。ルークナームはジャブ、前蹴り。鈴木を首相撲に捕まえるとヒザ蹴りを連打する。この首相撲に押された鈴木だが、パンチを出して前へ出る。
3R、前蹴りを多用するルークナームに鈴木はパンチでのアタックを繰り返す。右フックがルークナームを捉えるが、ルークナームは打たれっぱなしにならずパンチを返していく。最後にルークナームが首相撲に捕まえてのヒザ蹴り連打。このヒザを一方的にもらってしまった鈴木。
判定は2-0でルークナームが勝利を収めた。
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▼第5試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇渡部太基(TEAM TEPPEN/第4代Krushウェルター級王者)KO 1R 2分59秒 ※3ノックダウン×西川康平(8ball fitness)※渡部が決勝へ進出。
渡部は藤原ジム所属として2006年3月に全日本キックでプロデビュー。Krush、M-1、REBELS、RISEなど様々なリングで活躍し、2011年1月にトーナメントで優勝して初代WPMF日本ウェルター級王者となり、2016年1月にはKrush同級王座を奪取。2024年で引退することを表明し、2月に漁鬼に判定負け、4月はCAZ JANJIRAにKO勝ち、6月は小川悠太に延長戦の末に判定負け。戦績は25勝(14KO)31敗2分。
西川はK-1甲子園やJ-NETWORKで頭角を表したサウスポーで、2011年からKrushに参戦。2016年3月にはK-1に出場して勝利を収め、2017年3月には木村“フィリップ”ミノルにKO勝ちを収めている。一時引退していたが2023年4月にKNOCK OUTで復帰、中島弘貴にKO負けを喫した。戦績は10勝(5KO)13敗。
1R、ローとカーフの蹴り合いからスタート。この蹴り合いに渡部が乗ってくると、西川は渡部のローに右フックを合わせに行く。この西川のフックにグラつく渡部だが、左右フックで前へ出ると右フックでダウンを奪う。
畳みかける渡部が右フックで2度目のダウンを奪い、崖っぷちに追い込まれた西川だが、逃げずに打ち合って左フックでダウンを奪い返す。さらに打ち合いを繰り広げる両者に場内はヒートアップ。渡部がローを蹴ろうとしたところに西川が右を合わせ、渡部はスリップ気味に2度目のダウン。
あと1度のダウンで両者ともKO負けの状況に場内は大きく沸く。ダウンすることを全く恐れずに両者とも打ち合いに行き、最後は渡部が左フックでダウンを奪い、激闘にケリをつけた。
大歓声に包まれる中、渡部は「めっちゃ焦った。西川君、強かった。ありがとう。漢気ある選手とバチバチ殴り合えて楽しかったです。今回トーナメントということで12月30日、横浜武道館、決勝、ぜひ来てください。中島選手も凄いいいh試合したっぽいですけれど、俺もいいおっさんですけれど負けじと頑張るので」と語ると、「デビューしてからずっと後楽園で試合をしてきて…後楽園ホールありがとう。最後必ずベルトを巻いて引退するので最後の応援をよろしくお願いします」と声を詰まらせながら話した。
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▼第4試合 KNOCK OUT-BLACK ウェルター級王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R×漁鬼(SHINE沖縄/TENKAICHIウェルター級王者)判定0-3 ※28-30×2、29-28〇中島 玲(フリー)※中島が決勝へ進出。
漁鬼は沖縄のアグレッシブファイターで、TENKAICHIウェルター級王者、BEAST同級王者。2022年7月にKNOCK OUTに初参戦すると中島弘貴を破り、2024年2月には渡部太基にも勝利。6月のエミール・アラゾフ戦では判定負けした。戦績は7勝(2KO)5敗1分。
中島は2019年にボクシングでプロデビュー。2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者・細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦でTKO勝ち。2024年1月9日にボクシングで最後の試合を行い、6勝(1KO)2敗の戦績を残してキックボクシングに転向した。3月20日の『K-1 WORLD MAX』でヴィクトル・アキモフにKO負けも、6月のKNOCK OUT初参戦でKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者・バズーカ巧樹をTKOに破った。
1R、漁鬼のミドルに左ボディ、左フックを返す中島。左ボディから左フックのダブルにはどよめきが起こる。しかし漁鬼もパンチで打たれっぱなしにはならず、一発を強く打つ中島に2連打、3連打を返す。
2R、右ローを狙い撃ちする漁鬼は中島が左フックを放ってきたところに右の打ち下ろしを合わせてダウンを奪う。中島は左ボディを強打していき、漁鬼の身体を丸めさせていくと左フックで漁鬼をグラつかせ、右フックでダウンを奪い返す。場内は声援で大爆発。
3Rも強打をボディと顔面へ放っていく中島。漁鬼もところどころで打ち合い、ハイやミドルを蹴る。声を上げながら右フック、左ボディを強打する中島。そのたびに大歓声があがる。漁鬼も負けじと打ち合い、蹴りを出すが中島の強打のインパクトがとてつもなく強い。
判定3-0で中島が激戦を制し、決勝へコマを進めた。
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▼第3試合 KNOCK OUT- BLACK女子-57.0kg契約 3分3R延長1R〇浅井春香(フリー/NJKFミネルヴァ スーパーバンタム級王者)KO 3R 2分45秒 ※3ノックダウン×小倉えりか(My Way Spirits)
浅井は2020年2月、空手こまちにカウンターを決めてダウンを奪いJ-GIRLS王者になると、韓国と中国で連敗を喫したが同年8月のJ-NETWORKでISKA四冠王エルナ・オブ・スウェーデンに判定勝ち。11月には☆SAHO☆に敗れたが、2020年1月に鈴木万李弥に判定勝ち、9月のRISEに初参戦すると村上悠佳に判定勝ち、2021年5月にはプロ無敗だったKAEDEを破り、ミネルヴァ王座も獲得した。2022年5月にはMARIAとドローながら初防衛にも成功している。9月には北川柚に勝利し、2023年3月にはMARIAとの再戦もドローで2度目の防衛に成功。
1R、左右に構えをスイッチして蹴り中心の小椋に、浅井は得意の右ストレートを次々とヒットさせていく。右の連打でロープ際まで追いつめる。前蹴りも上手く使って小倉の蹴りに対抗。
2Rも右中心に攻めていく浅井に小倉もパンチを出す。浅井は左ミドルを蹴ってからの右ストレートを連発。小倉のパンチも被弾するが、押していくのは浅井だ。
3R、入るタイミングを左ミドルを蹴りながらうかがっていた浅井は、右が当たると一気に連打をまとめて右フックでダウンを奪う。立ち上がった小倉は左目上から流血。さらに連打で前へ出る浅井に小倉が転倒したところで2度目のダウンがコールされる。
小倉はドクターチェック。最後は浅井が連打をまとめ、一方的になったところでレフェリーが試合をストップした。
浅井はマイクを持つと「アツくなっちゃってパンチがグチャグチャになっちゃたんですけれどちゃんと出来るように練習しているのでこれからも注目してください」と語った。
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▼第2試合 KNOCK OUT- REDスーパーウェルター級 3分3R延長1R〇MASATO BRAVELY(BRAVELY GYM/元WPMF日本ウェルター級王者)判定3-0 ※29-28×2、30-29×高橋幸光(飯伏プロレス研究所)
MASATOは九州で腕を磨き、WPMF日本ウェルター級王座、M-1 JAPANスーパーウェルター級王座を獲得。KNOCK OUTでは渡慶次幸平、津崎善郎に敗れているが2023年11月にはクンタップに勝利。2024年6月には杉原新也に判定勝ち。戦績は12勝8敗3分。
対する高橋はテコンドーとムエタイを融合させた独特なスタイルでこれまでにJ-NETWORK、MA日本キックの2本のベルトを獲得、さらに2021年9月のBOMではKJヒロシを下してWMC日本スーパーライト級王座を奪取。そして同年12月には水落洋祐を4RKOで下してBOMウェルター級王者に輝いた。2023年にはRWSの世界トーナメントに出場している。今年3月にはプロレスラーとしてもデビューした。戦績は40勝(12KO)23敗5分1無効試合。
1R、試合開始のゴングが鳴っても高橋はコーナーを出ず見栄を切るように立つ。サウスポーの高橋にMASATOは右ロー、右ミドル。様子を見る高橋はいきなり左の縦ヒジで飛び込んだ。
2R、高橋が左ミドルを蹴るとMASATOは右ハイをすぐに返す。さらにMASATOは右ミドルを蹴っての左ストレート。両者とも手数が少なく、警告を受ける。高橋は左の縦ヒジ狙い。MASATOも左縦ヒジを打つ。
3R、高橋の突き刺すテンカオに対し、MASATOが右ミドルを連打。その右ミドルを蹴ってからの突き刺すような右ストレートで高橋が大きくのけ反る。高橋も左ミドルを蹴り、首相撲でMASATOをコカすが、手数が足りない。
判定3-0でMASATOが勝利した。
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▼第1試合 KNOCK OUT- BLACKライト級 3分3R延長1R〇大谷翔司(スクランブル渋谷/元JAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王者)KO 3R 1分31秒 ※右ストレート×宮本雅大(ハーデスワークアウトジム/BOM 67kg王者)
大谷は陸上自衛隊徒手格闘部隊出身。2016年にデビューし、2020年8月にJAPAN KICKBOXING INNOVATIONライト級王座に就いた。12月にはKNOCK OUT-BLACKライト級王者バズーカ巧樹に勝利も、2021年5月のタイトルマッチでの再戦では判定負け。2022年4月には『RIZIN TRIGGER 3rd』で初回KO勝ちも、7月には梅野源治に3RでTKO負け。12月には庄司啓馬にKO勝ちで再起を果たすと2023年4月に力斗にKO勝ち。6月はKrushに乗り込んで児玉兼慎から判定勝ちしたが、9月のKNOCK OUT-BLACKライト級王座決定戦で久井大夢に敗れた。12月には再びKrushで大沢文也に延長戦の末に勝利、2024年2月はキム・ウスンに初回TKO勝ちするも、2024年6月にセーンダオレックにTKO負けとなった。戦績は19勝(10KO)10敗3分。
1R、サウスポーの宮本は左ミドル、大谷は右ローを蹴っていく。大谷は宮本の蹴り足をキャッチしての攻撃を多用。左ミドルで快音を響かせ、右ボディストレートも打つ。宮本は左ロー。
2R、蹴りからパンチにつなげる宮本は左ストレートを繰り出し、大谷は戦いにくそうな場面もあったが、右ストレートからの左フックを多用。ラウンド終了間際にロープへ詰めての右ストレートでダウンを奪い、ゴング後ということで認められなかったが右ストレートでダウンさせる。
3R、前に出る宮本と打ち合いに行く大谷は右ストレート、左フックをヒット。打ち合う宮本に右ストレートを打ち抜き、鮮やかなKO勝ちを飾った。
大谷はマイクを持つと「ポジティブな第1試合で。前回負けて気分が落ちているときに火付け役として仕事を与えてくれたことに感謝します。さらにKNOCK OUTが好きになりました。何とか倒し切れたって感じで満足できなかったんですけれど、これからの僕の成長に期待してください」と語り、亡くなった友に絶対に王者になると誓った。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 KNOCK OUT-REDフェザー級 3分3R〇富田エレデネ(クロスポイント吉祥寺)判定3-0 ※30-28、30-27×2×佐藤優樹(Katana Gym)