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2024年9月29日(日)『RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)が行われた。
第10試合のセミファイナルでは「RIZINバンタム級(61.0kg)王座決定戦」として、井上直樹(Kill Cliff FC)とキム・スーチョル(ROAD GYM WONJU MMA)が対戦。
試合は、前に出るスーチョルに、井上は巧みなステップとサークリングで、下がりながらも左ジャブ、左フックで迎撃。スーチョルが前に出てきたところに、井上が左フックを当てて、最後はワンツーの右でダウンを奪い、ラッシュ。連打を避けようとしたスーチョルの身体がロープ間に出て、レフェリーが試合をストップした。
1R 3分55秒、井上直樹がTKO勝ち。RIZINバンタム級のベルトを巻いた。
試合後、井上は大晦日参戦を希望。会見では「今日勝った元谷友貴選手と再戦するのもいいと思いますし、他にも強い選手たくさんいると思うので“ここからスタート」と防衛戦を語った。
🇯🇵 NAOKI INOUE IS THE NEW RIZIN BANTAMWEIGHT CHAMPION!
— RIZIN.tv (@RIZINTV_) September 29, 2024
⚡ He stops Soo Chul Kim in the first round!
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また、初めて日本人相手に黒星を喫したスーチョルは「インファイトで臨もうとすると、井上選手はジャブでワンツーを打ってきて距離を開けることが巧みだった。自分の攻撃パターンをよく読んでいる気がしました」と敗因を語った。
井上「元谷選手と再戦するのもいいし、ほかにも強い選手はいる」
──見事なKO勝利で新王者となりました。率直な感想をお聞かせください。
「嬉しいです。いつもの試合より嬉しいな、っていう気持ちはあります」
──いつも通りの声のトーンですが気持ちはいつもより嬉しいのですね。
「そうですね(笑)。リング内でもコーチの方々がすごく喜んでくれたので、そういうのも含めて、“チャンピオンになったんだな”という嬉しい気持ちがそこでもこみ上げてきて、ちょっと落ち着いた感じです、今は」
──スーチョル選手の対戦前のイメージと違った部分など、感じたことがあったら教えてください。
「そのままのイメージで、うまくハマったなという感じでした」
──決まり手となったアゴへのパンチは作戦どおりでしたか?
「そうですね」
──その辺の具体的なプランや作戦を少し教えていただけますか。
「まあ、(前に出て)来るだろうなというものが分かっていたので、全部アゴに合わせる練習をずっとしてきました。水垣(偉弥)さんを使って、水垣さんが頑張ってくれました(笑)。仮想スーチョルでアゴが壊れそうなくらいちょっとやっちゃいました」
──水垣さんはご健在ですよね
「生きてます(笑)」
──水垣さんが「仮想スーチョル」とのことで、前に出てきて一撃もあって、スーチョル役にピッタリだと思いました。ご本人としても、トレーニングしてそう感じましたか?
「水垣さんは……体力は全然ないんで、まあ軽いマスにはなるんですけど、それでも結構ガツガツ来てくれて。本当に、一番多分、頑張ってくれたんじゃないかというふうに思います、ありがとうございます」
──日本人選手にとって難攻不落のスーチョル選手に、ジャブを当てることは今までもできていたとしても下がってくれませんでした。よりジャブを効果的に、効き目のある形で打とうと心がけていたということですか?
「ジャブは目のあたりを狙っていて。それで、顔のなかで打ち分ける練習もしていて。だから別に顎を上げさせるわけではなかったんですけど、しっかりジャブを打って(相手の)目が見えなくなってきたところでしっかりフックを狙って、みたいなイメージでしたね」
──相手にジャブを額で受けさせないように、目を?
「そうですね(額あたり囲って)この辺が固そうだったので、テンプルとかは狙わず、目と鼻を狙ってて、来たところでフックを顎に合わせる、みたいな」
──アゴを撃ち抜く練習をしてきたということでしたが、グラウンドになる展開は考えてなかったですか?
「グラウンドも全然考えていて、判定まで行くつもりで試合は組み立ててきていますし、そのなかでうまくハマったものがあったから、それで決まったって感じですかね」
──1Rで試合が終わることはそこまで想定していなかったですか?
「試合のなかで、そうなったという感じでした。そう決めたというか、決まり手があったからそういうふうになったという感じでした」
──最後に畳み掛けてサイドバックになったときにチョークなりの寝技を考えずに、パウンドで仕留めようと?
「チョークを狙おうと思ったのですけどしっかりディフェンスしていたので、まだ生きていると思い、パウンドに切り替えました」
──練習仲間の高木凌選手の試合はどのように見ていましたか?
「ちょっと見てないんですよね、バンデージ巻いていて。あとで見返したいと思います」
──ベルトを巻いた感触はいかがですか?
「感触……、感触? まあ、重いなっていうんですかね(笑)。重みがあるなって感じです」
──イメージ通りですか? イメージとはちょっと違いますか?
「(ベルトを見やり)……いやあ、何とも。これを持ったからといって、RIZINでトップの選手っていう証明にはなると思いますけど、まだまだ強い選手がたくさんいると思うので。本当にここからだなっていう、ここからまたレベルアップしていかないといけないと思います」
──レベルアップした先にどんなチャンピオン像を思い描いていますか?
「しっかり防衛して海外の選手ともたくさんやっていければいいかなと思います」
──王者になってRIZINの顔と言えます。フェザー級王者の鈴木千裕選手は王者になって、イベントなど話す場が多くなりました。井上選手にそう言う機会が増える心構えは?
「それは、RIZIN側が(トークが苦手なことを)一番よく分かっていると思うので(笑)。まあ、分かってると思います」
──トークも磨いていく?
「まあ、ちょっとそうですね。ネタがあれば。頑張ります」
──RIZINバンタム級のベルトは一度も防衛されたことがないのをご存知ですか?
「あ、そうなんですか(笑)」
──返上や剥奪が続いています。井上選手が防衛すると、初防衛になります。
「防衛するつもりでリング立ってたんで、マイクもその通りだと思うので、しっかりそのつもりでいます」
──さて、これでバンタム級新王者となりました。リング上で大晦日の話も出ましたが、今後の目標・展望をお話いただけますか。
「チャンピオンになって、ちょっと目が腫れているくらいなので全然試合もできると思いますし、大晦日っていう舞台で、去年は大晦日に出られなかったので今年は出られたらいいなと思います。もし相手がいれば、ですけど」
──具体的な名前は出さない? 特に決まっていないということですか。
「誰がいるか分からないんで(笑)。誰ができるか。今日勝った元谷(友貴)選手と再戦するのもいいと思いますし、他にも強い選手たくさんいると思うので。まあ、“ここからスタートだな”っていう感じですね」
──ところで、困ったときに水垣さんの名前をいつも出すのはちょっとズルイと思うのですが(笑)。
「いえ、ハハハ(笑)。本当に今回は水垣さんのおかげなので」