モイカノ「キョージのグラップリングは正直、素晴らしい」
地元フランス陸軍で特殊作戦旅団隷下の第1海兵歩兵落下傘連隊としてエリート軍人だったサンデニと対戦する、ATTのヘナート・モイカノに聞いた。
──あなたが得意とする柔術はいつ始めたのでしょうか。
「柔道は4歳か5歳頃から始めて、柔術は12歳の時に始めた。柔術の黒帯はアタイジ・ジュニオール、ハニ・ヤヒーラからもらったんだ」
──ヤヒーラ選手は日本のHERO’Sでも活躍していました。ともに練習していたのでしょうか。
「あぁ、ハニ・ヤヒーラは自分が師事していたコーチのひとりだから、もちろん練習したし、たくさんの指導を受けたよ」
──前戦はMMAではなく『UFC Fight Pass Invitational 7』でのグラップリング戦でした。MMAと試合を並行して行っていますね。
「グラップリングの試合に出るのは好きなんだ。アクティブでいられるし、戦う(コンピート)する事ができるから。UFCインビテーショナルだったことも良かった。UFC内のグラップリング組織だから金額もいいし。UFCファイトパスで配信されるグラップリング大会に出場できた事は嬉しく思うよ」
──ATTでは多くの日本の選手ともロールしていますね。
「そうだね。まず、クレベル・コイケは友達だ。日本在住のブラジル人のね。そしてキョージ・ホリグチも俺の友達だ。ATT内で一番いいヤツだと思う。ATTにいる全員が彼の事を大好きだと思う。謙虚だし、トレーニングを常にハードにこなす。彼のバックグラウンドが空手なのは知っているが、彼のグラップリング、特にレスリング技術はこの数年で格段に上がっている。キョージのグラップリングは正直素晴らしいと思う。彼のテイクダウンやグラップリングのディフェンスをトレーニングで見てきているが、10段階評価だとすでに8か9のレベルにいると思う」
──今回のファイトキャンプもATTだったのですよね。仮想サンデニもいましたか。
「このファイトキャンプではマルコス・パルンピーニャコーチを中心に、ATTにいるたくさんのサウスポーの相手と練習をしてきたよ。いいファイトキャンプができたと思う。サウスポーのネイサン(ナタン)・シュルツはたくさんサポートしてくれたし、ファイトスタイルも似ている。PFLで二度チャンプになっているからとても心強かった。他にも数人と練習を重ねてきているから、準備は万端だ」
──ライト級転向後、5勝1敗と勝率が上がっています。適正階級だと感じていますか。
「以前は減量を多くする階級で戦う事がベターだと捉えられてたと思うし、自分もその一人だった。ただやはり減量をしすぎると消耗しすぎてしまって、試合当日に通常のエネルギーやペースが出ない事があるんだ。最近は自分の実際の体重に近い階級で戦えているから、それがすごく自分には活かされていると思っている」
─今回のパリ大会で、サンデ二戦のオファーを最初に受けた時にどう思われましたか。
「とてもエキサイトしたよ。大会のメインイベントになるだろうと思ったからね。UFCのような大きなプラットフォームでメインイベントで戦えるというのはとても光栄な事だし、強豪だろうとすぐに受けたよ」
──サウスポーの相手から被弾してピンチに陥いる試合が続きました。今回についてはどうとらえていますか。
「前回の2試合ともサウスポーの相手だったし、今回のサンデニもだ。ただ、サンデニは少し違うと思っていて、ストライキングは上手いが、グラップラーとしてはジョナサン達の方が上だと思う。まぁ、どうなるか見てみてくれ。自信もあるし、準備はできている。クイックにフィットに動けるようにトレーニングしてきているんだ」
──ダウンしてからもタフに動くのがモイカノ選手です。
「前回は自分の戦略通りに戦っていたが、キャッチされてダウンをとられた。その後立ち上がってまた相手をノックアウトするまで戦ったんだけど、それができる理由は、やっぱり自分は絶対諦める事をしないからだと思う。今回も何も変わらない。全てをつぎ込んで、ハートも魂も全て込めて戦う。それでブノワ・サンデニを相手に勝利を収めるんだ」
──サンデニはハードパンチャーですが、バックポジションも好みます。彼のバックポジションの技術をどうとらえていますか。
「あぁ、彼も上手いよね。グラップリングに関しては全体的にいい。。でもそれは俺もそうだ。だからいい試合になると思うし、お互いが上手いグラップラー同士だからね」
──前回は初のKO勝ちでした。今回も……。
「そうだね。そこもしっかりATTで磨いてきたし、寝技の自信が打撃にも繋がっている。KOでもサブミッションでも、一番重要なのは試合に勝つことだ。ハードなファイトになるだろうね。トレーニングもしっかりとうあって準備はできている。ファンにとってはすごく楽しい試合になるんじゃないかな」
──日本のファンへメッセージを。
「日本のファンのみんな、日本のMMAファンのみんな、いつもメッセージをありがとう。日本が大好きだ。日本は格闘技が生まれた国。柔術、柔道、空手全ての格闘技が生まれた。いつか日本に行って、自分の目でその国を見て学べる日がくるといいと思っているよ。ぜひ、日曜日の自分の試合をU-NEXTで見て欲しい」