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2024年9月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.48』の試合前インタビューが27日に行われ、メインイベントの「RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ」に臨む王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)が、ルイス・グスタボ(ブラジル)を挑戦者に迎える3度目の防衛戦に向け、「今回もサプライズを作りたい」と前戦に続く、打撃戦の可能性を示唆した。
個別インタビューの最後に登壇したサトシは、「減量はいつもと同じくらい。28日に体重落とします」と笑顔を見せた。
9月19日に35歳の誕生日を迎えたが、「誕生日のお祝いは全然できません(苦笑)。甘いものも食べられないから。子供達は『おめでとう』と言ってくれましたね。でも私の気持ちと考え方が(日常と)遠いからほんとうに楽しめない。まだ試合の心配とか、体重を落とすこととか、まだ誕生日来ていないみたいです(笑)。娘たちも(試合に向かっていることは)ちょっと分かっているけど、まだ子供で小さいから(理解は)難しい。たまに一緒に話して遊びたいけど、私の考え事が遠くにあるから大変。私だけじゃなくて、家族も奥さんも子どももみんながこのタイミングは大変。でも大丈夫、あと3日間くらい待てるから。家族と絶対パーティーやるから」と、防衛の祝勝会と併せて行うとした。
王座をかけた試合は、2年5カ月ぶり。「少し緊張があるけどいつもと同じくらい。気持ちは変わらない。タイトルマッチが大事だけど、試合は試合、あまり変わらない」という。
対戦相手のグスタボは、14勝中7試合でKO・TKO勝ちしているストライカー。サトシは挑戦者について、「打撃が強い選手、思い切り殴って、心も強い選手」とハートも打撃も強いと評価。
その相手に、「もちろんいろいろプラン考えているから、いい試合をして、いろいろなサプライズも見せたい。前の試合は“絶対グラウンド”と思われる中で打撃のサプライズだったから、今回もサプライズを作りたい。みんなが喜んでくれるし“面白いな”と思ってもらえるように。私の前の試合が絶対にグラウンドに行くから、私も打撃でやってたまに変わるから。相手も待てないし、みんなビックリするから。それも面白いかなと思います」と、前戦の中村K太郎戦での右ハイキックによるダウン奪取に続く、サプライズを見せたいとした。
サトシの父・アジウソン・ソウザは、ボンサイ柔術の黒帯を託した三男が、MMAで王者になる姿を見ることなく、2011年5月に病により他界した。父がいまの息子を見てどう思うか、の問いに、サトシが「前から父はMMAを見るのは好きだったけど、自分の子供達がするのはちょっと好きじゃなかった。だから、どう考えるかは難しいけど、私の人生でベルトを獲ったときから、家族や子供の人生も変わることができたから、たぶん嬉しいと感じていると思います。“モチベーションにして。応援するから、緊張するだろうけど、絶対にサポートするから”と(言ってくれると思う)」と天国の父も応援してくれるはずと語った。
「グスタボにも夢があるだろうけど、私にもいろんな夢があるからベルトは渡せない」という。
「いろいろあるのは、さっきも言った通り、ベルトを獲って家族の人生が変わり、生徒たちのサポートや手伝いもあって、私の名前も──今回3回目の防衛できて大きくなって、世界のトップ選手と戦いたいというモチベーションもあります。私の将来で、RIZINの名前を考えたときにすぐに私の名前が出て来て(代表するのが)、いいなと思います」と、さらなる飛躍のために、自身の夢は手放せないとする。
グスタボは「ブラジル対決」の声に、「サトシはほんもののブラジル人ではなくて日系人」と語った。サトシは、来日時はまだブラジリアン柔術の青帯。世界のレベルが急速に上がり、「日本の環境では勝てない」と言われるなか黒帯となり世界と伍して戦い、MMAも日本で始めてベルトを巻いた。日本のRIZINのベルトを守る気持ちに、格別の思いがある。
「私がよく言うのは、私は日系ブラジル人だからいろんなミックスで、いいこともあるし、心のなかで日本のいろいろなこともあるから、よく『2人のブラジル人のタイトルマッチ』と言われるけど、日本の人たちのサポートがあって出来ている。もちろんベルト(防衛)の自信は100パーセントあります。その自信が無いならやらない方がいい。だから絶対に100パーセントで練習して、自分の心のなかもこのベルトを100パーセント守る、と出来ています。みなに(応援を)お願いします」と、100パーセントの自信と気持ちで王座戦に臨むとした。
最強挑戦者を前に、王者サトシはベルトを日本にとどめることができるか。
◆ともに練習したサトシによる井上直樹評
「バンタム級の選手だからスピード速いし、動きも速い。井上の頭もしっかり動くからやっぱり強い選手ですね。グラウンドも強い。(ベルトを獲る?)もちろん。絶対簡単ではないけど、スーチョルもすごく強いから。でもポテンシャルがありますね」
◆兄マルコス・ソウザが指導し、練習も共にした高田延彦の柔術大会優勝について
「高田さん、勝って良かったです。高田さんのアームロックはすごく強いですね。とくにトップポジションが強い。これからも期待しています!」