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2024年9月7日(日本時間8日朝9時)米国カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナで開催される『Bellator Champions Series: San Diego』(U-NEXT配信)に、日本から菊入正行(NEVER QUIT)が出場し、ハーマン・テラド(グアム)と対戦する。
菊入が「パンチを振ってきて力が強い、極め力がある」と評するテラドは、バレット・ヨシダの黒帯で「大和魂」を持つ男だった。
KIDが堀口恭司を連れてきた時にはサンディエゴで一緒にトレーニングしたんだ
──今回のトレーニング環境は?
「ゲンブレットトレーニングセンター、俺が保有している俺のジムで、PFL後に作ったんだ。そこでトレーニングしている。ただ、週に1度はベガスに来て俺の兄弟(仲間)のショーン・ストリックランドや、ミッシェル・ペレイラ、コーリー・アンダーソン、ロイ・ネルソンとコーチのレイ・セフォーだ」
──重量級の選手ともスパーリングするのですか?
「あぁ、エクストリームクートゥアでショーンスともやる。常に185ポンドのミドル級の選手や、205ポンドのライトヘビー級の選手達とやっている」
──ハーマン・テラド選手は、日本で戦った選手たちを師匠に持ちますね。ジムにもバレット・ヨシダ、イーゲン井上、ジョン・ルイス、アンドレ・ペデネイラスらの写真が飾られています。
「ご存じの通り、柔術ではバレットから黒帯をもらった。あとは、もう少し若いときはMMAはエンセン井上にも習っていたんだ」
──PUREBRED大宮に来ていたということですよね。彼らから何を学びましたか。
「もちろん戦い方もたくさん学んだが、一番は俺の軸になるもの。自分は『大和魂』をモットーに生活している。戦う時は、一族、親友、仲間を心に、自分の一族の為に戦う。俺は金の為だけに戦っている訳ではない。自分が戦うのは誇りとレガシーの為だ。だから今もここでまだ戦えている。年齢(34歳)を重ねるにつれ、師匠達をもっと見習わなければと思う。コーチのバレット・ヨシダは『練習を続けていない黒帯の資格はない』と、今でもまだ試合をしている。もう50に近いのに。それでもまだトップレベルの技術で戦っている。彼の生徒としてそれを継がなければいけない」
──今回、日本人と戦う事に特別な意味を感じていますか。
「もちろんだ。本当に光栄な事。サムライ同士の戦いになるだろう。もちろん俺は日本人ではないが、自分のスタイルもトラディションも日本人と変わらないし、根底にあるものは同じだ。相手に尊敬の念をもって挑む、だからこそもう一人のサムライとケージで向き合える事は本当に光栄で、素晴らしい試合になるだろう」
──グアムでは山本“KID”徳郁選手との縁もありますね。
「俺の従弟のメルカ・マニブッセンはノリとすごく仲良くてね。あともう一人の従弟のカイル・アグオンはノリの姉の美憂と結婚した。自分はグアムのPUREBRED。純粋なグアム人だ。エンセン井上もだし、マスター、イーゲンもそう。井上兄弟は俺たちグアムに多大な影響を与えたよ。従弟のジェシー・タイタノも修斗で試合をして、相手はマモル・ヤマグチと戦った。いい相手とたくさん試合をしていたよ。日本にも何度か行っているし、あのさいたまスーパーアリーナにも。KIDにはRIPと伝えたい。本当に残念な出来事だけど……これが人生なんだろうな。
KIDとは彼がグアムに来た時に一緒に練習をしたし、KIDが堀口恭司を連れてきた時にはサンディエゴで一緒にトレーニングしたんだ。まだキョージが修斗で試合をしているときさ。他にも武尊や色んな日本人選手と練習をしてきた。川尻達也の事も知っているよ。お互い、ストライクフォースで同じ大会でカードにのった(※川尻はギルバート・メレンデスと対戦)。もう13年前だ。すごい昔の事だな」
──その2011年のストライクフォースのときもサンディエゴで戦いました。地元で戦うことは力になるのではないですか。
「とてもいい感じだ。ただ、自分はどこで試合をしても変わらない。自分のファンがたくさんいるからってプレッシャーがかかる訳でもないし。彼らがTVを通して応援していても現地で観戦していても俺にとっては違いはない。ケージに入って、そこで成すべきことをするだけだ。それが俺だから。土のグラウンドで戦おうが、ケージで戦おうが構わないし結末は同じ。フィニッシュを極めに行くし、大和魂で最後まで死ぬ気で戦う」
──菊入選手をどうとらえていますか。
「とても危険な対戦相手だと思っている。スキルもあるし、まだ若い。ただ自分が有利なのは自分の経験だ。まだ彼は世界レベルの相手と戦っていないんじゃないか? 前回の対戦相手はとても良かったが、菊入が勝ったのはラッキーだ。あまりいい試合はしていなかった。俺はこれまで世界レベルの選手と戦ってきた。UFCのタイトルチャレンジャー達だ。しかも完全にやられる事はなかった。菊入は確かに若さはあるが、自分の経験が彼のそれを上回ると思う。止まらない俺を見る事になるね。絶対止まらない、常に前に押し続けるよ」
──2023年10月の前戦は、ムハマド・ベルカモフとの試合、相手が15勝2敗の強豪とはいえ、最後にスタミナが厳しいように感じました。今回は?
「自信はあるよ。前回の試合は3週間前に決まったんだ。その時俺はバケーション中で、家族とクルーズしていた。その時にBellatorから電話がかかってきて、ベルカモフと戦わないか? って。彼が強いから誰も戦いたがらないんだ。2021年にベルカモフと対戦する予定だったんだが、ベルカモフの計量失敗で叶わなかった。それで相手が決まらないから試合をしてくれって。いつ? って聞いたんだ。電話を受けた時は確か9月4日だった。それで試合は10月7日。3週間半しかないじゃないかって。
でも、分かった、ノープロブレムだ、やろうって決めた。フルにファイトキャンプもできなかったし、当時は試合をするというマインドセットではなかったようにも思う。家族と休暇中だったからね。でも今は違う。とても集中できているし、ハードに練習をしている。毎日3部練、4部練をしている。すごくいい試合を見せる事ができると思う。スタミナはこれまでにないくらいで準備できている。すでに体重も179ポンドくらいで、今もまだハードに練習をしている状況だ。今日もさっきスパーをやってきたんだ。準備はできているよ」
──どんな試合を想定していますか。
「特にハードなファイトになるという事以外は予想はない。とても強い危険な相手だし、手を止めない(クイットしない)選手だし、俺もそうだ。だからフィニッシュになるだろう。俺が彼をフィニッシュするか、彼が俺をフィニッシュするか。どちらになっても、分かっているのはどちらも絶対に止めないという事。彼のジムはNEVER QUITって言うんだろう? それに彼も俺と同じで、チョークされても絶対タップしない。だから最初にフィニッシュする方が勝つ事になる」
──なるほど。日本のファンへメッセージを。
「いつもありがとう。あなた達には深い尊敬と愛を抱いています。だから相手が日本人である事は少し残念だけど、あまり個人的に恨みを持たずに試合が終わったら次からは俺の事も応援してほしい。本当に感謝しています。ぜひ日本のU-NEXTで試合を見てください。いい試合を見せられるよう精一杯頑張ります!」