記者からの質問に答える榊原CEO
2024年9月5日(木)18時より、RIZINが『超RIZIN.3』(7.28 さいたまスーパーアリーナ)のドラッグテスト(尿検査)結果の発表会見を行い、メインイベントのフェザー級「RIZIN LMS(Last Man Standing)王座決定戦」に臨んだ平本蓮(剛毅會)と朝倉未来(ジャパントップチーム)は陰性だった。
会見には、榊原信行CEOとドクター3名(RIZIN医療部長・諌山和男氏、RIZIN医療部・金成道氏、同じくRIZIN医療部副部長の川口慶氏)が出席した。
以下、会見で行われた記者との一問一答。
――7月28日までに関してさらに踏み込んだ検査をするつもりはあるか。さらに精度の高い検査はあるのか教えていただければ。
榊原 我々のルールの中で言うと遡りようがないと思っています。今のルールでは当日の検査が全てです。それ以前についても我々の中で判断する材料がないので、当日の厳正な形で採取した尿検査が陰性か陽性か、それですべてこの試合については裁く。それ以上でもそれ以下でもないです。
諫早 現時点で断定は出来ませんが、ないという判断でよろしいかと思います。
――両選手に陰性であったことを伝えた時の反応は?
榊原 平本に伝えて“やったー”という感じではないですね。本人もこういう結果を自らが起点になって起こしてしまっていることは深く反省しているわけですし、この結果が白なのか黒なのかは不安がっていたと思いますので、一定の安堵はあるのかなという感じではありました。でもいつもの平本のリアクションではなかったと思います。未来に関して言うと、僕が直接未来選手に最初のひと言目を言ったわけではないので、その後に話をした感触では落ち着いていましたね。それに対して文句を言うということではなかったです。
――検査結果は陰性だった。でもこれだけの動きをしていくのは限りなくグレーに近いという行動があったから改革するのか?
榊原 平本選手を悪者にする気はないです。ただ行動もそうだし、事実がどうだったかと僕らは検証する立場にもないし、世の中に起きている状況からすると平本選手が弁護士立ち合いでやった会見を僕も状況を把握させていただきましたが、ドーピングに値するかどうかは知らないけれど購入した事実はある、と。少なからず注射は打ったと言っていましたね。注射を打つことは医療行為にあたるかもしれないと思ったりもするんですけれど、ただ現状のルールの中ではそこに対して白とか黒とか判断するルールになってないです。だから、そんなことも知らなければ僕らは分からないんですよ。決めたルールの中で白か黒かだけなんですけれど、これだけネット上で騒がれて本人もそういう発言をされたことも含めて言うと、今後そういう行動ですら規制をしていくべき、ドーピング全体のポリシーを上げていくべきだという想いに至りました。
――NPB(日本野球機構)の規定では、申請なしに注射や点滴をしたら処罰の対象。しかし現状はルールの中ではないということ?
榊原 はい。
――米国の検査機関からメールが来たのはいつ?
諫早 日本時間4日の早朝に受け取りました。
――ドーピングの検査項目は今の時点で何項目?
諫早 かなりの数。禁止される薬物、競技時に禁止される薬物とかいろいろありまして全部で50~60の数です。
――平本選手から聞き取りもした?
榊原 この検査結果を伝えて、今後我々とするとこれだけ世の中を騒がせた疑惑を起こした、それが本人の意志があったなかったにかかわらず平本蓮発のアクションの中で起きていることなので、今後の我々の考え方、そして次の試合へ向けての検査は徹底的にもう1回やらせてもらうよということに関しての了解と、本人はもちろんそれは全部受けますということの回答と。いずれにしても情報が平本サイドから漏洩されることがないようにこの会見の中で皆さんに発言するまでは内々にして欲しいと昨日話をした感じです。
――疑わしいものを買ったり、注射したりとそのモラルの部分に関して何かアクションを起こすことは?
榊原 疑惑ですよね。買ったけど飲まないって本当? と思うのが人間だと思います。でも決めたルールの中で裁くしかないというのも現実です。だから今後自分の中でも疑惑を持ちたくないし、ウチの選手は真っ白だと言い切りたいし。平本選手に関してはそれを買ったけれど飲んだのか、飲まなかったのか、誰もわからないじゃないですか。でも間違いなく朝倉信者とか朝倉選手側の関係者からすれば、むっちゃ怪しいじゃん、絶対に飲んでるよって思っても仕方がないと思っています。でもこれは水掛け論だし、僕らが決めた競技の中でのルールで現状は裁く以外はないです。だからこの先、平本蓮はそこで向けられた疑惑とか疑念を彼が戦うことで、クリーンな身体であることを証明していくことで僕は取り戻せばいいと思っていますし、そういう意味で言えば7月28日の試合は平本蓮にとっても朝倉未来に勝ったと大手を振ってこれから彼のキャリアの中で燦然と輝くものではなくなってしまったのは事実だと、そう思っています。
――未開封状態にあるドーピングにあたるものの物的な確認をRIZINさんとしてはやらない?
榊原 そんな権限はないです。ルールの中で規定もしていないし、契約の中でもうたってないので意味がないです。ただ今後の未来においては、そういうことに対して僕らが情報を知れば何らかのアクションを起こせるようなルールを決めていくかということだと思います。疑い出したらキリがないので、いずれにしても我々が前に進むためのルール作りをしてその中でドーピングポリシーを高めていって選手への意識を強めるようなアクションにするということなんだと思っています。
――この騒動が大きくなったのはSNSの匿名アカウントによる公開、赤沢幸典さんの投稿がきっかけになった。今回の騒動の告発がRIZINに影響を与えている部分があると思うがRIZIN側から開示請求などに出る可能性は?
榊原 まずは赤沢選手と会ったこともないです。だから赤沢選手はどういう人間か理解していないという。ただ彼が実名でそういうことをSNS上でアップした事実は認識しているので、それも含めて格闘技界で起こっていることだと思っています。だから格闘技界全体がモラルも含めてドーピングに対する意識も含めて、圧倒的に改善する必要があると思っていますし、かと言って赤沢選手ふざけるなとかそのサイトが云々とかってアクションを起こす気には全くなっていないのが現状です。白いものを白いと証明するのは難しいというか出来ないと思っているんですね。1回グレーなイメージを付けられてしまったものを白に戻すっていうのは出来ないと思うし、僕らが失った信頼とか、ひょっとするとファンを醒ましてしまった部分があると思うんですね。それはまた選手とか関係者と、新たな環境の中で一歩ずつ積み上げていくしかないのだと思います。誰かを追い落とすような形のアクションには出たくないし、出る気はない感じですね。
――赤沢選手の告発の中でRIZINの関係者に相談しているという文章があるが、これは虚偽?
榊原 ないです。そういう選手がいる存在は知っていましたが本当にないです。