平本からサプリに関するTUE申請は無かった
【写真】柔和な表情を浮かべることもあった榊原CEO
――最初は匿名アカウントでの告発だったが、その後に赤沢選手の実名での告発があった。真実性は置いておいて検証には値する行動かと思うが、検証を行おうとは思わなかったのか?
榊原 それは告発を受けた平本選手と赤沢選手の問題で、僕らは競技運営を行う主催者として、この日の試合がどうだったっていうジャッジしかなくて。それまでの過程で何があったとかそれに対してそれぞれの想いがあるのでしょう。そこは僕らの知るよしのないところでもあるので、そこに僕らが介入していく気持ちはないです。
――医師ではないフィジカルトレーナーが選手に怪我が治りやすい薬を渡して、選手本人に注射でそれを打たせることはあるのか?
諌山 そのことは聞いておりますが、日本では医師以外で注射行為は出来ないですし、信じられない話だと思っています(※患者やその家族が医師の適切な指導管理の下に在宅自己注射を行うことは、医師法に違反しないものと解されている)。
――その薬は何だと想像する?
諌山 平本選手からサプリに関するTUE(Therapeutic Use Exemptions : 治療使用特例 )申請はありませんので、全く分かりません。
――この騒動が起こる前から当日の尿検査だけではそれを回避するドーピング方法があることは知っていたか?
榊原 そんな簡単な話ではないと思いますよ。科学的にチームを組んで、とったけれどその日に出なくするというのは、僕は科学的見地がある先生方ではないですけれど、そのリスクを犯して一発勝負、当然賞金がかかるものがあればウイニングボーナスで賞金があれば、今のルールでももしドーピングで陽性があればファイトマネーの一部没収もありますし、当然勝利者フィーみたいなのはないですし。簡単にこれを飲んでおけば消えるというレベルではないと聞いていますし、認識しているので。ただ、そういう方法が他のスポーツでもチームを組んで徹底的にやるっていうのは、僕は他を落とすための会見にしたくないがあるとは聞いているので、そういう可能性すらないようなルール作りにこの機会を活かしたいと思っています。
――そんな簡単ではない方法だからそこまで手が込んだことをするわけはない、という感じでいた?
榊原 当日の検査をWADAの検査基準で尿をとって検査するってことでのルールを決めて。それが我々が現状採用すると決めたルールなので、そもそもが僕ら性善説に立っているとお話しした通り、それで十分選手たちのドーピングをするという意志を削ぐ体制なんだろうなと信じていました。
――新しく見直す部分はいつから?
榊原 さっそく先生方とも9月29日前から話し合いをしていきたいですし、9月29日に今の時点で改善できることは着手したいと思っています。大晦日が新しいポリシーの中でスタートすることを目標に、新規の制作も含めて具体的にしたいと思います。
――これだけドーピング問題が広がると選手たちも不安になると思う。選手に言いたいことは?
榊原 大半の選手はルールを順守してやってくれていると思います。それでも再度選手たちとドーピングに対して、プロモーターとして選手の食生活とか摂取しているものに対してプロモーターとして突っ込んだ事は無いんですね。だから選手たちとの中でドーピングに対する意識とかをすり合わせて行って、アンチドーピングの意識を高める努力はしたいと思いますし、選手関係者には僕らが選手全員一人一人と向き合うのは難しいと思うので、もう1回意識を高めて、この場を借りて伝えようとするとアンチドーピングを徹底しようと。これはもう格闘技界全体。RIZINに出場して契約のある選手だけではなく、日本の格闘技を主催するプロモーターの人たちにも主催者の人たちにも選手関係者にもそういう取り組みをしていきましょうと呼びかけたいと思います。
――次回の大会もタイトルマッチが組まれている。今回の騒動を受けて次回のド―ピング検査の発表の仕方は?
榊原 これは僕の思っていることだけでは発言できないです。先生方ともご相談してどういう取り組みが出来るかですけれど。9・29の前に抜き打ち検査をしても9・29までに結果は出ないですから。だからタイトルマッチに臨む4選手は尿検査を同じ程度の中でやります。ただ、それ以前に選手にできることは、例えば啓蒙会などのアクションは起こせると思うのでそういうことはやりたいと思っていますし、それ以外にも出来る事があるやもしれないのでそこは科学的見地に立って先生方ともいろいろなご指導をいただくような機会を作れたらいいなと思っています。
――タイトルマッチは検査結果を発表する意向?
榊原 これだけ注目を集めている状況なので、検査結果を発表していくべきかなと思っております。ただこれも現行の契約書に基づく、すでにサインして9・29へ向けて選手との約束がありますから、ここで僕がやりますと宣言しきれない所でもあるので。何も変わってないじゃんと言うことではなくて、具体的なアクションが直近の9月29日の大会から見られるべきだと思うので、しっかり選手・関係者ともRIZINの中の医療チームともしっかり協議してい行くべきだと思っております。