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インタビュー

【RIZIN】新井丈、2週連続“道場破り”の心直とのスパーリングの真相を語る「負けたほうが、終わったあとに謝罪することは約束してた」「ズールーと同じ“蹴れるサウスポー”相手に実験した」

2024/09/04 21:09

アイツには普通の思考がないんですよね(笑)


(C)新井丈 ARAI JO

──実際、SNS上のやりとりから直に拳を合わせたことで抱いていた気持ちは変わるものですか?

「うーん、まあ……、そうっすね……まあ(笑)、技術だったり、練習パートナーとして、という観点では認められる部分がありましたけど。別にさ、やったから友達になるわけでもないし。うん……、まあ修斗バカにしたこと、MMAナメたことをね、しっかり教えて。“今後はナメた発言すんなよ?”みたいなスタンスで。別に終わってもそんなに変わらないっすかね」

──大沢代表にリアルタイムで直後の状況を聞いている最中に「待って! 今から丈が相手にけじめつけさせるコメントを撮る、丈が怒ってるから」と言っていて、修斗やMMAを軽く見られたことに本当に怒っているんだなと感じたのですが。

「そこに関しては怒ってましたけど、別に冷静で。なんて言うんだろうなー……、SNSの流れ的にもうまく完結させたいなというのはあったので。だから、スパーリングやる前に、心直に“じゃあ、お互いがさ、負けたら……”って、──いや“負けた”っていうと聞こえが悪いというか、勝ち負けを決めて、やっつけにいったと思われたくはないですけど──“負けたほうが、終わったあとに謝罪動画撮ろう”とは約束してたんですよ。

“オマエが負けたら修斗への謝罪をしっかり録らせろ”と。たとえば、俺が負けたら“心直さん、ナメててすみませんでした、MMAデビュー戦、やらしてください!”と俺が動画で言ってやるよ、という感じで。最初に揉めたきっかけのお互いの意見を賭けて、最後は動画をSNSにUPして終わろうっていうのは事前に了承していたので、そこが落とし所だなとは思ってて」

──ああいうことを、一部選手からは動画に関しては否定的な反応もあり、受け止め方は様々だとは思いますが、ああやって完結する一連の流れは、決着がついて良かったと思います。ところで、こういう経緯以外で実際に道場破りのような、腕試しをするために選手が乗り込んでくるという経験はこれまでもあったのですか?

「ないです。自分が来てから、見たことないですね。……フッ(笑)、だからアイツ(心直)には普通の思考がないんですよね、人間としての(笑)。これは危ないだとか、これは人が不快に思うだろうとか。そこの線引きができない人間だから。だから見てて面白いんだと思うんですけど」


スパー前とスパー後の心直。(C)@kenjiosawa5222

──巷では、ヒクソン・グレイシーvs.安生洋二を髣髴とさせた、と言われていますが、新井選手はご存じでしたか?

「軽く知ってたくらいなんですけど、大沢さんがそれですげー盛り上がってて(笑)、“オマエ安生だよ、スゲーよ! よくやったよ!”って。すっげー褒めてました(笑)。で、心直はポカーンとした顔してました」

──映像を見てとてもフェアだと感じました。道場破りでなくてもプロが腕試し的に出稽古に行くというのは、潰される覚悟も必要なときもあるなかで、ましてや喧嘩腰で行った場合、相手側の選手に取り囲まれたりすることもあり得ることだと思います。よくある話では、ほかの選手とスパーをさせてすり減ったところで、ようやく意中の選手と手合わせできるというケースもあるなかで、今回は、いきなりタイマンでやったわけですね。

「練習終わった後なんで、ほとんど選手も帰って、たまたま残った選手だけ、バリケードがわりというかタイマー係をしてくれて、ただし、一切セコンド的なことはしないでもらって。それに、そこに関しても予測として、心直はこっちがギャラっリーをいっぱい用意したり、俺のセコンドするやつがたくさんいたら、絶対コイツは後でグチグチ言うなと思っていたので(笑)、そこは一応周りにも(手出しや口出しは無用であることを)伝えて、フェアにできたと思います。むしろ大沢さん、あっち側についたくらいで(笑)」

──さて、9月29日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.48』では、和術慧舟會HEARTSから、新井丈選手と木下カラテ選手が、ともに海外強豪の“厄介”な相手との試合になりました(※続きは、9月21日本誌『ゴング格闘技』にて掲載)。

◆エンカジムーロ・ズールーとは?

RIZIN初参戦のズールーは、南アフリカ、EFCフライ&バンタム級二階級王者。6歳から極真空手を始め、2008年に3カ国対抗戦で優勝を果たすとムエタイとK-1ルールにも挑戦。2010年にMMAに転向し、2016年には各国のフライ級王者が揃った『The Ultimate Fighter(TUF)24』に出場し、扇久保博正とも対戦している。

 2023年7月にEFCバンタム級王座決定戦でムサ・セツワペを4R リアネイキドチョークで極め二階級同時王者に。2024年3月の前戦ではフライ級王座も防衛。現UFC世界ミドル級王者ドリカス・デュプレシがチームメイトで、今回セコンド入りも検討されている。MMA15勝6敗1分。

 カード決定会見で新井は、「去年の大晦日にこのRIZINでたくさんのものを失って9カ月。そこから自分の穴を埋めるべくたくさん準備してきました。テーマは“ジョー・イズ・バック”。また強い新井丈を見せて、観客の皆さんの心を震わせる試合をするつもりです」と意気込み。

 ズールーについて「最初は『誰?』って思って。多分みんなと同じ感想だと思うんですけれど、調べれば調べるほど実力者で。7、8年前からずっとアフリカの団体の王者で、しっかり自分がそこで勝つことで新井丈のステップアップになると思うので、クリアしてその次を見ていきたいと思います」と話している。

 対するズールーは「世界中の格闘技ファンのみんな、俺は日本のRIZINで試合をする事になった。対戦相手はとてもタフな相手だが俺はいつも通りベストを尽くし、観客が喜ぶような試合をするだけさ。遊びに行くわけではない。アライをフィニッシュしに行く。会場で会おうぜ。チャオ」とコメントを送っている。

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