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2024年7月13日(日本時間14日朝8時から)、米国コロラド州デンバーのボール・アリーナにて『UFC Fight Night: Namajunas vs. Cortez』(U-NEXT配信)が開催された。メインイベントでは、UFC5連勝中で女子フライ級11位のトレイシー・コルテス(米国)が緊急参戦。元UFC世界女子ストロー級王者で現フライ級6位のローズ・ナマユナス(米国)とフライ級5分5Rで対戦した。
『UFC Fight Night: Namajunas vs. Cortez』速報
※日本時間14日(日)朝8時開始予定
U-NEXT配信
▼女子フライ級 5分5R
〇ローズ・ナマユナス(米国)13勝6敗(UFC11勝5敗)
[判定3-0] ※49-46×2, 48-47
×トレイシー・コルテス(米国)11勝2敗(UFC5勝1敗)※UFC5連勝でストップ
当初はナマスナスvs.メイシー・バーバー戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。翌週にミランダ・マーヴェリックとの対戦が予定されていたコルテスがショートノーティスで緊急参戦を決めた。
#UFCファイトナイトデンバー 公式計量結果👉️ https://t.co/U20kYXcAI2
— UFC Japan (@ufc_jp) July 12, 2024
明日朝8時スタート予定⏰️
プレリムライブ配信👉️ https://t.co/n1Z15dqiat
11時開始のメインカードを含む全試合を 📺 @UNEXT_fight & #UFCFightPass にてライブ配信✨️
👊 #UFCDenver pic.twitter.com/Pxn5Y2j6LI
しかし、前日計量ではコルテスが苦戦。ナマユナスが124.75ポンド(56.58kg)パスするなか、コルテスは0.5ポンド(約225グラム)のオーバー。
がんで亡くなった「兄ホセ・コルテスの夢を叶えるために始めたMMAが自分の夢になった」というトレイシー・コルテスは、緊急参戦で1度目の計量をミスしたものの、初のメインイベントに向け、チームメイトに長髪をカットすることを依頼。数分後に、着衣も全部脱いでの2回目のトライで126ポンド(57.15kg)ジャストで計量をパスすると、天に向けて左手を突き上げて見せた。
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るコルテスの右ローは空振り。左右にステップするナマユナスは右ロー。右ストレートを当てる。ともに右をかわすなか、ナマユナスはローに左を合わせ、高い右前蹴りを当てる。
左を当てたナマユナス! ダウンしたコルテスはクローズドガード。右ヒジを1発突いて立ち上がるナマユナスはスタンド勝負。コルテスの左は空振り。ナマユナスの左はシャープにヒット。右ハイで前に出るコルテスは左ロー。ナマユナスの入りに右を返す。左から右を届かせるナマユナスは右ロー。コルテスは左ジャブを返す。
2R、右ローを当てるナマユナス。そのローに右を狙うコルテスは足を取りに行くが、触らわせないナマユナス。コルテスは左右で前に出るがナマユナスがさばく。右前蹴りは頭を振るナマユナスにコルテスは左ジャブを見せるが、ナマユナスは右ハイをスナップを効かせて当てる。
ダブルレッグから小外刈りテイクダウンのコルテス! 背中につくが足はいれられず。着地しがぶりもギロチンは狙わず、離れるナマユナス。コルテスの左右をかわす。ナマユナスは跳びヒザ。さらに残り10秒でダブルレッグ&小外で倒して背中をつかせてホーン。
3R、左右を連打して前に出たコルテスの組みにナマユナスがまたもカウンターのダブルレッグから小外がけを合わせてテイクダウン。そのままマウントを奪う。ケージを蹴って正対し、立ち上がったコルテスだが、両脇を差しているナマユナスが小外がけテイクダウン。ここもマウントを奪われるコルテス。ケージを蹴って亀にまで戻すが、そこにバックを合わせるナマユナスがリアネイキドチョーク狙い。そこは正対して組ませないコルテスは時間をかけて金網使い立ち上がる。ワンツーの右を振るナマユナスはまたも高い前蹴り! もらったコルテスも前蹴りを返すが遠い。
#UFCDenver Official Result: Rose Namajunas (49-46, 49-46, 48-47 | @RoseNamajunas) defeats Tracy Cortez by Unanimous Decision.
— UFC News (@UFCNews) July 14, 2024
Results, Interviews & More ➡️: https://t.co/StSDLPfOnm
4R、中央に出るコルテスは右前蹴り、インロー。右ハイをガード上に突くとその打ち終わりにボディに組むナマユナス。剥がすコルテスにナマユナスはスイッチ。コルテスは右前蹴り。ナマユナスは右カーフ。コルテスの左右の打ち返しにカウンターのダブルレッグテイクダウン! ここは何とか金網まで向かい立つコルテス。左インローを打つが、そこにナマユナスは左を当てる。追い足が鈍くなるコルテス。ナマユナスはレベルチェンジのフェイント。コルテスは残り20秒でダブルレッグ&小外で崩すがブザー。
5R、小走りに中央に出るコルテスに左右にステップはナマユナス。左を細かく当てるコルテスはナマユナスの右をかわして左で差して組み。しかし金網背に体を入れ替えるナマユナスが押し込むと、コルテスが突き放す。
左ジャブを突くナマユナスに、追うコルテス。ともに左の相打ちも右で差して押し込みはナマユナス。離れたところにダブルレッグ&小外でテイクダウン。ここはすぐに立つコルテスは右で前に。ナマユナスは逃げ切り体勢。仕切り直すコルテスは回るナマユナスの前蹴りにワンツースリーも決定打にはならず。ナマユナスが右を返して左で差して押し込みホーン。
THUG ROSE 🌹@RoseNamajunas takes the UD in front of the home crowd! #UFCDenver pic.twitter.com/mAxZp8Keql
— UFC (@ufc) July 14, 2024
判定は3-0(49-46×2, 48-47)で元ストロー級王者のナマユナスがフライ級で2勝目。「デンバーは居心地がいいところ。彼女のリカバリーには注意していた。私はコロラド初のUFCチャンピオン。もちろん2度目を狙っている」とフライ級王座獲りに向かうとした。
THUG ROSE 🌹#UFCDenver pic.twitter.com/nDspVbCoz2
— UFC (@ufc) July 14, 2024
#UFCDenver Official Scorecard: Rose Namajunas (@RoseNamajunas) vs Tracy Cortez
— UFC News (@UFCNews) July 14, 2024
Complete Scorecards ➡️: https://t.co/3aR72spDFj pic.twitter.com/n0FfMf5nr8
いつも兄の背中を追いかけてきた(試合前インタビュー)
──トレイシー・コルテス選手、今回の元ストロー級王者ローズ・ナマユナスとのビッグマッチに向けてのトレーニング環境を教えてください。
「今回のローズ戦はショートノーティスだった事もあって、ローズに対策したトレーニングキャンプはしていないのだけれど、その次の週に試合をする予定だったのでそれに向けて準備はしていたし、違うのは3ラウンドの試合か5ラウンドの試合か、というだけね(※当初はナマスナスvs.メイシー・バーバー戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。翌週にミランダ・マーヴェリックとの対戦が組まれていたコルテスとの対戦に変更されている)」
──米国アリゾナ州フェニックスのファイトレディでトレーニングを?
「そうね。私のストライキングコーチでもあるエディー・チャに指導を受けに様々な選手が来ているし、最近いろんな選手が世界中からトレーニングに参加しているでしょう? それこそ日本のカズマ(倉本一真)も」
──まさしくそうですね。レスラーも多いなか「フットワークを駆使し、レンジを極めた」と言われるエディーコーチとの練習では、ナマユナスのスイッチスタンスや打撃に対してどのような準備を?
「私たちは彼女の打撃スタイルがとても創造的なのを分かっていて。サウスポーの相手に対しては既に準備をしていた事もあるから、彼女のオーソドックスとサウスポースタンスのスイッチについては問題なくどちらにも対応できると思っているし、それが組みにどう影響するかも考えているわ」
──どう前足に入るかにも関係してくるわけですね。その組みといえば、いまこのインタビューの順番を待つ間、あなたの兄のホセ・コルテスとドリュー・フィケットとの試合を見ていました。あの粘り強い試合を見て、あなたはMMAファイターになろうと思ったのですか。
「イエスでもありノーでもあるわね。兄弟の末っ子として育ってきたから、常に兄たちが私のヒーローだったし、彼らの背中を追いかけてきた感じだったから」
──あの試合が2008年ですから、そこから2013年のアマチュア戦まで5年かけてあなたはMMAファイターになったのですね。
「ドリューとの試合の数週間後に兄はガンと診断されて。兄が亡くなった時は私まだ15歳だったの。まだ大人になれてなかったのよね。その後、とても落ち込んでしまったけど、家族や兄の親友だったヘンリー(セフード)たちの助けを借りながら徐々にファイターになっていったの」
──あなたのバックボーンはMMAということになるのでしょうか。
「私がまだ十代だったとき、両親は私にレスリングを習わせてくれなかったの。当時は今と違ってまだMMAという競技は男性のスポーツ、男性が支配をしているスポーツっていうイメージもあったから。ただ十代になる前のもっと小さい時はレスリングをやらせてもらえてて。その時にもう自分の中にレスリングはしっかりとピン留めされていて、だからその後は兄達のレスリングを見て学んでいった感じ」
──それがあなをグラップラーにさせたのですね。しかしどうやってMMAファイターになることをご両親を説得したのですか。
「難しかったわ。MMAを始めた事も全然受け入れてもらえなかったし、常に私が試合をすること、戦う事には反対していたの。でも母が私を応援し始めてくれて。今では母が私の一番のサポーターだと思うわ」
──まずはお母さまが賛同してくれたのですね。さきほどグラップラー、と言いましたが、前回のジャスミン・ジャスダビシアス戦はストライキングの進化が見てとれました。
「私はアスリートとして格闘家として常に成長をしていたいし発展したいと思っている。だから実はアメリカを出て一時期、ブラジルに行っていたの。結構な期間をブラジルで過ごしたのだけれど、全ては自分が成長する為にだし、そこで色々学んで格闘家としても伸びたし、打撃スキルも向上できたと思っているわ」
──ブラジリアンムエタイがコルテス選手のあの首相撲からのヒザ蹴りをモノにさせたのですね。
「そのとおりで、そのほかにも習得出来たと思っている」
元王者のファイトIQにどのように立ち向かうか
──今回対戦するナマユナスは、フライ級転向初戦ではマノン・フィオロに敗れ、前戦のアマンダ・ヒバス戦では判定勝ちでした。彼女のフライ級での適正はどのように思いますか。
「ローズはスピードのある選手だと思うけれど、真のフライ級のファイターは私だと思っている。だから彼女にも私にも意味のあるチャレンジだと思う。私は元王者のファイトIQにどのように立ち向かうか、ローズは真のフライ級ファイターとどのように戦うか」
──経験豊富で高いファイトIQを持つナマユナスとの試合はどんな試合になりそうですか。
「テクニカルな攻防の試合になると思う。自分はかなり頑張らなければいけない事も分かっている。彼女はとてもアクティブなファイターで左右前後によく動くから。だから自分のファイトスタイルで戦うようにする、彼女に勝って頂点に辿り着くために」
──彼女に合わせるのではなく、あなたの強みを押し付けると。試合決定時にはその意気込みをお兄様に向けてインスタグラムで投稿していましたね。
「彼の夢はUFCに出ることだったから。彼の夢を叶えるためにハードワークしてきたことで、ホセの夢は私のものになったの」
──このナマユナスとの試合はマイルストーンになりそうですね。
「もちろんよ。今回の試合はふたつ意味があるし、ふたつのゴールを達成できる試合でもある。ひとつは亡くなった兄が戦いたがっていた試合ができる事、もうひとつは自分のゴール、元王者とこのような舞台で戦えるという事。それはアスリートなら誰もが望む事。ファイターであれば皆、ベストな舞台でベストな試合をしたいと思う」
──どんな試合になるか、楽しみにしています。最後に日本のファンにメッセージを。
「もちろん。日本のみんなに、世界の反対側からいつも愛と応援を送ってくれて感謝しています。この週末に皆さんにいいパフォーマンスを見せられる事を願っています。そして、日本には行った事ないけれど、本当にすごく行きたいと思っている。いつか行くわ!」