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インタビュー

【RIZIN】堀口恭司「自分は(UFC二階級でも)行けると思っています」×セルジオ・ペティス「最初から最後まで客席が埋まっていて驚いた」「1勝1敗だ。3戦目は5Rで」=コメント全文

2024/06/10 22:06

ペティス「恭司はフライ級ならチャンピオンまでいけるかもしれない。バンタム級だと小さすぎて難しい」

─試合後の率直な感想をお聞かせください。

「“もっとできた”と思うと非常に悔しいけど、とくに最初の2Rで彼はうまく試合をコントロールしていました。彼は自分のゲームプランをやり通した。前戦起きた延長線上で、その先を戦ったような感じで、起きたことは起きたことというか、前戦はそれをバックハンドフィストで自分が倒したけれど、今日は彼の日だった。今回は彼のほうが上回っていたということで彼を称えたいと思います」

──堀口選手に前戦とは違う変化を感じましたか。

「いや変わったことは全くないです。彼はまだまだ強く、まだまだ速い。前戦に比べると自分は彼のフェイントやキックにより対応できたと思うけど、レスリングで上手くコントロールされてしまって、とても上手くて、自分にとってそこは取り組んでいる課題だし、継続して取り組んでいくべきだと思わされました。自分はまだ30歳で8年から10年くらいこれから続けていくつもりでいるから、今後もっと上達していきたいと思います。成長過程のひとつ、と考えています」

──今回はリングでした。コーナー際に詰められる時間もありましたがリングで戦ってみていかがでしたか。

「たしかに違いはありました。自分はリングで戦ったのはプロ1戦目のカナダでの試合以来です。でも結局はMMAなので、どんな場所であれ、ルールもそうだけど、そこに対応しなくてはいけないものです。堀口選手が素晴らしい戦いを見せた、つまりしっかりと勝利を掴むだけのものがあって勝利を確かなものにしたと思うので、恭司に脱帽です」

──踏みつけも見せました。RIZINルールはいかがでしたか。 

「かっこいいなって。小さい頃からPRIDEを見て育ったから、素晴らかった。もうちょっとショーを見せられたらと思ったりもしたし、逆に堀口選手の踏み付けやヒザが怖かった部分もあって、だからしっかり彼を掴んでいたというのもありますね」

──勝敗はどこで分かれたと思いますか。

「全体的にコントロールされていてレスリング技術で素晴らしい仕事をしたというところでしょうか。自分に背中を着かせてコーナーに追い詰めてコントロールしていました。前にも言ったけれど、自分のキャリアの中でずっとそこは足りない部分だったから、しっかり対策してきたつもりだけど、まだまだ足りないなと気付かされた試合っていうのはこれまでもあったけれど、堀口に対してもそうですね」

──左フックを側頭部に受けてヒザを着いた場面のダメージはいかがでしたか。

「バランスを崩したというのはありました。脅威に感じるものは特になく、ただバランスを崩した感じです」

──あとちょっとでフィニッシュできたと感じた瞬間がありますか?

「打撃ではいいところを見せたのではないかと感じています、最初の対戦よりはずっと良かったと思っています。序盤、彼はたくさんカーフキックを蹴ってきたけれどしっかりチェックできていたし、いい感じのオーバーハンドもありましたが、それも避けられました。自分がジャブやキックを出して、観客にアピールできていた部分はあると思います。ここ数年はチャンピオンの重圧を意識しながらストレスを感じてやっていましたが、今日は楽しみたいと思って臨んで、負けたとはいえ楽しむということはできたので良かったと思っています」

──左フックで堀口選手にヒザを着かせ、ダースチョークをかけた感触はいかがでしたか。

「汗で滑ったりということもあって彼は抜け出せる感じだったし、肩を出していてあのまま無理にやろうとしても絞り上げる腕に負担がかかるだけで何も起きないということで離しました。それも上手く堀口選手がお腹のほうから(仰向けになって)トランジションして下がっていました」

──前回と違い堀口選手がテイクダウンに来ることは予想ができていたと思います。カウンターのギロチンでフィニッシュも狙っていたなか、堀口選手がギロチンにかからないようにテイクダウンできる、その堀口選手の技術をどう捉えていますか。

「たしかに仰る通り堀口選手は上手くやったと思う。自分も狙ったところを避けられて立ち上がるしか無い場面が何度かありました。ひょっとしたらちょっと(フロントチョークに)頼りすぎた気もしていますので、修正していくべきと感じています」

──堀口選手はUFCの再挑戦が選択肢にあるようですが、世界のなかでの堀口選手はどの位置にあると感じていますか。再挑戦した場合、通用すると思いますか。

「どの階級で?」

──フライ級かバンタム級でしょうね。

「フライ級なら上に行けるでしょうし、チャンピオンまでいけるかもしれないと思いますが、とはいえ上位にはキラーと言える選手が何人かいるので、どうなるかというところ。私見ですが、バンタム級だと小さすぎて難しいし、フライ級なら上手く行くのでは」

──UFC契約に関連して堀口選手は「フライ級に需要がない」と。北米市場でフライ級の需要は低いと感じていますか?

「自分もフライ級だったので、実感として需要が少ないとは感じますが、それで階級を上げました。実力が均衡して決着がつきづらいのでそのあたりも人気に繋がりにくいのかもしれません」

──今回、平本連選手のサポートに対して感謝などの言葉はありますか。

「“本当にありがとう”と感謝の気持ちを述べたい。兄弟のような存在になったと思うし、ジムなども手配してもらい感謝しています。結果を受け入れた上で、またRIZINに近いうちに戻って来れたらいいなと思います。この機会に対してエンターテインメント性の意味ですごくいいなと思っているし、自分もお客さんを楽しませられていたらいいのですが」

──日本のスター選手の堀口の敵として来日しましたが、今回、声援など受けて日本のファンから受け入れられたという実感がありますか?

「本当に日本のファンの皆さんの声援も感じましたし、日本のファンの素晴らしさも肌で感じました、とても応援する姿勢があると思っていて、素晴らしいです。大会の最初から最後まで客席が埋まってるなんてびっくりでした。アメリカに行ったら正反対で、メインイベントになってやっと埋まるような感じだから。

 全部の舞台裏から演出面も、行われた全ての制作・運営面で素晴らしかったと感じています。だから関わった皆さんに感謝したいと思っています。負けてはしまいましたけれど、忘れ難い時間を過ごすことができました。この瞬間を忘れることはないでしょう。素晴らしかったです」

──試合を終えたばかりですが、今後の目標・展望を教えていただけますか。

「いろいろあるけれど、まず戻って、PFLやBellatorでいろいろと機会が出てくるでしょう。ただ自分の“格闘技の旅路”のようなものにあるものは、どこでどんなものであれ、一生懸命やるだけ、受けていきたい。UFCで6年やって、若い頃はそこでキャリアを終えるものだと思っていたけれど、Bellatorに移籍し、そこでチャンスを掴んだ。

 そうしてRIZINに出場する機会もあったので、どんな機会があるか分かりませんが、格闘技の旅として自分を連れ出してくれるなら、どこにでも行きたいと思っています。結局のところ、自分は格闘家だから。これからも前進していくし、最高な選手のひとりとなれるよう、努力をし続けます」

──日本で行きたいところや食べたいものは?

「たくさん食べて、たくさんビールを飲みたい。全部だな、ずっと妻がハンバーガーやラーメン食べてるのも見てたし全部ですね、日本の食を探求したいと思います」

──ミルウォーキー出身ですが、東京のビールにも期待していますか。

「100パーセントです。楽しみにしています。7日間ホテルに缶詰だったので、東京のナイトライフを全部楽しみたいです」

──ヱビスビールを楽しんでください。

「おすすめですね? もう1回教えてください」

──ヱビスビールがおすすめです。

「分かりました」

──最後に、yogiboの座り心地はいかがですか。

「非常に素晴らしいです。控室でも横になったのですが、眠りそうになりました。家に持ち帰りたいくらいです」

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