女子-220クラス決勝戦。延長戦判定の瞬間。大倉は天を仰いだ(C)全日本空道連盟
2024年5月26日(日)愛知・名古屋市の愛知県武道館にて一般社団法人全日本空道連盟主催『2024北斗旗全日本空道体力別選手権大会』が開催された。
昨年2023年は5月13~14日に4年に一度の世界選手権が開催されたことに伴い同大会が実施されなかったため、2年ぶりに各階級の日本一が決まる大会となった。最重量級270+クラスの岩﨑大河、-250クラスの小野寺稜太ら世界選手権優勝者が出場していないことにより、U19(高校生部門)から昇格したばかりの選手たちの台頭あり、MMAやキックボクシング、そして極真空手で実績を誇る選手たちの優勝ありの大混戦となった。
▼女子-220クラス決勝戦
〇小野寺玲奈(大道塾帯広支部)
[延長 旗判定5-0]※本戦、小野寺が右ストレートで効果(1ポイント)を1回獲得
×大倉 萌 (大道塾吉祥寺支部)
高校卒業後直後に挑んだ昨年の世界選手権、決勝で大倉萌を下して優勝を遂げた後、大学受験に専念し、稽古を再開したのは2か月ほど前という小野寺玲奈が決勝へ勝ち上がり、再び大倉と対戦。
掴んでの頭突きや、回し崩しからのハイキックなど、空道ならではのストリートファイト的技術を駆使し、延長戦旗判定5-0で勝利を遂げた。
【写真】片襟片袖を掴んでサイドに回り込んだ位置から頭突きをカマす小野寺
「自然が大好きで、野生動物について学びたかった」と北海道の畜産大学に進学し、今後は、キタキツネやヒグマなどと人間の共存について研究するというた小野寺。空道に関しても「前回世界選手権ではロシアやウクライナの選手と闘うことはできなかったから、次回大会で勝って優勝したって言えると思うので、対策を立てていきたい」と志は高い。
一方、打撃から寝技までフォトジェニックな技術を誇り、女子空道の至宝とも称される大倉は「チャレンジ精神がなくなったら終わり。そのあたりを自分で見極めなくちゃ…と思っている」と8歳下の後輩に連敗した心情を吐露する。プロキックボクサーとしても戦績を重ねた大倉だが、空道では、最軽量階級で闘うにしてもキックでの適正階級でのリミットより14kg増量せねばリミットに達しない。大企業に勤務する社会人となって5年を経て責任の重い業務も増え、今後進むべき道に関して、難しさに直面しているようだ。