2024年5月26日(日)東京・後楽園ホール『Krush.161』の対戦カード発表記者会見が、4月17日(水)都内にて行われた。
ジョーダン・ピケオーの返上で1年間空位となっていた「第5代Krushスーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」が4選手参加で今大会より開幕。決勝は8月大会となる。
準決勝は森田奈男樹(エイワスポーツジム)vs.小田尋久(TEAM3K)、藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs.璃久(HIGHSPEED GYM)の組み合わせとなった。
森田はフルコンタクト空手出身で第4回JFKO全日本選手権軽重量級優勝など数々の実績を持つ。2021年6月のKrushでプロデビューすると5連勝4連続KO勝ちをマークしたが、2022年4月にK-1初出場でジョムトーンにKO負けで初黒星。2023年3月、ベテランの山崎陽一に判定勝ちして再起したのもつかの間、7月に璃久にKO負けを喫した。12月にアリヤン・モハマディを左フックでKOして再起を飾っている。戦績は6勝(4KO)2敗。
新極真会出身の空手家である小田は2021年11月に『DEEP☆KICK』でプロデビュー。2023年2月の『Krush』から参戦して5戦5勝(3KO)とプロ無敗の快進撃を続けていたが、2023年11月、フランス遠征でのWAKO K-1ルール世界ミドル級(-75kg)タイトルマッチで初黒星。2024年2月にはKNOCK OUTに乗り込み中島弘貴に延長戦で判定勝ち。ハイ・ミドル・ロー、後ろ廻し蹴り、胴廻し回転蹴りと空手家らしく蹴り技を多用するスタイル。戦績は6勝(3KO)1敗。
藤村は2015年8月にKrushでK-1グループデビュー。2019年3月の神保克哉戦後、K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに移籍した。2020年3月に小鉄から勝利したものの、8月にMIKE JOE、11月に城戸康裕と対戦して連敗。2022年10月に夜叉猿から勝利を収め、2023年6月のビッグバンにて同団体のスーパーウェルター級王座を奪取した。戦績は15勝(7KO)10敗1分。
璃久は2019年4月に『S-BATTLE』でプロデビュー。2戦目からはシュートボクシングを主戦場とし、4勝1敗の戦績を残す。『NO KICK NO LIFE』や『HOOST CUP』、『NJKF』などに出場し、2023年7月にKrush初参戦を果たすと森田奈男樹を3RでKOしてインパクトを残した。続けて12月のK-1ではアビラル・ヒマラヤン・チーターからダウンを奪って殊勲の勝利。2024年3月のK-1 WORLD MAX -70kg世界最強決定トーナメントに抜擢されたが、デング・シルバにTKO負けを喫した。アグレッシブかつ攻撃力の強さを発揮している。戦績は9勝(5KO)3敗1分。
Krushスーパー・ウェルター級王座は2011年に初代王座決定トーナメントが行われ、健太が初代王座に就き、第2代が城戸康裕、第3代が中島弘貴、第4代がピケオーと錚々たる面々がベルトを巻いてきた。
宮田充Krushプロデューサーは「70kgは海外からもオファーが多い。K-1グループとしてこれだという選手を育成していく必要があるということで企画した」と、優勝して王者になった選手には世界での活躍の舞台を与えたいという。また、小田か璃久の関西在住選手が王者になった場合は、10月のK-1大阪大会に出場枠を用意したいとも。
また、初防衛戦について「城戸くんとか引っ張り上げて新王者とやっても面白いと思います。ピケオーが挑戦者でもう1回上がってきても面白い。MAXのトーナメントで優勝できなかった選手が挑戦者になっても面白い」と、新王者には様々な可能性があるとも話した。
小田は「自分が一番若くて今ノリにノっている選手だと思うので優勝してベルトを巻きたい」、森田は「Krushに3年前に初参戦させていただいてから、ずっと狙っていたベルトなので待ち望んでいました。ベルトに対する想いが強いのでここでしっかり勝って王者になりたいと思います」と意気込み。
璃久はK-1 WORLD MAXで1回戦敗退したことを「すいませんでした」と詫び、「ジョーカーになることは出来なかったんですけれど、日本人もみんな負けちゃって、あそこで僕が勝っていたらほんまにジョーカーやったんだけれど、上手いこといかんと思いました。レフェリーが早く止めてくれたのでこのベルトにつながったので、ここはしっかり勝って僕がこのベルトを巻くので応援お願いします」と挨拶。
Bigbang王者でもある藤村は「K-1グループさんに参戦してから9年くらいになって、ベルト絡みの試合は初めて。遠回りしたけれどやっと来たチャンス、絶対に落とせない意気込みでやっています」と、二冠王を目指すとした。
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<質疑応答>
――準決勝の対戦相手の印象は?
小田「森田選手は強いと思いますが勝っている相手がそこまで強くないと思っています。僕はマッスルなので筋肉とパワーとフィジカルで全然勝って行けると思います」
森田「小田選手は試合を何度か見ましたが戦い方が空手って感じなので、空手なら自分の方が実績も経験も残しているのでその良さを出して勝ちたい」
璃久「イケオジ。イケメンおじさんって感じで、めちゃ背が高くて顔が欲しいなって。勝ったら交換して欲しい。だから顏を傷つけへんように倒そうかなと思っています」
藤村「試合は見させていただきました。アグレッシブで若々しい。璃久選手にイケオジって言われておじさんって年になってしまいましたが、若さと言うとことろではKRESTは若い選手が多いですし、その中で揉まれて若いエネルギーをもらいながら練習しています」
――決勝で対戦したい相手、または上がってくると思う相手は?
小田「戦いたい相手はどっちとも対戦してないので、どっちでも大丈夫だしどっちともやりたい。どっちが上がって来るかはわからんす」
森田「どっちが上がるか分からないですが、リベンジしたい意味で璃久選手。藤村選手が上がってきても1回KOしてるけれど油断できない、次も勝てるわけではないので油断せずに勝ちたい」
璃久「どっちも上がってこんといて欲しいですね。嫌なんで。森田選手に勝ったのなんて人生の奇跡1を使ったので。森田選手に上がってこられても困るし、小田くんも怖い。2人とも空手マンですよ。どっちも怪我してください」
藤村「僕は森田選手に負けているので、そのリベンジ。それは返したい」
――もしベルトを獲ったらどんな王者になりたい?
小田「ベルトを獲ったらKrushの代表としてK-1に挑んで、K-1代表として世界に挑んで、最後は上を目指して70kgの頂点に行けるのが目標です」
森田「まずは自分の目標としてこのベルトしか見てなかったので、次のことは獲ってから考えたい」
璃久「リベンジとかそういうのは受け付けてないので、やめといてもらっていいですか。K-1でほんまに負けてからけっこうショックで。まだやれるのに切られて負けたので。このベルトを獲ってシルバ選手ともう1回やりたいなと思って。あれからブラジルの人を見たら傷がうずくんですよ。それくらい嫌になっているので。とりあえずこのベルト巻いて、このベルトのおかげでシルバにリベンジ出来るように。リベンジ出来ればいですね。ピケオーともやりたいし。前のトーナメント出場もピケオーのおかげ(ピケオーが欠場したため)で出れたので縁があるなと思っているので、シルバにリベンジしてピケオーともやってハッピーエンドで終わりたいです」
藤村「70kgはK-1で外国の錚々たる選手を見たけれど、そういった選手にも負けない日本人として今まで錚々たる先輩選手方が王者になっているので、そういう選手と肩を並べる選手として肩を並べたいです」
――他の3選手にこれだけは負けないと思うものは?
小田「マッスルです」
森田「蹴りのバリエーションです」
璃久「小田くんおもろいですね。今のは負けました」
藤村「経験と身長です」
――小田選手はマッスルに自信があるとのことだが、ウェイトはどれくらい上げる?
小田「言わないです。凄いっすよ」
――森田選手もフルコン空手なのでウェイトは相当上げるのでは?
森田「自分の最高はベンチプレスで130kg、スクワットで300kgを上げました」
――今の数字を聞いてどう思った?
小田「なかなかマッスルだと思います」
――璃久選手はK-1 WORLD MAX出場を経てどんなことを学んだ?
璃久「いや、ないでしょ。切られてビックリしました。血が出て。最悪やと思って。傷がついただけです」
――藤村選手はBigbangのベルトを獲って自分が変わったところは?
藤村「ベルトを獲って責任感とか、練習との向き合い方とかが人段階上がりました。キャリアは9年ですが、そもそも格闘技w始めたのは20からなので、キャリアは他の選手とそんなに変わらないです。あと、先ほどマッスルトークがありましたが、ぼくのキャッチフレーズがマッスルハードパンチャーなので変えて欲しいです」
――森田選手は無敗の快進撃から連敗を味わった。それはどのように消化している?
森田「ジョムトーン選手とは経験値、キャリアの差。その後に敗れた璃久選手には自分の油断もあったのか、心の隙もあったので、今回はしっかり仕上げて行きます」
――このトーナメントで王者になる選手は、どんな戦い方をする選手がふさわしいと思う?
小田「それは自分の全力、実力を出すだけかなと思います。それで勝って行くことでどんどんKrushという団体の注目度も上がって行くと思うし、自分の全力を出すのが一番です」
森田「K-1が世界で、Krushでも世界の外国人と戦えるような選手が王者になるべきだと思います」
璃久「マッスルです」
藤村「70kgの階級は一番KO率が高いと思っています。70kgはパワーもスピードもバランスが優れている階級なので、KOでしっかり見せていきたいと思っています」
――璃久選手がMAXのトーナメントに出たことをどういう気持ちで見ていた?
小田「まあ、いいなあと思いました。僕も出たかったと思いました。なんなら僕やったら勝てたかなと思います」
森田「自分は璃久選手に1回負けているので枠を手に入れられなかったと思っているので、リベンジしてそういう機会がまたあれば自分がものにしたいと思います」
藤村「アグレッシブに攻めて行く選手なの、外国人に対してどういう戦い方をするんだろうってワクワクした目で見ていました」
――今回はワンデーではないが、トーナメントを制するには気持ち以外で何が必要?
小田「マッスルです」
森田「ワンデーではないので普段通りですね。普段の気持ちで挑んでいって勝ち上がりたい」
璃久「気持ち以外なら技術なんかないし、なんならこの3人の中で技術一番ないし、気持ちしかないけれど…気持ち意外ならハートっすね」
藤村「気持ち以外に必要なものはフィジカル、パワー、スピードですが、1周回って結局気持ちになりますね」
――最後にファンへメッセージを。
小田「5月26日はしっかり準決勝で森田選手に勝って、僕のスーパーマッスルをお届けします」
森田「この準決勝の試合に勝って決勝トーナメントに進みます」
璃久「5月・8月は一番練習したヤツが勝つので。僕が間違いなく一番練習するし、ベルトを獲るので期待して待っといてください」
藤村「僕らしい戦い方、Krushらしい戦い方で、KOをしっかり目指したいと思います」