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2024年3月23日(土)神戸ワールド記念ホールにて開催される『RIZIN LANDMARK 9 in KOBE』の個別インタビューが21日、大阪にて行われた。
RIZINバンタム級(5分3R)で戦う井上直樹(Kill Cliff FC)と佐藤将光(坂口道場一族/FightBase都立大)の試合は、同級の次期挑戦者決定戦的な意味合いを持つ試合。
井上は2023年5月、フアン・アーチュレッタに判定で敗れたものの、MMAの全局面で渡り合い好勝負を展開。
対する佐藤は、修斗王者、ONE参戦を経て2023年10月にRIZINに初参戦すると、太田忍に判定勝利している。
佐藤将光「あの動きしたら失速するよな、というところはある」
──試合を2日後に控えた現在の心境を教えてください。
「うん、まあいよいよ来たかなっていう感じですね。今回やっぱり試合が決まるの早くて、ずっと長いこと準備してきたんで、いよいよだなっていう感覚が、プロモーションとかも含めてこう煮詰まってきた感じがあります」
──その「いよいよ」というのは、試合自体に対してのものか、それとも井上選手との戦いに対してということが大きいでしょうか。
「まあ2つとも同じ認識で捉えています。次の試合・井上戦に向けてですね」
──その井上直樹選手の印象は?
「トータルファイターで穴が無いっていうのと、やっぱりフットワークが速いっていうところが一番かな」
──公開練習で井上選手の実際の動きなどを見て、何か感じたものもありましたか。
「フルで動いてないので、何とも言えないですけど、まあそんなにイメージとかけ離れたことは何もなかったかなっていう印象ですね」
──この試合に向けて特別に強化したり新たに取り入れたこともありますか。
「いや。今まで通り、練習は変わらず今まで通りで、試合に向けた対策とかは毎回やってるんで特に変わったことはしてないです」
──どんな試合展開になるイメージでしょうか。
「うん、まあ、今は言えないですよね(笑)、展開。どうでしょうね。まあトータルファイトできたらいいなっていうところはありますよね。全部をこう、見せたいっていうのは。やっぱり準備してきたものがちゃんと出せるようにできたらいいなって。なんかアクシデントだったり事故的なことで終わらないようにしっかり集中してやりたいと思います」
──「(自分を知っているかどうかで)ニワカか、ニワカじゃないかのセンターラインの佐藤将光です」と自称していました。そのラインを外れて認知度が向上していかがでしょうか。
「そうですね……やっぱりすごいRIZINファンに認知されたし、日本にすごいRIZINのファンが多くいることを街を歩いてても感じましたね。にわかじゃない人のハードルを下げちゃったなって思いましたね(笑)。明日勝ってもっとハードルを下げれたらいいですね」
──知名度はご自身にとってはプラスの面も?
「僕はあんまり広まりたくない。穏やかに暮らしたいんで。まあ嬉しいですけどね、やっぱり。街で声をかけられたり。ただちょっと気を抜けないし、なんか変なことできないから(笑)。静かに暮らしていたい、今まで通り。あんまりいいことはないですよね。なんか商品とか宣伝してる人だったらいいですけど、僕、別にそういうのやってないしそういう仕事を積極的に取りに行きたいタイプでもないので」
──ジム生が増えたりは?
「10月の試合が終わった月の体験はすごい多かったですけど、試合で知ってもらえて入るっていうのは、結構少ないかもしれないです。多少はあるのかなとは思いますけど」
──RIZIN公式サイトでは「超効率的な動きでじりじりと詰める。とにかく省エネスタイル」と紹介されていました。
「褒めてんだか、けなされてんだか分かんないですけど、うーん、まあ“省エネスタイル”って言われりゃ、そうなのかもしれないですね、はい。“効率がいい”って言ってもらって(笑)」
──「15分間」の戦いを意識しての効率なのでしょうか。
「いや普通に考えてやったらそういう動きになるっていうだけで、わざわざこう消耗しに行くような戦いはしないだけで、別に5の5(5分5R)を意識したとかではないですけど。まあ練習していくうちにやっぱ無駄な動きって無くなってくると思うんで、そういう意味でこう紹介されているのではと思います」
──足のタトゥーについて、何か意味があるのでしょうか。
「2年前くらいに中年の至りで入れたんですけど。彼岸花が入っていて、後ろにクロス(十字架)。“メメント・モリ”で死を忘れないで生きていく、死をテーマにすることで自我が芽生えた中学生くらいの頃に、子供はただ生きているけど、おじいちゃんとか身近な死で、ちゃんと生きようと、生きることについて自覚しました。今、自分が生きている意味というか、なんかそういうこと考えているかな、普段。(入れて変化は?)スーパー銭湯行けないとか、それくらいしか変化はとくに。気持ちも変わらないですね」
──10月の前戦・太田忍戦のあと判定について「30-27」だと言っていて、実際にはスプリット判定だったことへの感覚のずれを今回の試合に向けて意識することもありましたか。
「ルールミーティングあるので、どれくらい効かせたら差がつくのかは聞こうと思っています。やっぱりフィニッシュを狙いに行って、自然に判定がつく形だと思うのですけど、そこまでポイントを狙ってっていうのが──ゲームのなかで考えるのはあるけど、一番はフィニッシュを獲りにいく戦い方をします」
──「穴が無い」という井上選手の穴は見つけられましたか。
「穴は無いですよね。多少失速するとか、そういったところを結構言われているけれども、“あの動きしたら失速するよな”というところはあります。あれだけやりあうところでやりあって立ったり寝たりしたら、自分のほうがバテるんじゃないかなと。まあ、穴という穴は無い。コンディションを作ってこれるか、です。(井上は)怪我が多かったり、病気はどうにもならないけど100で来れるか。1週間前の練習を見る限りは調子良さそうだったので問題ないでしょう」
──手が合うかもしれないなかで、いかに上回ろうとしていますか。
「手が合って勝負できるのであれば、そこで勝負していこうと思っていますし、不利な状況が出るのであればチューニングしていくしかないと思っています」
──「死を思って生きる」という思いは、いまでも変わらないのでしょうか。
「常に。中学くらいで自我が芽生えたときから意識はしています」