この試合は五味隆典は五味隆典のままでいられるか(五味)
――チームとしてやるからには相手チームに全勝する気持ちがある?
鈴木「なかったら格闘技やってないですよ」
五味「何を言っとるんだ、当たり前でしょ」
山口「チームが勝つような、やる気の出るボーナスも考えています。もちろん大将戦のKOボーナスも考えています。1000万。それくらいお互いリスクがあると思っているし、それくらい価値がある対決だと思っているので。お互いKOを身上としてきた男たちなのでそれくらい稼いで欲しいと思っています」
――それを受けてどう思う?
鈴木「もちろん獲るべき。やるからには絶対KOですね」
五味「ありがたいお話しです。お金じゃない部分もあるんですけれど。俺のいろいろなものを継承した後、五味隆典を丸々獲られてしまうと…去年は乗り移ったかのように、俺もサポートしていましたけれど、継承したって言うんだったらそれを肌で感じてみたい。ただ、譲りたくはないんですよ。簡単にはだし、五味隆典は一人だけと俺は思っているので。そういうレジェンドの意地はあります。それよりこの試合は俺自身でいられるか。五味隆典は五味隆典のままでいられるか。金原選手も20年前の格闘技ブームの中にいた2人なので、意地というか。まだ金原さんも俺も鈴木千裕を認めたくないの。俺たちの時代はそんなもんじゃないよって思っていますね。だからこそ向き合えるんですよ。全然怖くない。お金はついて来ればいいかなって感じです」
五味「ボクシングが好きなので5Rをやってみたい気持ちもありますし、減量していきながら自分の体力とか受け入れないといけない部分もあるし。RIZINの場合は何も準備期間がない中でやった部分もあるので参考にはならないです。あとは千裕の次のタイトルマッチを見て考えようと思います(笑)。様子を見ながら。フルタイム行った時はどういう打撃になるのかなとか、そういうことをチェックしてそれで決めようと思っています」
――決着はどうでしょう?
鈴木「KO以外にないっすよ」
五味「ノックアウト。どっちかがそうなるしかないですね。KOボーナスがとんでもない額が出るらしいのでそれを狙いに行くしかない」
五味「膝のこともありますし、俺の中でMMAっていうのはUFCで区切りがついているんですよ。と思っていますし、現実的なところで。例えば重量級で減量が出来ない状態でMMAをやろうとは思わないんですよ。なぜかと言うとちゃんとした階級でタイトルも獲ったし。ボクシングがラクってわけじゃないですよ。MMAはレスリングやって打撃やって寝技やってってそれは45歳がやることではないので。ただ走ってバッグを打って安全が保てる範囲でスパーリングをやって。ボクシングっていうのは凄くシンプルで激しいスポーツなので、そういうのにチャレンジしたいんですよ。グラップリングは2月にサンボの大会にチャレンジしたので、そういった形で格闘技の現役として続けていくことを考えています。大体さ、今のMMAのトップの選手が俺に勝って嬉しいかっていうのもあるじゃん。MMAっていうのは全部の体力を使うものだから。ただ、俺はMMAで倒してきたんだから、今の子たちにもパンチじゃ負けないって想いはあるんですよ」
鈴木「僕もずっとキックボクシングとMMAで倒してきたので、僕の一番の武器はパンチなので矛盾が生まれるんですよね。どっちが本当に強いのかっていうのを証明したいので過去一仕上げて戦います」
――鈴木選手はRIZINで防衛戦が控えているが、この試合が決まったからには五味選手のところへ練習には行かない?
五味「ダメだよ」
鈴木「戦いはもう始まっているんですよ」
五味「その辺は千裕に任せる。去年までは出来る限りやったし、もちろん千裕自身自分で出来る選手なので。俺はここ数年、トップ選手のトレーニングを見ていて自分がやりたいと思ったんですよね。こんなにトレーニングするなら俺がリングに上がって俺が稼ぎたいなとずっと思っていた。そうやって選手から刺激を受けていたから。この階級のトップとかじゃなく、ひとつの団体の中で一番盛り上げるヤツと向き合えるってことで楽しみですね」