GUMPが地元期待の愛翔に勝利、3連勝を飾った(C)BOUT
ノースエリア格闘技イベント BOUT49
2024年3月3日(日)北海道・札幌コンカリーニョ
▼BOUTキックボクシングルール 60kg契約 3分3R
×愛翔(Kickboxing Academy Sapporo)
判定0-3
〇GUMP(TEAM TEPPEN)
1月14日の『RISE 175』では藤橋光のローブローを受けノーコンテストとなった愛翔が地元札幌で再起戦を迎えた。対戦相手はGUMP。TEAM TEPPENに移籍以来、2連勝中の21歳だ。GUMPというリングネームは那須川会長が名付けてくれたという。「僕は友達も少なくて、ひとりでひたすら走っていたんですよ。そこで会長から『GUMPみたい』と言われ、この名前になりました」(GUMP)。那須川会長の影響を受け、入場曲は矢沢永吉の「切り札を探せ」だった。
愛翔が入場すると、会場からはこの日一番といえる声援が飛ぶ。「サッポロ代表!」という声も飛んでいた。一方、GUMPの方にはDEEP☆KICKでラウンドガールも務める妹も含む家族が応援に来ており、リングサイド最前列から「GUMPも頑張れ」とゲキを飛ばす。TEAM TEPPEN那須川会長もチーフセコンドに就く必勝体制である。
1R、地元の大声援を背に愛翔は右ローから攻め込む。空振りに終わったが、後ろ回し蹴りも繰り出すなど、やる気は十分感じられた。しかし、その直後GUMPは左右のボディフックをクリーンヒットさせ、一瞬ながらも愛翔の足を止める。少なからずダメージを負った愛翔は不敵な微笑を浮かべながら打ち合いに挑む。そうした中、GUMPは冷静に右ローを打ち下ろし、さらに左ボディフックで愛翔の腰を落とす。チャンスと思っただろう。GUMPはさらに右のテンカオやローキックで追い打ちをかける。ボディフックも効果的だ。明らかにGUMPが優勢のラウンドだった。
2R、あとがない愛翔はGUMPのワンツーに対して左を返していく。それにGUMPもワンツーからのボディフック。手数で愛翔が攻勢に出たように見えたが、GUMPはワンツーからのロー、さらに左ボディフックで試合の流れを再び自分の方にたぐり寄せる。記者採点ではイーブンだが、やや愛翔が優勢なラウンドだったか。
続く3R、愛翔は右フックで攻めようとするが、振りが大きくダメージを与えるまでには至らない。対照的にGUMPは右ロー、右ハイ。セコンドの「出し切れ」というゲキを背に、ヒザやローでさらに削っていく。そうした中、GUMPが繰り出した右ハイが愛翔の頭上をかすめる場面も。終盤、愛翔はワンツーで必死に追い上げるが、時すでに遅し。GUMP優勢のまま、試合終了のゴングが鳴り響いた。
判定は3-0でGUMP。試合後、マイクを握ったGUMPは「はじめまして。BOUTに初参戦させていただいたGUMPです。愛翔選手は強かった。受けてくれてありがとうございました」と挨拶。さらに「僕、アホなんであまり喋れないですけど、去年移籍してから3連勝。今年はもっと有名になるので応援してください」と関西人らしいボケで締め括った。
■試合後のGUMPの談話
──作戦通り?
「そうですね。相手が誰であろうと、やることは決まっていた」
──顔面を狙うフリをしてローを打ったりしたのも作戦?
「そうですね。自分がやれることをやっていこうという中でできた攻撃だったと思います。今まではどちらに転んでもおかしくないような試合内容が多かった。でもTEPPENに移籍してから、1Rから明確に行くということを学ばせてもらった。そこは良かったと思います」
──2Rは盛り返されました。
「そこは愛翔選手の気持ちが強かったという感じですね」
──3Rは打ち合いの中、GUMP選手優勢という印象で終わったラウンドだったかと。
「そこは今までの課題だった最後は技術だけではなく気持ちの問題も出てくると思う。そこで絶対勝ちに行った。やられたら意地でもやり返すということを徹底してやり続けたら、3Rも闘い抜けた」
──試合後は倒せなかったことで悔しがる素振りも見せました。
「勝ちは勝ちなんですけど、僕の課題としてなかなかKOできない。前回KOできて、そのコツを掴めたかなと思ったけど、ここにきてまた判定になってしまった」
──今年の目標を教えてください。
「会長からもらった言葉なんですけど、自分自身との闘い。己との闘いをしていきたいと思います」